お気に入り、ありがとうございます。
「ちょっと、どういうことよこれ!」
アビドス校舎の部室内で、セリカさんの声が響いていました。
「アビドスで788万円を集金...その後すぐにカタカタヘルメット団への任務補助金500万円の提供がされてる」
「私達のお金がヘルメット団の方に流れていた?」
「つまり...これまでのヘルメット団の裏にいたのはカイザーローンということですか?」
「カイザーが私達の借金を回収して、それをヘルメット団に渡して、そいつらが私達を襲撃して....どうなってるのよ!」
「もし私達が潰れていれば、大量の借金も回収出来なくなって、困るのはあちらの筈なのに...」
話を聞いた誰もが明らかにおかしいとわかる話。
...カイザーグループは何のためにこんな事をしているのでしょうか。
「まあ、この件はゆっくり考えるとして、今はヒフミちゃんを見送ろうか」
そう言ったホシノさん達に連れられ、私達は校舎の入り口前に着きました。
「皆さん、今日は色々とありがとうございました」
「こちらも助けていただいてありがとうございました。...変な事に巻き込んでしまってごめんなさい」
「あはは....でも今回でわかった事もあります。カイザーコーポレーションが犯罪者や反社会組織と繋がりがある証拠が見つかったんです。この件をティーパーティーに報告すれば、きっとアビドスさんの事も....」
「うーん、私達の事は多分既にわかってると思うよ」
「え、な、何でそれなのに...」
「ヒフミちゃんは優しいね、でも、世の中そんなに甘い事ばかりじゃないからね〜」
ホシノさんは軽い事のように話されていますが...納得できない私はまだ子供なのでしょうか。
「それにさ、トリニティとかゲヘナみたいなマンモス校程の力なんてうちには無いから。万が一、悪い目的で近づいてきたりしたら...」
「...悪意を持ったサポートだったとしても抵抗できない」
「そう言う事、勿論全てが悪い人ばかりって訳じゃないのは理解してるけど、おじさんはどうも素直に好意を受け取れなくてね〜。万が一って言うのをスルーしてきたから、今アビドスはこうなっちゃってるんだ」
ホシノさんの言葉に全員が黙っています。
政治的な問題というのは、やはり私には難しすぎるようです....
「と、とりあえず!今日は本当にありがとうございました!」
「うんうん、ファウストちゃんもお疲れ様」
「そ、その呼び方はやめてください!」
「ん、凄く楽しかった」
「また一緒に何かしたいですね〜♪」
楽しそうな雰囲気の彼女達を見ていると、やはり何か出来ることはないのかとつい考えてしまいます。
まだ1日だけの出会いでしたが、こんなにも良い方々が不幸な目に遭うのは納得できません....
「それでは、これからも頑張ってください、応援してます!それではまた!」
私は彼女達に礼をして、アビドス校舎を出発しました。
「ヒフミ、ちょっといいかな」
「先生?」
ですが彼女達から少し離れた所で先生が駆け寄ってきます。
「何かありましたか?」
「うん、ちょっとね。....ヒフミ、これを」
そう言って先生が手渡してきたのは折り畳まれたメモ用紙。
「これをティーパーティーに渡してもらえるかな?」
「え、ティーパーティーにですか?」
「うん、お願いしてもいいかな?」
「わかりました、それくらいでよければ」
先生の目的が一体何なのかはわかりませんが、私にできる事があるのならと快諾し、手渡されたメモ用紙を大事にポケットにしまい今度こそトリニティへと戻ったのでした。