竜の王様 ドラ子さん-TSドラゴン娘の日常-   作:ケケフカ

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なんでプロローグの後にプロローグなんて投稿する必要があるんだ!
そんな大人修正してやる!


プロローグ-Ⅱ
Double-leaved/真っ黒な原稿


 

 

 黒塗りの背景。

 俗にベタ塗りと呼ばれるものだ。そのベタ塗りの格子の中で、少しばかり光が欲しくなった。ペン先を立てて、電気の切れかけた電灯を描いた。

 

 次の格子は広く。

 中に建物のカタチを描く。高層ビルが相応しい。壊した時、派手に壊れてくるだろう。

 

 主演の二人の人影も小さく描く。

 

 最後に、この作品が如何に現実から乖離したものか、説明文を追加した方がいいだろう。簡単に有り得ないことをサラッと一文で。

 

 

 ナレーションはこう────

 

 

 

 

 “ 池袋爆撃テロ跡地 ” 某所

 

 

 

 

「ブリギッド────剣を受け取れ」

「アールヴ────十五番を喚び出して……」

 

 大地を切り裂く大剣が、騎士の手に渡る。

 大地を破壊する眷属が、大いなる呪いにより招集される。

 

 荒廃した瓦礫まみれの街。

 不自然に湾曲した標識は頭の部分から地面へ突き刺さっていた。その周辺に砕けたガラスが散らばっていた。

 

 月明かりに照らされたその中央で少女が二人。

 一人は爬虫類の尻尾と小さな角を持った金髪の少女。片や、尖った耳を持った茶髪の少女。

 

 二人の少女は歯車の外れた世界に語りかける────この戦場に現実(フィクション)が介在する隙は、どこにも存在しないのだと。

 

 二人の少女。その両者の間合い。

 間合いには『黒い剣を担いだ純白の騎士』と『上半身だけで這う異形の獣』。

 

 一瞬の刹那、間合いで瓦礫が宙を舞った。

 ゆっくりと瓦礫が地面に落ちていく。無重力の如く、視覚的に捉えられる物理的な世界観の破壊。

 

 それが始めの一撃であることを少女達は理解していた。

 

 両者共に目を瞑ることなく、己が眷属の戦いを────その刹那の戦いを指揮する。

 

 彼女達の側面に建つ高層ビル。今にも崩れそうなひび割れの中で、複数の火花が弾けた。金属同士が擦り合わせる音共に暗闇を眩く照らす火花が、暗闇を眩く照らし、エレベーターの如く最上階に目指すように。上へ、上へと。

 

「起爆」

 

 大いなる呪いを掲げる尖耳の少女は、その小さな口から短い単語を呟いた。

 

 大きな閃光がビルの最上階から放たれ、太陽の如く爆ぜる。周囲から光跡が消える数発の激音で大気は震えさせられた。

 

 ガラガラと中央から崩れていく高層ビル。粉塵は舞い、土の咽せる臭いが鼻腔を擽る。

 

 双方、土煙の中で瞬きはしなかった。

 

「格子再起、刻玄侵皇の譲渡」

「格子再起、一番目の戯画獣(栄光たる魔術師)二番目の戯画獣(子捨ての聖母)の召喚権利破棄」

 

 人の死が歪みきった世界の中に設けられたルール。彼女達自身への枷であり、彼ら眷属の為の命令。

 

 黒い枠が世界から切り出され、黒い粘着物が格子から這い出てくる。

 

「再蹂躙だ────白き尖兵のブリギッド」

「再処刑だよ────ジェヴォーダンの十五番(悪魔の癇癪)

 

 黒い粘着物が眷属たちへと代わり、この世界へ再度、産み落とされた。

 

 彼らも望み、彼女たちも望んでいる。

 

 酷く滑稽で、酷く不確定な存在。それでも、生きている限り己の信念を曲げることの、その恐ろしさを知っているのだから。

 

 遠く離れた場所で私は高らかに笑おう。

 この素晴らしい物語を創り上げた作者として彼らを賞賛する。剣よりも、銃よりも、何よりも────戯画が最強という証明を創り上げてくれた。

 

 世界は既に、シナリオ通りに事が進み始めている。

 

 世界は既に、格子の中に埋め込まれ始めている。

 

 世界は既に、“ 戯画 ”として描かれている。

 

 素晴らしいこの物語を締め括ろう。

 

 この完成したシナリオ。人々はこう名づけ、次に僕が創作したものとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──── 竜娘戯画(ドラコギガ)────、と

 

 

 

 

 

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