LimbusCompany キヴォトス支部   作:しーちきん

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やっと書き終えた…
少し遅れてしまい、申し訳ありません。
あんまり長文書き慣れてないので、変な点があれば許して欲しいです。
誤字や変な点があれば報告お願いします。

※オリキャラ多数登場です。
※いつにも増して文章が稚拙です。


0-4 : 自己紹介

 

何処からか獣の吠える声が聞こえる。

 

絶えず鳴いている。

飢えを叫んでいるのだろうか?

あるいは…

 

 

「ん、起きたみたいだよ。」

 

「やっと起きたか。そのままぽっくり逝っちまうのかと思ったよ。」

 

…目を覚ます。

 

少々気の抜けた声と、物騒な発言を聞きながらその体を起こした。

 

「調子はどう?相当苦しんでたけど。あれだけの怪我を直して代償が痛みだけとも思えないし…」

 

「多分…見た感じは大丈夫そうですね?」

 

〈ここは…〉

 

深い泥沼から引き上げた様な、鈍い駆動音と振動。

 

さっきのバスの中だということを理解するのに、そう時間はかからなかった。

 

窓から望む景色は、右から左へとゆったりした速度で流れていっている。

 

車内を見渡す。

 

車内には幾つもの席、そしてそこに座っている囚人達。

普通のバスと異なる点として、誰も座っていない運転席。そしてバスには不似合いな重厚な金属扉が後部座席で存在を主張していた。

 

 

ファウストが席から立ち上がり、私の元に歩み寄る。

 

バスの窓から刺す光を受けて輝く銀髪は、その整った顔立ちと相まって神秘的な雰囲気を醸し出していた。

 

「ご機嫌如何ですか、管理人?」

 

〈私は…〉

 

返答を待つことなく、ファウストは続ける。

 

「改めまして、私はファウストと申します。」

 


【注意事項 : 傲慢/諦観的】

LimbusCompany本社のLCBに所属する"囚人番号2番 ファウスト"の別次元同位体です。

キヴォトスでは連邦生徒会に所属していました。

連邦生徒会に所属する前はトリニティ、ミレニアム、ゲヘナと様々な学園を渡り歩いており、その過程で得た知識の量はゲマトリアにも匹敵するでしょう。

自身に絶対的な自信を有しており、誰にもそれとは気づかれないように傲慢な行動を取ることがあります。

指摘すれば改善を試みるぐらいはしますが、"ファウスト"の性質上、改善は難しいでしょう。軽く流すことをおすすめします。


 

唐突に、PDAに情報が開示される。

 

LimbusCompany…?別次元同位体…?

 

知らない単語達で装飾されたその文章からわかることは、「ファウストは自信家」ということぐらいしかなかった。

 

「あなたが一生に2度出会うか出会わないかぐらいの天才です。よろしくお願いします。」

 

〈うぅん…えっと、それはいいんだけど…〉

 

「聞きたいことが沢山でしょうね、ダンテ。」

「私の発言に納得していない様にも見えます。」

 

「…ふむ、自己紹介へと移る前に、少し状況整理の時間を取りましょうか。」

 

〈えっと…つまり、色々聞いていいってこと?〉

 

「はい。」

 

じゃあ、まずは…

 

〈なんで私の言葉が聞こえるの?〉

 

私の声は、全て時計のカチコチという音に変換される。

普通は理解できないと思うんだけど…

 

「ファウストにはまともな単語に聞こえるのですよ。」

 

〈どうしてだ?私にはまともな口もないのに。〉

 

「…そこに関しては、LimbusCompanyの機密にも関わる話の為、お答えすることはできませんが。」

 

「声帯や舌があってこそ会話ができるというのは、時代錯誤的な発想であると言えるでしょう。」

 

〈時代…そうか、全く思いつかなかったよ。〉

 

「…少なくとも、相当珍しいものであるとは言えるでしょうが。」

 

〈ん、何か言った?〉

 

「いえ、何も。」

 

