「漫画とかでこの世界は『物語』であるって考えるキャラがいるよな」
「あーメタフィクションってやつか?」
正確には少々違うのだがまあ、いいだろう。
明久の母親のサーヴァントである
「この世界もそうであるって考える連中がいるらしい」
「彼らの認識として僕たちの世界が『物語』として捉えられているってことですか?」
レオは驚く。そんな人物がいるとは。
「そう、今回の騒動を起こしたのはそういう連中の一人ってこと。そして、そいつの悪意の矛先が向いているのが大ざっぱに言うと連中が『原作』と呼ぶ世界で物語の登場人物となる人々だ」
「誰かわかってんのか?」
「いや、俺もそこまで詳しくは知らない。わかっているのはその人たちがいなくなるとこの世界が崩壊するってことだけ」
By忍。忍野を経由した情報とはいえ、その情報の正確さは半端がない。まあ、彼女にだけ備わっているスキル『知識』があるからなのだろうが。
「一大事じゃない」
「実は普通の登場人物ならまだいいんだけど……」
「普通じゃない登場人物がいるってことか?」
「さっき言った通り、重要な登場人物っていうのが居て……」
遠まわしに話そうとするマスターに呆れたのか忍が飛び出してきた。
「だあああ。主よ、まどろっこしいことなど言わずに結論を言ったらどうじゃ!!」
忍の言葉に腹をくくったのか白野が一呼吸おいて喋る。
「……つまり」
「「「つまり」」」
「吉井が死んだら少なくとも『物語』としてのこの世界は終了するってこと!」
一瞬世界が固まったように感じた。
「吉井君が?」
「そう、アヴェンジャーの召喚者の『転生者』って単語が気になって調べてたんだ。で、俺たちも知っている人間が転生者だってわかって話を聞きに行った」
「それで?」
転生者という単語が気になったがそれよりも気になるので話の続きを促す。
「まあ、色々聞いたんだけど、とりあえず吉井が『主人公』なんだよ」
集まっている全員がその言葉に納得した。
「まあ、確かに吉井君って主人公体質よね」
「わからなくはないですね。万人を助けようって姿勢とか」
「そうか? そんなこと思ったこともないけど、それって普通だろ?」
あーって感じで士郎以外の全員が士郎を見る。こいつもそういう奴だった。
「……衛宮には言いたいこと色々あるけど、まあ黙っておくよ」
「それで、どうするつもり?」
「俺は今からアヴェンジャーの召喚者のところへ向かおうと思う」
暦の刀、心渡は普通の者に対しては普通の刀だがオカルトに対しては絶大なまでの能力を発揮する。その能力や白野自身の力であの骸たちをどうにかするつもりなのだろう。忍の能力も今回は完全有利だ。
「なるほどね。あたしたちもと言いたいけど……」
「今の俺たちじゃ足手まといになるだけだな」
「そうですね。僕もこの場に来るまでにかなり魔力を消費しましたから」
魔力切れこそ魔術師にとっては致命傷なのだ。正確に言うと凛の場合は手持ちの宝石が切れかかっている方が致命的なのだが。
「いや、みんなにはこの場所を守ってもらいたいんだ。もうそろそろ来る頃だから」
クラスに元から居たメンバーが首をかしげる。
教室の扉が開き、山田や竹中、それから原作で登場していた人物や明久と交流のある人物たち、そして見知らぬ三人組が次々と入ってきた。骸たちも入って来ようとしたが心渡(偽)に阻まれて入れなかった。
「起きている人間、俺の確認できる範囲で全員の無事を確認したぞ! 保護して連れてきた」
そう言ったのは山田だった。そう、山田こそ白野が話した『転生者』だったのだ。『転生者』には独自のネットワークがあるようでそれを使って目覚めていた人間を助けたらしい。
「ありがとう、山田」
「はぁ、結構疲れたんだからな」
クラスに居た面々の一時停止がようやく解けた。
「Fクラスの新代表?」
「ま、積もる話は後だ」
白野が逆に教室から出て行こうとする。
そこでふと、思い出したらしく振り向いた。
「それからさ、一番重要なことを忘れてた」
「「「?」」」
「転生者、もしくは転生者が望んだ者、それから『主人公』に深くかかわっている者、これが今回のアヴェンジャーの攻撃対象だ」
忍さんのスキル判明
『知識』
オカルトに限ってだがかなり詳しい知識を持っている。
忍野経由で教えられた知識が主だが、現在は『座』から知識を得ているので常に最新情報を得ている。たぶん『ブラック羽川』とかにも即時に対応できる。
どうしよう、清涼祭編の終わりが見えない。年内に終わるかどうかすらわからなくなってきてる。