不老不死の呪いは巡る   作:カピバラバラ

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呪術が終わり、オアシスが枯れ果てた今…私は書く事だけが生命線になってしまった。

という訳で原作者芥見様、長年の掲載お疲れ様でした。6年付き合って、何度も何度も呪術廻戦には一生に残る記憶を作らせてもらったなぁ…。


東京京都姉妹校対抗戦

「はい!おっぱっぴー!!」

 

 

 

「「「……」」」

 

 

 

「あ、あれ?」

 

 

 

五条先生から案内され、箱に詰められ…運ばれるままに飛び出た虎杖、ガスッ、ボコッ、バキッ、と三連発を顔面に喰らい遺影を持たされてしまう。

 

全員が全員虎杖との関係があるわけではないが、亡くなったと言われていて自ら頭を吹き飛ばしてしまった早苗は勿論、力不足を喘いでいた伏黒、釘崎を見ていた者たちからすると…。

 

 

 

流石に、怒られろ。といった感じである。

 

 

 

 

「ごめんなさい…」

 

 

 

「ほんっとうにお前は…!」

 

 

 

「心配かけんじゃないわよこの馬鹿!!」

 

 

 

「うぅぅ、お、お久しぶりです虎杖さん…」

 

 

 

また、それとは別に表情を驚愕に染める者もいた。1人は楽巌寺嘉伸学長だ、当たり前だが虎杖悠仁は表面的に死亡したとなっている。

 

したり顔で居る五条を見て大体は察せたものの、苛立ちを抑えきれない様子ではある、他の京都校の面々も同じくだ。

 

澱みない呪力操作、恐らく呪力強化だけであのバカ(東堂)と同程度、それ以上の身体能力を発揮出来るであろう実力は、以前知らされていた上層部と異なる。

 

 

 

更に驚愕を得ていたのは…東風谷早苗、禪院真希の傍についていた幻想郷住人の2人である火焔猫燐と……日下部が任務にあたっている間、京都校の面々が預かっていた射命丸。

 

 

 

「「……!!」」

 

 

 

「えっと、すみません加茂憲紀さん…あの方が『虎杖悠仁』さんですか?」

 

 

 

「あぁ」

 

 

 

「……ありがとうございます」

 

 

 

問いはそれだけ、だが如何様にも取れる反応を残してふよふよと後方へと戻っていく。

 

空高くまで漂っていくと、イソイソと撮影の準備をしている様子だ、日下部から事前に反省会が出来るよう記録を残しておく様にと言われていた為だろう。

 

 

 

(…虎杖悠仁、宿儺の指を取り込んだ少年か……楽巌寺学長もこれは流石に予想外だったようだ)

 

 

 

イロモノ達のまとめ役をしていた影響か、加茂憲紀だけはその場の全員の顔色を把握していた。

 

 

その中でも…。

 

 

 

(……先程から…少し、()()()()か?)

 

 

 

3人、その視線と纏う雰囲気が変化していた。

 

 

 

疑問、殺意、困惑、そして鋭い敵意。

 

 

 

「……」

 

 

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

 

 

談笑が続く中、禪院真依が抗議の声を上げる。話を切り上げさせ、虎杖の鼻を人差し指で突いてマヌケを指摘する様に話す。

 

 

 

「まさかアンタも対抗戦に参加するって訳じゃないでしょうね?」

 

 

 

「え?うん」

 

 

 

ボケーっと返事を返す様子に目頭を抑え、アホの為にも懇切丁寧に問題点を指摘した。

 

 

 

「……はぁぁ…あのね、流石にチーム戦で人数差出来ちゃダメでしょ?ただでさえそこの早苗って子は等級詐欺だし、後半の一人一人試合をする時はどうすんのよ」

 

 

 

「ーーそうじゃん!五条先生どうすんの!?」

 

 

 

「おっと、いい前振りだね!大丈夫ちゃんと京都校にも助っ人を呼んであるからさ!」

 

 

 

満面の笑み、晴れやかな声でグッジョブを返しながら五条はそう言い放つ。

 

 

 

(…助っ人……助っ人?今、対抗戦に介入して良い程の人材はそもそも高専を卒業している人ばかりじゃ……)

 

 

 

そう、高専同士の対抗戦にOBが出る事は禁止されている。あくまでも生徒という立場である者が参戦出来る行事だ。

 

そして今更この場に参加する生徒なんて傍迷惑にも程がある、連携も取れず互いの情報も分からない同士では……ーー。

 

 

 

