死にゲー世界の転生者   作:るるるる

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第9話 出会い

「レインが男誑しにならないか私心配だよ…純愛砲撃たれちゃうかもだし……」

「いやだからなんの話ですの!?」

「私の国では誑しは純愛砲撃たれて死んじゃうって相場が決まってるの!」

「絶対嘘ですわよね!?そもそも純愛砲ってなんなんですの!?」

「純愛砲は純愛砲だよ」

「わけ分かりませんわっ!」

「……そう言えばあれって誑しの方が撃たれるんだっけ…それとも誑した方が撃つんだっけ……忘れた。まあどっちでもいいや」

「適当ですわね!?」

「そんなに叫んで大丈夫?疲れない?」

「誰のせいだと思ってるんですの!?」

 

一通り突っ込んて疲れたであろうレインがはぁ、とため息を吐きながら私をジト目で見てくる。

 

…うん、私が悪かったからそんな目で見ないでよ。

 

彼女はそのまま呆れた様に笑いながら、感慨深そうに口を開いた。

 

「全く…リンネは不思議な人ですわね」

 

失礼な。私はそんなに不思議ちゃんじゃないですよ?

 

それに不思議って言うなら寧ろ私はレインの方だと思うんだけど?

 

あー…でも、これって聞いていいのかなー……駄目かなー…でも気になるしなー……。

 

レインの方をじっ、と見ながら私はずっと不思議に思っていた事を聞くかどうか悩む。

 

「?な、なんですの?」

 

そう首を傾げる彼女の顔には疑問符こそ浮かんでいるものの、恐怖や怯えと言った感情はなかった。

 

……よし、聞いちゃおうか。多分、大丈夫な筈だ。今のレインならきっと……。

 

私は不謹慎だと分かっていながらも、彼女に問い掛ける。

ずっと疑問に思っていた事を。

 

「不思議と言えばさー…レインって家じゃかなり冷遇されてきたんでしょ?その割には髪の毛とか服装とか凄く綺麗だよね。どうして?」

 

私の質問に目を見開く彼女を尻目に、私は記憶を掘り返す。

 

そうなのだ。彼女は確かこう言っていた。

 

『わたくしの家はよく言えば実力主義。……悪く言えば力ある者以外は人間とはみなさない。そんな家ですの』と。

 

それならば魔力がない彼女は、人間扱いされない筈だ。

にも関わらず彼女は一目で貴族のお嬢様だと分かる美しい容姿をしている。

 

輝く様な金髪に綺麗な服。少なくとも、彼女の見た目だけを見たら、とても冷遇されているとは考えられない。

 

……まあこれでボロボロだったら私はその家潰すけど。それは一旦置いといて。

 

そんな私の嫌な記憶を想起させる様な不謹慎極まりない質問に、彼女は答えづらそうにしながらも、しっかりと答えてくれた。

 

……ほんと、いい子だね。こんな事聞かれたら私だったらぶん殴ってるよ。踏み込んでくんなって。……ごめんね、でも知りたいんだ。私は。

レインの事を。

 

「……きっと、外聞のため、だと思いますわ」

「……外聞?」

「はい。……わたくしが、外に出る機会なんて滅多にありませんけど、それでも噂は広がっていくものです。……きっと、お父さまは悪評が広がるのを恐れているんだと思いますわ。……貴族として、プライドの高いお方ですから」

 

あんな家訓掲げておいて悪評を恐れるって意味わかんないんだけど……。

 

そんな疑問が顔に出ていたのか、先んじて彼女は答えてくれた。

 

「実力あるもの以外を人間とはみなさない。……それを知っているのは、内部の人間だけなんですの。……世間にそれが知られたら、我が家の品格が落ちぶれてしまいますでしょう?……ですから、わたくしは外見だけは着飾る事を許されていますの。……それにわたくしを殴ったりいじめたりしてくるのは主にお姉さまだけですわ。……お父さまは、わたくしに興味がありませんから」

 

そう笑う彼女の顔は何処か悲しそうで……。

 

ああくそっ、まただ。またレインにこんな顔をさせてしまった。

 

レインの事を知りたい。そんな自分勝手な願望で彼女を傷つけ続ける私は彼女の家の連中とそう変わらないのではないか、そんな自己嫌悪に落ちていきそうになる私の耳に突如として場違いな、楽しげな笑い声が響く。

その声の発信源はレインだった。

 

「ふふっ」

「…ど、どうしたの?」

 

そう私が聞くと、彼女は楽しそうに笑いながら、幸せそうな笑みを浮かべて。

 

「いえ。ただ…今までずっと嫌だったこの扱いや記憶も、今となってはよかったと思える様になって……少し、おかしくなったんですわ」

 

こう返してきた。

 

……?彼女の言っている言葉の意味が分からない。

 

私がすかさずどういうこと?と疑問を投げかける前に、彼女の方が先に口を開く。

 

彼女は少し照れ臭そうにしながらも、堂々と自身の想いを言葉にした。

 

「────だって、そのお陰であなたに出会えたんですもの」

 

そう溢す彼女の顔は、まるで恋する乙女のように、頬を赤らめ、瞳を潤ませ、幸せそうに、嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

────。それっ…て……。

 

 

 

 

────────もしかして告白!?

 

 

 

 

リンネは盛大に勘違いをした。

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