女は愛嬌?いいえ、度胸だって女のものです   作:海女

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登校初日

朝…辛いよ。

元夜の女に朝8時出勤は辛い。

学校行きたくない。

あーもう不登校でもしようかな、もういいかな。うん、そうよ。原作通り行けばいいんでしょ。

私が出張ってあのクソガキに見つかるほうが原作崩壊するわ。

 

ゴロンと寝返りをうった、ら、布団を剥ぎ取られてしまった。

 

 

「響さん、朝ですよ」

 

「…なんでいるんですかね、チェルベッロさん」

 

「登校日初日は遅刻させないようにとお母様から厳命を受けました。体は中学生でも中身は夜間に働いていた方だと聞いていたので」

 

 

これが、仕事のできる女ってことかぁ…。

そして母親さんには私の前の仕事は知られてるのね。

イケオジ様から私のところへの派遣だから、ある程度の情報は持ってるわね。

 

 

「このままでは遅刻しますよ。さぁ、お着替えを」

 

「でもさ、このまま不登校でもよくない?出る杭は打たれるでしょ」

 

「出ている杭は打たれますが、このまま登校しなければ見つからぬ杭は風紀委員に掘り起こされるとおもいますが」

 

 

 

あ、そっか。あの凶悪委員長のこと忘れてたわ。

たしかに不登校とか無理矢理連れ出してきそう。

でも主人公のいじめっぽいのは情報すら持っていなかっただろうし、赤ちゃん爆弾が面倒見るようになってから興味を持ったんでしょ。

凶悪委員長は「学校を壊さない、団体行動取らない」が守れるなら見逃してくれそう…。

 

 

「響さん。お考えは十分理解できますが世界の流れを真っ当に進めるためにも風紀委員長に手を出されると厄介です。

お着替えはご自分でされますか?それとも私が手伝いますか?」

 

「あーはいはい。遅刻しなければいいんでしょ?着替えますって」

 

 

このお目付け役、意外とめんどくさいぞ?

外面用のハウスキーパーなら月一とかに契約変更するのはありだと言ってほしい。

 

 

 

 

 

 

「それでは自己紹介をしようか!まず俺は1−B担任の」

 

 

右も左も前も後ろも、だーれも寝てない。

みんな元気よく名前と好きなものとか入りたい部活とか色々発表している。

みんないい子ちゃんで、元気がいい。

 

私の中学生生活ってこんなに目輝かせてた?

 

これこそ漫画効果って感じ?

誰も彼もが新しい生活に目を輝かせ、ってあたしには合わないなぁ。

中学とか親の暴力に耐えてるような毎日がデッド・オア・アライブだったし。

こんな子達と1年一緒とか、つらすぎる。このテンションについていける?

いや、でも中身は大人でも体は子供だし必然的に精神も若返る?

 

ぼーっと話を聞いてたら私の自己紹介の番になった。

 

「中村響、よろしく」

 

「中村な!…それだけか?」

 

「そうですけど」

 

 

そんな戸惑うこと?

別に自己紹介なんかしなくても必要なら声かけてくるでしょ。というか必要なとき以外は話しかけてこないでほしいし。

 

 

「こう、入りたい部活とか「失礼する」え、あっ!ふ、ふふ、風紀委員さん!」

 

 

めんどくさい担任の話を遮ってくれたのは突然教室に入ってきた草を加えた大男。

確か草薙?草陰?だったかな

 

 

「風紀委員、副委員長の草壁だ」

 

 

そうそう、草壁だ

 

 

「風紀委員はこの学校を統べている。目的は学校の風紀を乱さないことだ。

風紀を乱さないためにも今後、我々の指示には従ってもらうこととなる。わかったな」

 

 

なんとも強引な風紀委員だ。

というか一、委員会が学校を統一させてるなんて本当漫画の世界だね。

 

 

「風紀委員長の雲雀から伝言がある。

一つ、授業や部活動、学内行事以外での群れを禁ずる

一つ、学内へ武器の持ち込みを禁ずる

一つ、校則を破ることを禁ずる

一つ、学校設備、施設の破壊を禁ずる

以上が守れない場合、風紀委員の制裁対象とする。平和な学校生活を送りたいなら逆らわないことだ。担任からもよく説明しておくようにと伝言を受けた」

 

「わかりました!!!生徒たちに言い聞かせます!!!」

 

 

変な熱血っぷりを発揮しようとしていた担任はすっかり蛇に睨まれた蛙状態。

ざまぁみろ。

学生が教員よりも強い権力があるとこうなるのねって勉強になるわぁ。

どこで使うかはわからないけどね。

 

風紀委員と教員の上下関係お披露目会のおかげで私の自己紹介は流されていった。

 

 

 

「私、田中まゆみ!よろしく!さっきの自己紹介かっこよかったよ!!なんか、こう、一匹狼みたいなかっこよさで合ってる?」

 

 

焼け焦げ肌のポニーテール女

 

 

「ね〜、響ちゃんかっこよかったよ〜

私岡崎咲なの、よろしくね〜」

 

 

ふわっふわ巻き髪の自己中っぽいお嬢ちゃまタイプ

 

 

「…ありがとう?」

「「やっぱりクールだよね!/だね〜」」

 

 

