異世界でもハヤテのごとく   作:ハヤ✖️アテ

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借金高校生綾崎ハヤテ

 

 まだ日も昇り切ってない早朝。殆どの人が未だ睡眠を謳歌する中、青年はペダルを漕ぎ、住宅街を駆け回っていた。カゴには新聞紙が入っているが、決して新聞泥棒などではなく、彼は立ち寄る家のポストに丁寧に新聞紙を投函して行く。そう、これは新聞配達のアルバイトなのだ。

 

 新聞紙の配達をしているこの青年の名前は綾崎ハヤテ。今年から高校2年生の身長168センチ体重57キロ、髪色は生まれつき水色で中性的な顔立ちの持ち主だ。

 

 まだ高校生の彼が何故こんな早朝から新聞配達のアルバイトなんかしてるかと言うと、両親が1億5千万の借金を作り、彼を残して蒸発してしまったからである。

 

 彼の両親は正真正銘のクズ親で、両親共に無職で普段の生活費は息子のバイト頼り。しかも無類のギャンブル好きで毎度多額の借金を作り、つい先日その額が1億5千万に達したと言うわけだ。ハヤテが学校に行ってる間にハヤテをヤクザに売り飛ばし忽然と姿を消した両親。本来ならハヤテはその場で893に連行され、某地下施設の強制労働送りだったり、臓○売買や人○売買される筈だったのだが、ハヤテが真面目な好青年で今まで両親の生活費も賄っていた事実を知っていた事から、特別に毎月指定の額を1日も遅れる事なく収めるという条件で許してもらえた。

 

 そのせいもあってこうやって早朝は配達のアルバイト。夕方と夜も寝る時間や友達と遊ぶ時間も削って複数のアルバイトに明け暮れる日々を送っている。

 

 まぁそんな事は置いといて、両親は兎も角、ハヤテ自身はとても真面目な人物であった。勉強もそつなくこなすし、運動は得意。幼い頃から様々なバイトをしていたのでコミュニケーション能力も長けている。もし普通の家庭に産まれていれば部活に入り、それなりの活躍をしていたであろう。親ガチャとはよく言ったものだ。

 

 だが、そんなハヤテでもとてつもなく大きな弱点がある。それはとてつもなく不幸な事、まるで某幻想嫌いさんみたいに何かあるたびに不幸な目に遭っている。しかもなんの因果か身長も同じ。

 

 そしてハヤテは現在進行形で不幸な目に遭おうとしている。

 

 「〜〜♪」

 ガコ←石

 「え!うそぉ!?」

 

 ゴロゴロガッシャーン!!!

 

 道に落ちている石で車輪が宙に浮き、そのまま着地に失敗し1打回転。しかも今は下り坂、ものの見事に坂道を転がっていく。だが今回はたまたま運が良く、すぐ先にある電信柱がクッションになってくれたお陰で5m程転がるだけで済んだ。

 

 「イテテテ……不幸だ」

 

 ハヤテは自らの不幸に嘆きながらも立ち上がり、落ちた手提げ袋についた汚れを払い取る。本来ならあれくらい派手に転倒すれば即救急車行き案件なのだが、幼い頃からの不幸体質により今では車に轢かれでもしない限り気絶しない程頑丈に育った。

 

 「綾崎くん大丈夫!?」

 

 派手な音で目が覚めたのか、はたまた元々起きてたのか、丁度これから新聞を配達する白崎家の一人娘、白崎香織が寝巻き姿のままサンダルを履いて駆け寄ってくる。ハヤテは彼女に気付き、袋から新聞紙を取り出し彼女に手渡した。

 

 「あ、おはようございます白崎さん。はい、これ今日の朝刊です」

 「ありがとう……じゃないよ!綾崎くん今転んだでしょ!怪我大丈夫なの?」

 「これくらい大丈夫ですよ。慣れてますから」

 

 ハヤテは手をぷらぷらさせてどこも傷をない事をアピールする。そんな姿になんでどこも怪我してないんだろうと至極当然の事を思う白崎。

 

 「それじゃまだ新聞届けなきゃ行けないからまた学校でね」

 「うん、気を付けてね」

 

 そう言って手を振りサヨナラをする2人。

 

 白崎と別れて数分後

 

 「よし、ここでラスト……あれ?ブレーキが効かない!?もしかしてさっきので壊れた!?」

 

 突如としてブレーキが作動しなくなり慌てるハヤテ。

 

 「どうしよう!?スピード出してるし坂道だから簡単には止まらないし……仕方ない」

 

 坂道でブレーキが効かなくなった時の対処は車と一緒だ。大惨事になる前に自転車を道の端の何処かに突っ込ませばいい。つまり先程の行為を自ら行えば良い。

 

 ハヤテは袋を手に持つと自転車で電信柱に向け照準を合わせる。そしてぶつかる瞬間、ハヤテは自転車から飛び降り脱出する。これで怪我はなく……

 

 ガッシャーン!!!!!!!

 

 ハヤテは無事だったが自転車はそうは行かなかった。電柱にぶつかった自転車はぶつかった衝撃で見事なまでに砕け散った。そんな光景にただ立ち尽くすしかないハヤテ

 

 「うそぉ!それ会社から支給されて5万もするのに!?」

 

 ハヤテの借金がまた増えた瞬間であった。

 

 「あ……あはは……はは………はぁ」

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