【設定変更につき書き直し中】当たるも当たらぬも八卦。当たるも当たらぬも八卦ぇ!!(血涙)   作:かりん2022

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クズの頂上決定戦

「信じがたいな」

「信じなくてもええよ」

「信じないとはいってねぇよ。お前の最後を見とった奴が、並行世界への転生をさせる術式の奴だったんだろ。お前の言葉に心当たりがある。数年前からある、災害予知の与太話だ。予知術者が逃げ回ってるって話だったが、そいつがお前みたいに処置をされた奴らだろうな」

「転生の術式……悟くん達も転生してるんやろうか……」

 

 直哉はぐしぐしと涙を拭う。普通に幼馴染で仲も良かったのだ。

 悟は委員長が内定していた事もあり、いいお兄ちゃんだった。

 前世とは全く違う県で産まれた為、前世での友達も探せてない。世界に1人、置き去りにされたようで寂しいのだ。特に小中と一緒だった親友は、直哉の性根を叩き直してくれたものだった。

 なお、悟達は直哉とはちょうど12歳差なので、現状0歳なのだが、直哉がそれを知る方法はない。

 ちょうど真希達と同世代である。

 直哉と同世代で、予知情報をばら撒いているのは天内と黒井だったりする。

 廻の占いについては、承知の上だった為、放って置けなかったのだ。

 

「そん時、死んでたら転生してるだろうな。調べてみるか。爺いも思ったより野心強いみてーだし、注意しとく。なあ、もっと未来の話、話せよ」

「並行世界やし、役に立たへんかも……」

「お前の話を聞きてぇんだよ」

「甚爾くん!!」

 

 ぱぁぁと直哉が笑う。

 

「笑うと可愛いな。これ、携帯番号。また会って話そうぜ」

「うん!!!」

 

 それから、甚爾はより一層、周囲に気を配るようになる。

 禪院直毘人は、食えなくはあるが、そう悪い人間でもないと思っていた。           

 

 だが。

 

 力を復活させる為に、甚爾を利用し、直哉を切り捨て、無害な呪霊を人に害を為せるようにすると言うのは、ちょっと趣が変わってくる。

 それが並行世界の直毘人であれ、警戒をするに越した事はなかった。

 

 大体、自分の息子が当主になるなんて。

 

 ……当主か。

 

 与えられるものなら与えてやりたい。

 けれど、それは息子にとって必要なものなのだろうか。

 

 自分は迫害されてきた。

 恵まれていたはずの直哉も容易く切り捨てられる。

 術式を持ってたら、本当に禪院家で幸せになれるのだろうか。

 

 禪院甚爾には、わからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、ポツポツと電話の応酬が続き、甚爾の家まで遊びに行くようになった。

 嫁には親戚と伝えてある。交通費は甚爾持ち。流石に中学生にしょっちゅう他県に行けるほどの金はない。

 

 子供が産まれてしばらくしたある日、桜(直哉)は告げた。

 

「……なんや、嫌な感じがする」

「なんだ?」

「こっちの世界は力が強いから、よぉわかるわ」

 

 そうして桜(直哉)が見つけたのは、呪符だった。

 それを奪い取り、呆然と見る甚爾。

 

「なんて顔しとるんや。自分、お守り作るの得意やから、もっとき。大丈夫やから」

「大丈夫なわけあるか!!」

 

 バンと机を叩けば、机は破壊される。

 

「きゃっ」「とーじくんっ」

「あ、悪い」

 

 そうだ。嫁や子供を人質に脅されて天元の同化妨害をさせられたかもしれないんだ。何せ、日本を呪霊の餌にしてもいいと言うんだ。それぐらいはやる。

 

「とーじくん、自分かて禪院家当主を内定しとったんやで。それは、こっちの、特級(桜にとっては、こっちの三級=向こうの特級である)呪霊と毎日のように戦っとる自分と戦えば勝てないかもしれんけど……その代わり、こういう小細工は自分の方が得意みたいや。そんな稚拙な呪符、自分のお守りがあればぜーんぶ弾いたるわ」

