放流場   作:ニンカタ

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転生者オリ主が技術チートで楽しむだけの話


技術チートで

 

 己は転生者である。とある力を貰い受け、この世に生まれ落ちた。私が再び生を受けた世界は現代社会。科学が発展し、前世の記憶にある道のりを歩んだ、余り変化の無い世界。

 

 私はこの世界で何をするのか。力を貰い受けるたからそれで楽に生きる?それも悪くはないかもしれない。それとも前の人生のように慎ましく生きる?それも悪くはないかもしれない。けれど、けれど。私には力があるのだ。ならば欲の為に、快楽の為に、思う存分。好き勝手に、生きるのが良いのではないか?

 

 何。どうせ2度目の仮初めの命。途中で尽き果てようと構うまいよ。さあ、モノローグは此処までだ。いざ開幕の時を迎えようじゃないか!

 

 

 

 

 

 

 

 「痛い痛い……気持ち悪いですよ、マスター…」

 「……少しくらいノッてくれても良くない?」

 「主の駄目な所は、率先して指摘するのが私の役目なので」

 

 青い髪を棚引かせたロングスカートのメイドさん。そう、ロングスカート。此処が重要。目茶苦茶良いものを作ったからな。目の保養だぜ。私、いや俺の事を冷たい目で見てくるのはアンドロイドのアイコさん。高性能AIを積んだからアイコさん。我ながら安直な名前である。

 

 「で、この後乗り込むのですか?本当に?」

 「うん!準備OKだぜ!」

 「面倒くさ……」

 「ノリ悪くない…?」

 

 生まれたばかりの頃はあんなにも純粋で従順だったのに…。今ではこんなにもやさぐれてしまったアイコさん。あれか、ネットに繋げたのが悪かったか。最近は匿名掲示板でレスバするのが趣味だからなアイコさん。なまじ知識と知能が高いからレスバに強いこと強いこと。毎回レスバ相手をソース付きで黙らせているからな。

 

 「あの時の恨みは忘れませんよ……!!」

 

 純粋な彼女にクソみてえな掲示板を見せたのがアカンかった。彼女が受けた傷は深い。あの時は慰めるのが大変だったな。まあ慰め方間違えたせいで、変な方向に成長したけど。仄暗い笑みを浮かべながらパソコンに貼り付くアイコさんは凄く怖い……。特定する為に俺が与えたハッキング機能とか使うの辞めて?

 

 「うるさいですね…」

 

 アイコさん……

 

 

 

 「よ、よし!気を取り直して出陣だ!アイコ!」

 「さんは?」

 「……行きますか…アイコさん…」

 「はぁ……早く終わらせますよ、マスター」

 「はい…」

 

 腕にはクソでかい機械を付けて。2人でテレポート装置に乗る。俺が与えたられた力は技術チート!SFにしかなさそうな機械もこの通り。簡単に作れてしまうのだ!…まあ材料費の為に色々と苦労はしたけど。アイコさん全く手伝ってくれなかったし……

 

 「溜息からは幸せが逃げていくらしいですよ、マスター」

 「…わざとかな?」

 「はい」

 

 アイコさん………成長したね……出来ればもっと真っ当な方向へと進んで欲しかったけど。そうしてしょんぼりとしていると、舞台に辿り着いたようだ。さてさて、時間は掛かったが始まりだ。片腕に付けたディスクも良好良好。ならば後は開園あるのみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 「明日の天気は─」

 

 

実況名無し

この子可愛くない?

 

実況名無し

新人さんやね。年若いからピチピチや

 

実況名無し

霧矢美桜ちゃんやって

 

実況名無し

特定早ない?

 

実況名無し

前から目を付けてたからな

 

実況名無し

キモ…

 

実況名無し

ふーん、──大でか……まあワイのが上やな

 

実況名無し

で、出たー!学歴コンプーぅ!!

 

実況名無し

本当にこんなこと言うやつおるんや

 

実況名無し

ん?

 

実況名無し

?何や騒がしいな

 

 

 

 「レディース・アンド・ジェントルメン!!これより私、遊楽が!一世一代のショーをご覧に入れましょう!相方は我が助手アイコさん!!」

 「…よろしくお願いします」

 「え、えーと…降水確率はですね…」

 

 

実況名無し

うわ

 

実況名無し

イタタタ

 

実況名無し

偶に居るよね。こういう輩

 

実況名無し

黒歴史確定。一生ネットの晒し者確定!ざまぁ!!

