Fallout archive   作:Rockjaw

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邪悪な輩と蔑んだ奴らの思考の外に出る


Operation: Sperm Whale Opera Part1

「では『ジェネラル』、奴らが攻勢に移る可能性は非常に低い…と判断していいのだな?」

 

「はっ。おそらくW.G.T.C.はそれを悟られないよう講和交渉を行ったのだと推測できます。」

 

時刻は23:30、深夜のカイザーコーポレーションの社長室にてプレジデントと軍服姿のオートマタがこの戦争について話し合っていた。

 

『ジェネラル』、カイザーPMCの幹部にして実働部隊における高位指揮官だ。

 

代表取締役たる理事はすでにネイトたちの手に落ち実質的にジェネラルがカイザーPMCのトップとなっている。

 

理事と比べるとより『現場』を知っている人材と言える。

 

そんなジェネラルはアビドス側から仕掛けてくることはないと断言するがこれには確証を持っていた。

 

「理由はW.G.T.C.の装備とアビドスの資材備蓄状況です。」

 

「奴らの装備だと…?」

 

「確かに初戦では奴らの戦車に我々は手も足も出ませんでしたが…こちらをお聞きください。」

 

そう言い、ジェネラルはレコーダーを取り出し再生する。

 

「これは現地に中継に向かったクロノスの報道映像から当該音声以外を排除したものです。」

 

レコーダーからは何やら甲高い音が流れていた。

 

「この音は?」

 

「奴らの戦車のエンジン音です。これはディーゼルエンジンでもガソリンエンジンでもなく『ガスタービンエンジン』のものです。」

 

「『ガスタービン』…つまり他のエンジンと比べて燃費がかなり悪いということか…!」

 

「あれほどの大型戦車です。燃費は最早燃料を零しながら走ってるも同義なほど悪いでしょう。」

 

ガスタービンエンジンは『小型高出力』や『信頼性』や『加速性』に『登坂能力』など優れた点もあるが燃費が悪すぎるという大きな欠点を抱えている。

 

これが現実でもM1エイブラムスを大々的に運用できているのが補給システムが高度に構築され物資も豊富なアメリカだけという要因である。

 

さらにそここそがジェネラルがアビドスが攻勢に移れないもう一つの原因と推測している。

 

「そんな戦車を大々的に運用するには燃料の大量の備蓄などが必要不可欠です。しかし、そのような施設は確認されておらず民間のガソリンスタンドから徴用しても…。」

 

「防衛ならまだしも燃料を大量に使うような攻勢作戦を行うのは困難…と。」

 

「もし攻勢に転じたとしてもすぐに攻勢限界に到達するでしょう。」

 

アビドスの学区のことは逐一カイザーにも伝わってきていた。

 

そのような施設がアビドス高校施設内に建造されれば気付かないわけがない。

 

つまり、戦略物資が心もとないアビドスには『瞬発力』はあっても『持久力』はない。

 

「そして何より物理的距離が奴らの障害になります。アビドスとここD.U.の間には広大なゲヘナとトリニティの学区が横たわっています。その地点を緩衝地帯にすれば…。」

 

「我々の重要拠点を制圧するまでの時間稼ぎもでき奴らにさらなる物資の浪費を強要させることができるというわけだな。」

 

地理的にもアビドスが攻め込むには障害が多すぎる。

 

さらに今のW.G.T.C.はカイザーの喧伝で四面楚歌状態。

 

今のところ支援しようという企業はなく、

 

「ミレニアムの介入が予想されますがあそこの軍事力は他の三大校と比べ小規模。物資支援も関係機関の折り合いもあるので難しいでしょう。」

 

業務提携しているミレニアムも支援する可能性はあるがそれも大々的な可能性は低い。

 

つまり、アビドスが新たに物資を調達する手段も非常に限られているのだ。

 

例え、今後の戦闘で何度か敗れようとW.G.T.C.はいつか必ず息切れを起こすことは必至。

 

「以上のことから、アビドス側からの攻勢作戦の可能性は低く我が方は持久戦に持ち込めば勝機は十分あり、と判断しました。アビドスとの兵力差も10倍以上、いくらでも時間を稼げます。」

 

ジェネラルの見解を聞き…

 

「だからあの若造は投入戦力を派手に蹴散らしこちらに『勝ち目がない』ことを印象付けたかったのか…!」

 

