相模に心をヤバくされる話 作:ネットコミュ症
今日は年の初めの身体測定、まあ結果から言うとあまり変化はござらんわけで‥
高校三年生にまで来れば身体の成長もピークを迎えるのだ
俺は去年と全く変わらない身体測定の紙をボーッとしながら眺めていると、後ろから気づかれないように眺めようとする輩が‥‥‥
「‥‥‥‥‥なにしてんのお前?」
「へ‥?あ、い、いや‥み、見てないよ!?」
「いや無理があるだろ」
明らかにガン見していただろうよさがみんや‥‥
「うっ‥‥わ、私のも‥‥見ます?」
「‥‥‥‥それはなんかこう‥‥駄目な気がするから遠慮しとくわ‥」
というか簡単に見せて良いようなもんじゃないだろ‥‥‥‥ってか体重軽めだなこいつ‥‥ちゃんと食ってるのか?
「ひ、比企谷って‥‥意外と身長あるんだね。
170cm超えてるみたいだし‥その猫背治したら?」
「俺のアイデンティティだから失うわけにはいかん」
「どこに自分の個性見出してるの‥‥いいからほら、ピンってしてみて?ピンって」
「はあ?‥‥‥ったく‥‥‥これでいいか?」
「‥‥‥おぉ‥‥‥」
「‥‥‥‥なんだよ」
「いや‥‥‥ちゃんと大きいなあって‥‥やっぱ猫背治してよ」
「簡単に治せるようなもんじゃねえっての‥‥」
「え〜‥‥」
そう言って残念そうにする彼女を見て
本当に僅かながらだが、自分のこの姿勢を正そうという考えが一瞬だけ、本当にほんの一瞬だけ頭を過ぎった
本当に一瞬だけだよ?
身体測定も終わり、各自授業の合間の休み時間となる。
新クラス‥‥前一緒に居たグループとは別クラスとなり、ぼっち生活を覚悟していたのだけれど‥‥‥
「相模〜、アンタのそのピアスどこで買ったの?めっちゃ可愛いじゃん」
「へ!?あ、えっと‥‥こ、これはその‥‥貰い物というかなんというか‥‥えへへ‥‥」
「へえ‥‥‥やるじゃん‥‥」
時折何故か女子クラスカースト一位様、三浦女王様に絡まれている。
ハッキリ言って、私と三浦さんとでは関わる接点という接点が無いに等しい
だからこそこうやって話しかけられるとは思わず色々とキョドった挙動をしてしまっていた
三浦さんが何かしらの話題をパスする度に、何かしら動揺してしまう‥‥‥
いやだって、すっっごい顔見られながら話しかけてくるんだもん‥‥そら動揺するって‥‥
周りの取り巻きも去年とあまり変わらずな為、戸部君だったり葉山君だったりが居たりもするんだけど‥‥
戸部君が私のこのキョドった様子を見るなり
「んー‥?なーんか見たことあるべ?この感じ‥‥こういうのなんて言うんだっけ隼人君?で‥‥‥で‥‥‥でりしゃす?」
「もしかしてデジャヴのことかい?」
「そー!それ!それよ!なーんか見たことあるような気がするんよね〜‥‥‥なんだっけな‥‥?」
「うーん‥‥‥そうかな?気のせいじゃないのかい?」
その言葉を聞いた三浦さんは何かを察したような顔をして私をジッと見つめてくる
「‥‥‥‥あ、あの‥‥‥なんでしゅか‥‥」
「‥‥‥そこまで合わせなくてもいいっしょ‥‥」
「は、はい?‥‥」
何がどういう意味なのか、この時はよく分からなかった
「そんでだけど、相模。アンタって恋愛系の映画とか興味ある?」
「へ?れ、恋愛系の‥?えっと‥‥興味無い訳じゃないけど‥‥どうしたの?」
「ふーん‥‥そんじゃこれあげるし。」
そう言われて三浦さんから渡されたのは恋愛物映画のペアチケットだった
「え?いいの?‥‥あ、ありがとうございます‥‥‥」
「あーしその映画既に見ちゃってるんだけど、親から貰っちゃってさ。
だからあげるし」
「そうなんだ‥‥本当にありがとね三浦さん
それじゃ、いつ行こうかこの映画」
「は?何言ってるし?」
「へ?‥‥えっと‥‥話の流れ的に三浦さんと一緒に‥‥って話じゃないの?」
私が三浦さんにそう聞き直すと何故か頭を抱えて不機嫌そうになる
えっ‥‥‥な、なに‥‥私そんな不味いことやらかした‥‥?