「あなたは、発した言葉を1人にだけ伝えることも、全員へと伝えることもできます。」

「あぁ、全員というのは訂正すべきですね。囚人達にだけ該当する話です。」

 

そうだ、それも聞かないと。

 

〈ずっと気になってたんだけど…囚人?〉

 

あの廃ビルでの一瞬の説明の中で、「囚人」という単語が何度も出てきた。

 

なんとなく、それが誰なのか理解はしてるけど…

 

「囚人というのは、あなたの後ろで座っている…」

「先程まで、あなたの代わりに戦った人達のことです。」

 

 

「あなたが最後の囚人?いや、管理人って言ってたし違うのかな?」

 

「少なくとも最後のピースに値する人物ではあるだろうな。契約は為された。」

 

「何言ってんだお前。」

 

「えっと、怪我を治してくれてありがとうございます…あれのお陰で折れた骨も戻ってきましたし…」

 

 

「…ふむ、早速ですが自己紹介へ移りましょうか。」

 

「前の席から順に、自己紹介をお願いします。」

 

 

「はい、わかりました。」

 

ファウストの言葉を聞いて、1人の囚人が立ち上がる。

 

肩で切り揃えられた黒髪の間から深緑の瞳が覗く。

胸にぶら下げられた名札には、"ベルナ"と書かれていた。

 

「こんにちは、管理人さん。」

「私の名前は黒淵ベルナです。」

 

その発言に呼応して、PDAに情報が開示される。

 


【注意事項 : 強迫/病気嫌悪】

オラン学園出身で、以前は医療部に所属していました。

あの"黒い月曜日"を耐え抜いた経験を持っている為、病気に関する問題が発生した際は解決案を聞くことが良いかと思われます。

人を傷つけることや見捨てることに嫌悪感を抱いている為、場合によっては業務遂行に反対する場合もあるでしょう。上手く受け流して頂けると幸いです。


 

「どうやら、ここの人達は怪我をしてもあなたなら治せるみたいですけど…その力であなた自身を治すことは可能ですか?」

 

〈うーん…どうなんだろう?〉

 

「不可能です。故に、ダンテの存在はこの部署の最大の利点にして最大の弱点であると言えます。」

 

ファウストが代わりに答える。

 

それを聞いたベルナはにこりと笑い、

 

「じゃあ、怪我をした時や病気にかかった時は私にお知らせ下さい。これでも元医療部ですから、力になれると思いますよ?」

 

〈じゃあ、そうなった時はお願いしようかな。〉

 

「はい、お互い頑張っていきましょう!」

 

それだけ言うと、ベルナは自分の席へ戻って行った。

 

 

「次は私ね。逢坂セラよ。」

 


【注意事項 : 復讐心】

元レッドウィンター所属の狙撃手であり、3年以上キヴォトスに留まっている特殊な生徒でもあります。

万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)に異常なまでの憎悪と復讐心を抱いており、静止が無ければ殺人も厭いません。

幸い命令には従ってくれる為、繰り返し命令を行うことで行動を抑止して下さい。


 

綺麗な水色の瞳と肩で揃えられた黒髪。

 

その目線はまるで射抜くかの様な鋭さを持っていて、纏う雰囲気と相まってその姿は軍人の様にも見えた。

 

「狙撃と待つことが得意よ。上手く使ってちょうだい。よろしく。」

 

〈うん、よろしく。〉

 

それだけ言うと、セラはさっさと席へ戻っていった。

 

無愛想な子なんだろうか?