 

実況名無し

めっちゃ撮られてて草

 

実況名無し

美桜ちゃん困惑してるじゃん。かわいそ

 

実況名無し

それはそれとして相方ちゃん可愛いな

 

実況名無し

凄え嫌そうな顔して草生えるわ

 

実況名無し

そりゃそうやろ。まあ止めなかったのが悪いわな。自業自得

 

 

 

 

 いきなり現れた白衣服の男とメイド服の女。トンチキな格好と発見に、誰もが嘲笑、或いは冷ややかな視線と感情を向けた。しかしこのような手合いは稀に居るのだ。なので直ぐ様立ち去ろうとする者が、大半であった。その光景を目にするまでは…

 

 「決闘(デュエル)!!」

 

 何方からともなく言われた単語。すると2人を中心に白い膜のような物が展開された。それはギャラリーにも見える。はっきりとした色で。

 

 

実況名無し

ファッ!?何やあれ!?

 

実況名無し

はえー遊戯王のコスプレかなんか?最近は進んでるやね〜

 

実況名無し

遊戯王のイメージ下がるような事は辞めて欲しいんだけど

 

実況名無し

それな。まともな奴が割り食うわ

 

実況名無し

時と場合を考えろよな

 

 

 

 嘲笑は少し減った。しかし今度は呆れの視線が来る。このような場所じゃなければ少しは評価されただろうにと。そんな視線を2人は無視し、決闘を続ける。未だモンスターは出ない盛り上がに欠ける決闘。しかし、

 

 「よし、準備は整った!行くぞ!」

 

 遊楽と名乗った男性がモンスターを2体召喚する。ハッと息を飲む声が辺りに響いた。リアル過ぎる。まるで本当に其処に存在するかのような存在感と威圧感。

 

 「モンスターを2体生贄に捧げ!出でよ!俺の魂!俺のプライド!!青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)!!!」

 『グオオオォォォォ!!!!』

 

 龍。幻想、空想、言葉は違えど現実には居ない存在。しかもその龍は更に空想の存在だ。この世に現れる筈がない。しかしその美しくも荘厳な様。それは余りにも現実で…

 

 「私のターン!私もモンスターを2体生贄に捧げ!現れなさい!私の切り札にして最強の下僕(しもべ)!!ブラック・マジシャン!!!」

 『…ふぅん!!』

 

 呆ける観衆を気にせずに、更にモンスターは現れる。それは黒衣の魔導者。魔法使い、これも架空の存在だ。

 

 『ハアッ!!』

 『グオオオォ!!!』

 

 だけど彼等が争う様は夢とは思えない程に、鮮烈で勇ましい。フィールドに駆け巡る嵐が、此方にまで届いているかのよう。

 

 

 

実況名無し

マジ…?

 

実況名無し

CGとかドッキリとか…

 

実況名無し

嘘じゃない、俺行ったけど本当に居る…ブルーアイズもブラックマジシャンも……

 

実況名無し

凄え!!!本物だ!!!

 

 

 

 SNSに上げられた動画。それを見た者達は現地に赴く。青眼の白龍とブラックマジシャンの戦い。この作品のファンならば、一度は目にしたい光景だろう。今此処に、決闘者達が集まっていく。

 

 「ブルーアイズ!滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!!」

 「ブラックマジシャン!黒・魔・導(ブラック・マジック)!!」

 

 2体の下僕が争い合う。高められた攻撃力は同じ。故に消滅するのは何方もだ。しかし助手と名乗った女は、自分のターンにあるモンスターを召喚する。

 

 「ブラックマジシャンには一番の弟子が居る!その名は─」

 

 

実況名無し

ま、まさか!!?

 

実況名無し

来るのか!来るのか!あの子が!!

 

実況名無し

ウオオオ!!!

 

 

 

 「ブラックマジシャンガール!!」

 『やあっ!!』

 

 パチンと、観衆に向かってウインクを一つ。すると観衆は歓声を上げた。青い魔導士服を着た魔法使い。その攻撃力は墓地に居る師の魂により強く強化された。

 

 

実況名無し

キターーー!!!

