僕と絵画とSクラス(仮)   作:亜莉守

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第六十四問

 

「うわぁ……美味しそう」

 

ショーケースに並ぶのは宝石かって思うくらい綺麗な色で飾り付けられたケーキの数々だった。芸術品ってこういうのを言うんだろうなぁ。

 

「えっと、手持ちの金額はこれだから、えっと……」

 

隣では灯火(とうか)君(陽のサーヴァントさん、灯火の救世主からとったそう)が財布を確認している。

 

「吉井が何で姫って呼ばれるのかわかった気がする」

「そこら辺の女子よりも女子っぽいって……」

 

何か酷い評価が上がっているようだけど無視。

 

「ディ…いや、灯火(トウカ)は何食うつもりだ?」

 

陽がこっちへ来た。

 

「うーん、これとこれとこれだね」

 

うわ、一番高そうなのじゃん。

 

「なっ、三つも食うつもりかよ」

「これでも一応小金持ちなので♪」

「はぁ、いいよなRPGの主人公って」

 

? 一体何の話だろう。

 

「現実見ようね」

 

??? あ、そうだ。

 

「あ、そうだ。クッキーとかはありますか? 知人に買ってくるように頼まれたのですが」

 

                    ★

 

所は変わって。そこのそばにある宝石店、そこに凛と凪人がいた。

 

「うわぁ、綺麗……」

「だな。で? 後何十分かかりそうだ?」

 

かれこれ三十分は悩んでいる……というか目をキラキラさせている。

凪人が嘆息してもう一言いう。

 

「値段はそれなりに気にしては欲しいが一応希望に添える物を買うって言っただろ?」

 

その様子を眺めていた店員が見るに見かねたのかそれともようやくタイミングを発見したからなのか声をかけた。

 

「あの、お客様はカップルでしょうか?」

「まあ、一応」

「(一応って! どういうことよ!)」

 

凪人の一言にちょっと憤慨した凛、凪人は気が付かずに店員と会話する。

 

「でしたらこちらのペアリングなどいかがでしょうか?」

「あー」

 

凪人が隣を見れば、凛の目がすっかり水晶をあしらったプラチナのペアリングに奪われている光景があった。

 

「………」

「あー、じゃあこれにします。……チェーンとかって」

 

必死で逃げ道を探す凪人、時臣にばれたら何を言われるか。

 

「? 指のサイズ測らないんですか?」

「……二人とも左手の薬指で」

「!」

 

ぱっと凛の頬が赤くなる。

完璧に諦めた凪人、いつ挨拶に行こうかなぁとか考えていたりするのだった。

 

                    ☆

 

あ、遠坂さんたちが帰ってきた。

 

「お帰りなさい。買い物できた?」

「ええ、もちろんよ」

 

何かスキップとかしそうなくらい上機嫌だ。

 

「遠坂さん、何か凄く機嫌いいね」

「ああ、そうだな」

「何買ったの?」

「……ま、内緒っつーことで」

 

苦笑いをする凪人

 

「???」

 

本当にどうしたんだろう?

 

                    ★

 

「西村教諭、到着しました」

 

ガウェインが西村に声をかけた。

何故か世界にはサーヴァント=生徒と認識されているらしい。つくづく恐ろしいのは聖杯の力ということだ。そんなわけで現サーヴァントの面々は全員霊体化している。

 

「お、Sクラスの諸君。遅れずに済んで何よりだ」

 

西村が安心した声を出す。

 

「何やら慌ただしいようだが……?」

 

無銘が周りを確認しながら言った。教員が慌ただしく移動している。

 

「ああ、現地集合となっていたFクラスの乗るはずだった電車の路線でがけ崩れが発生してな。幸い死傷者は出なかったもののFクラスが途中で足止めを食らったそうなのでバスで迎えに行くこととなったんだ」

 

なるほど、それは慌てる要因だ。

そして、Cクラスの設備を奪ったのにもかかわらず相変わらずの扱いらしい。

 

「はー、大変ですねぇ」

「して、我らの宿泊先は何処だ?」

 

ふんぞり返るのはネロ、質素だったら改造してやる気が満々だ。

 

「それは俺が案内するぜ。皇帝さん」

 

ロビンが声をかけてきた。

 

「あーなるほど、やっぱ身内専用つー訳か」

「ま、騒動が騒動だしな。安全面を考慮してってわけだ」

 

あー、と英霊全員が納得した時。

 

「もうそろそろ行こうぜ」

「じゃな」

 

あれ? と全員がそちらを向いた。

そこには暦と忍の二人が居た。

 

「つかお前ら何処に行ってたんだよ」

「? 普通に別行動してた」

「うむ、ワシが気になっていたドーナツ店にて買い物じゃ」

 

どうやら自主現地集合をしたらしい。白野も何も言わなかったようだ。





約一名、首が絞められかかっている気がする。気のせいかな。
婚約指輪って右……ですよね。

※訂正、左でした。情報提供ありがとうございました。


閑話休題。

「はー、派手にやっちゃったね。どうしよう、アーチャー」
「どう、と言ってもね。僕にはどうしようもないよ」
「むぅ、余の出番がないのは何故だ。奏者」

目の前には巨大ながけ崩れの跡がある。その前に三人の人影がある。

「とりあえずさ、アレ追わないと大変なことになるよね」
「とは思うね。下手にこの世界に干渉するわけにはいかないしね」
「奏者、余は宝石店に行きたいぞ!」
「うん、後でね。そしたらみんなで買い物行こうか」

三人の人影はすぐに現場から消えた。
その後にそこへやってきたもう二人の人影。

「はー、派手にやってんな」
「だな。坊ちゃん行くのか?」
「下手に俺が介入するわけにいかないだろ。不味くなったら混ざる。ランサーも頼んだぜ」
「了解」

二人の人影もすぐに何処かへ行った。

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