イナズマイレブン 〜聖火〜   作:半田。

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新作出ないー!と書き始めて数年。公式に半分負けました。
初めまして。「半田。」と書いて「はんだくてん」と読みます。つまり俺はパンダ?
軽い気持ちで見てやってくだせえ。
新作ストーリーが良さそうなので、全部が出る前に妄想してたこと出しとこうと思って…。


第1話 サッカーやろうぜ!3!

 

 

 

小さい頃からサッカーは好きだった。教えて貰って、画面に映る必殺技を一緒に真似たりして。

ボールを蹴るのは、楽しかった。上手くなった自分を想像すれば、練習も嫌じゃない。

ただ、その程度。辞めるのは、逃げた気がして嫌だったから。弱いままは嫌だから強くなる。それしか、なかった。

 

その日(・・・)までは。

その日、その光景は、アタシの心に、一生消えることのない火を灯した。

 

 

「マジっすか!?」

 

日頃から(うるさ)いと評判の、良く通る声がグラウンドに響く。彼女の名前は燎莉聖火(かがりせいか)。燃えるような赤い髪を高い位置で纏めた、大きめのポニーテールが目を引く少女だ。現在はサッカー部の練習、その休憩時間。顧問の教師は相変わらずの彼女の大きな声に苦笑いだ。

 

「マジよ。向こうの監督には感謝ね」

「うおーありがてー!」「すごいな」「楽しみー」

「そういう訳だから、皆、来週の土曜日は船だからね。寝坊しないように」

「「はーい」」

「じゃあ休憩終了!シュート練して、最後ミニゲームやって終わりましょう」

 

サッカーグラウンドの端に集まっていた生徒たちがコートへ向かっていく。ボールを一箇所に集めていると、一人の男子生徒が燎莉(かがり)へ話しかけた。

 

「本島に行くのも久しぶりだな〜」

「しばらく試合なかったですもんね」

「前回はお前らが入ってきてすぐの練習試合か。時間立つのは早いな〜。もうフットボールフロンティアも間近(まぢか)ってマジか〜」

「目指せ全国優勝っすよ」

「ナイススル〜。目標デカイな。この島から全国優勝なんてチームが出たら皆驚くだろうな〜」

 

ここは日本の本州から少し離れた島、稲津(いなつ)島。そこそこの大きさがあり、この学校も生徒数はそう少なくない。とは言っても、離島の学校の知名度などたかが知れるものだ。そして事情を知られていないことにより、この学校の名前はサッカーにおいて悪目立ち(・・・・)してしまう。

 

「ま、なんにせよラッキーではあるよな〜」

「っすね。マジで楽しみです」

「無駄に警戒される、この学校名に感謝する日が来るとはな〜」

滝ノ上(たきのうえ)先輩いつも言ってますもんね」

「このチーム、全然もっと上狙えると思うんだよな〜。全く。"雷門(らいもん)"じゃねえってのによ~」

 

都立(とりつ)雷紋(らいもん)中学校(ちゅうがっこう)。それがこの中学校の名前だ。

そしてサッカーの名門として名高いのが『雷門(らいもん)(ちゅう)』である。

そう。彼らの通う学校は、その名門校と同音異字の名前となっている。

字が異なるとはいえ、誰もが知る超名門と同じ名前の学校との試合となれば、事前によく調査されやすくなるのも仕方がない。

 

「しかし、良かったな〜。サッカーやり始めたの、豪炎寺(ごうえんじ)選手の影響なんだろ?」

「ハイ!選手を辞めた以上、もう生で豪炎寺(ごうえんじ)さんを見れる機会なんてないと思ってたんで、超ありがたいっすよ」

 

雷門中出身であり、世界的なプロ選手となった豪炎寺修也(ごうえんじしゅうや)。先日体力の衰えによる引退を発表し、日本へと帰国した。今回は雷門のツテにより、本校で行われる彼の講習会兼交流イベントへの参加が認められたのだ。

 

「ほらそこー!盛り上がるのはわかるけど、練習再開してるよ!」

「「うーっす」」

 

顧問の教師がゴール横からパスを出し、受け取った生徒はDF(ディフェンダー)の代わりのカラーコーンをかわしシュートを放つ。いつものシュート練習が始まっていた。

呼ばれた二人はセンターサークルに並ぶ列へと向かうのだった。

 

「うおらぁ!」

「うお!······ぐっ。はあっ!」

 

燎莉(かがり)がシュートを放ち、それは一直線にキーパーの真正面へと飛ぶ。両手を突き出し、シュートに抗う長身の少年。

数秒の抵抗ののち、ボールは弾かれ燎莉(かがり)の方へ帰っていく。

 

「くっそー!」

「いいシュートだったぞ!」

「おーい!コース狙いのシュート練習って言ってるでしょ!多井(たい)くんも、それ今は褒めちゃダメよ」

 

