クセ者だと? 失礼なやつだな   作:永田伝三郎

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高評価とかあったら幸いです


代表がいて秩序があるからこそみんな平和に暮らせるのです

 

~~~カラオケボックスにて~~~

 

 

「いなせだね夏を連れてきた人

渚まで噂走るよめっ♪」

 

『得点は〜〜?78点〜〜!』

 

機械からの電子音声がカラオケボックスに響き渡る

 

なんとも微妙な点数だ。

どうせなら80点台を取ってカッコつけたかったのに。

 

「あっはは!堂前くん点数超ビミョーじゃん!」

 

「はいはい、どうせ僕は微妙な人間ですよ。前園さんがどうしてもってせがむからじゃん。」

あれから、佐藤さん、前園さん、松下さん、篠原さんが加わって僕と軽井沢さんを含め計6人でカラオケを楽しんでいる。

思ったより、男女比が偏ってるのに驚いたのには言うまでもない。

クラスの男どもは何やってんだ?

まさか櫛田さんに人気が集中しすぎて他の女の子に矢印が向いてないとかじゃないよな?

 

 

「僕はこう見えて聞き専なの。カラオケだって前園さんと違って最高で81点くらいしか取れた事ないよ。」

 

「えぇ〜?ほんとに〜?どうせ盛ってるんじゃないの?」

 

ええぃこの女郎、さっきアイドルグループの歌で90点台を出して調子に乗りやがって。

点数マウントをとってくる前園さんをどうしても見返したくて何曲か歌ってみたが、精々70から80点くらいしか取れなかった。

 

しかし、僕が歌う度に佐藤さんや篠原さんが「‥‥堂前君って意外とシブいのが好きなんだね」って言ってたのは何だったんだ?僕は谷村新司とかB’zを歌ってただけなんだけど?

みんなB’z世代だろ? よく、コナン君の映画で歌ってたじゃないか。

 

「まあまあ前園さんもその辺で」

 

流石にやりすぎだと思ったのか松下さんが前薗さんを落ち着かせようとした。

 

「でも、今日は堂前くんが参加してくれてマジ感謝って感じかな!」

場を和ませようとしてくれたのか、ギャルっ娘の佐藤さんがフォローしてくれた。

 

それにしても佐藤さんもなかなかの美形だよな。

軽くお話ししたけど、おしゃれとかにすごい気を配ってるんだよね。

自己研鑽してるって言うのかな?

僕はコスメとかおしゃれは全くわからないけど、目標のために努力している佐藤さんはすごい人だと思ってるんだよね。

こういう女の子がモテるんだろうな。

 

 

「ありがとう佐藤さん、僕も誘ってもらえて嬉しいよ。今日の会計は僕が全員分僕が払うよ。」

 

「えっホントに? えっと‥‥良いの?」

 

「いいよ今日くらい。今月は節約してるからポイントは大丈夫だよ。」

 

「えっ?ちょっと待って堂前くん節約してるの?」

僕の発言に松下さんが反応する。

 

「うん、コンビニやスーパーの無料商品とかで生活費を限りなく安く済ましてるって感じ。あと、学校食堂の山菜定食だっけ?あれ良いよね。何回おかわりしてもタダなんでしょ?今度試そうかな。」

 

「へぇこの学校の事は何でも知り尽くしてるって感じ?」

 

「いやぁ、何でもはムリだよ。来月貰えるポイントすら分かんないだから。」

 

「えっ?」

「貰えるポイントが分からないってどういう事?」

 

おや、いつもは不調だったけど今日はみんなの食いつきがすごいいいな。

カラオケに参加しただけでこんなに違うものなのか?

 

「だってさ、茶柱先生は月初めにポイントを配るって言ってたけど具体的に幾らとは言ってなかったでしょ?アレおかしいなと思って聞きに行ったんだけど、『答えることはできん』だってさ、正確な額言わないとかヘンでしょ?」

 

「えッマジで?」

 

「ウソでしょ‥‥」

 

僕が言う度にみんなの顔がこわばったりしてくる。

そんな怖いことを言ってるつもりはないんだけどな。

 

「えっと、その‥‥堂前君はどうなると思ってるの?その、ポイントとかって。」

 

「まず毎月10万じゃないのは多分確定でいいとして」

 

「ええっ!」

「そんなぁ」

 

「個人個人の成績とかでバラバラなんじゃないかなぁ。」

 

「それってどういう事?」

 

「まず順を追って説明するとね?茶柱先生にテストや部活とかで良い成績を修めたらご褒美としてポイントは貰えますかって聞いたら。『貰えるよ』って答えてくれたんだよね。ちなみに、英語教師の真嶋先生と数学教師の坂上先生に聞いたらほぼ同じ事を言ってたよ。」

 

「ちょっ! それほんとなの?」

ここで佐藤さんがかなり動揺していた。

 

ちなみに二人の先生の反応についてだけど

真嶋先生は「全てではないが貰える場合もある。具体的な詳細についてはまだ言えん。」と硬い表情で

坂上先生は「えぇ貰えますよ。堂前くんは真面目ですねぇ、私のクラスに欲しかったくらいです。」とにっこりとした表情で返してくれた。

 

「後はね?」

 

「まだあるの?!」

 

「学校中にある監視カメラだね。」

 

「カメラ?」

「なにそれ?」

 

「あれ気付いてなかったの? カメラに詳しい友達が教えてくれたんだけど、この学校って監視カメラがすごい配置されてるんだよ。あぁ、そういえばこの事はまだ軽井沢さんに言ってなかったね。ごめんね?僕カメラみたいな電子機器には疎くってさあ。そんでね‥‥」

 

 

