そして
その時、たしかに結界に亀裂が入っていた。
私が光に包まれた後、視界が晴れた。
どうやら無事に来れたようだ。
「それにしても....」
あたり一面草原である。
遠くに壁のような物が見えるが...とにかく遠い。
まぁ考えても仕方が無いのでとりあえず状況を整理しよう!
まず、私の隣にあったアイテムボックス。
丁寧に荷車まで用意してあるので、持ち運びには困らないはず。
次に持ち物の確認!
・剥ぎ取りナイフ
・ハンターノート
・ギルドカード
まぁ、必要最低限と言った感じかな?
因みに武器、防具はつけてなかった。
ミラボレアスに溶かされたのだろう。
そして、悩みに悩んだ末....
[ナルガXシリーズ]の防具、
[夜刀【尖影】]の太刀にすることにした。
そして私は歩みを進めるのであった...。
〜1時間後〜
「よし!目的地まであと少し!!」
この調子で歩いていこうと思った時、声が聞こえた。
「助けてくれアクア!」
「助けてくれ...うわっ!」
そこには巨大な蛙に追いかけられる少年の姿があった。
アクア...?エリス様が言っていた人だろうか?
「プークスクスクスwww」
「カズマったら顔真っ赤で涙目で超必死なんですけど!」
....無理。
あの人は私の手には負えない。
なんというか面倒を見るというレベルではない感じがする。
カズマとか言うあの少年も可哀想である。
「カズマー!助けてほしk..」
「今助けますよー!!!」
「「!?」」
二人は驚いたような顔でこちらを見てきた。
「両生種かな?」
とりあえず初めの一撃。
「グェッー!」
....何故か一撃で倒してしまった。
「あれ?え、これそんな強かったっけ?」
この太刀は別にスキルモリモリ太刀とかではなく、
[見切り]くらいしかスキルのついていない一般太刀だ。
「あの!」
「?」
カズマとやらが話しかけてきた。
蜂蜜はやらんぞ。蜂蜜は。
「さっきはありがとうございます...」
「このくらい別に大丈夫ですよ~。」
「ちょっと!これじゃあ私が何もしてないみたいじゃない!」
「実際そうだろ駄女神!というかお前のせいで食われかけたんだぞ!?」
その時、アクアの後ろにはピンク色の蛙がいた。
そして...
「はぁ?誰が駄女神よ!ヒキニ..」
「ガブッ」
「食われてんじゃねぇー!!」
カズマが片手剣で蛙を仕留めた。
片手剣だよね?盾ないけど。
というか弱くないか?
弱いモンスターでも一撃は流石にない。
いや、もしかして剣が強いのか?
なんというか、不安になるな...。
蛙の口の中から、アクアが生還した。
「ぐすん...汚されてしまったわ...女神なのに...」
「こんな姿を見られたら信仰心ダダ下がりよ!!」
成程。エリス様の知り合いであったか。
それにしてもアクアがヌルヌルである。
ヨツミワドウに飲み込まれたときくらいに。
そういえば自己紹介がまだだった。
「とりあえず、自己紹介を...」
「あ、はい...」
「えっと私はアクロって言います。遠くの場所から来ました?とりあえずよろしくお願いします。」
「遠くってどのあたりなの?」
アクアが聞いてきた。
聞くなよ、そんな事。
「....現大陸?」
「いや、私に聞かれても...」
そんなこんなで話していると、突然、モンスターの鳴き声が響き渡った。
「ギャオォーーン!」
青と黒の体表。
牙のはみ出たクチバシ。
鋭い目つき。
間違いなく、ランポスだ。
その時
結界は破壊された
そこにいるはずのないものが
新世界へと干渉した
それは
火竜でも
角竜でも
轟竜でもない
土を焼く者
鉄を溶かす者
水を煮立たす者
風を起こす者
木を薙ぐ者
炎を生み出す者
その者の名は ミラボレアス
その者の名は 宿命の戦い