歌で戦う奴   作:ノウ焼かれしもの

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三話目です。今回は色々な人の視点があります。


ETERNAL WIND 〜ほほえみは光る風の中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び災害に巻き込まれてから二週間が経過した。現在私は公園にいるのだが、

 

 

 

「やっと見つけたぜ!アンタが件の犯人か!」

 

 

「アンタには聞きたいことが山ほどある!大人しく投降しな!」

 

 

 

 

 

変な格好をしたツヴァイウィングの天羽奏に詰められていた。

 

何故だ?何故こんなことに………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は二十分前に遡る。流石に外に出てゆっくりしたいと思っていた私は、近所の公園に来ていた。

 

 

 

暫くの間日向ぼっこをしていたのだが、またノイズが現れたようだ。しかも、私の方にノイズが向かってきているときた。

 

 

いい加減にしろ!とキレた私は、何の躊躇もなく歌を歌った。

 

 

それが間違いだったのだろう。

 

 

私が歌い終わった後には、ノイズが消えていた。そしてノイズの代わりと言わんばかりに、変な格好。いや、もはや破廉恥な服装と言った方が正しいのか、とにかくそんな格好をした、天羽奏が立っており、先程の状況に繫がる、という訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、どうするか………。

 

 

 

………………取り敢えず、話をしてみるか。話をすれば何とかなるかもしれないしな。

 

 

 

 

 

「件の犯人とは何ですか?私は罪を犯したつもりはありませんが……。それに何ですか貴方のその格好は。コスプレをしている痛い痴女にしか私には見えません。」

 

 

「なっ、痴女なんかじゃ!」

 

 

「とにかく、貴方のみたいな変質者の様な人について行くなんて出来ません。それでは私はこの辺で。」

  

 

あぜんとする天羽奏をよそに、私は何食わぬ顔で家に帰ろうとしたが、流石に逃がすわけにはいかなかったのだろう。あっという間に回り込まれてしまった。

 

 

ただでさえノイズに襲われた後だと言うのにこれだ。私のイライラは頂点に達そうとしていた。私は目の前の天羽奏に思い切って聞いた。

 

 

「はぁ〜…。さっきから何なんですか、貴方は?一体私に何の用何ですか?」

 

 

「………………最近この地区周辺で、ノイズが消滅していると言う報告があった。最初はただのノイズの自壊だと思ってたが、今やっとはっきりした。」  

 

 

「アンタ、どういう原理か知らないが、ノイズを倒せるみたいだな?」

 

 

「アタシ。いや、特機部二が、ノイズを倒せる謎の人物を探していたんだ。」

 

 

「そして、それがアンタだったという訳だ。」

 

 

 

 

 

 

 

成る程。どうやら私の行動があらぬ組織に伝わっていた。ということか。

それに、ノイズを倒せる謎の人物…。多分私のことだろう。

 

これは恐らく、捕まると面倒なパターンだ。だからこそ、この場を去りたいが……。

 

目の前の人が逃がしてくれるとは思えない。例え瀕死にしてでも連れて行く気だろう。

…………何故か先程よりいやな気配な漂っているが、気のせいか?

 

 

いや、それよりも…。

 

 

「よそ見とは余裕だな!」

 

 

…………これは不味い。非常に不味い。今私には何の武器になるような物も持っていない。

 

対して彼女は槍を持っている。あんなので刺されれば一溜まりもないだろう。

 

 

「どうした!力を使わないのか!それとも、化け物には使えてもアタシみたいな女には使えねぇてことか!?」

 

 

こうして逃げてる間にも彼女は摩訶不思議な現象によって私に攻撃を仕掛けている。

 

使わないといけないのか、あの力を。いやそもそも、彼女に対して効果があるのか?

 

 

「そっちがその気なら、さっさと終わらせる!」

 

 

いや、もう迷ってる時間は無い!私はがむしゃらに逃げるのを止め、彼女の前に立った。

 

 

そして私は、あの時と同じ様に、一つの曲を歌い出した………。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

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イラつく。それがコイツに対してアタシが最初に抱いた感情だった。ノイズを殺し、誰かを助ける力がありながらも、何もしない。それどころか、ただ逃げ惑うだけだ。

 

 

……………弦十郎の旦那からは"交戦するな"だったり、"刺激するな"とは言われたが、方法までは言われてないんだ。適当に気絶させてから連れて行くか……。

 

 

そう考えて、さっさとこの茶番を終わらせようとした。そう行動しようとした時だった。

 

先程まで逃げていただけの奴が、突然アタシの前に立った。

 

やっと本気を出すのか。と思いながら、何が起きても反応できるような体勢をとると、声が聴こえ始めた。

 

 

その声の主は、目の前に立つコイツからだった。

 

 

 

【まるで悲しみのかけらだわ】

【街をとざす ガラス色の雪】

【明日を探す瞳さえも】

【くもらせてゆくの 闇のかなた】

 

 

これは、歌?だけど聴いたことが無い曲だ?色々とアタシの中に疑問が広がるが、それどころじゃない。

 

コイツが歌い始めてから、嫌な予感がアタシの中でうずまいている。

 

早く歌うのを止めないと何かが不味い!