「ねえ、堂前くん。君は結局何が言いたいの?」

 

「ん?」

 

ここで唐突に軽井沢さんが僕の話を遮った。

 

「前々からずっと言おうと思ったんだけど、堂前君は何がしたいの?入学してから私につきまとって、この学校のこと色々と教えてくれたよね。あれって何だったの?何か目的でもあったんじゃないの?」

 

「か、軽井沢さん?」

いつもとは違う軽井沢さんの様子に周りの女子達は少し困惑していた。

でも、松下さんだけは冷静に見えた。

 

「軽井沢さんならもう分かってるんじゃないの?」

 

「‥‥いい加減にしてよ。はっきりと口に言わないとわからないよ。」

 

そう言う軽井沢さんからは、苛立ちと焦り?みたいな感情が見えた。

 

うん確かに流石に時間をかけすぎちゃったよね。

しょうがない、僕も腹を決めよう。

 

「僕の目的? それは至ってシンプルだよ。 クラスのまとめ役を作ろうかなって思ってね?」

 

「‥‥? まとめ役?」

 

「そっ、流石に授業が毎日あれじゃあ周りの教室や先生方の迷惑になるかもと思ってね。来月配られるであろうポイントやこれからの学校生活とかいろんな問題の早急な解決を図るためには、まとめ役を決めてクラスの秩序を創るべきかなと思ったってワケ。

ここまでで、僕の言ったことに何か質問ある人いる?」

 

すると、松下さんが挙手した。

「えっと‥‥その、堂前くんに聞きたいことは色々とあるんだけど、なんでまとめ役をつくることがポイントのことと結びつくのかな?」

 

「おっ!良い質問だねぇ! ズバリ僕の推理が正しければ、貰えるポイントとカメラの関係はねぇ‥‥」

 

僕の推測が正しければ、教室を含んだ校内にとにかくカメラがあるのにはおそらく二つ理由がある。

一つはシンプルに校内の治安のため

悪いことをしている人がいないか確認するためだ

国が造った学校なんだから当然だ

万が一生徒が犯罪をおかしていたけど、カメラがないので分かりませんでしたなんてことになったら国の威厳に関わるからね。

 

そしてもう一つは、おそらく毎月配布されるであろうポイントになんらかの影響があんじゃないかと僕は思う。

 

いくら校内の治安と風紀を守るためとはいえ教室にカメラを10個以上も置くのは流石に過剰だ。

これは、安全性というより僕らを監視するためのようにしか見えない。

何故監視するのか?

それは生徒たちの普段の態度だとかそういうのを見てるんじゃないか

そして、ひょっとしたらそれが毎月配られるポイントにも影響するんじゃないか

 

「‥‥とこのように僕なりに考えたんだけど、残念なことに証拠も確証もないんだよね。」

 

「で、でも!マジならヤバいんじゃない?ウチら授業とか真面目に聞いてないし。一部の男子とか授業中にゲームとかやってるじゃん!」

 

佐藤さんや、危機感を持ってくれるのはありがたいけど、君だってケータイいじってるだろうブーメランだぞ。

 

「‥‥つまり、普段の授業態度はカメラで見られていて、それが配られるポイントに直結する。でも、それが本当か証明できない。仮にクラスのみんなに言ったとしても信じてくれるか分からないし、みんなの態度がもっと悪くなるかもしれない。だから、先ずはみんなを纏めるリーダーを作ろうってことかな?」

 

「そう!それだよ松下さん!僕が言いたかったことは!」

 

「なるほどね。ちなみに堂前くんは纏め役についてはどう思ってるの?」

 

「ふふん。僕としては男子代表として、平田くん。そして女子代表としては軽井沢さんをー「あたし?パスでいい?

しかし、そう言おうとした途端遮られてしまった。

 

「‥‥え?」

 

「ん?聞こえなかった?パスで。リーダーとかめんどくさそうだし。」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれないかな軽井沢さん?僕の話を聞いてくれただろう?みんなに配られるポイントのためにもここは纏め役を決めることで秩序をだね。」

 

「‥要するに、みんなに言うことを聞かせる人が必要って事でしょ?なら別にあたしじゃなくてもいいんじゃないの?」

 

‥‥あれ?言われてみるとそうなのか?

 

「堂前くんがあたしを推薦してくれるのは嬉しいけどさ、流石に力不足だよ。もっとできそうな人がいるんじゃないの?櫛田さんとかさ。」

 

櫛田さん?いやそれはちょっと

 

まずいとそう言う前に僕は阻まれてしまった

 

「てかさなんなの?あたしらカラオケを楽しみたかったのに雰囲気ぶち壊しじゃん。」

 

「ちょ、ちょっと前園さん?そういう言い方は‥‥」

松下さんが宥めようとするも、篠原さんも同意見なのか少しうなづいている。

佐藤さんは急な展開にオロオロしている。

 

「‥‥とにかくさ。堂前くんが善意なのは分かったけどあたしはそういうのあんまり興味ないの。平田くんなら聞いてくれるんじゃないの?じゃあ、これでお開きね。堂前くんも良いよね?」

 

「‥‥うん、分かった良いよ。聞いてくれてありがとね。」

 

こうして、まさかの僕の高校でのコミュニティ作りはまさかの失敗という結果になったのである。

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