そんなふうに困惑していると鋭い目つきで私を見つめ直してきたものだから、ひえっ‥‥と声を上げてしまうと
「‥‥そういう鈍い所まで継承しなくていいし‥‥‥だから!!アンタが一緒に行きたい奴と行けって言ってんの!!分かった!?好きな奴とかいるっしょ!??」
「えっ!?あ、‥‥え!?あ、ああ!!!ありがとうございます!??」
「ったく‥‥‥分かればいいっしょ‥‥‥とりま頑張んなよ。ただでさえ競争相手が強豪なんだし‥‥‥」
「うーん‥‥そうだよn‥‥‥‥え?‥‥‥あ、‥‥‥えっと‥‥‥それってもしかして‥‥‥その‥‥‥」
「ま、そういう事だからしっかりやりなよ。
あーしがここまでお膳立てしてやってんのに何も進展しなかったら‥‥‥容赦しないから」
「‥‥‥‥‥が‥‥‥頑張ります‥‥‥」
何がなんだかよく分からないまま、私は頷いてしまった‥‥‥‥
「‥‥‥というわけでその‥‥この後一緒に映画観に行きませんか‥‥?」
「いやどういうわけだ‥‥‥」
相模と一緒に帰っていると映画のペアチケットを2枚取り出した後、無言でこちらを見つめた後そんな事を言ってきた
流石に唐突過ぎて困惑を隠し切れずいる
「いやその‥‥と、友達からペアチケットもらってさ‥‥その‥‥‥えっと‥‥‥一人で行くのも‥‥その寂しいじゃん?‥‥‥だからその‥‥‥どうせなら一緒に観たい人と行きたいというか‥‥なんというか‥‥‥」
「‥‥‥あぁ〜‥‥‥なるほど‥‥?
うん?‥‥‥うん‥‥‥そう‥か‥‥‥」
「だからその、‥‥‥えっと、‥‥い、行きません?」
上目遣いでそう訴えてくる相模に俺は頭をガシガシしながら返事する
「‥‥‥まぁ‥‥‥行くか‥‥‥‥」
またしても俺は、彼女の上目遣いには敵わないのである。
私らはそのまま映画館へと足を運んだ
上映時間まで少しだけ余裕がある、よってその勢いでポップコーン等を買いにいくというのは必然の行いだと言えよう‥‥
あ、今の感じ比企谷っぽいかも‥‥
そんなめちゃくちゃ浅いことを考えつつ私達は列に並ぶ‥‥周りを見るにそんなに人は多くない
けれどやはりというべきか、高校生二人組で映画館に来てる人は見受けられない
その中で私と比企谷が『制服姿』で居るわけで‥
あれ?‥‥これって‥‥もしかしなくても‥‥
『放課後デートじゃね?』
「ッッッ!!」
ヤバい‥‥意識したらめっちゃ顔熱くなってきた‥‥
ただでさえこれからも比企谷と恋愛物の映画観るってのに‥‥!!