まぁ、追々知っていけばいいか。

 

 

「…行かないのか?」

 

「ひゃっ!?はっはい気づいてませんでした今行きますごめんなさい!」

 

隣の席に座っていた囚人に催促され、次の囚人が飛び出してくる。

 

小さな翼をパタパタさせながら駆けてきた彼女は、私の目の前で止まるや否や、盛大に転んだ。

 

〈…えっと、大丈夫?〉

 

「うぅ…はい、大丈夫です…」

 

少し気落ちした面持ちで立ち上がった彼女は、こちらに直ると同時に勢いよく頭を下げた。

 

「き、桐藤カレンっていいます…!」

 


【注意事項 : 過敏/お嬢様】

元トリニティ学園のティーパーティー所属で、野良の生徒により襲撃されていたところを本社で保護した経歴の持ち主です。

刺激の一つ一つに過度に驚いたり恐怖したりする様子が目立ちますが、秘めているポテンシャルは高い為、適切に育成すれば立派に成長すると予想されます。

精神が非常に不安定な為、精神状態に気を配って頂くよう願います。


 

クリーム色の髪を後ろで団子にしており、あまり荒事に慣れていない様な印象を受ける。

 

背中の翼と相まってか、鳥籠の雛の様にも思えた。

 

「うぅ…もういいですか?こう言う時、何を言えばいいのかよくわからなくて…」

 

〈大丈夫だよ、頑張ってくれてありがとうね。〉

 

「はっ、はい!」

 

不安に満ちた表情から一転、少しホッとした様な顔になったカレンは、一目散に席へ戻って行った。

 

 

「ふむ、次は私か。」

 

何処か浮世離れした様な言葉遣いをする子が、私に向かって恭しく頭を下げる。

 

「不虚作シズクだ。」

「貴方がラビに値する人物であることを祈ろう、ダンテ。」

 


【注意事項 : 虚無主義】

アリウス校出身の脱走兵で、路地裏で瀕死になっていた所を本社で保護しました。

カウンセリングにより洗脳は解けたものの、"全ては虚しい"とする考え方は残っている為、大抵のものに執着がありません。

少々迂遠な言い回しに比喩と引用を交えた喋り方は、管理人さんからすれば少々会話しづらいものかと思われます。

感性と言っている事は常識的な為、辛抱強く慣れて頂くと幸いです。


 

〈うん、よろしくね、シズク。〉

 

「ふむ…にしても、随分とマダムとは異なるな。」

 

〈え?〉

 

マダム…?誰だ?

 

〈マダムって誰?〉

 

「おや、言ノ葉に表したつもりはなかったのだが…口に出ていたか。」

 

「マダムとは、私のかつての羅針盤にして我が鎖となった者。」

「洞穴に巣食う無花果の木だよ。」

 

〈…えーと?〉

 

よくわからないけど…以前の上司か何かだったのかな?

 

「何、過去は過去に過ぎず、失われた全てが回帰することはない。」

「考えても虚しいだけだ、忘れてくれ。」

 

私の反応を待つことなく、シズクは藍色の長髪を翻して自分の席へと帰っていった。

 

 

「次は儂か。」

 

ゆったりとした動作で立ち上がった彼女は、どこか老人の様な雰囲気を漂わせていた。

 

こちらに向き合った彼女は、静かに口を開く。

 

「海汐エリサだ。しがない魚獲りだよ。」

 


【注意事項 : 達観】

発達した第三者視点と俯瞰視点を持つ囚人です。

あまり細かいことを気にしませんが、それ故の無感動で満たされた言動は管理人さんの忍耐を刺激するかもしれません。

自身の体を道具の一つとして数えており、怪我をしても他人に比べ気にしない為か、気付いた頃には重篤な怪我を負っている場合があります。健康状態には気をつける様にお願いします。


 

「お前さんが正しい指示を出す限りは、お前さんのことを尊重しよう。船長よ。」

 

〈私、管理人なんだけど…〉

 

「大差はなかろう。呼びたい様に呼ばせておくれ。」

 

エリサは"話は終わった"と言わんばかりに深緑色の瞳を逸らすと、そのまま席へと戻っていってしまった。

 

 

「次、私ね!」

 

可愛らしいポニーテールを跳ねさせながら、人懐こい目をした子が私に駆け寄ってくる。

 

綺麗な赤毛を持つ彼女は、小さい身体の所為か子犬に接した時の様な感覚を私に覚えさせた。

 

