「くそ、何なんだよ。こいつら、それにあのフィールドは一体?」
黒いフィールドがドームのように張られている。それを横目に見ながら凪人は目の前に現れた黒い生き物をコードキャストで薙ぎ払っていく、しかしその数は見る見る間に途方もない量になっていた。
「マスター、どうやらアヴェンジャーが現界したようだ」
彼のサーヴァントであるアーチャーが赤い外套を翻して現れた。
「わかった。核となるのは何処に?」
凪人が問いかける、自分で解決へ向かうつもりなのだろう。いや、もしかしたら各場所に散らばった仲間のことが気になっているのかもしれない。
「召喚大会会場だ。どうやら決勝戦の相手に成りすましたらしい」
「っ、そういう能力ってことかよ」
人間に化ける能力でもあるということに行きついたようだ。
「そういうわけではないようだが、どちらかというと召喚者の方の能力のようだ」
「召喚者が? 魔力素養があったとしても普通の奴だろ? それともわかんねぇけど特殊な能力持ちなのかよ」
ここ最近変な能力持ちの人間によく遭遇するようになった気がする。それこそこの世界の理に反するような。
「私にもわからないがそのようだ」
「アーチャー、元凶の下へ行くぞ!」
「了解した」
少年と赤い外套の男が走る。あの、黒いフィールドの核に向かって。
★
「え? どうなってるの」
「皆さんが……」
しょうがないのでAクラスまで来ていたメアリーと真白と一夜は全員が昏倒したことに驚く。
「逆に言うと何で俺たちは倒れてないんだ?」
一夜の疑問に二人があ、といった表情になる。
周囲から黒いしみのようなものが浮き上がり化け物を形成していく。
「っ! なんなの。こいつら」
「メアリー、あぶねぇっ!」
メアリーの背後から現れた狼のような化け物からとっさに一夜が彼女を守ろうとした。しかし、もう少しで狼の牙が届きそうになったとき。レーザーのようなもので狼は打ち消された。
「大丈夫ですか?」
銃の形をした何かをバチバチとさせている真白が笑う。
「うん、大丈夫だよ。こうなると明久が心配だよ」
「でも、ここの皆さんを放っておくわけにはいかないのです」
無数の化け物が教室中を占拠して回っているようだ。
「……あたし、行くね」
「メア……」
「明久ひとりで放っておいていいことないもの。一人でどうにかできないくせに一人で動こうとするのよ」
「あ……そうだよね」
それが明久の欠点なのかもしれない。
「大丈夫だよ」
メアリーが笑った。その笑顔だけで根拠はないが大丈夫だと思える気がする。
メアリーはそのまま教室を出て行った。
「メアリーって時々男よりかっこいい時があるよな」
「そうですね。そんじょそこらの男よりかっこいいのです」
「随分ととげのある言い方だなオイ」
「気のせいなのです」
☆
「うわぁ、何だろうこれ」
僕は一人状況が一変した会場の中に立っていた。どこを見まわしても迷路のようになっている。
「わんっ(明久っ)」
「わんこ、どうする?」
わんこが隣に居てくれたことを感謝しつつ、わんこに聞いた。答えは決まっているのだろうけど。
「わぅ(前に行く)」
「うん。わかった」
この先に何が待っているのかなんてわからないけどそれでも前に進もう。
それぞれに進みだす人たち。明久と明久の母親は対照的に書いています。明久は一人では解決できないのに一人で突っ走る、明久母は一人で解決できるのにもかかわらずみんなで解決しようとする。そういうイメージがあります。
『ホロウ』の最終決戦のイメージだったり。見せ場はまだ先になるかも。
凛も士郎もレオも好きなので早く出したい今日この頃。