とはいってもこれは短編集なので、現在執筆中の作品の気休め程度に書こうかなと思ってます。
この作品はヒフアズを中心として書いていきますが、もしかしたら他のキャラの短編が書きたくなって別のやつも作るかもしれません。
とはいっても好きなキャラとかはこの作品でアズサと絡ませることで登場させられるのでアズサが出ない話書きたいなってなったときくらいかもしれません。
「ふぅ、やっと到着しました……」
「ここは砂が多いな。けど、隠れられるポイントがかなりあったから、襲撃にも問題なく対応できた」
「あはは……あれは大変でしたね……」
とある砂漠に位置する学校、その前に二人の少女が訪れていた。
明るい茶髪のツインテールにその特徴的なバッグを背負った少女『阿慈谷ヒフミ』
白く長い髪に頭の左側に桃色や紫色の花を結びつけ、その背中には綺麗な羽根を持った少女『白洲アズサ』
二人は、とある理由でこの砂漠の学校『アビドス高等学校』まで来ていた。
二人の在籍する『トリニティ総合学園』からこのアビドスまではかなりの距離があり、アビドス自体も砂漠が多く、元々大きな学校だった為に迷いやすい場所ではあるが、なんとか無事に辿り着くことができた。
……途中でカタカタヘルメット団の襲撃に遭って激しい銃撃戦が繰り広げられたりもしていたが。
「さてアズサちゃん。改めまして、ここがアビドス高等学校です!」
「ここが、あの人達の……」
アズサの記憶に蘇るのはとある事件のときの記憶。
始まりは、トリニティに転校して間もない頃。
アズサは、とある理由により、補習授業部に入部することとなった。
その中で浦和ハナコ、下江コハル、そしてヒフミとアズサの四人で手を取り合い、壁を乗り越えて無事に退学を免れることができた。
その後のエデン条約と呼ばれるトリニティとその敵対関係ともあるゲヘナとの平和条約、その調印式が行われる日。
その日、トリニティとゲヘナとで手と手を取り合おうというその瞬間、そこは一瞬で地獄へと変わった。
その原因は、アリウスから放たれた航巡ミサイル。
『アリウス分校』
そこは、アズサがトリニティに転向する前にいた場所であり、アズサにとって家族とも呼べる人達のいる場所でもあった。
本来、アズサ自身もティーパーティーを壊滅させる為の任務として、そのスパイとしてトリニティに送られていた。
しかし、アズサは補習授業部に入って先生や補習授業部、みんなの温かさに触れ、ティーパーティーの一人である百合園セイアからの助言もあり、アリウスと戦うことを決めた。
……トリニティを、補習授業部のみんなを守る為に、アリウスのような人間を増やさないようにするために。
アリウスは大人に、『ベアトリーチェ』にずっと支配され続けていた。
常にトリニティとゲヘナへの憎悪を植え付けられ、殺意を教え込まれ続けていた。
『vanitas vanitatum.(全ては虚しいものである)』
それが、アリウスで教えられてきた言葉。
全ては等しく虚しい、無意味なものなのだと。
それでもアズサは、抗うことを辞めるべきではないと、常に抗い続けた。
抗い続ければ、何かが変わると信じて。
でも、一人ではベアトリーチェも、アリウスを止めることもできなかった。
エデン条約を爆破され、地獄と化した場所でアズサは、みんなを守るためにアリウスに、家族とも言える相手であるアリウススクワッドに戦いを挑んだ。
自らの知識、技術全てを振り絞って長い間抗い続けた。
それでも、とうとうアリウススクワッドに、サオリを倒すことはできなかった。
そんなとき、手を差し伸べてくれたのがヒフミだった。
違う世界にいるなんてことはないと、一緒にいると言ってくれた。
補習授業部や先生、他のみんなも自分のために、自分と一緒に戦う為に駆けつけてくれた。
あのときのことはきっと一生忘れない。
あのときのヒフミの行動も衝撃的だった。
突然数字の書かれた紙袋を被り出したと思えば、自らが『覆面水着団』のリーダーだと言い出すのだから。
最初は、自分と並ぶ為についた嘘なのだと思っていたけど、そんなときに現れたのが覆面水着団のメンバー……アビドスの対策委員会だった。
あのときは流石のアズサも驚きを隠せなかった。
まさか、ヒフミが自分のためについてくれた嘘だと思っていたものが、本当のことだなんて。
その後、みんなの協力もあって事態を丸く収めることができた。
あれから、残されたアリウスのみんなのことが心配でアリウスのみんなのことを考えることがよくあった。
しかしある時、アツコが生贄にされそうになっていたところを、先生とアリウススクワッドのみんなで助け出したとの話を聞かされた。
同時に、アリウスがベアトリーチェに支配されることもなくなったとも。
どうしてアツコを助けに行くところに、自分も一緒に行けなかったのだろうと少し思うところもあるが、これでアリウスも救われるのだと、安心することが出来た。
そうして、全てが丸く収まってから少し経った頃、アズサがヒフミに対策委員会のことを聞いたら、対策委員会のみんなを紹介してくれるとのことで、今回この場所まで訪れていた。
覆面水着団のことを話題に出したら気まずそうにしていたのは何故かわからないが。
「やぁやぁ〜、よく来てくれたねぇ〜ファウストちゃん〜」
「来てくれる時間教えてくれれば迎えに行きましたのに〜」
「あ、あはは……出来ればその呼び方は……」
アビドスの校門前、出迎えてくれたのはホシノとノノミの二人。
そして、ホシノの言葉に苦笑いを浮かべて視線を逸らすヒフミなのであった。
「君もあの時以来だねぇ~。元気そうでよかったよ〜」
「うん、あの時はありがとう。ホシノ……だっけ……。戦闘の技術も動きも素晴らしかった」
「いやぁ〜、おじさんのこと覚えててくれたなんて嬉しいねぇ〜」
(おじさん……?)