「私は槍持レイア、気軽にレイちゃんって呼んでね!」

 


【注意事項 : 無警戒】

キヴォトスが全体として平和であることを考慮しても、過剰に警戒しない性格であることが気にかかる囚人です。

指示された内容には素直に従ってくれる為、予め人を疑う様命じておくことも可能ですが、言いくるめられてしまう場合もある為、基本誰かと共に行動させた方が良いかと思われます。


 

〈うん、よろしくレイ。〉

 

「うん、よろしく!」

 

にぱーという擬音が最も似合う様な笑みを浮かべた彼女は、私に抱きつくと同時に捲し立て始めた。

 

「ね、元の頭はどこにやったの?さっきの鎖は何?どうやって話してるの?それから、それから…」

 

〈ちょ、ちょっとストップ!〉

 

…本物の子犬かもしれない。主に好奇心旺盛という点で。

 

少し申し訳なさそうな顔で離れていく彼女を見てホッとすると同時に、素直な子だなという感想が出る。

 

「あっ、ごめんねダンテ?きっとダンテも色々知らないことがたくさんあるんだよね?」

 

〈うん。これからちょっとずつ知って、教えていくから。よろしくね。〉

 

「うん、よろしく!」

 

レイは笑みを私に向けると、次の囚人を通すべく自分の席へ駆け戻っていった。

 

 

「一応初めましてかな?ダンテ。」

 

さっき指揮して貰ったけどねーと笑いながら話す彼女の目は、力強い紅色の光を讃えていた。

 

「私は期上マオ。呼び捨てにして貰って結構だよ!」

 


【注意事項 : 英雄願望】

元SRT所属の現傭兵で、本来はヴァルキューレに転校する予定だったところを本社で引き抜きました。

強い英雄願望を抱いており、これは低学年の頃に上級生から助けられたことに起因します。

危機察知能力と即応性が非常に優れており、管理人さんの助けになることでしょう。

命の獲り合いを好んでおり、興奮すると味方含め周囲が見えなくなる悪癖を持ちます。


 

「戦うのは好き、っていうか戦い以外は基本できないかな?」

 

そう言い放った彼女の頭からは、二つの兎耳が垂れている。

本物なのかな?

 

〈よろしく、マオ。〉

〈ところで、その耳って本物なの?〉

 

「うん?獣人見たことな…あっそういえば記憶がないって言ってたね。」

 

一瞬だけ顔が顰められたが、私の事情に思い当たると同時にその表情筋が解れていく。

 

…失礼な質問だっただろうか?次回から気をつけないと。

 

〈ごめんね、失礼な質問だと思ってなくて…〉

 

「いいよ、初めて見るんだったら気になるのも当たり前だし?」

「それで、うん、この耳は本物。割と生えてる生徒も多いから、今の内に慣れておいてね?」

 

それだけ言うと、マオは踵を返して自分の席へ戻っていった。

 

さっぱりした性格なんだろうか。

 

 

「私の番ですね。」

 

一人の囚人が歩み寄ってくる。

 

先端がウェーブした茶髪を腰まで伸ばした彼女は、少し緊張した様に口を開いた。

 

「深代ルナです。上手くやっていきましょう、私たち。」

 


【注意事項 : 夢想的】

元アビドス生ですが、軽犯罪を行なって収監されていたところを司法取引で引き抜きました。

他囚人に比べ精神が成熟している為、あまり手のかからない囚人であると言えるでしょう。

唯一、ごく稀に感情が暴発し、他人に対して詰め寄ったり説教したりする時がある為、上手くコントロールして頂ければ幸いです。

[警告]扱いとしては仮釈放の為、そこだけは注意をお願いします。


 

「その頭ってどうなってるんですか?鎖は出るし燃えてるしで…」

 

〈ごめんね、私にもよくわかってないんだ。〉

 

「ですよね…さっきの会話聞いてました。」

 

少し肩を竦めて、ルナは言う。

 

「まぁ、魔法みたいなものだと思っておきます。ダンテさん。」

 