「あの‥‥相模?相模さん?」
「は、はい!?なんでしゅか!?」
「うお‥‥いやあの、レジ空いたんで‥‥その‥‥‥ね?」
「‥‥‥え?‥‥‥あ、は、はい!!」
「先が思いやられる‥」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「えーっと‥キャラメル味のポップコーンを‥‥どうする比企谷?ふ、‥‥二人でシェアする?‥‥その方が得だし?」
「あ〜‥‥‥確かにそうだな。
じゃあLにしとくか、キャラメルで良かったのか?」
「あ、うん。甘いの好きだし‥‥」
そう言ってレジの人にLサイズのキャラメルポップコーンを頼もうとしたのだが‥‥またしても私への挑戦状が待ち構えていた
「お二人でシェアなさるんでしたら、こちらの『カップルシェアセット』等は如何でしょうか?」
「ッ!?」
今の私において一番聞いてはならないワード第一位(推定)を食らって思わず言葉を失ってしまう
それと同時にまたしても顔が紅くなるのを感じた
それがどうでも良いかと言わんばかりに店員は立て続けに
「カップルシェアセットですと、キャラメル味のポップコーンに加えてドリンクが二人分ご注文する事ができます。
ですので別々で買うよりも『こちらの方が圧倒的にお得ですよ』」
圧倒的にお得‥‥‥この言葉を強調されてしまっては『No』とは言い切れない‥‥
でも‥これで仮にカップルシェアセットで頼んだとしたら‥‥‥
ぐぅぅぅぅぅ‥‥‥‥‥‥‥
「そ、‥‥‥しょれでお願いします‥‥‥」
「かしこまりました」
あの店員‥‥‥途中からニヤけていたのを私は見逃していない‥‥‥つまりはだ。
あの店員、『分かってて煽ってきていたのだ』
ちっくしょうふざけやがって‥‥後でクレームの電話入れてやろうか‥‥
そんな苦難がありつつも無事ポップコーンを買うことが出来たのであった‥‥
だが、これだけでは終わらなかった‥‥
「あれ?相模さんじゃね!?何してんのよー!」
今会いたくない人ランキング第五位(推定)の人に偶然ばったりであってしまったのでした。
「あれ?ヒキタニ君も居るじゃん!?なにしてんの二人してさ!」
「いやその、アレだ。
俺は相模の付き添いというかなんというか」
「そ、そうそう!えっと‥‥‥‥‥え、映画の‥‥付き添い‥‥?」
「え!それってデートってこと!?うっわ!俺めちゃくちゃお邪魔じゃーん!めちゃんこメンゴじゃんこれー!?」
「ちょ、こ、声デカイ!声デカイし!!」
「ってか相模さんの彼氏、ヒキタニ君かー!確かに最近仲良さそうにしてたし?『意外ではないかも!』」
「は!?ちょ、ひ、比企谷はその‥‥か、彼氏じゃないから!!‥‥‥‥‥まだ‥‥」
戸部がとんでもないことを大声で言うもんだからこちらも大声で反論してしまった‥‥‥最後の一言だけほんの小さな声だったけど‥‥
「えー?じゃあどういう関係なのよー?」
「えっ?‥‥えっと‥‥‥‥それは‥‥‥」
戸部君は本当に分かってなさそうに聞いてくる‥‥
そういう反応が一番困る‥‥この人は悪いじゃないけど察しの悪い馬鹿だから本当に困る‥‥
そんな風に返答に困ってると戸部君の携帯が鳴る
「‥鳴ってるぞ、携帯。」
「あ、ホントだ‥‥えーっと‥‥あ、やっべ!いろはすめちゃくちゃキレてる!?そ、そんじゃヒキタニ君と相模さん!俺もう行くわ!映画楽しんでねー!」
厄災は無事去ったと言っていいでしょう‥‥
心の中でホッとしながらも、戸部君の問を思い出す
『じゃあどういう関係なのよー?』
「‥‥‥‥‥」
妙な関係だというのは私が一番身に沁みて分かっている。
今の私達はなんと表現すればいいんだろう
勿論恋人というカテゴリではない
クラスメイト‥‥?
それとも‥‥‥友達?‥‥
あれ?友達って何処から友達なんだ?
というか男女の友情って成立するの?
というか友達ってなんだ?
シアターに向かいながらそんな事を頭でぐるぐる回していると
比企谷が心配そうに尋ねてくる
「‥‥‥大丈夫か?」
「あ、‥‥えっと‥‥‥だ、大丈夫‥‥‥」
私は誤魔化そうとしたが、‥‥すぐにその考えを振り払う
「‥‥じゃないかも‥‥‥」
「‥‥‥どうした?」
「と、とりあえず移動しよ?‥‥その‥‥映画が始まる前に‥‥指定席で話そ?」
私達は案内の人に言われた番号のシアターへと向かう。
「おぉ‥‥‥特別シートって初めてだわ」
「わ、私も‥‥‥」
み、三浦さんから貰ったチケット‥‥詳しく見てなかったけど特別シートのやつだったの!?
