クセ者だと? 失礼なやつだな   作:永田伝三郎

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UAがもうちょいで5000突破てまじか。
みんなーもっと高評価くれー(頼)


若干暴力的な描写がございます。

ご了承ください。


堂前郁人という人間

 彼を知る人間による証言

堂前郁人?

ハハッ懐かしいなぁ。

確かにソイツは俺のダチだ。

少なくとも俺はそう思っているが、向こうはどう思ってるんだろうな?

ボス、主、支配者、カーストのトップ・・・まぁそんなところだろう。残念ながら友達だと思われてないのは確かだな。

 

 いいヤツだったよ。俺には絶対の忠誠を尽くし、俺だけじゃなく幹部達にも愛想よく振る舞っていて可愛がられていたもんさ。 

本人は野郎共から可愛いがられても嫌だったかもしれないけどな。

 

 いや、違ぇな。

アイツはいつも恐れていた。

殴られることとか怒鳴られることとかそういった普通のことじゃねぇ。

というか、あいつの恐怖に対する耐性はバグってるから並大抵のことには怖がらねぇな。

目の前にバイクが突っ込もうが、刃物を突きつけられようが、アイツはそれを怖いと認識しない。 

あの中学ではそれが、普通だったからな。

というより、アイツの周りにはやたらとそういうコトが起こりまくってたからな。

 

 オイオイ勘違いすんじゃねえぞ?

別に俺はなんもやってねぇよ。

ただ、一年生の時アイツと同じクラスのやつらがちょっとしたイタズラをしてたんだよ。

アイツだけがいかにも優等生みたいなフツーの学生の見た目だったからなぁ、面白がってちょっとビビらせようとしてたのさ。

わざと大声を出したり、わざとケンカの真似事をアイツの近くでやったりしてな。

ただ流石に五月蝿くてな。

たまたま堂前とクラスが同じだった俺はそいつらを黙らしてついでにクラスを乗っ取った。

するとな、面白れぇことが起こった。

クラスを支配した翌日、教室に入った俺に真っ先に挨拶したのはなんとまぁ堂前だったんだよ。 

笑っちまうだろ?

きっとそいつはクラスのやつらに暴力を振るう俺を恐れたんだろう、だから「あなたの部下になりますからどうか私に乱暴しないで下さい」とでも俺に伝えたかったんだろうさ。

 恥ずかしながら俺も他のやつらみたいにアイツの事が面白いと思っちまってな?

 俺はクラス内の俺に対し不満を持ってるやつらへの粛清をアイツの目の前でやった。

さらには、他クラスからやって来た鉄砲玉を俺自ら痛めつける様をアイツに見せつける様に行った。

 

どうだ?

俺に対し絶対の忠誠をしないやつはこうなるんだぜ?

良かったなぁ、俺にこうされなくてさ?

 

 

少なくともこうすればアイツは俺に恐れ慄きさらなる忠誠を誓うと思ったんだ。

でも違った。

アイツは暴力を終えた俺に一言「お疲れさまです。今日も大変でしたね。」と俺のことを恐れることなく平然と言いやがった。

 

一体どういうことだ?

コイツは俺のことを恐れているんじゃないのか?

 

アテが外れた俺はその日から堂前の事を観察することにした。

好きな食べ物、クセ、行動パターンなどアイツの全てが分かるように観察した。

それでも俺はアイツの事がよく分からなかった。

 

ある日の事だ。

何を血迷ったのか他クラスのバカが下校中の堂前のことを襲おうとしている事がわかった。

アイツだけ弱そうでだったからイケるとでも思ったんだろうな。

その事を知った俺の部下達はそいつのことを集団でリンチした。

アイツってなんかんだ俺のクラスのやつらから好かれてたからな。

礼儀は良いし。愛想は良いしで。

だからか、あいつらは容赦がなかった。

堂前に手を出そうとしたやつをボコボコにした。

地面に転がす、踏みつける、水をかける、ありとあらゆる苦痛をそいつに味合わせた。

俺と堂前が現場についた時はそのバカはボロボロな状態で目をうつろにしてひたすら謝っていた。

 

