僕と絵画とSクラス(仮)   作:亜莉守

79 / 90
第七十七問

 

「どうすんだよ」

 

アイルランドの英雄クー・フーリンが相棒である赤色の少女に問いかける。

 

「リアルゾンビの対処法なんて知らないわよ!!」

 

それはそうだろう、さすがにそんな状況はないと思う。

 

「逃げたいなぁ」

 

凪乃が呟いた。いなし損ねたときにできたのか少々怪我をしている。

 

「うむ、同感だな。これは余の手には負えぬ」

 

隣の赤色の男装の少女も同意した。

そのとき、蒼から渡されていたイヤリングからピコーンと音がして誰かの声が聞こえた。

 

『凪乃さん、聞こえますか?』

「ラニ?!」

 

紫の髪に褐色の肌、己の頼れる親友の声がいきなりしたので驚く凪乃。

 

『よかった。結界のせいで通信が取れなかったんです。今の状況は?』

「あー、リアルバイオハザード。意味が分からなかったら傍に居る人に聞いてちょうだい」

 

少しだけ周囲の人間と話す声がして、今度は別の声に代わった。

 

『通信代わった。バイオハザードってマジ?』

「衛宮? そうなのよ。何か意志が感じられないっていうべきかしら。前へ向かうしか目がないって感じなの」

『離脱できるか?』

「出来たら苦労しないわ!!」

 

前門のゾンビ、後門の袋小路、それが現在の状況だ。

 

『わかった。待機前に渡したもの覚えてるか?』

「あー、あれね」

 

待機する前に渡された小さな箱のようなものを取り出す。これは一体なんのためにあるのだろうか?

 

『それ使ってこっちに戻ってきてくれ』

「こんなのでできるの?」

 

テレポートなんて都合のいいものは知らないのだが

 

『ああ、よく知らないけど比奈丘が凪人に頼んで作ってもらってた。効果は大丈夫だと思う。その箱を思いっきり地面に叩きつけろ』

「それなら大丈夫ね。遠坂、聞いてた?」

 

己の兄作と聞いて一気に安心する凪乃、信頼しているようだ。

遠坂凛に声をかけるが同じくイアリング型の通信機を持っていたようですぐに頷いた。

 

「聞いてたわよ」

「一旦離脱するわ」

 

小さな箱を地面に叩きつける。すると光があふれて…………

 

「ここって………」

 

いつの間にか情報収集担当の部屋に居た。

 

「凪乃さん! 無事ですか?」

「本当に離脱できたな」

「凪乃さん、怪我………」

「あれ? 大丈夫よ。大丈夫」

「大丈夫じゃありません! 治療をします。こちらに来てください!」

「え、ちょ」

 

凪乃はラニによって引っ張られていった。

 

「はぁ、一時はどうなることかと思ったわ」

「遠坂、お疲れ。はい」

 

士郎が缶ジュースを渡す。ねぎらい用……というわけでもなくSクラス備え付けのようだ。

 

「ああ、ありがとう」

「坊主、俺にはあだっ」

 

士郎に言ったはずなのになぜか後方から缶ジュースが飛んできてクーの顔面にヒットした。

そこに件の道具で戻ってきた凪人がクーの横を転がる缶ジュースを拾って渡しながら言う。

 

「ごめんな、ラ……いや、クー 俺のサ……あ、マスターが」

「いや、いいぜ」

「ちょっと、あんた傷だらけじゃない」

 

凛が凪人の怪我に気がついて驚く。かなりの傷がついているからだ。

 

「んー、別に大丈夫だけど?」

「はい、こっちにくる!!」

「凪人、どういうことか説明してもらおうか?」

 

凛と無銘の二人に挟まれ、逃げようにも逃げられなくなった凪人だった。

そこに陽と灯火が入ってくる。

 

「あー、それにしても驚いたな。あれなんだ? ゾンビ化?」

「知らないよ。そういえば便利だね。その道具」

「あー、この『脱出キット』ってヤツな」

 

