遅れながら、明けましておめでとうございます。
今年もゆっくりですが投稿を続けていくつもりですので、よろしくお願いします。
「〜♪」
夕暮れの中の帰り道、ミカは鼻歌を歌いながらトリニティの本校舎へと向かっていた。
『みんなの様子を?』
『はい、今日からヒフミさん達は合宿ですし...よければどうしているかを確認して教えてもらえればと』
『んーいいけど、そんなに心配ならナギちゃんが行っても良いんじゃない?』
『私はまだ作業が残っていますから、ミカさんであれば自由に動けると思いまして』
『あれ、ナギちゃん遠回しに私が何もしてないって言ってる?』
『とにかく、お願いします』
『はーい』
「全くナギちゃんは心配性だなぁ」
ミカは昼頃にした会話を思い返しながら、ようやく辿り着いた校舎の廊下を通りナギサがいるであろう部屋の扉を遠慮なく開けた。
「ただいまー」
「ミカさん、いつも扉を開ける時はノックを....」
「ごめんごめん☆それよりほら、言われた通り見て来たよ」
自身の姿を見て溜息をつくナギサの元に駆け寄ったミカはそのまま彼女の向かい側に座ると先程あった事を話し始める。
「成る程、皆さんのやる気は十分のようですね。....先生までプールで泳いでいたのは驚きましたが」
「ね?私もびっくりしたもん。まさかそのまま飛び込むなんて、でもジャージ姿の先生なんて初めて見たからそこは良かったかも」
「まあ何事も無いようで何よりです、後は第二次学力試験で結果を残していただければ....それにしても随分と時間がかかりましたが、何か余計な事は話していませんよね?」
「え、だ、大丈夫だよ。別に変な話とかしてないし...あ、そういえばセイアちゃんは?」
ミカは一瞬冷や汗を浮かべたが、すぐさま別の話題へ逸らす様に問いかける。
「セイアさんは先程までこちらにいらしましたが、今は自室の方で休んでいます。体調の方も今日は落ち着いている様でしたから」
「そっか。....でも最近あんまり全員で顔合わせできてないからなんか寂しいなー」
いつもであればミカの発言に小言の一つや二つ飛んでくるのだが、僅かに静かな空気にミカはティーカップを手元で弄りながら窓の外を見つめた。
「セイアさんの体調もありますが、今は大事な時期ですから。集まれないのは仕方ありません」
「エデン条約だっけ?早く終わらないかなー、みんなそんなに難しく考えないでパパって終わらせたら楽なのに」
「....そんな単純に済む問題ではないですよ。トリニティとゲヘナ、これまでの亀裂や蟠りが条約一つで無くなる訳ではありません。それにその条約を結ぶまでにも色々と問題は山積みですから」
紅茶を飲みつつそう話すナギサの言葉に耳を傾けながら、ミカは夕焼け色に染まる空を静かに見つめていた。
(...もし、条約が締結されて仲良く....まではいかなくても協力する様になったら)
(あの子達ともいつか堂々と話せる日が来るのかな....?)
自分が連れて来た少女、彼女が前にいたアリウス自治区という場所、そこで見かけた他の少女達.....
「....カさん、ミカさん?」
「え?」
「どうかしましたか?ぼーっとしてた様ですが」
「...ううん、何でもない☆」
そんな浮かんだ考えをミカは頭の隅に一旦押しやり、ナギサに注がれた紅茶を飲もうとカップを傾けたのだった。