昼間の戦闘の様子を思い出しほくそ笑んだプレジデント。

 

確かにアビドスの強さは圧倒的だったが…アレは虚勢も同然の強さ。

 

だから、あんな早いタイミングでこちらに講和を申し込んできたのだろう。

 

「フンッ、わが社を焦らせただけあってなんとも強かだが…タネが分かれば可愛いものだな。」

 

「もし決着を焦って攻勢に出ればそれこそ我が方に有利に働きます。燃料切れの戦車など所詮は鉄の箱、脅威でも何でもありませんから。」

 

「ほぉ、それは愉快だ。あの若造がいつまで耐えきれるか見ものだな。」

 

「そして、たとえ防衛に徹しても戦争が長引けば長引くほどアビドスの住人の不満は高まり…いずれ自壊するでしょう。」

 

ネイトの狙いとアビドスの化けの皮の予想が建てられ上機嫌になるプレジデント。

 

状況は一見して戦況はカイザー不利だが…実際はその逆でアビドスにとっては『時間』こそ最大の敵なのだ。

 

対して、こちらはじっくり腰を据えて戦い続ければほぼ勝ちは決まったようなものである。

 

「いやはや初戦の大敗を聞き一時はどうなるかと思ったが…君の話を聞き安心したぞ。」

 

「ご心労を和らげることができ幸いです。」

 

「やはりあのでくの坊より現場を知る君のような人材に指揮をとらせるべきだったな。」

 

そう言い、プレジデントはデスクの引き出しを開け見ただけで高級と分かるボトルを取り出す。

 

「前祝だ。君も一杯やるか?」

 

「よ、よろしいので…?!」

 

「今は気分がいい、遠慮せず飲め。」

 

「光栄であります…!」

 

そうしてグラスに自分とジェネラルの分を注ぎ、

 

「では、わが社の栄光の勝利と…。」

 

「偉大なるプレジデントの導きに。」

 

『乾杯。』

 

互いに杯を掲げ酒を飲もうとした…その時だった。

 

「しっ失礼します、プレジデント!!!」

 

慌ただしく社長室のドアを開けてきたのはエントランスで控えていた秘書だ。

 

「なんだ?今は祝いの席だぞ、あとにしろ。」

 

「もっ申し訳ありません!ですが緊急の報告がたった今入りまして!」

 

「…分かったから言いたまえ。」

 

いやいやながらグラスを置き秘書の報告を聞くと…

 

「たった今、W.G.T.C.が我が方に攻撃を行ったという報告が入りました!」

 

「…ほぅ、まさかこんなに早く我慢の限界が来るとは…!」

 

邪魔されたときのうっとおしそうな態度はどこへやら一気にご機嫌になった。

 

「やりましたね、プレジデント。自ら食われに来てくれましたよ。」

 

「やはりまだ青い若造だな。自分が置かれている状況すら理解できていないとは…。ジェネラル、戦争の基本を教育してやれ。」

 

「あっあの…!」

 

「兵はいかほど派遣しますか?」

 

「勝つ必要はない、時間稼ぎ程度なら1個大隊程を編成し差し向ければいいだろう。」

 

「あの…!」

 

「承知しました。その程度なら本部基地の要員を用い2時間ほどで出撃可能です。」

 

「よろしい。采配は君に一任しよう。」

 

なんとも上機嫌に話を進めていくプレジデントとジェネラルだが…

 

「あのッ!報告にはまだ続きが!」

 

そんな二人の会話は秘書の叫び声で中断された。

 

「…まだ報告があるのか?一体何についてだ」

 

「あ、アビドスの攻撃地点についてです!」

 

「どうした?喜ばしい知らせだったから先ほどの無礼は見逃そう。いったい奴らはどこを攻撃したんだ?」

 

「アビドス…いえW.G.T.C.の攻撃地点は…!

