ここから残り数話はside無しです。
(もしかしたら1話だけ入るかも)
「シロコ先輩!右!」
「ん、大丈夫」
「ノノミ先輩、受け取ってください!」
「ありがとうございます〜」
対策委員会の4人はアヤネが指揮とサポートを、他の3人が前で交戦し、次々と湧いてくるカイザーPMCの兵士達を相手になんとか善戦を繰り広げていた。
「ああもう!アイツどんだけの数を引き連れてたのよ!」
「さっきの爆発で相手も負傷している筈ですが、それでもまだまだみたいですね...」
「皆さん!奥から別部隊の合流を確認しました!気をつけてください!」
「まだ来るの!?」
だが倒しても倒しても後から追加の部隊がこちらへ向かってきてしまうため、状況はあまり芳しくない。
「ムツキ、ハルカ、そのまま押し込みなさい!」
「はいはーい♪」
「アル様のために退いてください!」
アル達の方にいる兵士はシロコ達よりも少なめではあるが、それでも油断のならない状態だった。
「社長、一旦離れてアビドスの子と合流した方がいいかも。このままだと分断されて不利になる」
「そうね。2人とも!」
「了解っ♪」
アルの一声で3人は兵士達の僅かな隙をついてシロコ達の元へと移動する。
「はぁ、はぁ...そちらはどうですか?」
「厳しいわね、敵の数が多すぎて思うようにいかないわ」
「さっきの爆弾とかは?」
「あるにはあるけど結構ジリ貧かな〜」
お互い有効策を出し合うが中々良い手が思いつかないまま戦闘が続いていく。
だがそれでもこちらが消耗している分あちらもそれなりにはダメージを負ってきたのか、段々と兵士達の動きも鈍ってきており理事の顔には焦りの表情が浮かんでいた。
「ぐぅぅっ!しぶとい奴等め....おいお前達、早く動け!何故もっと攻めん!」
「し、しかし現状負傷中の者がかなり出てしまって....これ以上の戦闘は今後の作戦に支障がでるかと...」
「そんなものどうでもいい!お前達は私の指示に従えばいいんだ!...くそっ、今度は何だ!」
予想外の彼女達の抵抗に怒りが収まらない理事は悪態をつきながらも突然入ってきた通信に耳を傾ける。
「......ふふっそうか...よし、今すぐ投入しろ」
「...今度は何を企んでるんですか?」
「君達がここまで粘るとは予想外だった、そこは褒めてやろう。だが所詮はただの子供、結局我々に敵うことはない」
「ふん、何よ急に強がっちゃって」
「ふふふ...見るがいい!これがカイザーの力だ」
理事が叫んだ瞬間、頭上から何が落下してくる音と共に着地による衝撃波が少女達を襲う。
「うっ....い、いったい何ですか?」
「あれは....」
「うわぁ、なんだか凄そうなのが出てきたね」
彼女達の視線の先、そこには巨大な二足歩行型のロボットがこちらに銃口を向けながら立っていた。
『これこそが我々の技術で作り上げた最新兵器だ!これで貴様らまとめて蹴散らしてくれる!』
理事はその禍々しい機体へと素早く乗り込むと、起動音と共に両手に取り付けられたガトリングが回転し始める。
「っ!皆さん避難を!」
全員が物陰に身を隠すと同時に大量の銃弾が彼女達の隠れる瓦礫へ叩きつけられた。
瓦礫越しでも伝わるほどの衝撃からその威力の恐ろしさがわかる。
「なんてものをカイザーは...!」
「これじゃ近づけない....」
「なら、これでもくらいなさい!」
なんとか隙を窺ってアルが機体へ向かって爆弾を投げこむ事に成功するが、至近距離で爆発を受けたにも関わらず機体には傷一つついていなかった。
「う、嘘でしょ!?」
『ハハハッ!随分舐められたものだな、この装甲は最高純度の素材で出来ているのだ!貴様らの攻撃など豆鉄砲にすらならん!』
銃撃を止めた機体は、その巨体に似合わぬスピードで走り出しシロコ達が隠れていた瓦礫ごとアームで粉砕する。
ギリギリの所で避けたシロコ達は、目の前の機体を睨みつけながらも、圧倒的な戦闘力を前に動くことができずにいた。
「な、なんて化け物なのよ」
「でも何が何でもあれを止めないと....」
『どうした?あれだけ威勢のいい事を言っておきながらもう怖気付いたのか?ならば今度はこちらの番だ。さあ、第二ランウドといこうじゃないか!』
「っ!と、とにかく今は回避に専念してください!」
機体の猛攻をなんとか避けていく少女達、だがそれにより戦況はカイザー側に傾き防戦一方となってしまっていた。
攻撃を避け反撃しようとするもその強靭な装甲にはまったく歯が立たず、おまけに傷の回復した兵士達からの妨害もあるため彼女達の動きがどんどん制限されてしまう。
ついには周りを兵士達に囲まれ、建物の壁際まで追い込まれてしまった。
「くっ.......」
「ど、どうすればいいの、これ...」
「だ、だだだだ大丈夫よ!きっとまだ何か...!」
『フフフッ、ハハハハッ!なんとも無様な姿だな対策委員会に便利屋68。この私に逆らった度胸は認めてやるが所詮は口だけ、貴様らの負けは初めから決まっていたのだ』
『最初から素直にアビドスを我々に明け渡していればよかったものを。そうすれば君達は早々に借金から解放され、苦しむ事も無くなった。ふん、大事な先輩とやらも失わずに済んだかもしれんぞ?』
「っ!ふざけた事言わないでください!私達は....!」
『そうか、だが現実はどうだ?君達の土地の殆どは既に我々カイザーのもの。あの副生徒会長もいなくなり君達も今や袋の鼠だ。そうだな、今までの非礼を詫びて謝罪したいというなら聞いてやってもいいぞ』
「........」
『....そうか、あくまで抗う気か』
理事は自身を睨みつけている少女達に主砲の照準を合わせ、発射ボタンに手をかざす。
主砲の先がバチバチと光輝き、巨大なエネルギーが今まさに解き放たれようとしていた。
『ではこの結末を選んだ馬鹿な自分達を恨むんだな!』
そしてついにボタンが押し込まれ、眩い光と共に少女達へエネルギー砲が撃ち込まれた。
「「「「っ........!」」」」
少女達は覚悟を固め、目を瞑る。
....だが予想していた衝撃は一向にこない。
困惑している少女達は恐る恐る目を開けると
「.....え?」
『な、な、なな何故だ!!!何故貴様がここにいる!!!!』
まず視界に入ったのは先程まで周囲にいた筈の兵士達のほとんどが倒れ伏している光景。
そして驚きから言葉の出ない少女達、怒りと動揺で声を荒げているカイザーPMC理事。
その両者の間に立っていたのは、ピンクの髪を揺らし盾を構えている1人の少女。
「みんな、ごめんね....もう大丈夫だから」
小鳥遊ホシノがそこに居た。