───あの惑星の住民も、この惑星の住民も、『思い込み』に縛られている。
「あーーーーー!!!アンタ、リッチーね!ここで遭ったのが運の尽きよ!!私が退治してあげるわ!!」
「ええ!?ちょ、ちょっと待ってください!!」
「『ターンアンデッドー!!』」
「きゃああああ!?消えちゃう!私の体が消えちゃいますー!!」
「おい、やめてやれ!」
「痛っ!?」
───自身が持つ物差しで、相手の善悪を決めつけていく。
「ちょっとカズマ!何すんのよ!こいつリッチーなのよ!」
「だからって待ってと言われてるのにそのまま浄化しようとするな!」
「ソウデスネ。ハナシクライハキイテアゲテモヨイカト」
───その結果必要のないトラブルが日夜あちこちで発生している。
「…えーっと、大丈夫ですか?」
「だだだ、大丈夫です。一瞬、川の向こうで昔の仲間が見えましたが……危ないところを助けていただき、ありがとうございます。私は、リッチーのウィズと申します」
「人間の住む領域にリッチーがこんな妖しげな魔法陣なんか作って! どうせこれを使ってよからぬことでも企んでるんでしょ!」
「そんなのじゃないです! 完全に誤解です!! この魔法陣は、この墓地に彷徨う迷える魂を成仏させてあげるためのものなんです! ほら、今もこうやって魂達が天に昇っていくのが見えるでしょう!?」
「リッチーめ! 口車に乗せようったってそうはいかないわ! そうやって油断させておいて、私達を一網打尽にする魔法かなんかを隠しているんでしょう!?」
「ええっ!? ちょ、やめっ!?」
「『セイクリッド・ター「ジョーンズさん!アクアを取り押さえろ!」
「ワカリマシタ!…アクアオチツイテ、シンコキュウデス。」
「ちょっとジョーンズ!止めないでよ!」
───相手の考えを読めるわけではないというのに、何をわかっているというのか。
「えっと……。ウィズでいいか? ウィズはなんでリッチーなのにわざわざこんなところに来て成仏なんかさせてるんだ? 普通リッチーなら、その魂を利用して配下を増やしたりしそうなんだが」
「そ、その……。私は皆さんが仰る通りリッチーなんですが、そのおかげでこの共同墓地に埋葬されている現世に縛られ苦しむ魂達の声を聞くことができるんです。それで、その成仏したくて出来ないこの子達に何か出来ないかと考えたところ、こうして魂達の救済の足がかりになればと思い……」
「それはいいことだと思いますけど…。普通そういうのって街にいるブリーストのやることだと思うのですが。」
「えっと…その、この街にいるブリーストさん達は拝金主義の方が多く…」
「その結果共同墓地に魂が溜まり続けているということか。…なんとも嘆かわしい限りだ。」
───実際に会って、対話をしてみなければその者の本質は見えるはずがない。
「とはいえ俺たちもゾンビメーカーが出たから討伐してくれってクエストを受けたから来たんだが…」
「そ、その、呼び起こしている訳じゃなく、リッチーの私がここに来ると、まだ形が残っている死体は私の魔力に反応して勝手に目覚めちゃうんです。えーっと、私としてはこの墓場に埋葬される人達が、迷わず天に還ってくれれば、ここに来る理由も無くなるんですが……その、どうしましょうか?」
「アクアガテイキテキニジョウカシニイクトイウノハ?」
「おっ!それいいな!ほっとくとサボりそうだから見張りをつけてな!」
「えー嫌なんですけど…」
「ちゃんと仕事したらその日はシュワシュワ一杯奢ってやる。」
「しょうがないわねー!めんどくさいけどこの従者に免じてやってあげるわ!」
「おい誰がいつお前の従者になったんだよ。」
───ただ…。
「本当ですか!ありがとうございます!どうかこの子達をよろしくお願いします!」
「でもねウィズ。もし今後何かやらかしたならすぐに浄化しにいくから覚悟しなさい!」
「はっ、はいっ!」
「怖がらせるんじゃねぇよ。」
───誰もが日常的に誰かを疑う日々よりかは、楽なのかも知れない。
「そういえば、ゾンビメーカー討伐のクエストはどうなるのだ?」
「「「「あっ」」」」
怖いわー、思い込み怖いわー
ジョーンズのセリフに関して。カタカナだけじゃなくて漢字もあった方が読みやすいですかね?
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漢字ありの方がいい
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カタカナだけでも大丈夫