 

D.U.郊外の『カイザーPMC本部基地』ですっ!!!!!」

 

『なっなんだとオオオッ!!!?』

 

秘書からの報告に先ほどまでの余裕は微塵も残すことなく吹き飛んだ。

――――――――――――――――

 

――――――――

 

―――

同時刻、D.U.郊外の『カイザーPMC本部基地』は…地獄が燃え盛っていた。

 

「逃げろッ逃げろおおおお!!!」

 

我先にと基地の外を目指し逃げ惑うカイザーPMCの兵士たち。

 

「撃てッ撃ちまくれッ!なんとしても奴を仕留めるんだ!!!」

 

中には即席で部隊を編成して雑多の火器で応戦する者も存在している。

 

元より1.5個師団を擁する一大拠点だ。

 

その人数も数個中隊規模以上という大規模なものだが…

 

「なんでっなんで銃が効かねぇんだよおおおおお!!!?」

 

ライフル、マシンガン、重機関銃の弾丸を山のように浴びせても…炎をバックに迫る『奴』の歩みは止まらない。

 

すると奴はその手に『ある物』を取り出した。

 

『105㎜砲弾』、カイザーPMCが運用している榴弾砲の砲弾頭だ。

 

右手に取ったそれを…無造作に攻撃を仕掛けてきている部隊目掛け投げつけた。

 

砲弾はコンクリートの地面に落下、信管が狂いなく作動し…

 

『ぎゃあああああああああ!!?』

 

数個小隊規模の人員が一撃で吹き飛ばされた。

 

それも一発ではない。

 

まるでキャッチボールでもするかのような感覚で何発も砲弾は投擲されその一発一発が多数の兵士たちをスクラップにしていく。

 

さらには兵士たちが過ごす兵舎や業務を行う管理施設にも無造作に投げ込まれ建物ごと基地要員を叩き潰していく。

 

「せ、戦車や戦闘ヘリはどうした!?」

 

まだ残っている建物に隠れ応援を呼ぼうとするも…

 

「パイロットの詰め所が真っ先にやられた!!!機甲部隊の兵舎ももう吹き飛んでる!!!」

 

応援など来るはずもない事が告げられ絶望に染まる。

 

そこへ…ミニガンの発砲音が轟きその建物に向け炸裂弾の雨が降り注ぐ。

 

「こ、降げべぇッ!?」

 

「嫌だ、こんなとこでこんなふうに死ぬなんて嫌だあああああ!!!」

 

粉々になっていく仲間を見て恐怖で発狂する隊員。

 

しかし、炸裂弾は無情にもそんな悲鳴を飲み込み…ついにはその建物が倒壊し中にいた者たちはまとめて押しつぶされた。

 

そんな蹂躙劇が30分ほど続き…X-02の頭部モジュール『ターゲッティングHUD』が動く者を探知しなくなったところでネイトは攻撃を止めるのであった。

 

「…この光景はバトルオブアンカレッジぶりだな…。」

 

一部地帯が火の海になった基地を眺めてネイトは呟く。

 

米中戦争、そこでは戦前世界における人類史最後の『戦場神話』が誕生していた。

 

『T-51を訓練した兵士が纏えば基地一つ、街一つを容易に制圧できる』と。

 

両陣営の兵士たちの間で実しやかに囁かれていた小話のようなものだ。

 

世間一般は軍のプロパガンダとして片付けられていたが…実際のところは違う。

 

この神話は正確ではないが事実だった。

 

真相は…軍内部でも極少人数しかいない『1stウォーリアーズ』と呼ばれる熟練したパワーアーマー乗りが可能とした戦場の神話だった。

 

そのうちの一人の海兵隊員は退役後にハリウッドで俳優として一世を風靡した『クーパー・ハワード』。

 

そしてもう一人が…『アンカレッジの英雄』であるネイトだ。

 

攻め落とした中国軍基地は大小問わず数知れず、叩き潰した戦車の数は優に3桁を超える。

 

そんな異世界のはるか昔の戦場神話を…このキヴォトスで再現したのだ。

 

だが、アビドスからここまでは優に数百㎞は離れている。

 

そんな距離を10時間足らずでどうやって突破してきたか?

