クセ者だと? 失礼なやつだな   作:永田伝三郎

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お気に入り登録ありがとうございます!確認したら、すっごい増えててびっくりしました。
おそくなってしまいましたが、どうぞ!







イケメンと美人は国の宝では?(後)

 【前回のあらすじ】茶柱先生と後で面会もとい相談の約束を取り付けに成功!


 

 

 グレートティーチャー茶柱またの名をGTTによる日本政府の正気を疑うこの学校についての説明のせいで少々乱れてしまった。

 

「それもこれも、Sシステムが悪い。これはまさか、学校ならびに社会に反抗しろという天からのメッセージなのか?」

 

「えっと、堂前君?さっきから.・・その、どうしたの?」

 

「フフッいやぁ、すまない。さっきから、情報の処理に頭が追いついてなくてね、軽いパニック状態さ。受験期には追い詰めすぎてよくこうなったもんだよ。ごめんね? 佐倉さん。僕こうなると、独り言が多くなっちゃうけど、あんま気にしないでね。急に雨が降ったようなものだから。」

 

「つまり・・その内止むと?」

 

正解だよ、黒瀬さん。僕はグッドポーズを左手で作って、目の前に出す。

 

その時、佐倉さんが思わずくすりと笑う瞬間が僕の目に入った。

 

さっきまで、僕や周りに対しオドオドしてた少女とは思えない反応だった。

 

「(なんだ、天使か?いや、天使を通り越して女神だな。)」

 

その時、前の席から僕の席をトントンと叩く音がした。

「(黒瀬さん?)」と思って前を見ると。

That's true.(それな)」と黒瀬さんが僕に対し同意していた。

おお、ここに同志がいたとは。

なんか、心を読まれた気がしたけど気のせいだ。

入学式終わったら、アクセサリーショップ行こ♪

そこで、ロザリオ買うんだ⭐︎

勿論、彼女と出会えたことを神様に感謝するためにね。

別にクリスチャンじゃないけど、そんなの気にしないッ!

 

「みんな、ちょっといいかな?」

前の席に座っていた、男子生徒が教室内のクラスメイト全員によく聞こえるように話しかけた。

 短髪の爽やかなスマイルがよく似合うイケメンだった。

 

「ほぅ」

思わず唸ってしまう。

地元の拳でなんでも解決しようとしかしないヤンキー達とは全く違う、ほぼ別種の生き物といっても過言ではないタイプの人間だ。

 

「言わば、歩く清涼剤のようなものか。」

これだよ、これ!

僕は彼のような、暴力を嫌い、平和をこよなく愛する(偏見)優等生の鑑みたいな人がたくさんいる学校に通いたかったんだ!

 

 地元には将来的に参考になりそうな先輩なんて一人もいなかったからな!彼の性格とか言動とかトレースしてこれで僕も立派な真人間だ!

 

「今後の目標は、毎朝彼に挨拶&礼拝だな。」

「・・あなた、さっきから何を言っているの?」

「独り言さ、気にする必要はないよ」

「あなたねぇ・・」

さっき言ったことを忘れたの?とでも言いたそうだな。

いやいや、ほんとごめんて。

 

堀北さんに申し訳ないと思いながら、僕は爽やかイケメンの話を聞いていた。

「僕らはこれから3年間同じクラスになることになる。だから自己紹介をして1日でも早く友達になれたらって思うんだけど、どうかな?」

「賛成ー!やっぱみんなの名前とか知っときたいし!」

何人かのクラスメイト達から、同意の声が聞こえる。

 

 なるほどな、当初の僕の計画としてはこれから一人一人に「よければ自己紹介しないかい?」とでも言って、クラスメイトにコネクションを作ろうと計画していたが、あのイケメン君のような影響力の高そうな人物が群衆に呼びかければ、みんな一斉に動き出すものだ。実に効果的だ。流石に、僕でもあんな勇気ある行動はとれない。素の僕がおんなじ事をやろうものなら、きっとクラスメイト全員からの視線で心臓は止まりあの世に行ってしまう事だろう。

 母校でもリーダー格の人が一言「行け」だの「始めろ」言うだけで手下がすぐに行動に移るのを何度も見た。あれは凄かった、全体の結束力もそうだが何よりもリーダーの統率力がハンパじゃなかった。部下同士がつまらない事が原因でケンカしそうになっても、「どうした」とか「止めろ」って言うだけで、さっきまで殺気ムンムンだった人たちがまるで別人のように大人しくなっちゃうんだ。

