少ししんみりしていると誰かの携帯電話が鳴った。
「あ、俺だ。ごめん」
士郎が携帯を取り出して耳に当てる。
「もしもし、イリア?」
しばらくは普通に聞いていたが、いきなり驚く。
「え、はぁっ?!」
「どうかしましたか? 士郎」
ただならぬ様子にアルトリアが聞いた。
「爺さんのとこに麻婆が来た」
セイバーが一瞬固まる。
「……?! し、士郎、みなさんは無事ですか?」
「あ、そうだ。イリア、爺さんたちは無事か? は? セコム?」
「い、一体?」
「よくわかんないけど、セコム呼んだから大丈夫だって」
アルトリアは再度固まった。
「セコム……ですか?」
「どうかしたの?」
電話の内容を明久が聞く。涙は割とおさまっているがまだ涙声だ。
「いえ、私にも何が何だかさっぱりで」
「えっと、とりあえず何かあった?」
白野が再度聞いた。
「えーっと……変態が現われたと言ったらいいでしょうか」
「うん、わかった。大変だな、衛宮の家」
凪人が言って全員が納得した。
☆
「……あ、そうだ。母さんに連絡……」
何か連絡しないといけない気がした。
しばらくコール音がして、電話が通話状態に変わった。
「あ、もしもし かあさ『ぶっとべや、この腐れ麻婆――――っ!!』
何事?!
「?」
電話を誰かが取り上げるような音がして知り合いの声がした。
『あー、もしもし? 明久かい?』
「安心院さん?」
『すまないね。今キノは手が離せなくてね』
手が離せない、麻婆…………まさか
「………もしかして、セコム中?」
『そうだよ。よくわかったね』
衛宮君とアルトリアさんと僕が顔を見合わせる。
「「…………」」
呆然としていると僕の携帯をアルトリアさんが取り上げて話し出した。
「あ、あの すみません。アイリスフィールは無事ですか?」
『おや、あー 無事だよ。人的被害も物品的被害もないからね。安心しなよ』
「えっと、聞きたいことあるからちょっと返してもらっていい?」
「すみませんでした」
携帯を返してもらった。
「あのさ、安心院さん。ウチの母親、何やってるの? 大体仕事は?」
何か大きな仕事入ったって言ってたけどまさかこれ?!
『まあ、大丈夫だよ。ところで涙声だけどどうかしたのかい?』
「いえ、別に……何でもないよ。大丈夫」
『まあ、何かあったら言いなよ。僕たちは絶対に君の味方だからね』
「ありがとう」
★
それから一時間後、凪人が全員に声をかけた。
「そうだ。ちょっとSクラスメンバーだけ集まってくれ」
Sクラスメンバーだけが別室に集まった。
「? どうかしたの、お兄ちゃん」
「まずいことが判明した」
「何があったの?」
凪人が真面目な顔をした。
「あー、俺たちって今な。英霊の本体なんだ」
「「「…………はい?」」」
全員がフリーズする。一体何のことだ。
「つまりな、死んだらアウトってことだよ」
「いや、そんなの人間と変わらないよね」
明久がごくあたりまえじゃないかと言えば。
「つまりだけど、存在消滅ってこと?」
凪乃が噛み砕いた表現に直す。
「そう、サーヴァントたちが元に戻れたとしても、死んだ俺たちはこっちの世界に記憶すらされなくなる」
「えっと……つまり、もしも召喚戦争でも起こって戦死したら……色んなの意味で俺たち終了ってことかよ!」
白野が理解して言えば全員が騒然となる。
「そういうことですね。どうしましょうか」
「つまり試験召喚戦争だけは回避しないといけないってことね」
「まぁ、サーヴァントだから人間に殺されるって言うことはないだろうけれどってことかしら」
「元の状態に戻るまではそれしか方法がないですね」
とりあえず、お開きとはなった。しかしその後、頭を抱えなければいけない事態に発展した。
何でこうなった?
そんなわけで衛宮家に最強のセコム、明久母が出張してました。変人と変態と変質者には黄金の右手が唸るぜ! 大体そんな人、大災害回避は大体この人ともう一人のせい。本来の仕事もちゃんとやってます。仕事をやっている場所が違うだけで、衛宮さんち間借り中です。自宅涙目
麻婆神父は何故か出てきた。大体自分は麻婆神父をなんだと思ってんだろう?
そうだ。過去話で明久母がZero……に近い何かに乱入する話、始めました。
そして、現サーヴァント勢全員全滅フラグという悪夢が発生、この状況でどうやって