 

答えは簡単だ。

 

今から3時間ほど前、闇夜に染まったアビドス高校から…

 

「本部、こちら『一天号』。作戦開始地点へネイトさんの移送を開始します。」

 

《本部、了解。ネイトさん、どうか無理はしないでくださいね。》

 

「分かっているよ、先生。また留守にしてすまないな。」

 

《これが本来の作戦ですので御気遣いなく。》

 

その闇に紛れるように一天号が飛び上がり夜空を突き進んでいく。

 

そして…

 

「まもなくゲヘナとトリニティ間の遺跡地帯に進入、ここからは匍匐飛行に切り替えますのでしっかり捕まっていてください。」

 

ゲヘナとトリニティの対空レーダーを避けるために両学区の境界線にある遺跡が点在する地帯を超低空飛行で突破。

 

結果として、両校から探知された形跡はなく一天号は遺跡地帯を突破。

 

そこを抜けるとD.U.郊外は目の前だ。

 

「よし、この辺りでいい。下ろしてくれ。」

 

D.U.に進入後、今度はカイザーPMC本部基地のレーダーを回避するためかなり遠方に着陸。

 

「いいか。制圧後は俺が号令をかける。」

 

「それが発せられたら支援要員を連れて戻ってくればいいんですね。」

 

「そうだ。一発ド派手なのをかましてやるさ。」

 

パワーアーマーの準備をしつつこの後の打ち合わせをしていると…

 

「…ネイトさん。」

 

「ん?…って、アヤネ?」

 

何時も真面目で優等生なアヤネが珍しく大胆にネイトに抱き着き…

 

「気を付けてくださいね、ネイトさん…。幸運を…。」

 

また一人で戦場に飛び込むネイトの無事を祈るように囁いた。

 

「…ありがとう。約束する、必ずやり遂げて見せるさ。」

 

そんな少女の祈りをしっかりと受け止め任務の達成を誓うのだった。

 

こうして、アヤネと一天号と別れたネイトはX-02を纏い暗闇に紛れ進軍。

 

今回は普段のレッド塗装ではなく暗闇での活動のために『オニキス塗装』に塗り替えている。

 

大きく分けてパワーアーマーには2種類存在する。

 

一つはTー45やTー60に代表される着用者の視認性を犠牲に装甲と量産を重視した『部隊運用型』。

 

そして、T-51のような装甲を確保しつつ敏捷性と戦闘能力に特化した『個人運用型』だ。

 

X-02はT-51の流れを汲んだ『個人運用型』、しかも特殊作戦遂行用に設計が洗練された機体である。

 

まさに今回のような作戦遂行にはもってこいの逸品だ。

 

若干移動速度は低下したもののそれでも最速のパワーアーマーの看板に恥じることがない快速でネイトはカイザーPMC本部基地付近まで進出。

 

(やはり本部だけあって規模が昼間の基地とはケタ違いだな…。)

 

パワーアーマーを収納し基地の全容が見渡せる場所に潜み情報収集を進める。

 

(規模は…二個師団弱。戦車にパワーローダー、各種ヘリも相当数配備…。そして…あれは進軍用の集積物資か。)

 

昼間だけでかなりの損害を与えたはずだというのにまだこれだけの兵力を有しているだけでなく次の侵攻準備に取り掛かっているようだ。

 

(巡回の人数は…基地に見合った程度か。)

 

しかし、基地内部の警戒度は戦時中というのにかなり低い。

 

(まぁ無理もないか。戦線ははるか彼方、こんな大規模な基地に一人で攻め入ろうなんて馬鹿がいるなんて知るわけがないしな。)

 

かつて戦った中国軍の兵士たちの心情を何となく想起しネイトは行動を始める。

 

そう、こんな基地に一人で攻め入ろうなどと誰も思いつかない。

 

…だからこそ、やる価値があるのだ。

 

闇夜に紛れネイトは基地内に進入、まず向かったのは基地の航空管制塔である。

 

真夜中かつやはりまだ本格的な作戦までだいぶ時間があるようで通信量も配備されている人員も少ない。

 

素早くピッキングで内部に進入し管制塔内に上ると…

 

「Zzz…Zzz…。」

 

中には一体のオートマタがデスクで居眠りをしていた。

 

ネイトは音もなくそのオートマタに接近し、

 

「ぐぅ…。」

 

「永遠に夢の中にいろ。」

 

ディサイプルズナイフでオートマタを排除、寝息とも判別がつかない声しかあげさせなかった。

 

Perk『Mister Sandman』、相手が寝静まっていた際に周囲に気付かれることなく一撃で仕留めることができるようになる効果がある。

 

他にもサプレッサーが装着された銃のステルスダメージが増加するなどの効果がある。

 

ネイトの重火器の大半にサプレッサーが装着されているのはこういった理由もある。

 

ともかくこれで敵の通信網を一時的に無力化できた。

 

そして、管制塔を抜け出した後巡回に見つからない様に向かったのは物資の集積所だ。

 

