相模に心をヤバくされる話 作:ネットコミュ症
二年生の最後のテスト、学期末試験はチャイムが鳴り響くと共に終わりを迎える
自己評価ではあるが中々良い線行ってるんじゃないかと思う
相模からの数学指導もあり、今回の数学にも自信がある
答案用紙を試験監督の先生我集める中、俺はふと日付に目が行く
3月7日‥‥‥
何も気にすることの無い日にも思えるかもしれないが、残り一週間後は『ホワイトデー』である。
流石の俺でも、日本特有の忌々しい特別記念日イベントくらいは把握している。
俺には縁のない話だとすぐに考えを振り切ろうとする
確かに、部活メンバー、つまり雪ノ下と由比ヶ浜からは試食会で一応手作りの物を貰ってはいる
だが、ほとんどのそいつらにはもう既に世間で言う『お返し』は済んでいる
それは遡る事テスト一週間前、次の日から試験勉強期間として部活が一週間休みになるんだが
俺はそのタイミングで市販で買ってきたクッキーをあいつらに渡した。
ついでにそこに何故か居た一色にもだ
「驚いた‥‥まさか貴方が『お返し』のクッキーをくれるだなんて‥‥」
「俺をなんだと思ってるの?そんな薄情な人間だと思われてた?」
「いえ、ただ普段は海中に居るのに我々人間の文化を知っている事に感服しただけよ」
「魚類かなにかだと思われてる?腐った魚のような目をしてるだけでただの人間だよ俺?」
「あら、人の形をしたグロテスクな魚でなくて?」
「それってディープワンだよね?誰がカエルめいた見た目だよ。ヒキガエルってか?誰が上手いこと言えと」
「先輩、別にそこまでは言ってないですよ‥‥」
「でも本当にありがとね!ヒッキー!」
「そうですね、正直貰えると思ってなかったので嬉しいです!」
「えぇ、そうね。
色々と茶化してしまったけれど、凄く嬉しいわ
比企谷君、ありがたく頂きます。」
「‥‥‥おう」
そんなこんなであいつらには既にお返しはしている
だからもう俺は何も気にする必要の無いイベントなのだが‥
どうしてもどこかで引っかかる
いやまぁ、分かってはいる。
問題は相模、だ。
アイツにもお返しを渡すべきかどうか迷っている
いや、お返しどころかアイツからバレンタインの贈り物とか貰ってないんだがな‥‥
そんな事を考えていたら、いつの間にか昼休みとなっていた。
午前中にテストが終わり、午後はホームルームだけする形だ
とりあえず、例のベストプレイスに行く前に自販機でマッカンを買いに行きながら考えを続けていた。
「‥‥‥‥‥よくわからん‥‥」
どうしたらいいのかがよくわからない
普段ならばなにも考え無くてもいい事であり、放置するんだが‥
雪ノ下達にお返しをして、相模にだけなにもしないというのは‥‥‥何かこう、気が引ける
だからといって特に何ももらってないのにホワイトデーで何かあげるのもこう‥‥‥
‥‥‥どうするべきなんだ?
「どうしたの?八幡」
自販機を前にしてつい声に出てしまったそんな嘆きの言葉を天使であり可愛いで定評のある戸塚が心配そうに尋ねてくれた
「‥‥‥まぁ、なんというかな‥‥少しな」
「八幡がそんなに悩み込むなんて珍しいね?」
「いや‥‥まあ‥‥‥‥」
「良かったら話聞こっか?一人で悩み込んでも仕方ないと思うよ?」
「‥‥‥あぁ‥‥その、実はな‥」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「‥‥なるほど、ホワイトデーに相模さんへなにかプレゼントしてあげたいけど、チョコとか貰ってないのに渡すのはどうなのか‥‥‥ということだね?」
「‥‥まぁ、そんなとこだな」
戸塚にある程度、相模との仲を説明した後俺の悩みの概要をざっくりと話した
「‥‥そっか、相模さん‥『アレから頑張ってるんだね』‥‥よかった」
「‥ん?何がだ?」
「んーん、なんでもないよ。
ホワイトデーの話だよね?‥‥そうだなぁ‥‥‥こういうのってさ『渡したいかどうか』だと思うんだ
バレンタインの時に貰ってる貰ってないとかじゃなくて、相模さんに渡したいか渡したくないか‥‥じゃないかな?」
「‥‥‥‥‥‥でもなぁ‥‥」
「それに、相模さんは八幡から何かしら貰うってだけで凄く嬉しいと思うよ?」
「‥‥そんなもんなのか?」
「そんなもんだよ」
「‥‥‥‥‥そうなのか‥‥」
「だからさ、相模さんにもちゃんとプレゼントあげたげてね?八幡」
「‥‥‥‥まぁ‥‥‥考えとくわ」
戸塚にそう言って俺は歩きながらマッカンを開ける
どうにもこの悩みの種はまだ解決しそうにない
まあ‥‥残り一週間もあるしゆっくり考えればいいか
最悪、昼飯食うときに聞けばいいしな
「‥‥‥相模さん‥‥頑張ってね。」
戸塚は俺の後ろ姿を眺めながら誰にも聞こえないような小さな声でつぶやく。
もちろん、考え事をしながら歩いていた俺には全く耳に届かなかった。
相変わらず時間の流れはあっという間だ、気が付けば放課後となっていた。
授業は午前中のみというのもあって午後14時程度で帰宅時間となった
いつも通り相模と待ち合わせをして一緒に帰宅しているわけだが‥‥
どうにも話を切り出せていない。
‥‥なんて聞けばいい?
