「い、い、いい――――――っ」
腕がもがれるかっていうくらい痛い。こんなことをするのは今のところただ一人。
「吉井、あんた何女子と仲良さ気にあるいてるのよ」
「あんたの方が何やってるのよ」
島田さんだ。凪乃さんが島田さんの腕をつかんで引きはがそうとしてくれているけど上手くいかないみたいだ。あ、もうそろそろ無理かも
「あんたねっ!!」
「へ、ぎゃんっ」
島田さんの背後から怒声が聞こえたかと思うと島田さんが吹っ飛ばされた。腕を掴まれている僕は引っ張られそうになるがその直前で見知った金色が島田さんの手をこじ開けて、僕のことを受け止めた。その間、約三秒、凄いよメアリー。
「明久大丈夫?」
「う、うん。まだ腕痛いけど」
「たいへんじゃない。あんなに素敵な絵を描く腕がダメになったら大変よ」
メアリーが素敵って言ってくれたのはうれしかったけど、今の作品をますます見せられなくなってきた。メアリーにがっかりしてほしくないし。
何で上手くいかないんだろ。一応頑張ってるのにさ。
「今、明久に何をしてたの?」
「あんた誰よ。てか、よし…」
「逃がすわけないよ? 何をしていたのかって聞いているのに」
「んぐっ」
向こうで争う声がする。島田さんとイヴみたいだけど。イヴ、結構怒ってる?
「それにしてもあの子の行動力凄いわね。ドロップキック決めていたわ」
「はい。入射角も完璧でした」
凪乃さんとラニさんが来た。蹴り飛ばしたのはイヴだったんだ。華奢で清楚な外見に似合わず躊躇ないからなぁ。色々。美術館でもそうだったし、その後も色々あった。
「当然よ。あたしのイヴなんだから」
「どっちかっていうとメアリーがイヴのじゃ」
そんなことより、と急にメアリーが仕切り直した。
「明久、あの子と何があったの?」
「それは知りたいわね。どうすればあんなに命狙われるほどに嫌われるのよ?」
「はい。あれほどの殺意、よっぽどのことがなければ無理なはずです。それかよほど訓練された人間であれば可能性は低くないですが」
「知らないよ。僕には身に覚えなし」
本当に無いよ。最初の時はちょっとずれた発言をするおちゃめな帰国子女さんってイメージだったのに、今じゃあ天敵だもんなぁ。
「(これはあれね)とりあえず、この場を去りましょ。これ以上は勘弁してほしいなぁ」
「(あーとは言え普通あそこまでやるのかしら?)そうね。これじゃあゲーセンは後回しね」
「(? 凪乃さんは何か気が付いたようですがどうしたのでしょうか)はい。凪乃さん、知人に腕の立つ医者がいらっしゃいませんでしたか?」
「居るわよ。そこ行きましょう」
「そうだ。イヴは……あれ?」
後ろを振り向けばイヴと島田さんは居なくなっていた。あれー?
「メアリー、イヴはどこに行ったかな」
「あれ?! イヴ?」
文字数について意見を頂きましたが、みなさん何文字くらいなのでしょうか。
自分は今のところ1500字が限度のようです。なるべく多くはしたいのですが。