〈うん、そうしてくれると助かる。〉

 

「真砂さん、あなたの番です。」

 

ルナは振り返り、次の囚人を呼びながら席へ帰っていった。

 

 

「よぉ、時計頭。」

 

さっき刀を持って戦っていた囚人だ。

赤と紫のオッドアイをきらりと光らせながら、彼女は私に話しかける。

 

「芥川真砂。ちゃんと働いてくれよ?」

 


【注意事項 : 不安定/不定の善悪】

子供ということを考慮しても、周囲の環境による性格の移り変わりが激しいと言える囚人です。

元ゲヘナ生ですが、以前百鬼夜行から転校してきたという異例の経歴を持つ身でもあります。

キヴォトスでは珍しく銃器よりも刀剣や棍棒といった近接武器を好み、その嗜好に合っただけの実力を兼ね備えています。

LimbusCompanyを自身の目的の為食い潰そうとしている節がある為、万が一管理人さんに手を出した場合はウェルカムキットに内封された赤いボタンを


 

〈うん、よろしくね。〉

 

「にしても…珍しい奴だな?大人ってだけでキヴォトスじゃ滅多に見かけないってのに、頭取り替えてるとか。」

 

じろじろと覗き込むかの様に、その目を私に近づける。

近くで見たその瞳は、どこまでも続く暗闇の様にも見えた。

 

観察し終わったのか、真砂は不意にその顔を離す。

 

「ま、いいや。見ての通り刀を使ってる。銃は使えない。よろしく頼む。」

 

〈わかった。〉

 

それだけ言うと、真砂は黒いセミロングを揺らしながら、自分の席へと帰っていった。

 

 

「こんにちは、管理人。」

 

水色の髪に金色の瞳。

完璧に整っているその顔は、どこか人工物の様にも見えた。

 

「私の名前は天童アトラです。」

「貴方の指揮下に入りました。よろしくお願いします。」

 


【注意事項 : 機械的/判断放棄/[検閲済]】

機械的な応答と自律的な行動をしない様子から機械の様に思われるかもしれませんが、れっきとした生徒です。

明確かつ自己判断を要求しない命令を要します。

[警告]首元のチョーカーを外さない様にして下さい。

[警告]他囚人と異なり、過去記録の閲覧が許可されていません。

[警告]ミレニアム及びアビドス周辺での活動時に、勝手な行動をすることがあります。


 

…その発言と同時に様々な警告が流れる。

 

他の囚人に比べて明らかに多い赤信号が、そこに地雷が埋まっていることを指し示していた。

 

〈えっと…うん、よろしくね。〉

 

「…」

 

そこから動く様子はない。

…もしかして、これにも命令が必要?

 

〈えっと…席に戻っていいよ?〉

 

「命令を受諾しました。席へと帰還します。」

 

アトラはその場で反転すると、どこか機械の様な動きで後部座席に帰っていった。

 

 

〈…?来ないの?〉

 

最後の一人。

後ろでぽつんと座っているその子は、それを聞いてやっと腰を上げた。

 

「…」

 

来たら来たで黙っている。

流石に困るので、こっちから聞くことにした。

 

〈…君の名前は?〉

 

「…殻無ナナ。」

 


【注意事項 : 無感情】

どの学園にも所属していない、特殊な出自を持つ囚人です。

あらゆる物に対して嫌悪を示しませんが、同時にいかなる物にも興味を示しません。

その精神性は自身にも表れており、何をされても反応を示すことは稀です(命令には従ってくれますが…)。

放っておくと餓死する場合もある為、常に誰か一人と同行させておく様にして下さい。


 

「…」

 

ずっと黙っている。

何も話す気はないのだろう、それとも喋ることがないか。

 

〈…戻っていいよ。〉

 

「…そう。」

 

沈黙の時間に耐えきれず指示を出すと、それに抗うこともなくナナは帰っていった。

 

…不思議な子だ。

 

 

「自己紹介は済んだ様ですね。」

 