自らのことをおじさんと呼ぶホシノに首を傾げてハテナマークを浮かべるアズサ。
そんなアズサを横目にホシノは話を続ける。
「ささ、ここでずっとお喋りするのもあれだからさ、中においでよ〜」
「そうですね、中のほうが落ち着けると思いますし☆」
「そ、そうですね! とりあえず中に入りましょう!」
「? わかった」
覆面水着団のことから出来るだけ離れようとするヒフミにアズサは首を傾げながらも二人の案内の元、アビドス校内に入っていくのだった。
アビドスの校内に入り、案内されるままに入った教室の中には、残りの対策委員会メンバーが揃っていた。
「あ、お待ちしてました。ヒフミさん、アズサさん」
「ん、いらっしゃい」
「いらっしゃい! ゆっくりしてってね!」
教室に入るとそれぞれのメンバーが挨拶をしてくれた。
「んじゃ〜、とりあえず自己紹介からしよっか〜」
「そうですね、あの時はアズサちゃんとはゆっくり自己紹介する時間もありませんでしたし」
ホシノの提案にうんうんと首を縦に振るノノミ。
「んじゃ〜言い出しっぺから〜、小鳥遊ホシノだよ〜。よろしくねぇ〜」
「十六夜ノノミです〜、よろしくお願いします☆」
「ん、砂狼シロコ。よろしく」
「黒見セリカよ、よろしく!」
「奥空アヤネです、よろしくお願いしますね、アズサさん」
そして、続けるように一人ずつ、アビドスメンバーの自己紹介が始まり、それが終われば次はアズサの番
「白洲アズサ、よろしく。得意なことは単独行動、長所は小柄で隠れやすいところ。……あとなにか気になることがあれば聞いてほしい」
「な、なかなか個性的な自己紹介ですね……」
その個性的な自己紹介に苦笑いを浮かべるアヤネ。
他のみんなも同じような感じだったが、ホシノだけは違った。
(アリウスのことはアズサちゃんのこと含めてちょっとだけ先生から聞かされてたけど、やっぱり『そういう事』が当たり前の環境で育ってきた子ってことだね~。そりゃ、強いわけだ〜)
ホシノの頭に浮かぶのは、アリウスとの戦いで共闘したときのこと。
ヒフミの大切な友達で同じ部活の仲間だとは聞いていたが、それにしてはヒフミと比べてやけに戦闘慣れしてる感じがあった。
そして、先生から聞かされたアズサが元々アリウスにいたということと、アリウスであった出来事。
経緯は違えど、生きるために戦うことが必要不可欠だった点。
そしてなにより、あの『ゲマトリア』の被害者の一人とも言える点。
少なからずとも、自分と重ねてしまう部分もあった。
最初にアリウスの関係者と聞いたときには少し警戒してしまった部分もあったことは否めないが、今となっては
(疑う理由もないよね〜)
……そんなことをホシノは考えていた。
ホシノが考え事をしている中、シロコはガサガサっと自分の鞄の中を漁っていた。
「シロコ先輩?」
そんなシロコを見ながら不思議そうに首を傾げていたセリカだが、次の瞬間、シロコはある物を鞄の中から取り出してアズサに差し出した。
「ん、お近付きの印に」
「「「「!?!?!?」」」」
それを見たアズサとシロコ以外のみんなの表情が驚愕の色に染まる。
シロコが差し出した物の正体……それは、おでこの部分に数字の『6』がプリントされた紫色の覆面。
対策委員会のみんながとある場面での銀行強盗で使用した覆面と同じデザイン。おでこ部分の数字と、色だけが違う形となっている。
「し、シロコ先輩いつの間にそんなの作ってたの!?」
「ん、ヒフミのときみたいに数が足りなくなることがあると困ると思って、予備を作っておいた」
「いや、そんなところ反省しなくていいから!? というかアズサさんもそんなの渡されたら困るじゃん!?」
「うへぇ〜、シロコちゃんもしっかり覆面水着団として板についてきたねぇ〜」
「ホシノ先輩もそんなところ感心しなくていいから!!」
セリカからのツッコミ連打が入る中、その覆面を渡された本人はというと……
「ふむ、正体を隠すのには悪くない。でも、アリウスのマスクに比べれば耐久性に少し不安が残る」
「あ、アズサちゃん……? 意外と普通に受け入れてますね……???」
実際に被ってその感触を確かめていた。
予想以上に普通に受け入れているアズサの姿に困惑していたヒフミだったが、アズサとしてはヒフミのことを覆面水着団のリーダーだということを信じて疑ってないので、『ヒフミと仲間になれる』という部分で実は悪い気はしていないアズサなのであった。
自己紹介するだけの回だったので思ったより文字数取れなかったかもしれませんね
アズサ好きに広まれ〜って感情と解釈不一致してたらどうしようっていう不安に挟み撃ちにされてますが、まぁなんとかなるでしょう。
それにしてもアズサってちょっと口調難しくない?
え、そうでもない?
あっ、……そう