 それほど、凄くてヤバい人がいたからこそ、僕はその人に目をつけられないように過ごすのが大変だった。とにかく暴力とか法が絡みそうなヤバい事には関わりたくなかったから、やる事がとにかく多かった。

 

 目立たないように大人しくするとか、挨拶はキチンとするとか、リーダーの人だけじゃなくて幹部陣にも愛想良く振る舞うとか、後はライターの火を付けるとか(もちろん僕は吸ってないぞ、違法だからな)。

まぁ、家に帰って勉強をしながらそんな事をずっとつづけていたら、中学生活がもうすぐで終わる所だったのだから、とんだお笑いものだな、僕は。

 

・・過去を振り返ってたら悲しくなるからやめよう。

 

おそらく、これからこのクラスの中心人物になるであろう彼は話を続ける。

「じゃあまずは僕から。僕の名前は平田洋介。中学では洋介って呼ばれていたから気軽に下の名前で呼んで欲しい。趣味はスポーツ全般だけど、特にサッカーが好きなんだ。この学校でもサッカーをするつもりだよ。よろしく」

 素晴らしい、全く無駄のない自己紹介だ。

僕は、心の中で彼に賛辞と拍手を送った。

平田君に続いて、他の生徒達も廊下側から順番に自己紹介をしていった。

 

「俺は山内春樹。小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は4番だった。けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。よろしく」

 

「インターハイの競技に野球あったっけ?」

「Nein.〈いいえ〉 ・・・野球は甲子園。」

そうなんだ、今の黒瀬さんの証言で虚偽の疑惑が出たな。どうでもいいけど。

 

「私は櫛田桔梗です!早く皆の顔と名前を覚えて友達になりたいと思います!まず最初の目標としてここにいる全員と仲良くなりたいです。皆の自己紹介が終わったら、是非私と連絡先を交換してください!」

「それから放課後や休日は色んな人と遊んで、沢山思い出を作りたいので、どんどん誘ってください!ちょっと長くなりましたが、以上で自己紹介を終わりますっ」

 

 すごいな、あの子。みんなと友達になりたいってことは、クラスの壁とかあんまり気にしないクチかな。

平田君は、適度に距離感を保ってくれそうだけど、櫛田さんはちょっと違うな。多分、気になる人や友達になりたい人にはグイグイくるタイプなんだろうな。

でも、なぜだろうか。

平田君も、櫛田さんも僕が理想とするみたいなタイプの人間のハズなのに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「眩しい?いやそうじゃないな。何がひっかかるんだ?よくわかんないな」

「...え?」

「櫛田さんだよ、あの人なんていうかすごいよねって思ってさ。まるで、違う世界の人みたいだ。きっと、僕とは考え方も生き方もなにもかが違うんだろうなって。」

「なんとなく・・・わかるかもしれません。私とは全く逆の人みたいだなって思いました。」

そうなんだよな。違う人、全く逆の人のはずなんだ。

ダメだ、整理できない。

観察しているハズなのに、逆に覗かれてるみたいだ。

平田君が【調和】なら、彼女は【鏡】だ。

つまるところ、【調和の平田洋介】【鏡の櫛田桔梗】と言ったところだな。

って、いかんいかん、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ここじゃ、無用の長物なんだから、しっかりしないと。

あれ?いまさら気付いたけど、僕ってばさらっと佐倉さんと会話できてるな。

 

「そういえば、ひとつ聞きたいことがあるんだけどさ」

「えっ、なんですか?」

()()()()()()()()()()()()()?」

「・・!な、なんでそう思ったんですか?」

う~ん、こわがらせちゃったかな?そんなつもりはなかったのだが。

 

「ど、堂前さん。」

「ん?」黒瀬さん?