ファウストが、再び私に話しかけてくる。

 

「ダンテ、ひとまずはあなたの職務について話します。」

 

〈職務…管理人のこと?〉

 

そう聞くと、ファウストは頷いて肯定を示す。

 

「そうです、管理人ダンテ。」

「あなたは今紹介された、私を含むこの12人の囚人達と共に地獄紀行をすることになります。」

 

「いえ、地獄紀行というのも変ですね。」

「あなたにはこの青春の真っ只中にある学園都市…キヴォトスを巡って貰うことになります。」

 

〈学園…?どうして私が学園に行く必要があるんだ?〉

 

「ふむ…物語の果てには奇跡が待っているから、そう言えば良いでしょうか。」

「あぁ、先に訂正しておきましょう。あなたは学園に通う訳ではありません。」

 

〈奇跡…?私は新興宗教でもやってたのか?〉

 

「…端から理解していない様ですね。」

 

小さくため息を吐くと、ファウストは言う。

 

 

「理解を要求してはいません、ダンテ。」

「意思を問うた訳でもありません。」

 

「記憶と頭を取り戻したければ、あなたはこの旅路を歩まねばなりません。」

 

 

〈それは…取り戻したくはあるけど…〉

 

「…つべこべ言っていますね。」

 

再びため息(さっきよりも深かった)を吐くと、ファウストは口を開いた。

 

 

「ダンテ、全ての任務を終わらせたのなら…」

「あなたは星位を刻むことができます。」

 

「ファウストが保証しましょう。」

 

星位。頭を貫く単語だ。

抜け落ちた記憶の下に残っている直感が反応している様な気がする。

そしてその直感が言うには…

 

 

〈わかった。〉

 

 

「…承諾、ありがとうございます。」

「それではこのバスとあなたの正確な職務について話しましょう。まずは職務について…」

 

そこまで言った時、不意に警報が鳴る。

 

〈うわぁ!?〉

 

「うおぉ!?」

 

「ひっ!」

 

「ん?何かあったの?」

 

…警報は運転席から鳴ったらしい。心臓に悪い。

 

ファウストは運転席に備え付けられている機器を少し弄ると、振り返ることなく私に告げた。

 

「…襲撃があった様です。何者かに襲われていますね。」

 

〈えっ?〉

 

何故襲われたのか理解できずにいると、ファウストは扉から外を確認しだす。

 

「見たところ、ただの不良生徒達でしょうか。」

「ちょうどいいですね、ダンテ。指揮を練習するには申し分ない練度です。」

 

振り返ると、ファウストは言った。

 

「ダンテ、最初の戦闘では省略した部分が沢山あります。」

「しかし、そんな風に戦闘を行っていれば私達はいつまで経っても前に進めないでしょうし。」

「あなたは私たちを治療する為に意味のない苦痛を感じ続けることになるでしょう。」

 

〈苦痛…治療?じゃあさっきのあれは…〉

 

私が何日間も寝ていた訳でもなんでもなく。

 

「はい、あなたが『時計を回して』くれたので、私達は生き返ったのです。」

「しかし、今はそれについて話す時間ではありません。」

 

ファウストは車内に顔を向けると、囚人達に告げる。

 

「襲撃者を迎撃します。総員、下車して下さい。」




何故か評価10が付きました。なんで…?
お気に入り登録、高評価ありがとうございます!
早期投稿のモチベーションにもなっている為、まだ評価を付けていない方もして頂ければ幸いです。
お気に入り登録、高評価、感想お待ちしております。
次回の投稿は6/1を予定しています。
(追記6/1 22:05 実生活がちょっとバタバタしてたので投稿は6/2になります。朝には投稿しますので少々お待ち下さい。)
(追記 6/5 6:14 タイトル番号を変更しました。)
(追記 6/21 8:21 一部情報を修正しました。)

戦闘描写ショボくていい?

  • 時間かかってもいいからちゃんと書いて
  • 削っていいから早く投稿して
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