(せっかく用意してあるんだ。使わせてもらうとしよう。)

 

さすがは一大PMC、物資の質も量もかなりのものだ。

 

そこでネイトは今後の作戦に備え爆薬や105㎜砲弾の弾頭を拝借。

 

そして…

 

(悪いな、空を飛ぶ仕事のアンタたちはここで仕留めさせてもらう。)

 

理事からの情報ですでに各種兵舎の場所は判明している。

 

ここで入手した爆薬は主にパイロットや機甲部隊の兵舎に重点的に仕掛けていく。

 

当然、巡回だけでなくドローンの監視もあるがネイトはそれらをすべて潜り抜けた。

 

Perk『Sneak』に『Ace Operator』という隠密Perkとネイトの経験がなせる業だ。

 

そしてすべての準備が完了し、

 

「さぁカイザー…アンカレッジ流を見せてやる。」

 

起爆装置を二度押し込み…盛大な爆炎を打ち上げるのであった。

 

場面は40分ほど進み…午前0時。

 

徹底的に周囲を捜索し伏兵の有無、逃亡した兵士の動向を確認し終え…

 

「周波数は…これだな。」

 

ネイトの姿は真っ先に制圧した管制塔にあった。

 

そして、管制塔にある設備を何やら調べ周り…

 

「…もしもし。こんな時間まですまないな。」

 

ある場所に連絡を取り…

 

「…あぁ、そうだ。やってくれ。なに、どうせそんなの気にしてられない位あっちは大騒ぎさ。」

 

何かを行うよう通達した直後、設備の中の無線機がうなりを上げ始めた。

 

「協力感謝する。…あとそれから…モモイに『よく頑張ったな』、と伝えてくれ。」

 

スマホを切って無線機を操作し全周波数帯、つまりすべての無線にこの通信が届く様にし…

 

――――――――――――

その日…キヴォトス中にその声が木霊した。

 

《こちら、W.G.T.C.総指揮官のネイトだっ!!!》

 

「こっこの無線は!?」

 

「ナギサ様、すべての無線機に同様の通信が!!!」

 

それはトリニティでも…

 

《この声が聞こえる全ての者達に告ぐっ!!!》

 

「議長、全周波数帯通信です!!!」

 

「キャヒャヒャヒャヒャッ!いいぞっ、いいぞッネイト社長!!!」

 

ゲヘナでも…

 

《我々、アビドス高等学校並びにW.G.T.C.はキヴォトスの構造を変える戦いに入ったッ!!!》

 

「さぁ、いよいよ『開演』ね…!」

 

「これが…キヴォトスの新たな歴史に…!」

 

ミレニアムでも…

 

《俺は信じている!!!この戦争が地獄への扉を開くのではなく、アビドス復活の栄光への階段を踏みしめていることをっ!!!》

 

「早くッ早くこの無線を切りなさい!!!」

 

「ダメです、電波ジャックされていて通信が切れません!!!」

 

連邦生徒会でも…いや、キヴォトス中のありとあらゆる学校の者たちの耳に轟く。

 

そして…

 

《アビドス生徒諸君!!!君たちの行いはアビドスの将来を変えるものになるだろう!!!》

 

自分たちの存在を知らしめんとネイトの号令に熱がこもる。

 

《高らかに意思と誇りを持ち戦友とともにつき進めッ!!!アビドス復活の鬨の声をキヴォトス中に轟かせよ!!!》

 

その言葉は聞こえているすべてのアビドスの心を昂らせる。

 

《総指揮官、ネイトの名のもとに現時刻をもって『Operation“ Sperm Whale Operaマッコウクジラのオペラ”』を発令する!!》

 

そして…とうとう始まるのだ。

 

《すでにアビドスの陽は西より昇った!!!我々の勝利の暁はもうすぐそこだっ!!!そして、その光でアビドスの未来を照らすっ!!!》

 

真の意味での『アビドス独立戦争』が。

 

《そして誓おう!!!俺は常に諸子の先頭にある!!!》

 

もはや、そこにいたのはクラーケンの餌になる子魚の群れではない。

 

《『キヴォトス打通部隊』、進軍を開始せよッ!!!》

 

クラーケンを食らう…巨鯨の群れが今解き放たれた。




一種の若気の至りだと嘗めてた奴らに恥かかす
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