「あ、ホシノ先輩お帰りなさい」
「先輩、お昼寝しに行ったのでは...」
「いやぁ食べてすぐ寝ちゃうのもちょっとまずいかなって思ってさー」
「せ、先輩もそういう事を気にする人だったんですね....」
ホシノが口にする理由に苦笑を浮かべるアヤネとノノミ。
「あれ、ところで先生はどうされたんでしょうか?」
「あーそうそう。途中で先生に会ってさ、今日は急用ができたから帰るって言ってたよー」
「そうだったんですね〜」
「あはは...先生もお仕事大変そうですね...」
先程先生から頼まれた内容を話すホシノの言葉に2人は納得といった反応を見せる。
「その他には何か言ってはいませんでしたか?」
「んー...特には無かったかなー」
セリカの件は隠しつつ、そう2人に答える。
わざわざ夜遅くに後輩達を巻き込むのに申し訳ないのもあるが、それよりもホシノには気がかりな点があった。
(...あの大人は何か隠してる)
これまで何度も”大人”を見てきたホシノの勘がそう囁く。
別にあの大人が悪人だとかそういった事ではない。
そもそも失踪した連邦生徒会長の代わりにこれまで様々な問題解決を行ってきた”シャーレの先生”であり、万が一裏があるとしてもそれに関しては連邦生徒会が既に対処しているはずだろう。
それに、ホシノから見てもとても悪人とは思えず、むしろ初対面時は頼りないと思えたくらいだ。
確かにアビドスに凄く協力的であるのは伝わるし、ホシノ自身もそれを疑ってはいない。
ただ....自分達に何か気づかれたくない、知られたくない様な”何か”を隠している筈。
「ところでシロコちゃんは?」
そんな考えを頭の隅に追いやり、先程までいた筈ののシロコがいない事に気づき2人に尋ねる。
「シロコちゃんなら、先輩が出た少し後にフラッと出て行きましたよ」
「それにしても、今日はどうしましょうか?先生もいらっしゃらないようですし、それぞれ自由行動に....」
「ん、セリカのお迎えに行く」
「シロコちゃん!?」
突如背後から肩を掴まれたホシノは珍しく驚いた声を上げる。
「シロコちゃんいつの間に...」
「ホシノ先輩はズルい、一人でセリカの迎えに行こうとしてた」
「え、どういうことですか?」
「今度サイクリングに誘おうと思って先生の所に行ったらホシノ先輩が先生と話してたからこっそり聞いてた」
「し、シロコちゃん盗み聞きしてたの...?」
後輩の思わぬ行動に苦笑するホシノ。
「それで、最近物騒だから先輩がセリカのお迎えをするって事になってた。だから私達も一緒に行く」
「先輩、そうなんですか?」
「あははー...まあシロコちゃんの言う通りだね」
ホシノは隠すのは諦めて正直に先程の会話を3人に話す。
「もう、別に迷惑なんて思う訳ないじゃないですか。それに驚いたセリカちゃんの顔も見れそうですし♪」
「はい、では後で全員で柴関ラーメン前に向かうという事で」
「決定」
「はぁー....随分たくましくなっちゃって...後輩達には敵わないや」
やる気満々の3人を見ながら、ホシノは小さな溜息をつくのだった。