『ホワイトデーなんか渡したいんだけど何がいい?』
いや、これはこれでキモいだろ‥‥
でもなぁ‥‥じゃないと聞こうにも聞けないだろ‥‥
いっそのこと諦めるか‥?
‥‥‥それはなぁ‥‥やっぱりなんか‥‥違うよな‥‥
「あ、‥‥‥あのさ‥‥‥」
俺があーでもないこうでもないと自問自答していると相模が不意に話しかけてくる
「‥‥どうした?」
「その、コンビに寄って‥‥‥いい?」
「‥?なんか買うのか?」
「ま‥‥まあ‥‥‥そんなとこ‥」
そんなこんなでコンビニに向かうこととなった
コンビニに入るなり、内装はやはりホワイトデー色に染まっていた
お返しならこのチョコ一択!みたいなのを掲げながら宣伝していたりする
「‥‥比企谷はさ、仮に好きな人にホワイトデーの贈り物をするとしてさ‥‥‥どんなものを贈るの?」
「‥んえ?俺がか?」
「‥‥まあ‥‥‥うん‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥どうだろうな。
まぁ、無難に相手が好きそうな物を選ぶんじゃねえか?知らんけど。」
「‥‥そっか」
「‥‥‥‥‥そう言うお前は、どんなの贈られたら嬉しいんだ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥どんなものでも、考えて贈ってくれたら‥‥嬉しいかも。」
「‥‥‥そうか」
相模は、ホワイトデーのお返しリストを真剣に眺め続けていた
どうやら、こいつのお目当ては凝視してる奴らの事らしい。
「‥‥‥クラスメイトの男子にさ、チョコをあげたとするじゃん‥?」
「‥‥ん?はぁ、‥‥いきなりどうした?」
「まあ、聞いてよ‥‥‥あげたチョコが自分なりに気合を入れた本命チョコだったとする。
‥‥‥でも人によってはその気合の入れてそうなチョコでも義理だと受け取る人が居ると思うんだよね」
「‥‥‥まぁ、それは一理あるな。
直接本命だとか言われてないわけなんだし‥‥」
「‥‥‥‥比企谷はさ、どういうのなら本命だと思うの?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
俺は思わず黙り込んでしまう
考えたことが無かった。
自分が本命チョコを貰う、なんてシチュエーションそれすら考えたことない
更に言えばイメージすら浮かび上がらない
仮にチョコを貰えたとしても、それを俺に対する本命チョコ‥‥なんて自惚れた考えをする事も無いと確実に言える
「‥‥‥‥難しい話だが‥‥‥‥まぁ、やっぱり直接言わねえとわからんだろ。
本命チョコなら本命チョコだって‥‥
言葉にしないと本人もわからんと思うしな」
「‥‥‥‥やっぱ、そうかな」
「全国の男子高校生にアンケート取ってみろ。
流石に多数派が俺の考えに近いと思うぞ?