す、すご‥‥‥
ってかなんでそんなの私に寄越したの!?
そんな困惑はありつつも、私達はとりあえず座った。
「‥‥あ〜っと‥‥んで、なんだっけ‥‥」
「あ、いや‥‥‥えっと‥‥‥何を言えば良いんだろう‥‥」
自分から言っといてなんだけど、何から始めれば良いのかが全く分からない
『自分に嘘を付きたくない』
その一心で答えを探そうとしたのだけど‥‥
なんて聞けば良い?
『私達ってどんな関係?』
いや‥‥直球すぎる‥そんなの聞いたら気まずくなるに決まってる‥‥じゃあ‥‥
『私達って‥‥友達だよね?』
‥‥いやでも‥‥これも『何か違う気がする』
もしこれで『YES』と答えたとしても‥‥なんかこう‥‥自分の納得の行く答えじゃない‥‥
じゃあなんて聞けばいいのさ‥‥‥
あぁもう‥‥
本当に‥‥自分ってめんどくさい‥‥‥
私は思わず泣きそうになってしまう
自分への苛立ちと、自分への嫌悪感、そして、今こうやって比企谷を巻き込もうとしてる事実‥‥それら全てが合わさって‥申し訳なくなって来た。
「‥‥‥ごめん‥‥‥その‥‥やっぱりなんでも‥‥」
私がそう断りを入れようとした時だった
「俺はお前のこと、仲の良いクラスメイトだと思ってる。」
比企谷が遮るように言葉を繋ぐ
「‥‥え?」
「そもそもの話をするんなら、俺は正直恋愛物の映画なんて観たくないし、放課後なんてすぐ家に帰ってゲームをしたいと思うくらいにはインドアの人間だ」
「例え映画に誘ってきた奴が由比ヶ浜だったとしても、俺は適当な理由を付けて断っていた。
一色ならもしかしたら無理矢理連れてこらされてたかもしれないな‥‥だが、アイツと一緒に来ていたとしても、ポップコーンを買う時わざわざカップルシェアセットなんて選ばない。
後々面倒くさそうだからな。
戸部の時だってそうだ、仮に雪ノ下と一緒に居たんなら俺が真っ先に否定してる。
後々クラスで戸部に絡まれたくないからな。」
「‥‥‥ぇ?」
「‥‥‥つまりだ、こうやって俺がお前と一緒に此処に居る理由は、『お前だからだ』」
「‥‥だから‥‥その‥‥‥アレだ。
ゴチャゴチャ無駄な事考えずに‥‥その‥‥映画に集中しようぜって事だ‥‥‥
俺がこうやって言うのも変な話だが‥‥」
「‥‥‥ひ、比企谷‥‥‥‥」
「あーもう‥‥お前と居るとらしくないことをしちまうなマジで‥‥」
「‥‥‥あ、ありがと‥‥‥‥‥ほんとうに‥‥」
私はまたしても、比企谷の優しさに甘えてしまった事を知る。
まだまだ‥‥‥成長しなきゃいけない。
もっと、向き合おう。自分と
後ろ向きな考えではなく、ちゃんと前を向いて。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
改めて言おう。
俺は決してラノベ小説でよくある『鈍感系主人公』などでは決してない
むしろ『そういうの』には敏感な方だ
‥今回ばかりは『俺の勘違い』と言って逃げることはしたくない
何故なら、そうやって『勘違い』として片付けてることは
『相模南の想いを否定し、目を背ける』事となる。
それは間接的に『今の相模南を否定すること』に等しい。
つまり、『相模南を否定することは俺の否定する事になる』
だからこうやって‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥いや、これも言い訳か。
前に学んだだろう、『理由なんて単純で良いと』
『今の相模南を否定したくない』
これだけで充分だと言えよう
彼女は『嫌気が刺す過去の自分と向き合い、変わろうとしている』