「直哉〜出番だよ〜」

 

 

 

「ーーは?」

 

 

 

カランコロン、カランコロンと響く下駄の音。

 

 

幾度も聞いた憎たらしい、そんなものでは表せない憎しみを抱く相手……。

 

 

真希と真衣の目の前に、禪院直哉が現れた。

 

 

 

「お久、真希ちゃん真衣ちゃん…元気してた?」

 

 

 

「テメェこのクズ…!何しに…ーー」

 

 

 

拳を振りかざす手前、その姿勢のまま身体が硬直した。

 

 

直感で理解する…これは直哉の術式、対象に触れた瞬間相手にも己の術式効果を適用させる技。

 

 

 

「ッ…!!」

 

 

 

触れられてもいないのにそれが発動している。

 

 

 

「……はァー…変わらんなぁ、ええよもう興味無いし、それより五条…妹紅とお前からヤレって言われたけどええの?」

 

 

 

「んー?何が?」

 

 

 

「いや、俺が出たら京都側勝つって話やけど」

 

 

 

「あ〜…まぁ良いんじゃない?妹紅も何か賞品用意してるでしょ」

 

 

 

その言葉を聞いてにやりとし、軽い足取りで震える真衣の傍にまで寄り…肩を叩く。

 

 

 

「良かったやん真衣ちゃん♡憎たらしい姉貴が負けるとこ見れるんやから、俺の手でな?」

 

 

 

「……」

 

 

 

「…っと、悪癖悪癖…なんべん言われても癖は治らんなぁ、ほならまた後で」

 

 

 

一瞬で通り過ぎた嵐、だがしっかりと禍根を残して過ぎ去った嵐であった。

 

 

怒り心頭なのは真希だけでなく、この瞬間を仕込んでいた五条に対しても……。

 

 

 

「五条……貴様…」

 

 

 

「なんだいおじいちゃん、別に直哉ならルール的にも大丈夫でしょ?」

 

 

 

「……………何処まで…」

 

 

 

「ん〜何処までだろうね」

 

 

 

「……」

 

 

 

直哉が消え、ようやく動ける様になった真希も五条に対してはキレかけているが……。

 

 

気づく。彼を、禪院家を見返す為に高専に入学したというのに…今己が晒した醜態と短慮な感情に。

 

 

 

「……」

 

 

 

「やってやるよ、直哉が居れば京都側が勝つ、なんて覆して吠え面かかせてやるよ」

 

 

 

「恵!虎杖、力貸せ!」

 

 

 

「この勝負勝つぞッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ルールは森の中に配置された呪霊の討伐、早い者勝ちのポイントレースだ、対戦相手への妨害、攻撃は禁止されてない……特に虎杖はアイツらからも狙われるだろうな』

 

 

 

『俺らは分散して効率的に呪霊を狩りにいく、真希先輩とパンダ先輩、狗巻先輩も同じだ』

 

 

 

『え?じゃあ俺は?』

 

 

 

『虎杖は遊撃に回れ、見立てだと直哉さんと東堂以外でお前を止めれるやつは居ない……全員気絶させてこい』

 

 

 

『…ーーおうッ!…て、それじゃその伏黒がヤバいっつってる2人はどうすんだよ?』

 

 

 

『まず大前提として東堂と直哉さんが2人同時に動くことは有り得ない、性格的にな、東堂はワンマンプレー、直哉さんは1人で7人相手するつもりだろうし』

 

 

 

『だから戦うのは東堂だけでいい、その上でアイツとやり合うのは…ーー』

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、よーいスタート」

 

 

 

深い森の中、五条と歌姫の宣言が下され両校の生徒が走り出す。

 

 

直哉は自陣の木陰で欠伸をしたままうつらうつらとしたままで、東堂は楽巌寺から下された虎杖の処刑命令を無視して突撃。

 

 

それも予定調和、場を乱す事が確定している2人を京都校の面々は作戦に含んでいない。

 

 

 

「西宮、真衣は上空に待機!メカ丸は単独で動いてくれ、特に狗巻は頼んだぞ、私達は虎杖を見つけ出して遊撃する」

 

 

 

「わ、私が先頭……」

 

 

 

「三輪〜がんばー、お先にあの天狗の辺りまで飛んどくからね」

 

 

 

「あぁ、射命丸文…だったか、奴までがルール上での浮遊高度限界だ、超えないように」

 

 

 

「はいはいっと、真衣ちゃん乗ってー」

 

 

 

