TSロリ美少女のウィッシュリスト 作:うどん
席はほぼ埋まった。どうやら、日曜だから家族連れが多いみたいで子供が多い。だから、子供が一人いても怪しまれなかったみたいだ。まぁ、普通に大人もいるけど。
そう思いながら、椅子に座って始まるのを待っていると。さっきのクマさんがこっちにやって来た。コチラの方をじっと見ている様な気がして、首を傾けた。どうしたんだろうか。
「え?」
そしたら、手を掴まれてそのまま舞台裏まで連れてかれてしまった。
『ふぅ……あっつぅ。ハァ』
クマさんの中から出て来たのは、汗だくのお姉さんだった。
「あ、え、えっと?」
何も分からず戸惑っていると、それに気付いたのか。お姉さんは汗を拭いた後こちらに目線を合わせてくれた。
『あ、あの。さっき、一緒に踊ってくれた子だよね?間違ってないよね』
「はい。そうです」
『良かったー。実はさ……』
そう言ってお姉さんは何が起きたかを教えてくれた。元々、お姉さんともう一人の司会の人が来てそこで色々な催しをする予定だった事。でも、その司会の人が体調を崩して今日来れなくなってしまった事。
困ったお姉さんはさっき、一緒に踊った俺を代役にして何とかなるんじゃないかと思ったらしい。
「つ、つまり私に司会をやれと?」
『お願い!お金をあげると、仕事になっちゃうから後でなんか奢るし。家にもちゃんと送るから。ちょっとだけ!司会って言っても書いてある通りにやって貰えれば良いだけだから』
お願いと、頭を下げる汗だくのお姉さん。ちょっとえっt。んんっ。
「何で、私なんですか?他のお客さんでも良いじゃないですか?」
そこだ。何で俺なんだろう。別に人は沢山いるだろうし、俺でなきゃいけない理由が分からない。
『私、人見知りなんだよね。アイスちゃんとは、さっき会ったからギリギリ知り合いだけど、他の人は無理。それに……。やっぱ、ダメかな』
「はぁ……今回だけですよ」
ん?待ってアイスちゃん?え?
「待って、アイスちゃんって私?」
『さぁ、行こうかはい、これお願いね。この書いてある通りで良いから!』
ちょ!
「皆さーん!こーんにちはぁ!」
ステージに出て、会場に向けて声を張ると。
子供達が声を出してちらほらと反応をしてくれた。よしよし、良い感じだ。無反応は一番辛いからな。ちょっとの反応が助かる。
えーっと。
《・良い感じに盛り上がった所でクマさんを呼ぶ》
成程、ヒーローショー的な感じか。俺は司会のお姉さんみたいな感じで前フリをしろと。
「みんなぁ!今日はね?私の素敵なお友達が来てるんだ。でも、とっても恥ずかしがり屋だから。皆にも呼ぶのを手伝って欲しいんだ!良いかなぁ?」
大袈裟なジェスチャーで身振り手振りを加えて道化を演じながら、俺はそう呼び掛ける。ちょっとやりすぎたか?
「良いよ!」
「どうすれば良いの?お姉さん!」
「あの子凄いわね……そんなに年取ってないのに。司会役をこなすなんて」
「もしかして、さっき一緒にいたあのクマさん?」
よし、反応は上々だ。初めてにしては良い感じだろう。このまま行こう。
「ありがとう!おっと、クm……ゴホンゴホン。彼女は恥ずかしがり屋だからね。何にも知らないフリをしてくれると嬉しいな!じゃあ、そろそろみんなで呼んでみよー!彼女の名前はベアちゃんって言うんだ!」
「せぇの!」
「「「「「ベアちゃ〜ん」」」」」
……ベアちゃんの耳に子供達声は届かなかった様で、ベアちゃんは現れなかった。まぁ、こう言うのは何回か言うのがお約束だからな。
「みんなぁ、もう一回いけるかなぁ、せぇの!」
なので、俺はそう呼び掛けてみる。
「「「「ベェアちゃあ〜ん!!」」」」
「あっ!誰か出てくるよー」
そこには恐る恐る裏口から出てくるベアちゃんの姿があった。
「皆の呼び掛けのお陰で、ベアちゃんが来れたねありがとう!じゃあ折角ベアちゃんと会えたんだから、もっとベアちゃんと仲良くしたいよね?」
「「「「したーい!!!」」」」
「ベアちゃんはどうかな?ウンウン。ベアちゃんも同じ気持ちだって、じゃあこれから皆で仲良くなる為にダンスを踊ろう!」
知らないよ!!!事前に教わった振り付けでダンスを踊るって書いてあるけど、知らないよ俺。ベアさんこっち見てよ!