その光景を見た堂前の表情は今でも鮮明に覚えているぜ。

怯えていたんだよ。

俺はこの時にやっと堂前って人間の事がよく分かったんだ。

あいつが恐れているのは、暴力でもなくこの俺自身でもなく

●●●●●●●だったのさ。

いや、誰が分かんだよそんなの。

だが、それならこれまでのコイツの不可解な行動に全て合点がいく。

 

 つまるところコイツはただ俺に寄生しているだけの人間だ。だから、絶対に裏切ることはない。宿主が死んだら、コイツも死ぬからな。

自分の身を守るため、誰に付けば最も安全なのか判断する能力がズバ抜けて高い、野生の勘の様な優れた危機察知能力と状況判断能力の持ち主。

つまり、人を見る目ってやつがあるんだ。

コイツは凄い。

俺は堂前をさらに有効活用するために、俺の部下や他のクラスの奴らを見てもらい、使えるヤツを見極めてもらい、どんどん俺の派閥を成長させた。

 

俺の幹部陣にはいわゆる二つ名ってやつを堂前に命名させた。こいつは他の奴らと違って学があるからセンス良いのを作れる。

そして敵対者にはダセェ諱を付けた。カタカナだらけのやつだ。探せば案外そのへんにいるかもな? 

堂前の能力、利用価値に気づいているのはきっと俺だけだ。

コイツのおかげで俺のグループは学校内においてもっとデカくなれた。

そして気がつけば三年が経ち、ヤツは進学した。

部下達によると東京のデカいエリート校とやらに行ったらしい。

 

アイツとしばらく会えなくなるのは少し寂しいもんだ。

どうやら、俺はアイツに多少なりとも愛着ってやつを感じていたみたいだ。

そのエリート校とやらを出た後は進学なり就職なりするんだろう。

俺は中学を出た後は地元の工場で働くことになっているから、アイツという人間がとても遠い存在になっちまった。

俺が言うのもあれだが、なかなか難儀な性格をしているアイツがそこでどんな事をしでかすのか俺は楽しみでならない。

 

残念なのは、そこは部外者立ち入り禁止らしく俺は三年間のアイツの様子を直に見ることが出来ないということだ。

全く、なんでアイツの進路を調べようとしなかったのかねぇ。

若しかしたら俺も入ることが出来たかもしれねぇのにな。

 

 おっとそろそろ休憩時間も終わりだな。

そうだ、アイツに会えたらこう伝えてくれるか?

 

「お前がいた3年は俺にとっては楽しかった。だが、お前はもう少し自分の欲ってやつに少し正直になってもいいんじゃねぇか?」ってな。

 


 

堂前郁人(ぼく)という人間

 

 僕は別に他人が嫌いなわけではない。

ただひたすらに、これといった理由もなく「人が多いところ」が無条件できらいだった。

だから、小学生の時はみんながグループで遊んでいても、僕は特に気にしなかった。

1人でいいと思ったんだ。

みんなといっしょにいる必要はないのだと思ったんだ。

その認識が変わったのは小学校高学年になってからだった。

 

 ある日の事、どうやら僕のクラスでいじめがあったらしいということがわかった。

「わかった」とか「らしい」という言葉を使ったのは、僕も担任もその事に気付いていなかったから。

なぜなら、そのいじめは()()()()()()()()()()()である。

 

 事の発端は、当時の僕のクラスにA(男)というみんなから好かれている、所謂クラスのリーダーみたいなやつがいた。

そいつと仲がいいK(こいつも男)がいた。

AとKは幼稚園の頃からの知り合いらしく、とても仲がよかった。

2人は小学校に進学してからも友達でいたらしい。

KにとってはAだけいればそれでよかった。

しかし、Aは小学校で更に友達が増え彼らと遊ぶ時間が増え、次第にKと一緒にいる時間が減っていった。

Aはクラス内に男女関係なく友達がたくさんいた。

噂によると、僕のクラスにはAに好意を持っている少なくない人数の女子生徒がいたらしかった。

事件が起きたのは、2人の少々拗れてしまった人間関係が原因だったのだろう。

 