顧問の女教師が注意するも、燎莉(かがり)

 

「真っ向勝負でねじ伏せてこそストライカーっすよ。豪炎寺(ごうえんじ)さんに会うってのに、勝負から逃げるような真似できないっす」

「ねじ伏せれてないじゃない」

「ぐっ···それができるようになるための練習じゃないっすか」

「今はその練習じゃないって話よ!シュートはそれだけじゃないっていつも言ってるでしょ!?」

「アタシにとって、シュートはそれだけなんすよ!」

「この分からず屋ぁ!」

「まあまあ」

 

ゴールキーパーの多井国治(たいくにはる)が、軽く言い合いになった二人をなだめる。周囲の選手たちも慣れているのか落ち着いた様子だ。

 

野咲(のざき)せんせー、ボールはやくー」

 

呆れたように言う生徒に、慌てる教師。焦って蹴り出したボールはとんでもない方向へ。

 

「あほー!」

「ごめんなさあああい」

 

コートから大きく外れたボールを追っていく女生徒に、教師の野咲(のざき)は両の手を合わせて謝罪の意を見せる。ただ、燎莉(かがり)はそれを指さして意地の悪い笑みを浮かべる。

 

 

下っ手(へ た)ー」

燎莉(アンタ)のせいよ!」

 

と、これが彼らの日常であった。

 

 

 

島から一番近い港までを往復する定期船。高速フェリーでの移動には1時間と少しかかり、その際には朝早くの出発が必要だ。

 

「みんな、おはよう。忘れ物はない?」

「大丈夫でーす」「野咲(のざき)先生こそ酔い止め飲んだ?」

「袋にミネラルウォーターまで準備バッチリです」

 

不透明のビニール袋と水の入ったペットボトルを、肩に掛けたバッグから覗かせて得意気な教師。だが、その姿に威厳はない。

 

「薬飲んでも吐く前提なんだ······」「そんな揺れたりしないのにな」

「船汚しちゃダメだからね先生」

「まあ先生は島の外から来た人だししょうがない」「それにしても弱いよね」

 

言いながら船に乗り込んでいく一同。野咲(のざき)は少し泣きそうな顔になった。

 

朝の日射しの下、船が波を裂きながら海を進んでいく。

島外からやってきた野咲(のざき)にとっては絶景と言ってよい海と小さな島々も、生徒たちには見慣れたものだ。船酔いしないように遠くを見つめる教師を放っておいて、生徒たちは船の中でトランプやおしゃべりに興じている。

 

「先生。船酔いは大丈夫ですか?」

「まだ元気よ。どうしたの?」

 

その輪を抜け出して野咲(のざき)に話しかけたのは、チームのキャプテンである安芸創士郎(あき そうじろう)だ。

 

「いえ······まあ、よく今回の参加を認めて貰ったなと思いまして。苦労したのではと」

「気にしなくていいの。おんなじ名前っていう繋がりありきでなんとかなっただけだしね」

「······そこまでするのは、燎莉(かがり)のためですか?」

 

一瞬驚くも、直ぐに諦めたようにため息をつく野咲(のざき)

教師の分かりやすい表情に、安芸(あき)もおどけたように少し笑った。

 

「全く。こういうのには本当に鋭いのね。勿論、チーム全体のためよ。皆にとって良い刺激になるのは間違いないでしょう?」

「······その上で?」

「あの子の視野がもう少しだけ広がったらなとは思った。でも、そこまで深く考えてないし、大した無理をしたわけじゃないのも本当」

「そうですか」

「そういう貴方こそ、燎莉(かがり)のこと大分気にしてるじゃない?······好きなの?」

(ウチ)の大切な、エースストライカーですから」

「······つまらない反応するんだから」

 

唇を尖らせる野咲(のざき)安芸(あき)は再びクスリと顔を綻ばせてから、一言失礼しますと頭を下げて部員たちの方へ戻って行った。

丁度一戦終えたタイミングだったのか、燎莉(かがり)安芸(あき)にトランプの束をぐいとおしつけている。

それを見送った野咲(のざき)は、海に視線を戻し

 

「気持ち悪い······油断した······」

 

青い顔で一人呟くのだった。

 

 

 

二度の黄金世代。その中心となる選手を数多く輩出し、現在も全国上位常連の名門校に名を連ねる雷門中サッカー部。そのサッカーグラウンドも、輝かしい実績を反映するかのように広く綺麗に整備されている。その雷門中グラウンドで、選手たちが一堂に会していた。

 

青山(あおやま)さん、本日はお招き頂き本当にありがとうございます」

「いえいえ、せっかくの御縁ですし。半田(はんだ)監督も喜んでましたよ」

 

野咲(のざき)が雷門本校の教師たちと挨拶を交わす中、部員たちはそれぞれのチームで集まりお互いに様子を伺っていた。

 