 

実況名無し

うわー!!可愛い!!可愛い!!可愛いー!!

 

実況名無し

ふおおおおお!!!

 

実況名無し

最高や……

 

 

 

 「ぐっ…!だが甘い!死者蘇生!選ぶのは勿論ブルーアイズ!そして手札から融合を発動する!」

 

 がら空きの相手にブラックマジシャンガールが攻撃を加える。ライフがかなり削られた。しかし戦いはまだまだ続く。墓地より蘇りし白き龍を手札の白き龍達と掛け合わせる。混ざり合い、形を成していく白き龍達。そして現れたるは…

 

 「青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!!」

 『ギャアアアアアアア!!!!』

 

 

実況名無し

アルティメットキター!!

 

実況名無し

凄いぞー!カッコいいぞー!!

 

実況名無し

ひゃー!ヤバいヤバいヤバい!!!鳥肌立ってきた!!

 

 

 

 「これでお前のモンスターは全滅!お前の負けだ!」

 「…それはどうですかね?」

 「何?」

 

 粉砕されたブラックマジシャンガール。彼女が消える時は師匠以上に悲鳴があちこちで響いたが、それはさておき勝利宣言をする遊楽。しかしアイコさんはニヤリと笑うとあるモンスターを召喚した。

 

 「カオス・ソルジャー!降!臨!!」

 「しかし攻撃力は俺の方が─」

 

 

実況名無し

カオスソルジャーだー!

 

実況名無し

アカン…それはフラグや…

 

実況名無し

うわー案の定だー!

 

実況名無し

グエー!?アルティメットがー!!

 

 

 「これでトドメ!カオスソルジャーで攻撃!!カオス・一閃!!!」

 「──ぐわあああああ!!!!」

 

 激しい爆発音と煙が辺りに漂う。煙が晴れ、姿を現した遊楽のライフポイントは0だった。この決闘。アイコさんの勝利だ。

 

 「チクショー!!負けたー!!!」

 「これで私の勝ち越しですね、マスター」

 

 

実況名無し

ああ…終わっちゃった…

 

実況名無し

もう一戦!もう一戦見せてくれ!!

 

実況名無し

俺も直で見たい〜〜!!

 

 

 現れたるときとは違い、辺りにはアンコールの声が。それを嬉しく思いつつも、今日はもう終わり。即ち幕引きだ。

 

 「喜多遊楽(きだゆうらく)とアイコさんのショーはこれにて終いです!お先に失礼!!」

 「マスターと私の事が気になるならば、このチラシに書かれたサイトヘGOです。その時はアイコさんが応対しますので。それではまた会う日まで」

 

 いきなり消える遊楽と名乗った人物。そしてチラシを辺り一面にばら撒くと、アイコと名乗ったメイドも消えていった。チラシを拾うと、其処にはアイコさんルームとデカデカと書かれた文字と、可愛らしくデフォルメ化されたアイコさんの姿が描かれている。

 

 

実況名無し

うおー乗り込めー!!

 

実況名無し

教えて!ブラマジガールと会える方法教えて〜!!

 

実況名無し

僕はブルーアイズ!

 

 

 

 

 

 

 余談

 

 「アイコさん…めっちゃガチカード入れて無かった?」

 「勝つためにですね」

 「リハでは入れてなかったよね…?」

 「勝つためにですね」

 「アイコさん……」

 

 なるべく初期のカードで統一しようと行ったのに、環境カードをぶち込んだアイコさん。魔法、罠だけだったのは彼女なりの最低限の譲歩なのか。

 

 「…次は辞めてね…?」

 「………」

 「アイコさん…?」

 

 勝つためには手段を選ばない。それがアイコさんが匿名掲示板で学んだ事であった。




カオスソルジャーの決め台詞分からなかったので、適当に。今回は遊戯王でしたが、それ以外の作品もやりたいな。主人公は快楽主義なため、わざと目立つような方法を取りがち。なのでインドア派なアイコさんは面倒臭く思ってる。それはそれとして勝負にはガチで勝ちに行く。どんな手を使っても。

こんな感じの思いつき。
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