ライフルを構え、西宮の箒に乗る。アイツ(直哉)が居る中で醜態を見せる訳にはいかない。

 

だから、地上戦をする、なんていう手加減もしない。

 

 

 

「行くぞッ!全員気を引き締めーー」

 

 

 

突入を開始する寸前。

 

 

ーー炸裂する破裂音、なぎ倒される木々の音が五感に伝わる。

 

 

 

「「「「……(東堂だな)」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ来いッ!!俺の相手をする奴は分かってる!!!」

 

 

 

森の土を踏み荒らし、スタートを言う前から若干フライング気味に集団から離れ行動していた東堂。

 

 

走り抜いた先には東京校の面々が雁首を並べている。

 

 

 

「虎杖悠仁」

 

 

 

「さぁ………来い……」

 

 

 

目線は真っ直ぐに虎杖を見つめていた。

 

 

事前に知り得た情報から確実に俺の相手を出来るのは虎杖悠仁が無難だ、俺の身体能力に付いてこれる事、耐久ができ、その上で俺に勝つ算段が付いている男…!

 

 

 

「お前の!好きな女のタイーー」

 

 

 

「ていっ」

 

 

 

東堂が見えない何かに殴り飛ばされ、森の奥深くまで吹き飛ばされていく、それを確認し虎杖達はその場から解散。

 

効率的に、能率的に……禪院直哉が居る事を含め、『試合』として勝ちに行く。

 

 

 

 

(……むぅ、逆択だったか…奴が動く気になるより前に試合を優先して動く、という訳か)

 

 

 

「貴方のお相手は私です、東堂さん!」

 

 

 

「ふむ、Ms.早苗特殊二級術師…かねがね噂は聞いているぞ、かの英雄、Mrs.妹紅に見定められた術師だと聞いたが……」

 

 

 

「…どうしました?かかってこないならこちらから…ーー」

 

 

 

 

 

「どんな男が、好き(タイプ)だ?」

 

 

 

 

 

「………………」

 

 

 

「ちなみに俺は、タッパとケツがデカイ女がタイプですッ!!」

 

 

 

「……」

 

 

 

(頭がおかしいとは聞いていましたが、おかし過ぎません!?)

 

 

 

「えぇっと…」

 

 

 

「答えられんか?女でもいいぞ?」

 

 

 

「女…?女の人……」

 

 

 

その瞬間、脳裏に過ぎるのは自分を育ててくれた2人の姿。好きなタイプと聞かれてしまえば、男のタイプよりも答えれるのはあの2人の要素の何処かだ。

 

 

色々考えに考え、現実世界で一瞬の時間であるこの問答の答えを、早苗の脳内で弾き出そうとした。

 

 

 

ーーその結果。

 

 

 

「身長とお尻も胸も大きい(神奈子)、愛らしくて愛おしい(諏訪子)人ですかね?」

 

 

 

「最近で言ったらテレビで見る高田さんみたいな人がタイプ…ーー」

 

 

 

 

「…………ぁぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、東堂!お昼一緒に食べません?暇してますよね〜?」

 

 

 

「早苗…」

 

 

 

そうだ、昔っから俺達は相性が良かった…幼なじみ、という奴でもある。俺がクソガキで、ハナタレ小僧だった時から早苗はずっと優しい女だった。

 

 

喧嘩して帰ってきた俺を優しく手当してくれて……叱ってくれた、姉貴の様な、太陽の様な…。

 

 

 

「……浮かない顔して、全く…高田さんに振られたのがそんなに悲しかったんですか」

 

 

 

「あぁ」

 

 

 

「慰めはしませんよ!うだうだ引きづってる東堂はらしくありません、ちゃんとしないと私まで貴方から離れていきますから!!」

 

 

 

「……済まない」

 

 

 

「分かればいいんです、ほら…お昼、作ってきたので、どうせ落ち込み過ぎてお弁当持ってきてないでしょ?」

 

 

 

「……」

 

 

 

母の様な強さを持ち、姉貴の様に慕う魅力があり、それでいて繊細になってしまった心を前にしても立ち直らせてくれた。

 

 

そうだ、早苗。

 

 

 

お前はーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「地元じゃ姉御って…慕われていたな…」

 

 

 

「はい?」

 

 

 

「あぁ、こんな形で対面したくなかったが…それでも俺は勝たせてもらうぞ」

 

 

 

「MY、シスターッ!!」

 

 

 

「…?????」

 

 

 

ーー変態(東堂)の魔の手が、早苗に襲いかかる。

 

 

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