 

【見知らぬ力に流されて 心がどこかへはぐれてく】

【はりさけそうな胸の奥で 鼓動だけが たしかに生きている】

 

 

これで、終わりだ!

 

      

       STARDUST∞FOTON

 

 

 

 

 【光る風の中 聞こえてくる あなたの声】

 

 

なっ…!なんだコイツ…?急に姿が変わりやがった……。

それに、あいつの後ろにいるキモいやつは何だ?よく分からねぇが、あんなやつの触手に捕まったらヤバそうだな…。

 

 

 【「Pray don't break a peace forever」その輝きを信じてる】

 

 

クッソ!キモいやつは触手や光線を飛ばしてきやがるし、コイツはアタシを上回るスピードで突っ込んできやがる!

 

 

 

 

 

翼がいれば、こんな…!

 

やっぱ駄目だ。このままじゃ埒が明かねぇ!ここは一旦引かねぇと。

 

 

「今回は引いてやる。だが!次は絶対、お前を連れて行くからな!覚えてろ!」

 

 

 

次は、次こそは、コイツを…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは…どういう状況なんだ?

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

結論から話そう。どうやらプ◯キュア風痴女(天羽奏)は帰ってくれたようだ。面倒なことにならなくて助かった。

 

 

そしてもう一つ、私の能力は無事発動したようだ。だが今回は何の歌を歌ったのか覚えていない。

 

 

今まで歌った時はちゃんと意識があった筈だが、今回は驚く程まっさらに、歌った記憶がなかった。

 

それに、私のこの格好。これはなんだ?

 

右手にはビームライフルのようなものを持っているし、肩にはF91と描かれたアーマーが付いている。

 

これは恐らく、機動戦士ガンダムF91のガンダムF91の一部だろう。何故その部分だけ身に纏っているかは取り敢えずおいておこう。

 

それに、私の後方に浮かぶ花のような立体物。これも恐らく、ガンダムF91にて登場する、ラフレシアと呼ばれる機体だろう。

 

となると、だ。これらのことから、私が歌ったのは、機動戦士ガンダムF91の主題歌、ETERNAL WINDだろう。

 

 

それなら、これらの戦闘の跡も納得がいく。

 

 

地面がまっすぐ抉れているのはラフレシアのメガ粒子砲によるもので、それ以外の小さなデコボコはビームライフルによるものだろう。

 

 

しかし、覚えていないとはいえ、派手にやったものだ。私も、ラフレシアも。

 

いや、それよりだ。早く戻らなければ両親が心配するだろう。そうなったらもっと面倒だ。早く家に帰るとしよう。

 

 

 

…………ところで、この見た目とラフレシアはどうすればいいんだ???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか身に纏っているものとラフレシアを消す方法を見つけ、バレないよう消して家に着いた私は、自室のベットに飛び込んだ。

 

 

 

「あー。疲れた。」

 

 

 

ここまで疲れたのは前世以来だ。もう暫くは動きたくない。

そんな気持ちが私の中を埋め尽くした。

 

だがそれ以上に、ラフレシアの中にあった、先程の戦闘音声の天羽奏の発言が思い起こされた。

 

 

"今回は引いてやる。だが!次は絶対、お前を連れて行くからな!覚えてろ!"

 

 

あの発言からして、再び私を捕まえに来るであろうことが容易に想像がついた。そんなことを考えるとただでさえ思い私の体が更に重くなったように感じた。

 

しかし、今はとにかく休息を取らねばなるまい。そう考えながらベットの中に潜り込み、頭の中を空にし、深く目を閉じ、夢の中に入っていった。

 

 

 

 

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「旦那行かせてくれ!次こそは、アイツを!」

 

 

「いや駄目だ。既に奴の戦闘能力は我々の想定を越えている。これ以上刺激すれば、奴が何を起こすか分からない。」

 

 

「でも!」

 

 

「これは奏や、翼を守るためなんだ。分かってくれ。」

 

 

「……………分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様、弦十郎君。」

 

 

「ああ了子君か。──どうだった。」

 

 

「結果としては白ね。あれからはアウフヴァッヘン波形が検出されず、フォニックゲインだけ検出された。恐らく、シンフォギアとはまた別の力なのかもね。」

 

 

「そうか…。それで、奏の様子は?」

 

 

「一応体に異常は見当たらなかったけど、相当悩んでいるみたい。暫く休ませた方がよさそうね。」

 

 

「分かった。俺の方から奏に伝えておく。」

 

 

「気を付けてね。彼女、今ピリピリしてるみたいだから。」

 

 

「ああ、分かっているさ。それじゃあ、了子君。」

 

 

 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

「……………行ったみたいだ。───それより、こいつは何だ?」

 

 

そこには、奏が戦った場所周辺の監視カメラからの断片的な映像が映し出されていた。

 

 

(アウフヴァッヘン波形はでないが、フォニックゲインはでている。それに加え姿を変える力と花のようなものを出現させる力………。場合によっては、計画の障害となるかもしれん。)

 

 

 

それを見て考える了子の顔は、優しい研究者の顔ではなく、鬼も裸足で逃げ出すような、そんな表情だった。

  

 

 

 

「もう少し、情報がいるな。あいつをぶつけてみるとするか。」

 

 

研究者の時間は、まだまだ始まったばかりだ。

 

 

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