「Sie sollten ihr die Dinge erklären, ohne abzubrechen. Sakura ist sensibel, sie wird Angst haben, nicht wahr?」

〈端折らずに説明するべきです。佐倉さんは繊細なんですから、怖がってしまうでしょう?〉

 

 

「えっと・・・黒瀬さん?」

初めて聞いた黒瀬さんのドイツ語に佐倉さんは驚いていた、一方で僕は何を言っていたのかよく分かんなかったけど、伝えたい事はなんとなく理解できた。

「(・・そうだった、ちゃんと伝えなきゃ

そんなんじゃいつまでたっても友達なんてできないぞ僕。)」

 

「ごめんね、もう一回説明させてくれない?」

 

「は、はい、どうぞ...」

 

「最初に話したときに思ったんだけど、佐倉さんってちょっとシャイな感じでしょ?だから、あんまりみんなの前で自己紹介とかするのってちょっと難しいんじゃないかなって」

 

「....!」

 

「それに、佐倉さんに限らずこういうのが苦手な人は少なからずいるんじゃないかって思ってさ。まあ、ちょっと見てて」

 

さて、みんなから注目を浴びるのは()()()()()()()()()と思う。

でも、せっかく仲良くなれそうなんだ。

せめて、これくらいはね。

教室のみんなに聞こえるように少し大きめの声で呼びかける。

 

「ねえ!ちょっといいかな?」

すると、みんなが振り返って僕のことを見る。

 

「どうしたの?」

「あいつ、茶柱先生の説明中にでかい声だしてたやつじゃないか?」

「あー、ほんとだ。」

 

・・・ああ、やっぱりちょっとクルな。

胸の内から訴えてくる、不快感を無理矢理押し殺して、とりあえず平田君にむかって提案をする。

 

「中断してしまってごめんね?平田君にひとつ確認したいことがあるんだ。」

 

指名された、平田君は立ち上がって答える。

 

「確か君は、さっき茶柱先生と話していた堂前くんだったね。どうしたんだい?」

 

「そんな、名前だったけ?」

「ちゃんと、覚えてる平田君すごーい。」

「おーい!どうでもいいけどはやくしてくれよ?俺の紹介がまだなんだよ」

 

周りからのヤジが少し響くが、平田君だけに意識を向ける。

 

「この自己紹介って、強制ではないよね?僕はいいけど、シャイな人とかこういうのが苦手な人もいるかもしれないだろ?だから、今のうちに確認したくてさ。」

 

僕の質問に、教室のみんなは何人かは、納得していたが、3~4割くらいは自己紹介を中断されたからか少し不満そうだった。

「なんだよ、アイツ目立ちたがり屋か?そんなやついないだろ。」

「でも、ちょっと分かるかも・・・」

 

「そうだね、そこは僕の配慮が足りなかったかもしれない。ありがとう、堂前君。みんな!自己紹介を提案した僕が言うのもなんだけど、これは強制じゃないよ。参加は自由だ、先生も言ってた通り、入学式の時間までは無理に教室にいる必要はないよ!」

 

平田君の言葉に、10人ほどだが、クラスメイトが廊下に歩いていった。

その中には、さっき会話をした赤髪の彼、須藤健(すどうけん)もいた。

 

「堂前つったか、悪ィな。さっきから、ずっとトイレ行きたかったんだ。」

 

「あっ、そうだったんだ。」

ヤンキー君から感謝されたのは完全に予想外だったが、これで場は整った。

僕は、佐倉さんとあと一応前席の黒瀬さんに話しかける。

 

「さて、平田君の言葉を借りれば参加は自由らしいよ?」

 

「...あの、ありがとうございます。」

そう言って、彼女はいったん教室を後にした。

 

「黒瀬さんは参加するんだ?」

ちょっと、意外だった。

 

「natürlich.」〈もちろんです。〉

 

その後、自己紹介は平田君が進めてくれたおかげで、スムーズに進んだ。

 

「俺は池寛治!好きなものは女の子で嫌いなものはイケメンだ。彼女は随時募集中なんでよろしくっ!」

 

なに言ってんだアイツは?イケメンは人類の宝だろう?

 

 

気がついたら、黒瀬さんの出番になった。

 

「(大丈夫なのかな?)」

 

〈黒瀬陽向と申します。みなさま、よろしくお願いします〉と15℃のお辞儀付きでそれは丁寧な自己紹介だった。

全文ドイツ語だったからみんなポカンとしてたけど。

彼女の名誉の為に言っておくが、日本語で書かれたカンペをみんなに見せながらだったから、意味は伝わっているだろう。

 

「ほう、ドイツ語が達者だねぇ。話せるようになるまで、努力していた君の姿はさぞ美しかったのだろうねぇ?」

 

「じゃ、じゃあ、次は君に自己紹介をお願いしてもいいかな?」

 

