このろくでもない、素晴らしい世界に祝福を!   作:音猫だあく

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宇宙人ジョーンズ:調査員


調査記録:【緊急クエスト】キャベツ狩り 前編

───この惑星は非常識なことだらけだ。

 

『緊急クエスト! 緊急クエストです! 街の中にいる冒険者の方々は、至急冒険者ギルドに集まってください!』

「おい、緊急クエストってなんなんだ? モンスターが街に襲撃に来たのか? なんかデカいモンスターでもこっちに進撃でもしてんのか?」

「多分、キャベツの収穫ですよ。そろそろ収穫の季節ですし」

「は? キャベツ? その、キャベツって緑の野菜の事だよな? 珍しいモンスターの名前だったり、そういう仇名がついている奴じゃなくて?」

「はい。そのキャベツで合ってるかと。とっても美味しいんですよ。」

 

─── バナナが川でとれたり、秋刀魚が畑で育っていたりする。

 

「いやいや、なんでたかがキャベツの収穫でこんなにも大々的にギルドが街中にアナウンスするんだ? そんなもん農家の人にでも任せておけば……」

「皆さん、突然のお呼び出しすいません! 今年もキャベツの収穫時期がやってまいりました! 今年のキャベツは例年よりも出来が良いため、一玉の収穫につき一万エリスになりますが、その分危険度も高くなっております! すでに街中の住民は怪我をされないように家に避難して頂いておりますので、全力で収穫に取り組んでいただけるかと! では冒険者の皆さん、できるだけ多くのキャベツを捕まえてください! くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしないようにお気をつけて!」

 

───そしてキャベツの収穫を呼びかけるアナウンスは、決して収穫とは関連づけられない単語がいくつも出てきている。

 

「カズマ、ジョーンズ、実はこの世界のキャベツは空を飛ぶのよ。キャベツ達の栄養価が高まってはいよいよ収穫の時期って頃になると、まるで食べられて堪るかと言わんばかりにあちらこちらを飛び回るの。そして最後には人間に知られていない秘境の奥で誰にも食べられず、ひっそりと息を引き取るとか。」

 

───異世界の食材というのは、意表を突かなければいけないという決まりでもあるのだろうか。

 

────────────────────────────────────────────

 

「何故!たかがキャベツの野菜炒めがこんなにも高いうえに美味いんだ!?納得いかねえ!」

 

───この惑星の非常識さは何も食材だけに限らないらしい。

 

「食べるだけで、結構経験値を貰えますから、それで高いんだと思います。」

「それにしてもやっぱりジョーンズってすごいわね。あれだけの数のキャベツの塊を軽々と持ち上げた上で素早く運んじゃうんだもの。」

「ああ。しかも倒れていた他の冒険者に突っ込んでくるキャベツに急接近して『ハァッ!!』の一声と共に放った正拳突き一発で吹き飛ばしてたものな。」

 

───周りを見てみれば、沢山収穫できた者だけでなく、何故かそうでない者に至るまで満足そうにキャベツを頬張っている。

 

「ところで報酬は後日渡されるらしいがどうする?いつも通り総額を分配するか?」

「今回は分配は無しにしましょう!今日は頑張って沢山収穫したからその分の取り分減らしたくないからね!」

 

───何故満足のいく結果が出せなかったのにもかかわらず、笑みを浮かべていられるのだろうか。

 

「言ったな?もしお前が稼げてなくて泣きついたとしても絶対に貸してやらんからな。」

「カズマこそ、そんなこと言ってお金が足りなくなっても絶対に貸してやらないんだから!」

 

───ただ…。

 

「二人ともそのくらいにしておけ。」

「そうですよ。あっキャベツいらないんだったら私が食べちゃいますね。」

「「ちょっと待ったー!」」

 

 

 

 

 

 

───汗水流して働いた後の食事と缶コーヒーは、格別に美味しい。




ちなみに僕はキャベツは千切り派です(誰得情報)

ジョーンズのセリフに関して。カタカナだけじゃなくて漢字もあった方が読みやすいですかね?

  • 漢字ありの方がいい
  • カタカナだけでも大丈夫
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