「
「よっと」
安心院と明久の母親が慣れた調子で着地をする。
「大丈夫か? マスター」
「サンキュー、アーチャー」
凪人の方はアーチャーが途中で受け止めたらしくそのまま着地した。
「志貴、大丈夫?」
「ああ、ありがとう」
元々運動神経はいい二人、簡単に着地をする。
「大丈夫かの? 主殿」
「あ、うん(……男としては少々傷ついたけど)」
白野は忍(大人バージョン)に抱きかかえられて着地した。白野としては男として傷ついたらしいがそんなことはまあいいだろう。
「か、母さん?」
「やっほー」
軽い調子で息子に手を振る母。
「何でここに居るのかに関してはツッコミ入れないけど何で
「ん? むかーしから一緒よ。ねー、なじみ」
「そうだね。君に話していなかっただけでキノとは旧知の仲だよ」
どうやら明久は明久で安心院と仲がいいらしい。
「兄さん」
「お兄ちゃん」
「よかった。凪乃たちが無事で」
三兄妹は相変わらずだ。
「僕たちって無視なんだなぁ」
「まあ、その辺は置いておこうぜ」
志貴と白野は若干無視されていた。
「オイ、お前ら!」
「! そうだ。泥」
陽の叫び声で凪人が思い出す。泥を止めるためにここに来たのではないか。
「あー、あれさ。アマ公が嫌いらしくてここだけ避けてるんだよね」
「まあ、太陽神だものね。アマテラス、光明 いける?」
「わん!(当然!)」
明久よりもアマテラスの本質をよく知る明久の母親がアマテラスに尋ねる。太陽という単語を聞いて明久があわてた。
「あ、ちょ 吸血鬼組大丈夫?」
「ん? 大丈夫よ」
アルクェイドが答える。まあ、彼女も真祖の吸血鬼だ。
「どちら様? こっちとしては西崎君のことを言ったんだけど」
「俺の方は大丈夫だよ。うっかりすると暦と忍が焦げるだけだから」
「焦げないように言っているんだよ!」
自分のサーヴァントが焦げても平気なマスターは薄情ではないだろうか。
それ以前の問題で忍も暦もこの場には居なかった。
「えっと、それじゃあアマ公、光明」
明久の指示に世界が一瞬止まり、空に円が描かれ、また動き出す。すると、空には
「……ここまでさっくりいくとは思わなかったよ」
「そうだ。核!」
むき出しになった核が暴れるようにぶれる。
そこに名乗りを上げたのは、
「それは俺に任せてくれ」
「西崎君?!」
白野だった。片目は極彩色に変わり、白野が何かを握りつぶすようなしぐさをする。
「これくらいの
核は綺麗に霧散した。
白野の様子を志貴がじぃっと見つめていたのは別の話。
「おおー」
明久が感心している背後に最後に残ったサーヴァントのアヴェンジャーが忍び寄るが、
「っ」
「さぁてと、ふつーに封印したつもりだったのに出てくるとはね。なじみ!」
それは叶わなかった。明久の母が安心院の
「承知しているさ。『
アヴェンジャーが空高く舞い、そのまま消え失せてしまった。
「「「「あ」」」」
全員があっけにとられた。
☆
それから後の話をしよう。
――― 証拠隠滅とか記憶改竄とか色々と大変だった。……主に母さんと安心院さんが、いや安心院さんが、かな?
「それにしてもお前の母親がサーヴァント持ちだったとはな」
「もう何もツッコミを入れたくない」
「その気持ちわかるぜ」
そんなこんなで色々あったけど清涼祭は全く無事じゃないけど終了した。
そういえば、凪さんが手に入れたチケット使って西崎君誘ってたような……ま、いいか。
「それにしてもどうするかな。アヴェンジャーのマスター」
「あー、陽のこと?」
彼女だって今回の被害者じゃないかな。少しあった負の感情を勝手に増大させられてこんな大騒動を起こしたんだし。
「ああ、一度サーヴァントと契約しているから魔術に適した人体造形に変わってんだよ」
「へぇ……あ、別のサーヴァント呼べば?」
「……その手があった。よし、となれば、いろいろ準備が要るな」
ま、この一言のおかげか何かは知らないけど陽がSクラス入りした。
最終的にチートに塗りつぶされた感が否めねぇ。
完全院さんでも大嘘憑きは持ってないんだぜ。おかげで証拠隠滅が大変そうだ。
安心院さんのスキル。(前回と今回分)
清涼祭編終了です。閑話やるか次章に行くかは作者のみぞ知る。