「桜ちゃん……ありがとう」

「桜」

「まあ? 将来の夢は看護婦さんやけど? せっかくの技術を全く使わんのも勿体なしな」

「呪術師はしねーのか」

「向こうの特級がこっちの三級やで。いやや。自分も強くなっとるとか関係ないわ。とーじくんかて、特級と毎日戦いたい?」

「いや。そうだな。それもそうか」

 

 桜(直哉)は笑う。

 

「呪術師以外の未来を探すって、すっごく不安やけど、すごく幸せやな。なんや新鮮や」

 

 甚爾はそれを眩しく思いながらも、悩んだ。

 嫁は第一。それは絶対だ。ならば、嫁を殺される前にお望み通り子供を売ってしまう? 子供は大切に育てられるだろう。それで本当に嫁は助かるか? ……子供は本当に幸せになれるのか。いや、選択肢なんてない。

 

 甚爾は悩む。

 そうして、桜(直哉)を見る。

 並行世界とはいえ、桜(直哉)からの好意と善性は見てきた。

 こっちの直哉も、そう悪い人間ではないはずだ。

 

 甚爾は、直哉に賭ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

「とーじくんっ どうしたんや、急に会いたいなんて。しかも格好いい顔に、紅葉が2枚も張りついとるやん」

 

 禪院家の者が見れば目を疑っただろう、子犬のような笑みを見せる禪院直哉。

 なお、もみじは子供を売ろうと言われた母の全力張り手と父に捨てられるトラウマを持つ桜(直哉)の手加減張り手である。桜(直哉)はまだ力加減を習得してないので、力を振るうたびにおっかなびっくりなのだ。甚爾からしたら、ぬるま湯にも程がある環境で育ってきた証左だ。

 

 直哉は、いそいそと甚爾のそばにいき、その頬に濡らしたハンカチを当てて気遣った。禪院家の者が見たら驚愕していただろう。真希(幼女)が頬を腫らしていても一度たりともそんな真似をしたことがない直哉である。

 

「実は、嫁に呪物が仕掛けられたのがわかってな。嫁を害される前に、子供を売ろうと思う」

「フゥン……」

「直哉。お前にしか頼めない。俺の子を頼めないか」

「せやなー。パパが言ってたんやけど。桜ちゃんもセットで渡すなら、とーじくんのお嫁さんに手出しはしないって」

「!!!」

「桜ちゃん、かわええやん。とーじくん。もう抱いた?」

 

 自画自賛である。

 

「なぁ、とーじくん。とーじくんは何より大事なお嫁さんおるからええやろ」

 

ーー桜ちゃん、自分にちょーだい。

 

 お前である。

 

 そして、直哉に負けず劣らず、甚爾もクズだった。

 

「桜は俺が説得する。もう二度と禪院家は俺の嫁を呪わないって縛れ」

 

 甚爾は、嫁さえ無事ならそれで良いのだ。

 嫁以外の全てを、甚爾は捨ててきた。

 桜(直哉)も、直哉(自分)がやったことに対しては文句は言えないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰り道、未来探しが楽しいと言った桜の顔が水たまりに浮かび(自分の顔がうつっただけだが、禪院家の遺伝子は強く、顔立ちが皆似ている)、それを甚爾は踏み躙った。

 嫁以外の全ては、自分も含めて、捨てるのだ。

 

 




桜は本当に可哀想。

あ、夏油離反ですが、天内、黒井、直哉が闇落ちについて知らず、
(直哉は状況すら知らない)
知ってるメンバーは離反時5歳なので改変はほぼ無理です。


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禪院家クズの頂上決定戦。チャンピオンは?

  • 直哉
  • 桜(直哉)
  • 甚爾
  • 直毘人
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