「あれが円堂(えんどう)(まもる)の再来とまで言われる、最強のキーパー佐護(さご)(とりで)か」

 

コート横に並ぶ反対側のベンチを多井(たい)が視線で示した。

 

「なんか噂みたいなオーラは全然ないっすね」

「······まあ、確かに。円堂(えんどう)さんのようなカリスマ性は感じられないな」

「こらー。多井(たい)先輩までそんな失礼なこと言わないで下さい。寧ろ注意してくれないと」

伊澄(いすみ)

 

燎莉(かがり)が振り向くと、眉を吊り上げて怒りの目を向けてくる。燎莉(かがり)の同級生の女性プレイヤー、吹越(ふきこし)伊澄(いすみ)だ。茶色のウェーブがかったセミロングの髪には、彼女の性格を反映するかのような爽やかさがある。

 

「すまん。ついな」

聖火(せいか)は人より声が大きいんだから、話す内容には気をつけないと」

「さーせーん」

 

呆れたように腰に手を当ててため息をつく吹越(ふきこし)

 

「だが、吹越(ふきこし)もあれを見てみろ。俺が少しがっかりした理由も分かる筈だ」

「そうそう。伊澄(いすみ)もあれ見てよ」

「む······」

 

再び雷門側のベンチに顔を向ける多井(たい)燎莉(かがり)

 

「······あれが?」

「そうだ」

 

吹越(ふきこし)が目を細める。そこには、キーパーグローブを手入れするフリをしながら、集まって盛り上がっているチームメイトへ話しかけるタイミングをチラチラ伺う少年の姿があった。

諦めたのか分かりやすく項垂れると、ぶつぶつ口を動かしだした。······もしかして泣いてないか?

 

「な?」

「脳ある鷹は爪を隠すということも······」

円堂(えんどう)さんはそんなことしない」

「いや、まあ···そうですね」

 

全サッカープレイヤーを照らす光のような存在の円堂(えんどう)(まもる)。その再来と言われるには、彼の佇まいには周囲を元気づけるような光は感じられなかった。

 

「それじゃみんな、こっちに整列!」

 

戻ってきた野咲(のざき)が声をかけ、選手たちがコート中央に移動し並ぶ。2列の横並びの端から顔だけぴょこりと前に出し、じろじろと雷門側の選手を観察する燎莉(かがり)。選手たちの正面にいる教師陣からその様子は丸見えだが、野咲(のざき)は無表情を貫いた。

 

「きたぞ」

「いでぇ!」

 

隣の吹越(ふきこし)にスパイクで足を踏まれ、涙目で姿勢を正す燎莉(かがり)

前に向けた視線の先には、大きな炎が揺らめいていた。

 

「あれが······」

豪炎寺(ごうえんじ)修也(しゅうや)······!」

 

元チームメイトの半田(はんだ)と談笑していて、こちらに意識を向けている訳でもない。それなのにその身体から放たれるプレッシャーを、両チームの選手全員が感じていた。

長年、サッカーの最前線を戦い抜いてきた故の存在感だろうか。

 

「よろしくお願いします!」

「「よろしくお願いします!!」」

 

まずは雷紋のキャプテン、安芸(あき)の号令で挨拶をする。頭を下げている間も、燎莉(かがり)はビリビリと駆け巡る高揚感に口角を下げられずにいた。

 

「よろしく。今日は2チームの練習を見て、俺からアドバイスをする予定だったらしいが···」

 

豪炎寺(ごうえんじ)はボールをリフトアップで掬い上げ、両手で持つ。

 

「せっかく試合できる人数がいるなら、試合をしよう」

 

驚く教師陣と困ったように笑う半田(はんだ)監督。選手たちも数人を除き、困惑気味だ。

 

「もちろん、俺も入れて全員で。サッカーを、やろう」

 

興奮が最高潮の燎莉(かがり)の胸中では、メラメラと熱い炎が燃え滾っていた。

 

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☆大人たちのコーナー

 

色々あって落ち着いたらこうなった新人天然美人女教師野咲(のざき)さくら(24)。

 

青山(あおやま)コーチ。高校で思うような結果を残せずすっぱりサッカーはやめたつもりが、いつの間にかまた雷門中サッカー部に関わっていた。

この作品では色んな資格を持っている便利キャラとする。勿論審判資格も2級まで持っている。1級じゃないんかい。

サラリーマン一乃とは今もよく会うが最近は彼女の惚気話を聞かされることが多くうざい。でも実は自分も職場で密かにモテていることは知らない。

 




よく分からんけど高評価とか色々お願いします!
アニメはちょっとずつ見返していますが、大人キャラとして登場する際に原作とのズレは生じるかもしれません。申し訳ないですが、それは「ちょっと世界線違ったんかな」位の感じで許してくれさい。
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