「私の名前は高円寺六助。高円寺コンツェルンの一人息子にして、いずれはこの日本社会を背負って立つ人間となる男だ。以後お見知りおきを、小さなレディーたち」

 

あいつか、バスで一悶着あったってやつは。キザっぽい口調が鼻につくが、まるで貴族のような優雅なオーラを身に纏っているからか、画になるな。古代ギリシャの彫刻みたいだ。

 

「それから私が不愉快と感じる行為を行ったものには、容赦なく制裁を加えていくことになるだろう。その点には十分配慮したまえ。あえて一つ例を出すなら――私は醜いものが嫌いだ。そのようなものを目にしたら、はたしてどうなってしまうやら」

 

「そ、そうなんだ。気をつけるよ。」

 

 平田君も引いちゃってるな。面白そうだけど、なんだk「次は君じゃあないのかい?堂前ボーイ?」

 

え?指名された?

 

「僕?」

 

「ああ、そうさ。君いがいにいないだろう?張り切って頼むよ」

 

ひょっとして、目をつけられた?

でもまあ、いいか。そんなに、おっかないやつじゃなさそうだし。

 

「はじめまして、堂前郁人です。さっきはちょっとお騒がしてごめんね?特技とかはあんまりないけど、勉強はどの教科もある程度できると思うよ。好きなことは読書と映画を見る事。僕も、みんなと仲良くしたいと思ってるから、どうぞよしなに。」

 

こんな感じか?まともに自己紹介した事なんてかなり久しぶりだから、さっきから冷や汗がひどいや。

 

「悪くなかったよ。()()()()()()()()()あえてやり遂げようとする姿勢、なかなかに見事だ。」

 

え?今さらっと変なこと言ってなかったか?

 

「では、平田ボーイ?後は任せたよ。」

 

「あっ、うん。そうだね。じゃあ次は堂前君の隣の君、頼むよ。」

 

僕の次は綾小路君だった。というか、堀北さんが気付いたらいなくなっていた。きっと、さっき僕が平田君と話していたときに教室を離れたのだろう。

 

「えー……えっと、綾小路清隆です。その、えー……得意な事は特にありませんが、皆と仲良くなれるよう頑張りますので、えー、よろしくお願いします。」

 

下手くそか。

ほんとにあいつはイケメンフェイスなのに、色々と微妙なやつだな。

 

「ありがとう、綾小路君。僕も仲良くしたいと思っているよ。」

 

そんでもって、平田君はすごいや。気遣いの天才だな。

あんなタイプの人が異性にモテるんだろうな。

 

そろそろ終わりかな?

もう殆どの人が紹介終わったと思うし。なんて考えていたが、そんなことはなかった。

 

「じゃあ、これで最「はーい!まだここにいるよー。」あれ?」

 

その声はどこからともなく教室中に響いた。

いったいどこから?

 

「じゃーん!」

 

その人物は、さっきまで茶柱先生が立っていた教卓の陰に隠れていた。

なんというか、高校生のクセに子どもみたいな振る舞いだな。

あれ?こいつ見たことあるぞ。確か・・・

 

「初めまして!ボクは貴島(むつみ)、よろしくね!」

 

「うん、よろしくね貴島くん。そんな所に隠れてたんだね全然気付かなかった。」

 

「へへーん。どう?すごいでしょ!」

 

「ヘイ、貴島ボーイそんな所にいつまでも立ってないで、早くこっちに来たまえ。君は私の隣にいてこそさらに輝きを増すのだから。」

 

「はーい!」

 

スタッと席に着く。

 

「じゃあ、自己紹介も済んだことだし、みんなこれからよろしくね。」

貴島君からの締めの言葉に教室中から拍手が鳴り響く。

その殆どは女子達によるものだったが、それはいいだろう。

 

 

 

・・・・なぜだろう。

なんかこのクラスすっげえ不安なんだけど。

 

 

 

【次回】

レッツ質問

 

 

 

 




エミュが難しいですね~

多分ですけどね、みんなで自己紹介してた時に須藤君がやたら不機嫌だったのは、便意を我慢してたからじゃないかって思ってたんですよ。

童前君にどのキャラと関わって欲しい?

  • 綾小路清隆
  • 堀北鈴音
  • 櫛田桔梗
  • 平田洋介
  • 軽井沢恵
  • 佐倉愛里
  • 長谷部波瑠加
  • 須藤健
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