ちょっと気合入ってるチョコ貰ったところで、それを本命チョコと勘違いするやつは中々だろ。」
「‥比企谷もそうなの?」
「‥‥‥‥‥そらもちろん、俺も例外では無い。」
「‥‥そっか。」
「‥‥‥じゃあさ、思わず勘違いしちゃうような‥‥そんなチョコって‥‥どんなの?」
「は、はあ?‥‥‥えっと‥‥‥‥」
相模は至って真面目な顔で俺にそう聞いてくる
パッと思い付くような事ではない為、しばらく考え込んでしまう
‥‥思わず勘違いしちゃいそうになるチョコ‥‥か
「‥‥‥‥いきなり言われても、よくわからん。」
「‥‥‥そっか‥‥‥‥あ、これ美味しそう」
相模が美味しそう、と口に出したものはチョコまんと呼ばれる食い物だった
どうやら期間限定で売り出されているらしい
結局、俺らはそのチョコまんを自分で買ってコンビニの外で食っていた
初めてチョコまんなるものを食べてみたが、案外美味いもんだな
ふと相模の方へ目をやると、美味しそうに食べているのではなくどこか寂しそうな‥‥そんな顔をしていた
‥‥‥‥『言わなくても伝わる。』
そんな傲慢な言葉が俺の脳内を過る。
‥‥‥‥俺は‥‥‥
「‥‥‥あ〜‥‥‥さっき言ったやつなんだがな」
「‥‥‥‥ん?‥‥」
「アレだ、ハート型のチョコなら少なからずとも勘違いするような奴は居るんじゃねえの?‥‥知らんけど‥‥まあ例えば‥‥戸部辺りとか‥‥」
「‥‥‥‥‥ハート‥‥‥‥か。‥‥‥」
‥‥‥まぁ、高校生にもなってその程度で勘違いするやつなんて早々居ないだろう
今時の中学生でもありえるかどうかだ
「‥‥‥‥ねぇ。比企谷」
「‥‥‥?なんだ?」
「‥‥‥その、口の周りにチョコ‥‥付いてる。」
「‥?どこ辺りだ?」
俺がそう聞くと、相模は顔を近付ける。
「なっ‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
互いに息が掛かりそうな距離まで顔を近付けると、相模は俺の口周りに指を付け『何か描くように指を動かした』
「‥‥取れた。」
「お、おう‥‥‥‥その‥‥‥サンキュ‥‥」
「うん‥‥‥」
俺は一応、相模に礼を言ったが‥‥‥口周りにチョコの付いてる違和感はまだ残っている
‥‥‥それに気付いてはいたが、あえて何もしないことにした。
きっと、相模からのメッセージなんだろうから。
一週間が経った。
俺は家で勉強したり、ゲームを少ししたり、漫画を読んだりと男子高校生としての春休みを過ごしていた
俺は前日から何度かスマホで日付を確認している。
そう、今日は3月14日
世間で言うホワイトデーだ
未だに俺は相模へ何か贈り物を渡せていない
‥‥‥‥‥渡すべき‥‥‥なんだよな
一応、用意は‥‥してある
小町にバレないように部屋の中に隠している。
自分なりにあいつへ渡しても不快感はないであろうと、考えながら選んだ‥‥‥
だが‥‥‥‥
多分、これだけじゃ足りないんだろう。
「‥‥‥‥なあ小町」
「ん?どうしたのお兄ちゃん?」
「その、‥‥‥菓子作るの、手伝ってくれ」
俺は、何か言い訳するでなく小町へ協力を促した。
「作ったのはいいけど、誰にあげるの?雪乃さん?それとも由依さん?あ、それともいろはさん!?」
「‥‥さぁ‥‥誰だっていいだろ、別に‥」
「‥‥まさか‥‥‥別の人?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「えっ!?嘘!?本当に!??誰!誰!?」
「‥‥‥‥そのうち機会があったら話すから‥‥おそらく‥‥‥いや、絶対‥‥‥多分‥」
「お兄ちゃんのそれ絶対話す気無いやつじゃん、え〜?じゃあ誰なんだろ‥‥」
「‥‥あいつらには言うなよ、絶対めんどくさいことになるから」
「じゃあ小町にも何かプレゼントしてくれたら黙っててあげるよ?」
「‥‥‥‥‥前向きに検討しよう。」