そんな姿が、俺からは眩しく見え、いつの間にか『尊敬』にも似た感情を相模に当ててしまったのかもしれない
映画はクライマックス、キスシーンにまで辿り着いた。
恋愛物を見ても爆ぜろとしか感想が出ない俺は珍しく物語を振り返って
自分なりの感想を考える。
この映画は男女の関係を鮮明に描いた作品だった
舞台は中学生男女の物語
図書館から始まり、図書館で告白し、図書館で終わる。
そんな誰が見ても『美しい』という感想で終わりそうな作品
「‥‥‥‥良いなぁ‥‥‥‥」
俺は頭の中で言葉を並べていると、相模が言葉を零す
‥‥‥それもそうだろう。
『この物語にはヒロインは一人しかいない』
男女一人同士が描く、綺麗で、華やかで、美しい恋愛物語。
‥‥‥‥‥‥対して相模は‥‥‥‥‥‥。
映画が終わった。
感想は二人揃って『とっても面白かった』で良いだろう
「良かったあ‥‥‥初めて恋愛物の映画見たけど‥‥これすっごい良かったなぁ‥‥」
「そうだな。俺も初めてだったが‥‥恋愛物も悪くないな」
「だよね〜」
満足気に今日観た映画の感想を二人して言い合った
『あのシーンが良かった』だのなんだのをだ
だが、俺は気付いてしまっている。
彼女は『心のどこかで更に不安を感じてしまったことを』
相模南という人間は、この数ヶ月感で激的に変わったと言って良いだろう。
過去と向き合い、反省し、謝罪し、更には前へ前へと進もうとしている
言葉にしてみれば単純に思えること行いがどれだけ凄い事なのか、
俺は『身に沁みて理解しているつもりだ』
だからこそ、そんな彼女には何か
何か『頑張って良かった』と思える出来事が必要だろう。
‥‥‥もしも、もしもだ。
もしもの話をしよう。
「相模」
もしも、俺が、ほんの少しだけ
「ん?どしたの?」
ほんの少しだけ、自分の気持ちに素直になり
素直な気持ちに従ったとして
それがもし、彼女にとって『嬉しい出来事』と思ってくれるのなら
「‥‥‥人、多いし‥‥その、逸れないように‥‥手、繋ぐか。」
「‥‥‥‥ふえ!!???」
俺は、素直になっても良いのかもしれない。
‥‥きっと、そんな考えが出てきてしまう時点で、俺はもう既に、病に侵されているだろう。
けれど、それでも構わない。
『相模に心をヤバくされても』構わないだろう。
俺もまた、彼女の心をヤバくしているのだろうから。
「たでーまあ」
「おかえりお兄ちゃん〜、遅くなるとはメールで聞いてたけど‥どこ行ってたの?」
「‥‥まあ、ちょっと映画見に行ってた」
「えっ!?誰!?誰と!?もしかしてホワイトデー渡した人!?」
「‥‥あぁ」
「ええ!!??ほんとうにそうだった!?ってかあれ!?お兄ちゃんが素直!??」
「まぁ、なんだ。後で詳しく話すからリビングで待っててくれ。」
「‥‥‥うん!分かったよお兄ちゃん!」
俺はとりあえず靴を脱ごうとスッとしゃがみ、スマホを取り出す
するとスマホからあるメッセージが届いてることがわかった
まあ、薄々気付いていながらも俺はその内容を確認する
「‥‥‥やっぱか」
その内容は、一色からの確認メールだった。
『今日、映画館来てましたか?』
というもの
勿論、変に誤魔化すという選択肢は今の俺には存在し得なかった。
「‥‥‥ちゃんと話すか。アイツらにも」
面倒くさそうな事になるなと嫌気が刺しながらも俺は身体をよっこらせと起こす。
とりあえず、一色には明日全部話すとだけ言って明日の事は全て明日の俺に任せることにしたのであった。
とりあえず 頑張れ、明日の俺。
次は多分奉仕部辺りの面々が本格的に絡んできます