 聞いた話によると、KはAになんらかのイタズラをしたらしい。

それがどんなイタズラなのかは不明だが、決してKにはAのことを害する気持ちはなく、ただもっと自分に構って欲しかっただけらしい。

 

 しかし、そんなKの想いとは裏腹にAはそのイタズラによってケガを負ってしまったらしい。

当事者ではない僕には殆ど情報が回ってこないので、想像で語るしかないのだがおそらくそのケガが引き金になってしまったのだろう。

大多数の生徒達がKに怒りを向けたのは。

数ヶ月間のいじめが始まったのは。

結果としてKは転校し、何も知らなかったAは絶望しそれからしばらく家に引きこもってしまったのは。

 

 

この話を聞いた僕はただひたすらに()()()()()

 

もしも、Kではなくぼくがいじめられていたら?

 

味方がひとりもいない状況になったら?

 

だからこそ僕はひとりでいることを辞めた。

上の人に付く生き方を始めた。

少なくとも、そうすればみんなの敵になることはない。

効率よく多くの人と仲良くなれると僕は考えた。

中学ではその生き方が驚くほど上手くいった。

「力こそが正義」という、考え方が昔過ぎるあの場所では、その生き方が最適解だった。

 

 でも、「僕」という本来の自分を押し殺し、好きではない「まわり」と仲良くしようとするやり方はなかなかキツかった。

中学は「不快」よりも「恐怖」が上回っていたから、そんなことを気にする暇はなかった。

3年生になると受験に必死になってたから、高校に上がってからの身の振り方について考えているほど僕は器用じゃなかったからな。

 

 この生き方でいることに後悔はない。

でも、今となってみればもっと良いやり方もあったんじゃないかと思うこともある。

 

高度育成高等学校には二種類の友達がいる。

 

①クラスで最適な立場を維持するのに必要な友達。

②僕が好きだから仲良くする友達。

 

教室に入った僕がいの一番に声をかけるとしたら、どっちを優先するべきだろうか。

 

そんな事を考えながら、僕は憂鬱な気持ちで重い身体を起こし学校を目指す。

 

「・・・・いや、やっぱあれだな。癒やし(佐倉さん)に会いたい。若しくはクール系イケメン(綾小路)かな。いや、よくわからないけどストレスフリーな長谷部さんもいいのかな。平田くんと軽井沢さんは高確率で数人でつるんでるからなぁ。」

朝からブツブツとツブやく僕であったが、この時後ろの存在に全く気付かなかったのは、流石にマヌケすぎだと思う。

 

「・・・なんだアイツはぶつくさと。どこかで見た顔か?」

 

後に【不屈の暴君】と名付けられることになる彼は珍しく朝早くから登校していたが、同級生の奇行を見るハメになるとは夢にも思わなかったであろう。

 

余談だが彼が在籍しているクラスには中学時代に王座狙い(仮)(未遂)(笑)(クラウンスレイヤー)という不名誉極まりないあだ名をつけられた生徒がいるのだが、それは後の話(になるのかもしれない)

 

 




アニメ「ロシでれ」めっさ面白いですわ。
ワーナーの「異世界スーサイドスクワッド」も名作の気配がするのでオススメですぞー。

P.S.
今更ながら、YouTuberの「終わった人」にハマッてしまいました。
あの低予算感がいいね。

オリ主と関わって欲しい生徒は?(他クラスバージョン)

  • 葛城
  • 坂柳
  • 神室
  • 橋本
  • 一之瀬
  • 神崎
  • 白石
  • 龍園翔
  • 椎名
  • 山田アルベルト
  • 石崎
  • 伊吹
  • 金田
  • 時任
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