さて、後は相模に連絡を入れてプレゼントするだけ‥‥‥なんだが‥‥‥
「‥‥‥‥恥ずかしいってレベルじゃないなこれ‥‥‥」
その、連絡を入れる‥‥というところがめちゃくちゃにハードルが高すぎる
いやあまりにも
たった一言、会って渡したいものがあると伝えるだけなのにもその一歩が踏み出せずにいる
LINEのチャットで文章を作るところまでは行くが、送るまではまだ至れていない
「‥‥‥‥‥‥‥‥送らなきゃ始まらないだろ‥?」
自分にどうにか言い聞かせようと呟くが、やはり踏み出せない
‥‥いっそのこと今日はやめとこうか?なんて考えが浮かび上がった瞬間
『相模からLINEが届いた。』
その内容は‥‥‥
俺は慌てて玄関を出た。すると、そこに立って居たのは
「‥‥‥お、‥‥‥おっす‥‥‥」
袋を片手に持ってる相模南の姿だった。
「‥‥‥あ〜‥‥‥その、勉強の合間にちょろっと散歩してたらさ‥‥比企谷の家が見えたから‥‥‥ちょっと話せるかな〜‥‥なんて思って‥‥LINEしてみた感じ‥‥もしかして暇してた?」
「‥‥あぁ、暇過ぎて馬鹿馬鹿しい事に悩まさせるくらいにはな」
「そっか。」
「‥‥‥あ〜‥‥‥上がってく‥‥か?」
「‥いや、良いよ。玄関前で少し話すくらいで‥‥‥」
「‥‥‥‥‥そう、か。」
そう言って俺と相模は玄関前に座る
「‥‥比企谷はさ、誰かにその‥‥‥ホワイトデー渡したりした?」
「‥‥‥部活メンバーとその他1名には一応渡したぞ。バレンタインの時試食会的なの開いて貰ったからな」
「‥‥そっか。」
先程から相模が両手で持っていた袋を掴む力が若干強まる
俺はその袋が少し気になってしまった
「‥‥‥それ‥‥どうしたんだ?」
「‥‥‥‥‥これは‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥?」
「‥‥うん‥‥‥‥そうだよね‥‥‥‥‥言わなきゃ‥‥‥伝わんない‥‥‥‥よね‥‥‥」
「‥‥‥‥何がだ‥‥?」
「‥‥‥‥‥その‥‥‥これ、は‥‥‥チョコ‥‥‥‥‥です‥‥‥比企谷にあげる用の‥‥‥」
「‥‥‥‥えっ」
「‥‥‥バレンタインにあげたかったけど‥‥‥私達‥‥話せるようになったの最近だし‥‥‥‥だから、‥‥‥今日あげる‥‥的な?‥」
「‥‥‥お、‥‥‥おう‥‥‥分かった。‥‥‥‥その‥サンキュ‥‥‥」
相模は袋からチョコを取り出すと、そんなことを言いながら渡してくる
俺が受け取ると同時に、相模は急に涙目になり泣き出しそうになっていた
「えっ、ちょ‥‥どうした‥!?
なに急にそんな‥‥」
「‥‥ぅ、‥‥‥う、‥‥‥上手く‥‥‥作れ‥‥‥なくて‥‥‥‥‥自分なりに‥‥‥‥頑張った‥‥‥‥けど‥‥‥‥全然‥‥‥上手く‥‥‥出来なくて‥‥‥っ‥‥‥‥」
そんな事を言い出すもんだから、俺は相模から貰ったチョコに急いで一口噛り付く
「美味い‥‥‥‥美味いぞ普通に‥‥‥あ、いや!普通じゃない!その‥‥すごい美味いぞ?!」
「‥‥‥ほん‥‥‥とうに‥‥?‥‥その‥‥‥雪ノ下さんが作ったやつより‥?」
「あぁ、実際に食べ比べした訳じゃないが引けは取らないくらい美味いと思うぞ?」
「本当‥‥?‥‥‥本当に?」
「本当だっての、八幡嘘吐かない。」
「‥う、‥‥うぅ‥‥‥ありがとう‥‥比企谷ぁ‥‥‥本当は‥‥‥もっと早く渡そうって‥‥‥思ってたんだけど‥‥‥私なんかが渡していいのかなって‥‥‥それに‥‥ホワイトデーで渡すのも変なのかなって‥‥‥でも‥‥‥‥それでも‥‥‥‥『比企谷に‥‥渡したくて‥‥‥』」
その言葉を聞いて、俺ハッとした
‥‥‥そうだ。一歩を踏めだせなかったのは
『理由が無い』と思ってたからだ
『渡す義理なんてない』
そんな言葉が自分の脳内をしつこいくらい浮かび続けてた
だから、『理由を探していた』
‥‥‥理由なら‥‥もっと単純で良いだろ。
だってそうだ
「‥‥相模、ちょっと待っててくれ。」
