あと1人、足りない。 作:8時半
まあ、次回からは多分本編入ります。
「おや、久しぶりチナツ。出張は終わったのかい?」
「ああ、お久しぶりですセイさん。私は出張帰りです。セイさんもコンサート帰りですか?」
「ああ!今日も満員御礼だったよ。わざわざ聞いてくれる人が居るのはありがたい事だね」
さて、ここはゲヘナ自治区。シャーレでのゴタゴタが終わり、委員長に先生についての報告をしようと風紀委員に割り当てられた部屋に帰ろうとしているチナツは、白い燕尾服を身につけた生徒に絡まれていた。
「それにしてもセイさんはこれから趣味の廃品集めですか?指揮だって相当に体力と集中力を使うでしょうに」
「出張の後に帰ったら仕事をするつもりの君にだけは言われたくないね。それに趣味というものはその体力と集中力を回復させるためのものだと思うが...」
「あなたの体力と精神力が異常なのは分かりました。それと、もう廃品回収の業者が来ていますよ。急いだ方が「おっとこうしちゃいられない!すまないねチナツ!出張の土産話はまた今度聞かせてくれ!」いいのでは...ようやく行ってくれましたか。セイさん、委員長が言うには相当な実力者なそうですが...本当なのでしょうか?」
...20分後、彼女が漁っていた廃品置き場は爆炎に包まれた。ここがゲヘナだという事を忘れてはいけない。
場所が変わり、ここはトリニティのシスターフッド。
「お疲れ様です、サクラコ様。紅茶をどうぞ」
「ああ、ありがとうございます...はぁ、皆さんの誤解を解きたい...私だって、私だって皆さんとお話をしたいのに...!」
「ははは...まあ、分かりますよ。私だって誤解されやすいタイプですからね...」
「「はぁ...」」
彼女達はシスターフッドの...まあ、何と言えばいいのだろうか?
真面目、というにはメンバーが足りない...まあ、誤解組でいいだろう。
まずは皆様ご存知シスターフッドがトップ、歌住サクラコである。
色々と変な行動が目立つが、ただ天然なだけのいい子である。
もう1人は善明ミツキ。頭にイバラをつけた至極一般的なシスターである...顔にそこはかとなく狂気を感じる事以外は。
2人とも割と真面目なのだが、サクラコはその笑顔の中に感じられる怪しさが、ミツキは少しやつれ気味なのと目の下にできた隈が原因である。
今日も彼女たちは話し合う。誤解なき青春のために。
「おはよう、アコ」
「おはようございますヒナ委員長」
さて、場所は戻りまたまたゲヘナ自治区。上2人の会話から分かるように場所は風紀委員会である。
「あれ...[規制済み]はまだ居ないのね。珍しい」
「そうですね...普段は遅刻なんてしないんですが...モモトークもさっきから繋がりませんし」
「申し訳ないけど、呼んできてもらえない?私は調べておきたいことがあるから...」
「分かりましたヒナ委員長。少し待っていてください」
そう言って彼女は部屋を出ていった。残された空崎ヒナは1人、生徒名簿を漁っていた。
「[規制済み]の部屋はここ...ですね。大家に鍵も借りてきたので問題ないでしょう」
...開錠し、ドアを開ける。
「[規制済み]?起きてください!委員長が待っていますよ!」
...返事はない。
「あー、もう!面倒ですが起こしに行きますかね...」
部屋の奥に進むと、皺一つない制服が見える。
まるで人の気配がない。おかしい。そう思いながら全ての部屋を見る。
廊下、スリッパが使われた形跡もない。
キッチン、洗い物はなく、フライパンもない。朝から使われていなさそうだ。
リビング、整頓されている。カーテンは閉まったままだ。
そしてベッドルーム。
布団はめくられているが、温もりはない。何処かに出かけているのか?
「どこに!行ったんですか!?もう3週ぐらいしているんですけど...!」
疲労が体に溜まってきている中、視界の端に映ったものは...
「日記帳...?...仕方ありません。予定などが書いてあるかもしれませんし...読んでみますか」
『[規制済み]』
「...は?規制済み?何がどうなってこんなものが書かれているんですか...!?」
おかしい。そう思い日記帳を戻っていく。
彼女は、ここでやめておくべきだった。
『[規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み][規制済み]』
「な、んですか、こ...」
再び、部屋には静寂が訪れた。