第二十六問
さて、それからしばらくたった。その後はSクラスには何も変化はなく(変わったとすればCクラスがFクラスに負けたことかな)時間は過ぎていく。そして今日は……。
「くあぁー」
「くぁー」
僕とわんこが同じような顔をして起きてくる。
今日は休みの日だったり。
「おはよう明久、ワンちゃん。休みの日なのに随分と早起きね」
「はよー。休みだからこそだよ。メアリー居ないしテキトーでいっか」
朝ごはんは僕とギャリーがなんとなくで当番のようなそうじゃないようなよくわかんない法則で作っている。弁当はギャリーが担当。
「アタシが作ったわよ。そこに置いてあるわ」
「ありがとー」
「わーぅ?(こっちのは)」
「あーギャリー、わんこの分ある?」
「用意済みよ。それにしてもワンちゃん何でも食べるのね」
「わぅ?(なんで?)」
「犬が食べちゃダメなのも平気で食べるし」
うん、それにスイッチはいるとありえない量食べるし。
「さて、いただきます」
「召し上がれ」
「わーぅ(いただきまーす)」
☆
「ごちそうさまでした。じゃ、部屋に戻るか」
「休みの日くらい外で遊んできたらどうかしら?」
「ぱーす、今日中に仕上げたいし」
「あらそう。がんばりなさいね」
僕は自室……ではなくアトリエの方へと戻った。わんこもよく一緒に居るんだけど何でかな?
「さーて、描くか」
今日までに仕上げたいのは秀吉に頼まれた背景……ではなくて黄色い薔薇の絵だ。どう頑張ってもゲルテナのメアリーの絵に追いつける自信がない。
ゲルテナの作品は描写にも優れていて、抽象画としての価値も高くて、何よりも魂が引き寄せられるほどの美しさがある。まあ、実際魂込めているんだししょうがないんだろうけど。
黄色い薔薇なのはメアリーに送ろう……とかではなくって何となく好きだからかな?
「ううう、やっぱり無理だ」
「わん!(もっとちゃんと描かないと!)」
「わかっているけどさー」
実はあの美術館以来魂を込める気合で描くというのがトラウマになっていて、中学時代の美術部での評価は「絵に魂がこもってない」「どこか薄っぺらい作品」などだった。うん、自覚はあるんだけど魂込めると動き出しそうで怖い。そんな理由で完成できなくなったのだ。たまにやけになって描いた作品とかもあるけど基本的には無理。
「でも、メアリーが見たら悲しむんだろうなぁ」(ぼそ
「う?(どうしたの?)」
「だぁぁぁぁっ、もう嫌だ! ちょっと出かけてくる!!」
僕は家を飛び出した。
さて、休日編スタートです。明久の絵が完成するのは何時になることやら。
まあ、当分完成できなさそうだけど。
過去編では明久あまり怖がってませんでしたがあれでも一応怖がってたんですよね。心壊起こすレベルで。棚一面人間そっくりな人形って怖い気がします。フランス人形とか、あれはあるだけでホラーだと思います。