どうやらゾンビ大行進に出くわしたらしい。

そこにさらに帰ってくる人影があった。

 

「終わったー」

 

凪だ。怪我していた部分は全部治っている。

 

「ご主人様! お帰りなさいまし!!」

「玉藻、ただいまー」

 

抱き合う二人の横をすり抜け、白野が床にべたーとなる。

 

「……終わった」

「お疲れさん」

「まあまあの活躍じゃったぞ」

 

暦と忍の二人が白野をねぎらった。

さらにもう一人戻ってきた。

 

「なんかすごいことになったけど みんな、大丈夫?」

「おー、お帰り。吉井」

 

白野が起き上がりながら戻ってきた明久を迎える。

 

「ただいまー」

「わーぅー(帰ったー)」

 

そこに聞こえたのは断絶間の如き悲鳴、その悲鳴聞いた明久があーあ、という感じの顔をする。

 

「あー、ご愁傷様ってことかな?」

「とりあえず煩悩に塗れたお前らが悪いってことで」

「甘いもの欲しいなぁ」

 

背後からいつも通りのコンビの声がした。

 

「あ、おかえりー。とりあえず実質被害がなかったとはいえどもこんな状況だし何らかの処置はありそうだなぁ」

 

女子風呂の前に積みあがった男子(バカ)、うん、シュールだ。

しかも前世を懺悔する言葉を呟きまくる。シュールというよりもホラーだ。

 

「つーか、女子が煩そうだな」

「まあ、そうなんだけどね。今回のことって一概に男子のせいとは言えないし」

 

アリバイのなかった生徒は女子だ。それを考えると隠しカメラの件は女子な訳だし、今回の騒動の発端は女子ということになる。

 

「そういえば、それはどうすんだ?」

「別にいいんじゃない? 僕は気にしないよ」

 

いろいろと面倒だし、と明久の表情が物語っていた。

 

「じゃ、下手な芝居打ってきたら反撃ってことか」

「そういうこと」

「お前って何事も受け身だよな」

「んー、能動的に動くの嫌いだしね」

 

特にこういう事態はねーと明久が笑った。

 

「なるほどな」

 





珍しく明久が辛辣だ。Sクラスの明久は基本お人好し、時々辛辣設定だったり。
引っくり返ったの方は外道、お人好し、フェミニストの三拍子
TOXWはひたすらにお人好し、たまに自虐タイプ

次回くらいで終わるかな?

スペぺたり(あくまで本家風)


クラス:アーチャー/セイバー
真名:白波凪乃
属性:秩序・中庸

筋力:B
耐久:A
敏捷:B+
魔力:D
幸運:A

保有スキル
:居合:A
日本に古来から伝わる古武術の一つ、鞘から刀を取り出す時の剣圧で戦う
凪乃は基本的に日本刀がデフォ、剣圧のみで戦うためアーチャークラスが付いた

:単独行動:A
アーチャークラス時のみ付与
Aともなれば一週間は現界可能

:相棒特権:EX
セイバーの相方やっているせいで勝手についた
ようは皇帝特権と同じもの


宝具
星屑白銀劇場(スターダスト・シアター)』[ランク:EX 種別:対界宝具(?) レンジ:1~100 最大捕捉:×××人]
 月の聖杯戦争の最後、かの皇帝が「そなたは星のようだ」と例えたことによりこの名前になった
 星の輝く劇場がモチーフ、彼女の相棒であるセイバーと同様に固有結界と似て非なる大魔術
 ただし、彼女の場合は固有結界に憧れていた節があり固有結界寄りの性能になっている
 詠唱は『我が星を見よ! 月光の下に静まれ! 電子の奇跡を今ここに! 流れ落ちる星屑がごとく…… 開け! 白銀の劇場よ!!』 
 まんまセイバーのパクリだが「かっこいい詠唱なんてこれしか思いつかなかった」とのこと、話を聞いたセイバー歓喜
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。