「ただいまー」
「お帰り」
?!
「か、母さん?!」
「わるいわね。しばらくこっちの仕事なのよ」
さて、ギャリーと向かい合って座っているこの人。僕の母親です。
髪色は僕と同じ色で髪型は真ん中で分けられている。目の色は姉さんと同じ色、目つきは……キリッとしてて男らしい。正直ギャリーと並んでると母さんの方が男らしいね。外見年齢は大学生くらい。下手すると高校生に間違えられるぐらいなんだよね。今、確か30代だったはず。息子ですらわかんないよ。それ以前に男らしすぎるからなぁ。
「わぅー(キノー)」
「アマテラス。久しぶりね」
母さんにわんこが嬉しそうに駆け寄った。
ってあれ?
「母さん、わんこと知り合いなの?!」
「ああ、言ってなかったわね。昔からの友達よ」
「そうなんだ」
びっくりだよ。
「明久。何か飲む?」
「あ、いいや。あとでアトリエにでも持ってきて」
「はいはい」
★
「ふぅん、いっぱしにアトリエ持っているんだ」
「ま、倉庫代わりの空き部屋を有効活用した結果よ」
「そう」
そっけなく言っているが、明久の母親の顔は嬉しそうだ。
「何だかうれしそうね」
「ま、自分の子供の成長聞いて喜ばない親はそれほどいないわ」
「それもそうね。さて、猫被るの止めたら?」
ギャリーの苦笑で明久の母親はにんまりと笑う。そして、
「……はー、結構きついもんだな」
一気に口調も雰囲気も変わった。
「明久が聞いたら驚くわね」
「はっ、それもいいんじゃないか?」
「ま、普通の人間は寄らないわよねー」
「寄ってくるのはオネェってところか?」
「ハイハイ、言いたいだけ言えばいいわよ」
ギャリーが飲み物を取りに行く。そして、席に戻った後に思い出したように言う。
「そういえば、今明久学園祭に出す絵を描いているらしいわ」
「へぇ、学園祭か。いつだ?」
「もうそろそろかしら。えっと……」
携帯の予定表を確認するギャリー。
「今週末ね」
「お、まだこっちに居るな。冷やかしに行くか」
「そこは素直に覗きに行くって言いなさい」
「へいへい」
☆
「うーん、これで……だぁぁぁっ」
何となく叫んでしまう。ダメなときって叫びたくなるよね。
「わーぅー?(まだ駄目なの?)」
「なんか納得いかない」
「わぅ(上手なのに)」
目の前に置いてあるのはSクラス用の絵、頼まれたときからちょこちょこ描いて今日どうにか描き終ったんだけど………。
「なんか足りないんだよなぁ」
「真剣に描いているんだね」
「わぁぁっ、メアリー?!」
びっくりした。急に横に居るんだもん。
「明久が真剣に悩んで絵を描いている顔、かっこいいよ。でも、凄く上手だし何が足りないって思うの?」
「メアリーはそう思う? でも、何か足りない気がするんだよなぁ」
「……そうね。あたしならここに何か生き物を足すかな」
「あ、メアリーナイスアイデア! 何描こう」
ふと横に目をやれば、おもちをびろーんとのばして食べているわんこが居た。
「う?(ん?)」
「これだっ!」
「なるほどね。確かにいいかも」
「わんこ、ちょっとだけ動かないでね」
スケッチブックにかなり雑に描いていく。
「わぁ、デッサン上手になってきたんだね」
「ありがと。これで良しと」
出来た。これはいいかも。
そんなわけで登場キャラの中では(多分)最強となる明久母登場です。
そして島田さん完璧空気フラグが立ちました。自分は島田さんをなんだと思っているのだろう。
それから、アンケートの方ですが今回の閑話休題は普通に行こうかなと思います。各話考えてみたら全部オチが最終回のごとき壮大さになりました。アンケートは無しという方向にしようと思います。
そして、どう考えても常夏の出番がないよ! このままだとオカルト編にも支障が出そうで怖い。