【設定変更につき書き直し中】当たるも当たらぬも八卦。当たるも当たらぬも八卦ぇ!!(血涙)   作:かりん2022

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19話

「甚爾くんを騙くらかしたボケは誰やぁぁぁ!!!」

 

 荒ぶる直哉が占い師達をしばいていた。

 なお、ここにいるのは見習いである。出来がいいのはすでに占いで危険を察知して逃げているので。新人を囮にするひでー組織である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すーぐーる」

「テン!」

「ごめんな」

 

 ガスマスクにローブ姿の人物が手を合わせると同時に、急激に呪力が練れなくなった。

 

「!?? お前が占い師か、予想よりわけーじゃん」

「あっは♡ 嬉しいね。若く見える?」

 

 鴉がワイヤーで出来た網を落とす。

 

「冥冥さん!? うっそだろ、いくら詰んだんだよ! いや、呪力が違う!」

 

 鴉を動かしていることから冥冥を疑うが、呪力が違うと六眼が見抜く。

 男はガスボンベからガスを振り撒く。

 途端に眠くなってくる。

 さらに黒髪の男が、攻撃を加えてきた。

 呪力が練れない空間だと言うのに、自在に動く。甚爾である。

 

「くそ! やばい……!」

 

 そうして、2人は意識を失った。

 

 天内を狙っていた呪詛師は、それを遠くから目撃して驚愕した。

 2人は捕まり、身包み剥がされて影に仕舞われる。ガスマスクを脱いだ男は五条悟そっくりだった。そして現れる占い師がもう1人。その顔は夏油傑そっくり。彼らは奪った携帯で何事か電話をする。

 そうして、天内の護衛依頼へと向かった。

 

「おいおいおいおいおい……」

 

 目撃者となってしまった呪詛師は、その情報を超高額で売った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 天内理子を送り届ける。

 そこで、夜蛾が待っていた。

 

「悟。遅かったな。天内は預かる」

「天元様の所まで送る仕事を請け負ってるのは俺なんだけど?」

「言い方を変えよう。偽物は校内に入れられない。天内理子を離してもらおう」

 

「傑」

 

 夏油そっくりのダボっとした服の男の背後から、呪霊が怒涛のように現れて暴れだした。

 影からは甚爾と複数の男女が出て、天内と黒井を抱えて移動する。

 

「偽物じゃと!?」

「安心しろよ。俺らも同化を目的としてる。結界に細工はするけどな」

「ぬわー!」

 

 天音(悟)達は走る。今度こそ、あの日の依頼を達成する為に。

 

 

「そこまでだ」

「悟くんそっくりなのは顔だけやな。せいぜい三級って所か? 雑魚やん」

 

 直毘人と直哉である。

 

「爺、下がってろ」

 

 甚爾が前に出る。

 

「とーじくんは恵くんと行き。親子二代の共同作業あるやろ?」

 

 すっと前に出るのは、直哉に似た女の子だった。

 

「それなら、任せるわ」

「お前、誰や?」

「さあ? 誰やろなぁ。テンちゃんって呼んでええよ」

 

 呪力はかつての半分。

 敵は2倍。

 それでも桜(直哉)は胸を張る。自信たっぷりに啖呵を着る。

 

「自分の早さについて来れる?」

「ふぅー。私も加勢します」

 

 七海そっくりの女の子がため息をついてナタを抜く。

 

 天音(悟)達がたどり着くと、そこには倒れた幾人かの術師と加茂家の術師がいた。

 

「問おう。貴様、何が目的だ?」

「平和」

 

 呪霊があまりにも強くなりすぎて、もう耐えられなかったのだ。

 だから前世で使っていた天元様の結界を復活させる。そのための計画である。

 いろんなパターンを考えてしっかり準備した甲斐があった。

 

「洗脳術式でも結界に混ぜるつもりか?」

「さあ、どうだろうな?」

「悟。配置についてくれ。私が応戦する」

「気をつけろよ、傑」

「任せてほしい」

 

加茂家、憲紀の転生体。五条家、乙骨の転生体。禪院家、恵の転生体。

3人が悟の転生体と天内、甚爾を中心として三角形を描くように位置し、儀式を開始する。

 

 呪力も呪霊も全て封印する、大儀式である。

 

 甚爾は、しばらく前のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパ!」

 

 そう声を掛けてきたのは、

 

「俺にそんなデケェ娘はいねぇな。幾つの時の子だよ」

「あんたが恵って名付けたんだろ」

「名付けてねぇ」

「名付けた。男なのに恵って名前つけやがって、今じゃ本当に女やってる。絶対あんたの呪いだ恨むぞ。いいか、俺はな。お前が天内護衛依頼を妨害したせいでえらい目にあったんだ。あんたの望み通り禪院家の当主にはなれたさ。腐った猿山のボスザルにな。お前の息子だ、天元様の結界を破棄した犯罪者の子だ、責任持って呪霊を祓えってみんな言う。俺が戦場に出たのは5歳だ。まじでふざけんなよ。享年は17。学校も卒業できなかった。ほんとふざけんな。楽しいこと、一個もしたことない。修行戦闘当主業、普通に憧れるたびに俺は犯罪者の息子だからって惨めに下を向くんだ。喜べよ愛された証だろって言われながらな」

 

 不機嫌そうに禪院家特有の、そして妻に似た顔で文句を言われ、ぼんやりと恵と名付けた事を思い出す。誘いを受けていた天元の依頼。恵と名付けた持っている側の息子。禪院家当主。頭に情報が染み入ってくる。甚爾は決して愚かではなかった。ただ、自分を卑下しすぎるだけで。

 

「俺はあんたに恨み言を言う権利がある」

 

 恨みがましい目で、女は言った。

 

「それで、あんたは俺に埋め合わせをする義務がある」

 

「お前は誰だ」

 

「テンとでも呼べ。俺の術式は十種影法術だからな。前世と同じだ」

 

 嘘だと断じることもできた。妄想と笑う事もできた。

 ただ、荒い口調なのにパパ呼びな所が直哉を思わせて、顔立ちも合わせて禪院家で育てられたんだろうなと思った。思ってしまった。

 

「だいたい、ずっと様子を伺ってたがなぁ! お前、ママに俺の事頼まれてんじゃねーか!!! あっさりあんな肥溜めに売り払いやがって、絶対許さん!!! 御三家とかゴミのクズのカスじゃねーか!」

 

 責め立てられて、甚爾は頭を下げた。下げてしまった。

 

「悪い」

「本当に大変だったんだぞ! あんた相打ちで死んじゃうし!」

 

 ボロボロと涙を流す女。

 

「すっごく大変で! すっごく辛くて! 愛してたって言うなら、そばにいろ、バカァ! それが一番だろ! 世界の破滅とセットの当主の座なんて全然欲しくない……!」

 

 そんなダメだったのか、天元の同化阻止。

 

 甚爾は、ちょっぴり反省して協力を約束したのだった。

 

 事情を全て聞いて並行世界の息子と知った後でも、もはや彼女は甚爾にとって我が子であった。あと、六眼の醜態を死ぬほど笑わせてもらったので、その礼にちょっとぐらい協力してもいい。甚爾一人勝ちの世界になるし。

 

 やっぱり甚爾は反省してないかもしれない。




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