死にゲー世界の転生者   作:るるるる

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第13話 一緒に

「……ねえレイン。そろそろ機嫌直してよ」

「……」

 

悲報。レインが私と顔を合わせてくれない件について。

 

「いや確かに私も軽率なとこあったけどさ…でもそんな怒ることなくない?ちょーと調子に乗って頭のおかしい威力の魔法ぶっ放しちゃっただけで……実害も出てないし……嘘吐いちゃったのはごめんだけど……」

「………」

 

シカトなんだよ。フルシカトなんだよ。

 

「……てか、なんでそんなに怒ってるの?」

「……別に、怒ってなんかいませんわ」

「いや怒ってるでしょ」

 

顔をプイッて背けてぷくーっと頬膨らませてる時点で相当怒ってるでしょ。

 

「あっもしかしてレインの御付きになるために魔法使ったって言うのが嘘で不貞腐れてるとか?なーんて……」

「ッ……」

 

……えっ。

 

「……図星?」

「ち、違いますわ!?なにを言ってるんですの!?」

 

そう顔を真っ赤にして捲し立て……いや分かりやすいね?びっくりだよ。

 

「……ふーん?」

「な、なんですの!?言いたいことがあるなら言えばいいですの!!」

「別にー?んっふふ」

「…………」

「ごめんなさい」

 

レインって怒ると怖いんだね……今後あんまり調子に乗らない様にしよう……。

 

「あっ、そう言えば話戻すけどさ…魔王に狙われるよって話したじゃん?」

「へ?……ああそう言えば…そのあとの事が衝撃的すぎて忘れてましたわ」

 

こちらをジーと見つめてくる彼女。

 

……いやごめんって。

 

「そ、それでね?いきなり世界最凶の存在に目つけられてるよーとか言われてどう思ったのかなとかもしかしなくても凄い怖いんじゃないかとか……いや私が言えた義理じゃないんだけどさ……その……」

 

レインと一緒に生きていくためには魔王が邪魔だ。

だから倒さなきゃいけない。

 

レインを巻き込みたくない。危険な目に合わせたくない。

泣いてほしくない。

……だけどレインが居ないと魔王どころか幹部も倒せない。

それに…私一人じゃどう足掻いても太刀打ちできない。

 

だからこそ、私は言わなきゃいけない。

 

『私と一緒に魔王軍と命懸けで戦って』と。

 

……神聖調伏を持って生まれただけの普通の少女にこんな事望むのは間違ってる。……そんなことは分かってる。

 

…でも、どうしようもないんだ。あの魔王相手にレインを守るんだとしたら、命懸けの危険な戦場に引き摺り込みながら守る。

それくらいの矛盾こなさいと守れない。

 

……護られるのは、案外私かもしれないけどね。

 

「その…えっとね……わ、私と……一緒に……そのっ」

 

「……リンネ?」

 

……駄目だ。

 

私と一緒に戦って。私と一緒に命を懸けて。

 

……私を、一人にしないで。

 

そんなこと…言える訳ない。

 

「あ、あははー…ごめんね?別になんでもないよ。……私と一緒にレインが言ってた魔道具店とかお出かけしない?みたいな……」

 

「リンネ」

 

凛とした声が響き渡る。

 

「な、なに?」

 

「……言いたいことがあるなら、言えばいいですの」

 

「い、言いたいこと?いやだから、一緒に魔道具店にさ……」

 

はぁとため息を吐きながら、逸らしている私の顔を掴んで真正面に向き直し、ジッと私の目を見つめてくるレイン。

 

そして……。

 

「わたくしは、リンネと一緒だったら何処へでも行きますわよ?」

 

私が一番欲しい言葉を、柔らかな笑顔で言ってくれて……。

 

ああ、駄目だ。これは、駄目だ。

 

……敵わない…なぁ……。

 

レインは、私よりずっと強かった。

 

「……」

「た、確かにわたくしでは頼らないかもしれませんけど……その……」

 

黙っている私を見てまた変な勘違いをしたであろうレインが何か言っている。

 

この娘はほんとに……もう。

 

「ふっ、ふふっ……あはははっ!」

「……へ?り、リンネ?」

 

なんだか可笑しくなってしまって、思いっきり笑ってしまう。

 

「あーおかしっ…ふはっ、ははははははっ……!」

 

色々悩んでたのが馬鹿らしくなってきた。

 

魔王を倒さなきゃレインと生きていけない?

だったら、やることは一つでしょ。

 

その先が地獄でも、彼女と一緒なら私は……。

 

「ねっ、レイン。私と一緒に魔王軍退治、協力してくれる?」

 

「……えっ?え!?」

 

「邪魔なんだよねアイツら。絶対評価規格外持ちのレインに干渉してくるだろうしさ。だから倒したいんだけど」

 

「い、いやあの…魔王軍退治ですの!?」

 

「うん。私一人じゃ倒せないから。……だからね」

 

力を貸して、レイン。

 

「私を助けて。……レイン。一緒に、戦ってっ」

 

思わず俯いてしまった私の頬に、暖かな手が触れる。

 

「……そんな泣きそうな顔をしないでくださいまし。先ほども言ったように、わたくしは何処へでも着いていきますわ」

 

そう言ってぎゅっと抱きしめてくれるレイン。

 

……あったかい。

 

「……そっか」

 

「はい」

 

「そっか。そっかっ…そっかぁ……!」

 

当たり前の様に共に居てくれる存在。

 

それがとっても…心強い。

 

「ねっ、レイン。じゃ、そろそろ行こっか」

「?行くって…何処へですの?」

「決まってるでしょ?レインのお・う・ち♪」

 

「……へっ!?」

 

就活就活ぅ♪

 

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