「っ、この感じ」
「どうやら、アレがまた現れたようだよ」
結界をどうにかこうにか完成させて一息ついていた明久の母親が不穏な気配にばっと顔を上げる。
「少年、ここを任せても大丈夫かしら?」
「はい、構いませんよ」
ユリウスの返事を聞くや否や明久の母親は校舎の中へ飛び込んだ。
……助走も一切なしに塀を飛び越えて。
「ありがとう。行くわよ、なじみ!!」
「了解したよ。相変わらず無鉄砲だね。君は」
ふわりと優雅に浮いた安心院が彼女に追随した。
★
文月学園のどこかにある秘密研究用のラボ。
「ハッキング完了しました」
ラニが画面から顔を上げた。シフトの休みに歩いていたら蒼に拉致られて手伝わされていたのだ。
「おっつかれー、これで特殊フィールドを張れるよ」
蒼がゴーグルを外し、万歳する。
「はぁ、まさか景品修理のために籠っていたらこんな羽目になるとはな」
蒼の横の画面とキーボードで作業していた雄二が伸びをする。ババ…いや、学園長が召喚大会の景品にバグを作ったまま景品としてしまったのだ。それをフォローするために蒼が呼び出されたのだ。かなりの額を吹っ掛けたのだがそれは内緒である。
「このままずっと籠ろうかー」
外は骸でいっぱいだ。
「いえ、できれば凪乃さんを助けに行きたいのですが……」
「あまりお勧めしないよ?」
「そうですか。ならば私は私にできることをするだけです」
ラニは再度画面に向かいだした。
「なばっちゃんもレットもありがとうね」
「全くだよな」
因幡とアリアも何故かここに居た。いや、二人が居るおかげでここに骸が来ないのだ。
「うんうん、それにしてもラニのスペックの高さに驚いたよ」
「ボクが五分で完了するものをラニっちゃん、三分で終わらせるんだもん。仕事がはかどるはかどる」
「どっちにしても普通のスペックである俺から見たらはぇよ」
雄二は完ぺきに呆れた。それでも雄二もかなりスペックは高い。
「アッキー大丈夫かな?」
「大丈夫だろ。明久だし」
「ま、そうなんだけどねぇ」
「大丈夫だよ……うん、絶対にね」
何故か全員その言葉に納得した。
★
召喚会場入り口、そこで凪人と志貴が立ち往生していた。アーチャーとアルクェイドが骸を防いでいる。
「お、少年たちそんなところで何をやっているの?」
「あ、明久の母さん」
「ん? 誰だい」
「よく見たら息子の友達……とその友達ね。で? どうかしたのかしら」
「あー、俺たちも今来てみたらこの状況でわけがわかんねぇ」
なじみの
「……はぁ、『泥』だね」
「泥?」
「そうよ。アヴェンジャーは『泥』と『肉塊』…今回は骸のような姿をしていたわね。それから『60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァント』、召喚されるとこの三つが現界しようとするの」
「『サーヴァント』と『肉塊』は現界していたようだから残るのは『泥』と言うわけだよ」
志貴にはそこまで理解できなかったようだが凪人とアーチャーはしっかり理解したようでアーチャーが何か剣を持ってきた。凪人が代わりに戦っている。
「なるほど、この<ruby><rb>論理武装</rb><rp>(</rp><rt>ロジックカンサー》で倒せると思うか?」
「うーん、可能には限りなく近いが不可能だね。決定打が足りない」
急に骸がすべて消滅した。
「おーい、白波」
「あれ? 西崎か」
「合流できてよかったぜ」
後ろには暦が居る。とは言え全ての骸が消滅した今あまり意味がないかもしれない。
「あれ? 西崎、あの化け物どもは?」
「ああ、あれ? 概念共々消したよ」
「概念? あ、そっかお前のサーヴァントの能力は強力な論理武装だったな」
「え? ああ、そうだな」
「?」
「(|俺《・</rt><rp>)</rp></ruby>
何か秘密があるらしい。
「凄いねぇ。全く再生していないよ」
「うーん、泥を消すのは流石にこの子でも無理ね」
「泥? 一体何の話だ?」
説明してなかったので再度説明する。
「手っ取り早い話は朝になればいいのよ。あれって光に弱かったはずだから」
「それでは足りないね。奴の核を倒さないことにはまた溢れてくるよ」
こちらが乗り込んだ方が話が早そうだ。
「せめて中に入れたら………」
「ん? 何だ。そんなことで悩んでいたの? 簡単よ。ねぇ、なじみ」
「了解したよ」
急に全員の姿が消え。
「「「う、うわぁぁぁぁっ?!」」」
召喚会場へと落ちてきた。
なじみさん片鱗が見えて……こねぇ。どうしよう
※12/10 見直してみたらなんか変だったので直しました。