偽りの道をもう一度   作:Mrふんどし

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未遂 5人side

「ありがとうございましたー!」

 

もう空も暗くなった頃、柴関ラーメン店内で本日最後のお客を見送るセリカの声が響く。

 

「セリカちゃんお疲れさん、今日はもう上がっていいよ」

 

「はい、お疲れ様でした!」

 

仕事着を脱いで大将に挨拶を済ませたセリカが出入り口を開いて外に出ると

 

「......え?」

 

「やぁやぁセリカちゃん、お疲れ様ー」

 

「お疲れ様ですセリカちゃん♪」

 

「こ、こんばんは」

 

「ん、迎えにきたよ」

 

「な、なな何でみんなここに!?」

 

外に出てすぐ目に入ったのは、ここにいない筈の対策委員会の4人。

 

「先生が言ってた、最近他の地区で不審者が出たって」

 

「それで先生に頼まれたんだよね〜可愛い可愛いセリカちゃんのお迎えに行って欲しいって」

 

「はい、なので全員で来ちゃいました♪」

 

「ぐっ...アイツが....」

 

あの大人が笑顔で親指を立てている姿を思わず幻視し、バツが悪そうな顔をするセリカ。

だが既に来てしまったものは仕方ないと渋々4人に囲まれる形で帰路に着く。

 

「でも、こんな時間にみんなで歩いているなんて、なんだか不思議な気分ですね」

 

「うん、いつもはもう解散してるから新鮮」

 

「なんだか....こういうのも悪くないですね」

 

普段と違って辺りを包む静けさに身を寄せ合う5人。

それぞれ言葉は少ないが、全員が同じようにそんな気持ちを抱いて歩いていく。

 

「.......」

 

「....?ホシノ先輩、どうかしたの?」

 

だがそんな中突然ホシノの動きが止まり、何かを警戒するかの様な目線に気づいたセリカは声をかける。

 

「ちょ、ホシノ先輩!?」

 

「どうされたんですか!」

 

そうしてその場から勢いよく走り出したホシノに4人が驚いている中、ホシノは持っていたショットガンを構え前方の路地裏へと発砲した。

 

「うぐっ...!」

 

「...なーんかコソコソしてる奴がいるなって思ったら、予想通りだったねー」

 

銃弾を撃ち込んだ路地裏から倒れ込んで来たのは、これまで何度も自分達を襲ってきたカタカタヘルメット団の一員。

 

「ほら出てきなよ、どうせまだいるんでしょ?」

 

困惑する4人を他所に、ホシノは声を上げ辺りに呼びかける。

それに応じる様に、周囲から何名かのヘルメットを被った少女達が姿を現した。

 

「カタカタヘルメット団!あんたらまだ何か企んでたのね!」

 

「ちっ何でこうも計画が狂うんだ!おいお前達!とにかくこいつら全員捕まえ....ぐはっ!」

 

「何かわからないけど、やってくるなら容赦しない」

 

武器を構え出したヘルメット団にすかさず攻撃を繰り出すシロコ、先程まで固まっていた他の3人もシロコ達に続きそれぞれ応戦し出す。

 

「な、なんで私達だけこんな目に!」

 

「は、早く撃ってくれ!.....1人じゃなかった!この前のやつら全員が...うわっ!」

 

「みんな周囲を警戒して!」

 

無線機でどこかへ通信を図ろうとしていたヘルメット少女を気絶させたホシノはすぐさま4人に指示を飛ばす。

 

「........」

 

「....何も来ませんね」

 

だがしばらく待っていても特に何かが起こることはなく、残っていたヘルメット団を全員気絶させたことで辺りを再び静寂が包んでいるのみ。

 

「それにしても何でこんな事を...」

 

「...もしかしたら、私達が今日いなければセリカちゃんがコイツらに襲われてたのかも。セリカちゃん、いつもこの道通るんでしょ?」

 

「え!?た、確かにそうだけど....」

 

「捕まえろ、だなんて言ってたし。最悪セリカちゃんを....」

 

ホシノの言葉に驚いたセリカだったが、徐々に状況を理解し始め体を震わし始める。

 

「セリカちゃん!」

 

「だ、大丈夫、ちょっと緊張しちゃったというか...」

 

「...大丈夫だよ、今は私達がいるから」

 

自身を攫いに来たという可能性に怯えるセリカにそっと寄り添っているアヤネ達。

 

「ひとまず、今日はセリカちゃんのお部屋までみんなで行きましょうか」

 

「そうですね、そうしましょう...シロコ先輩どうしましたか?」

 

「ん、これ貰っていこうと思って」

 

そう言うシロコの腕の中には先程ヘルメット団が持っていた銃や投擲物の数々が抱えられていた。

 

「あはは..シロコ先輩は相変わらずですね...あれ?」

 

「どうしたの、アヤネ?」

 

「いえ、彼女達達が使ってたその銃にあまり見覚えがなくて...」

 

「そういえばお店とかでは見たことない型だね」

 

「それに、よくよく考えれば私達が彼女達の拠点を襲撃したばかりで本来すぐには動けない筈です。それなのにこんなにも早く新品の銃器を揃えられるなんて....」

 

「確かに気になりますね....でも今日はもう遅いですし、それを考えるのもまた後日にしましょう」

 

その言葉に納得したアヤネはセリカを部屋まで送るために歩き出す。

 

「...ホシノ先輩、どうしたの?」

 

セリカを支えているアヤネとノノミ。

それに続こうとしたシロコだったが、何かを考えている様なホシノに気づき声をかける。

 

「....んーいや、何でもないよシロコちゃん」

 

「?」

 

「そうだ、一応先生に報告しておこうかなー」

 

そう言ってモモトークを開くホシノに、それ以上話そうとしないと察したシロコは前を向き彼女達の方へ駆け寄っていく。

先生へ先程までの出来事やこれからセリカを送っていく事などを送信したホシノ。

 

「...........」

 

画面をしばらく無言で眺めていたホシノは思考を振り払い、4人の元へと早足で向かって行った。

 

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