死にゲー世界の転生者 作:るるるる
「「……………」」
お互いを揶揄うつもりがただの褒め合いになってしまい、盛大に自爆した私たち。
その結果、なんだか色々な羞恥心により、互いに無言の状態が続く。
別に気まずいとかそう言うタイプの無言ではなく、ただただ恥ずかしい。マジで。
「「あ、あの……!?そ、そっちからどうぞ(ですの)!」」
話そうとしては目が合いこうなる。さっきからこれの繰り返しだ。
だって恥ずかしいんだもん。
分かる?お互いに本気で可愛い可愛いって言い合ってさ?
それでも尚平常心とか保っていられると思いますか?
少なくとも私は無理でした。いや、これが冗談とかその類のヤツなら全然大丈夫なんだけどね?……今回はそうじゃないし。
だって相手はレインなんだよ?彼女があの局面で嘘を吐くわけなくない?絶対吐かないよね?
少なくとも、私に対して言ってくれた『る、ルビーのように輝く赤い瞳と綺麗な黒髪がとっても可愛らしい……と思いますわっ……!そ、それに…わたくしを気遣ってくださるその優しさも……び、美徳だと思いますわ……!』は絶対嘘じゃないと思う。表情的にも彼女の性格的にも。
……てかこれがもし嘘で、私を揶揄う為に言ってたんだとしたら軽く人間不信になる。いやマジで冗談抜きに。……う、嘘じゃないよね?ねっ?
そんな私の中のネガティブな部分がもしかしてアレって揶揄うための嘘だったのでは?と若干の警鐘を鳴らすが、そんなことは有り得ないとすぐに思い直す。
だって……,。
「レインはそんな子じゃないもん!」
「!?」
「あっ」
思わず口に出ていたらしい。彼女の驚愕した様な顔がそれを物語っている。
……う、うわぁ…またやっちゃった……私この子の前で色々やらかしすぎじゃない?
再び黒歴史を量産してしまった事によって自己嫌悪に落ちていく私の心。
だが。
「ど、どうしましたの突然?大丈夫ですの?」
「えっ?あっ、いやその……な、ナンデモナイデスヨ?」
「絶対嘘ですわ!」
「嘘じゃないですの!」
「真似しないでくださいましっ!」
「してないですの!」
「していますわ!」
睨み合いが続く。しかしそれも直ぐに終わり、お互い顔を破顔させ吹き出す。
「「……ふっ、あははっ」」
私の突拍子のない発言のお陰で、先程までの緊張感漂う妙な空気も霧散し、褒め合い合戦の羞恥心も何処かへ消えた。
……私はまだちょっと顔が熱いけどこれは多分今の応酬による影響だろうと思う。思うったら思う。
そんな私を尻目に、レインは笑いながら口を開いて。
「ふふっ、リンネって結構お嬢様言葉似合いますわね。とっても可愛らしかったですわ!」
邪気のかけらも感じさせない底抜けの笑顔、善意100%でそう言い放った。
……いや、だからさ?
「そう言うこと言うのやめてって言ってるでしょ!せっかく収まってきたのにっ!レインのバカッ!!」
「ええっ!?どうしてそんなに怒ってるんですの!?」
どうやら揶揄い目的ではなく普通に本心からの発言だったらしい。
本気でわたわたしている事からそれが伝わってくる。
……本心かー…なるほどね……。うん。
「そっちの方が恥ずかしいよ!寧ろ揶揄ってくれた方がマシだよ!」
「だからなんの話ですの!?」
「こっちの話だから気にしないで!あとちょっと向こう向いてて!変な顔してるから!!」
「?……変な顔なんてしていませんわよ?リンネの顔は可愛らしくて美人ですわ。将来が楽しみですわね!」
「……か、勘弁してください……レイン様」
「?なんのことですの?」
そう首を傾げる彼女は非常にきゅんって来るほど可愛いかったです。はい。
あと何となくだけど、私はレインに一生勝てない気がしました。
天然クリティカル素直お嬢様は元日本人の私には眩しすぎるわっ!
無理ですのっ!
……この子に男友達とか出来たらマジで可哀想だなそいつ。勘違いして爆死するヤツ続出だろ。
私はレインの将来について若干の不安を抱いた。
彼女、魔性の女の素質滅茶苦茶あるわ。
私はレインに忠告しておく事にした。
「レイン。男たらしだけにはならないでね。純愛砲撃たれちゃうから……」
「なんの話ですの!?」