「‥‥‥‥ぇっ‥‥‥?」
俺のこの感情だって、どうやって屁理屈を並べようと、御託を並べようと
結局は『相模南にホワイトデーを渡したい』
なんだから
なら、理由も『それだけ』で充分だ。
「はぁ‥‥はぁ‥‥‥相模、これ‥‥‥」
「‥‥‥えっ‥‥!?ま、‥‥‥マフィン‥‥だ‥‥‥」
「‥‥‥実は、俺もさっきお前にLINEしようとしてたんだ‥‥‥これらを‥‥渡したくて‥‥‥」
「‥‥‥いいの?‥‥‥私にくれて‥‥‥いいの‥‥!?」
「‥‥‥まぁ‥‥‥『渡したい』しな‥‥」
「あ‥‥‥‥ありが‥‥‥とぅ‥‥‥」
相模はマフィンを受け取ると、俺が片手に持っている袋包へと目を向けていた
「‥‥‥?それは‥‥?」
「‥‥‥だから言っただろ‥‥‥『これら』を渡したい‥‥って‥‥」
俺は、その袋包を相模へと渡す。
「こ‥‥これって‥‥もしかして‥‥‥なにかのアクセサリー‥‥!??」
「‥‥‥まぁ‥‥‥そんなとこ‥‥‥要らなかったらネットで売ったりしても構わん‥‥」
「し、しないよ!!あ、‥開けていい!?」
「‥‥‥まあ、どうぞ‥」
相模は、貰ったマフィンを自身が元々持っていた袋に入れ一旦置くと
慌てながらもプレゼントを開ける
そこから現れたのは、『ピアス』だ。
「ぴ‥‥‥あすだ‥‥‥」
「‥‥毎日、違う奴付けてるだろ‥‥多分気分で変えてるんだろうなって思って‥‥‥だからまぁ、‥‥‥その‥‥‥アレだよ‥‥」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
相模は顔を紅くしながらも、ピアスを大切そうに両手で握りながら嬉しそうにする
「‥‥‥ダサかったら‥‥‥‥すまん‥‥」
「そ、そんなことないよ‥!!?めっっちゃくちゃ可愛いよ‥‥‥これ!!」
ピアスの形は、花形の可愛らしいデザインのされているピアスだ
店員さんからのアドバイスを貰いながら紅色の花をモチーフにしたピアスを購入した次第だ
ちなみにリアル二時間くらい考えた
「なんか‥‥‥申し訳ないなぁ‥‥‥‥‥こんなに貰ってばっかでさ‥‥‥」
「‥‥‥‥別に‥‥‥貰ってばっかじゃねえよ。」
「‥‥‥‥‥そうかな‥‥‥」
「‥‥‥‥‥貰ってばっかって思うんなら、‥‥またなんか渡せばいいだろ‥‥‥知らんけど‥‥‥」
「‥えへへ‥‥も〜、比企谷は本当嬉しいこと言ってくれるよねー‥‥‥勘違いしちゃいそう‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥良いんじゃねえの?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥へっ‥‥‥?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥知らねえけどさ‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥んじゃ、‥‥‥また今度‥‥‥途中まで送ってやろうか?」
「‥‥‥‥へ?あ、いや!!大丈夫!!一人で帰れる!!」
「そうか。じゃあ‥気をつけて帰れよ。」
「‥‥う、‥‥うん!!あ、比企谷!!」
「‥‥なんだ?」
「‥‥‥その、ピアス!本当にありがとう‥!!ぜっっったい!大切にするからっ!」
「‥‥‥‥‥おう‥‥‥まあ、そうしてくれるんなら‥‥‥嬉しいわ。」
この時の俺は、相模の顔を見ながら言うことができなかった
何故なら、相模の笑顔を見た瞬間。
顔が信じられないくらい熱くなるのを感じたからである
俺のこの病も、そろそろ末期の状態まで近づいているのかもしれない。
久しぶりの更新となります
pixivでは比較的活発なんですが、どうしてもハーメルンの機能に慣れなかったりシンプルに忘れてたりで投稿出来てませんでした
なるべくこちらも同時に投稿出来たらなと思ってます