大人に喧嘩を売りに行った自己紹介は以外にも中学生に受けが良かったみたい。

 

まさかかっこいいと言われるなんてね。

このくらいの年の子たちは先生への反抗がかっこいいって思う年頃だったわよね。

だから風紀委員が野放しになる。

だれも逆らわないのは単純に怖いからってだけじゃないと思う。

教員にも逆らっても許される上位層への憧れと畏怖をもつ存在だからってかんじよね。

 

 

「気になってたんだけどその顔ってもしかしてお化粧してる!?」

 

「してるけど」

 

「かわいい!!その眉毛キリッとしてるし、目もぱっちりでまつ毛バッサバサで目力強くてかわいい!!」

 

「咲も思ってたの〜そのお目々かわいいよね〜」

 

「でもさ、学校内で化粧は校則違反だたよね。あのおっかない風紀委員?に怒られちゃうよ!」

 

 

め、めんどくさ…。

なにこの前のめりに話してくる感じ。

グイグイ来すぎじゃない?初対面だったよね?私達ただのクラスメイトなのよね?キャバの仕事中じゃないよね?

 

 

「違反、なのかは知らないけど。今日はこの顔って決めたからいいの。制裁は与えられるときに考えるわ」

 

「「か、かっこいい!!/いいね〜」」

 

 

一発言ごとの大きい褒め言葉モドキはいらないんだけど。

シンプルにうるさい。

仕事でもないのにこんなめんどくさい女となんて喋ってられないと思って席を立つ。

 

 

「え、トイレ?あたしも行く!」

「咲もいこうかな〜」

 

 

あんたらから離れたいんだってば!

 

この年頃の子はすーぐに団体行動したがるよね。

だから群れるなって言ってるのになんで連れションしに行こうとするわけ?咬み殺されても知らないよ?

 

 

 

私が先頭でトイレまでの道を歩く。

 

そしたら案の定、見回り中らしい雲雀と遭遇。

遭遇するために学校探検って言って応接室に近いトイレまで来たんだから目的達成。

群れて一回咬み殺されれば少しは近づかなくなるでしょ。

 

 

「あ、風紀委員だ!けどリーゼントじゃないね」

「風紀委員なの〜?かっこいい〜」

 

「…呑気ね」

 

 

この学校のトップの顔を知らないなんて、この二人はそこら辺に放置したら狼に食われるのは一瞬ね。

関わりたくないやつは金づるにする。そのための情報は最大限仕入れておかないと。

私の場合漫画の情報が主だけど入学式前に町で雲雀の情報を十分仕入れた。

そのときに顔の情報だってあったわ。

ここは公立中学、つまり街の小学生の大半が進学してくるはず。

 

この子達はどこからの進学者?

それとも漫画の世界なのが原因?沢田もちびっ子に合わせられるまで雲雀の存在は知らなかった、よね。

転校してきた獄寺も知らなかった。

でも山本は知っていた。

山本のほうが情報収集能力に長けていたってこと?ん〜…確か地元の寿司屋の息子だからそこから得た情報とか?

 

 

「君たち、群れるのは校則違反だと副委員長から聞かなかったの」

 

「え、あ、えっと」

「聞きましたけどぉ〜」

 

「それにそこの君」

 

 

私を指さしていたんですけど。

その指へし折ってやりたいわ。

 

 

「なんですか?」

 

「化粧してるでしょ。化粧も校則違反だ。咬み殺すよ」

 

 

出たよ

口癖の咬み殺す

 

トンファーで殴られるって感じでしょ。

無抵抗ン等一発殴られた程度の痛みだろうし、それくらいならねぇ

 

 

「どうぞご自由に」

 

 

キャバ嬢時代にあのクソアマ嬢に殴られたシャンパンの瓶よりは痛くないでしょ。

 

 

「そう」

 

 

スタスタと歩いてきて、拳を振り上げて、、拳?

 

ゴッ!!!

 

痛!!いった、痛すぎるんだけど!!

え、まさかの、グーパンですか!?え、なんで!?いやトンファーでもグーパンでも痛いのは変わらないけどさ。

 

 

「響ちゃん!?」

 

 

あまりの痛みに殴られた頬を抑えながら視線をずらしてしまった。

睨みつけたいのに!!

シャンパン瓶で殴られたときは「んな安酒で殴るなよ」って叫んでやれたのに!!

 

 

「草食動物が山猿を気取るには難しいよ」

 

「さるしゃないわ」

 

 

うまく喋れない。

女の顔を殴るなんて。

急所というか当てられてほしくないところを狙ってきたわね。

さすが喧嘩の大代将。

 

 

「次は君たち」

 

 

雲雀があの二人を見ればひぃっ!と悲鳴を上げて走って逃げた。

置かれた私を振り向きもせずに。

 

 

「力がない草食動物ほど群れをなす。よくあたってる」

 

「群れ?勘違いしなひで。勝手についへきただけの小物なの。あいつら追ひ掛けへまで殴るなんへ時間の無駄ね」

 

「ふん。そう思うなら群れないことだね」

 

 

そう言って雲雀は立ち去っていった。

私みたいな小物の群れにはトンファーなんて使う必要がなかったってことね。

とりあえず女のでも容赦はしないってことを示したってことね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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