「吉井、次は一番テーブル頼む」
「はーい」
もらったおぼんを見れば、マカロンセットだった。実に美味しそうなマカロンだよね。ギャリーも手作りしてるけどそれにも劣らないかも。えっと、一番一番
「………え?」
「やっほー、明久。来ちゃった」
「へぇ、おいしそうじゃない」
えええええ?! ギャ、ギャリーに母さん?!
「結構いい感じのお店開いているのね。召喚獣っていうのもかわいいし」
「あの絵、結構いいわね。明久が描いたの?」
「そうだけど、てか何でいるの?」
「明久が自分で日付言ったじゃない。来てほしいんだとばかり」
「べ、別にそういう意味で言ったわけじゃないよ?」
「まあ、いいじゃない。暇になったら案内してね」
母さんはさらりと言った。さらりとは言っているけど、この場合我が家では逆らう人間などいない。
「はーい。シフト終ったらね」
確か、後一時間の予定だったはず。ま、母さんやギャリーと一緒に回れるんだからいいか。
☆
「さーて、腹ごしらえも済んだし行くわよ!」
「元気だねぇ。ギャリー」
シフトが終わって二人を案内することになった。ギャリーのテンションが無駄に高い。
「あんなおいしいスイーツ食べたんだもの、テンションも上がるわよ」
「そっか、持ち帰りやってるけどあとで持ってこようか?」
「ホント! 明久、大好きよ」
ぎゅううと抱きしめられる。別に嫌じゃないしいいか。
「なんだかんだで祭り好きよね」
「あら、あんたも楽しんでいるようだけど?」
「ふんっ」
凄いなぁ、ギャリー。父さんでも分かんないのに
今日は母さんにしては上機嫌だよね。
「何処か行きたいところある?」
「お化け屋敷、定番でしょ?」
「嫌よ」
ギャリーすごい、即答した。
「あはは、やっぱギャリーって怖がり?」
「やっぱりって何よ!」
美術館の一件以来そう思ってるよ? ホラー映画嫌いみたいだし。
「だったら、あたしとこいつで行くわよ。文句ないでしょ?」
「う……早く帰ってきなさいよ」
確かお化け屋敷は三年のAクラスだったかな?
☆
「「らっしゃい、3-Aのお化け屋敷だよ」」
モヒカンの頭をした鎧を着た先輩とスキンヘッドの似たような鎧を着た先輩が看板片手に呼び込みをやっていた。へぇー、Aクラスでもあんな感じなんだ。
「牛頭と馬頭ね」
「あら、そうなの?」
「へぇ、ただ鎧着てるだけかと思ったよ」
まあ、ビビる要素もないだろうし気楽に行こう。そんなわけで入場料金は母さんが払ってくれたので問題なし。Aクラスがやっているというお化け屋敷に入った。
☆
「はぁー、結構凝ってるわね」
「そうだね。この墓地の感じとか特に」
内装も結構凝っているようだ。時々脅かし役の先輩が出てくるんだけど結構リアル、耐性がない人なら一発でアウトなくらいの代物だね。
「あんたもビビらないわね。つまらないわ」
「こんなのゲルテナに比べたらねー」
「だからギャリーを連れてきたかったのにギャーギャー騒いで楽しそうだわ」
「あはは、わっ!」
なんか今冷やってした?!
「へぇ、こんにゃくね。結構常套手段じゃない?」
「ちょっとびっくりしたなぁ」
「ん? 何かあそ「なんか嫌な予感がするんだけど」
目の前にある。空間に嫌な予感がしてたまらない。
「そうね。じゃあ、スルーしましょう」
母さんに手を引かれてその空間をスルーする。背後で聞き覚えのある声が「ぎゃああああ」とか言っていた気がしたんだけど気のせい?
「汚物は消毒っと」
「? 何か言った?」
「ううん、何も言ってないわよ」
まあ、あまり怖いこともなくお化け屋敷は済んだ。
ほのぼの? 親子デート状態だね。これ
出番がなさそうな常夏コンビにはここで出ていただきました。本気で出番なさそうだよ。お化け屋敷内装はオカルト編のお化け屋敷の縮小版です。つまりはあそこにはとんでもないトラウマ物体がいたということになります。あ、夏川じゃないですよ。あの人は客寄せで出かけていますから、今回居たのは不運なモブさんです。