偽りの道をもう一度   作:Mrふんどし

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今後の予定が確定していないので、次の投稿頻度も遅くなるかもしれません。
また、これから少しずつ対策委員会編の話を編集していきます。
言葉の表現やおかしいと思った部分を変更するだけなので、大まかな内容に変化はありません。
*現在5話までの内容を修正しました。


少女との出会い《再会》

「アリス...」

 

椅子に寝かされている目の前の少女を見た瞬間、私は無意識にそう口にしていた。

 

「アリスって、もしかしてあの子の名前?先生あの子の事知ってるの?」

 

私の発言に3人が振り返りこちらを不思議そうに見つめている。

 

「あ、いや....」

 

「あ、お姉ちゃん!むやみに近づいたら危ないんじゃ...」

 

思わず口に出てしまった事を何とか誤魔化そうとしていると、いつの間にかモモイが彼女の元へと近づいていた

 

「んー...AL-IS....エー、エル、アイ、エス...アリス...?あ、先生の言う通りこの子アリスって言うんじゃない?」

 

「ほ、本当に?」

 

「先生!あんな遠くからこの文字が見えたなんて目凄い良いんだね!」

 

無邪気にそう話すモモイのおかげで何とか誤魔化せそうな雰囲気になり、私は思わず苦笑いで彼女に答える。

 

そんなモモイの様子に2人もこの場所への警戒心を解いたのか椅子に眠る少女の元へと向かって行った。

 

「.....こ、これ、Iじゃなくて1だと思う...」

 

「え、あれ?」

 

「本当だ、ユズちゃんの言う通り...つまりAL-1Sが正解って事?」

 

「そ、それにこの子....多分人じゃない...」

 

「....確かに寝てるっていうより、電源が入ってない感じかも」

 

「じゃあロボットって事?でも何でこの子はこんな場所に居るんだろう?」

 

「そもそもこの子って何者?ここは連邦生徒会長に隔離された場所だから誰も出入りしてない筈なのに...」

 

「先生、連邦生徒会から何か聞いてない?」

 

モモイにそう尋ねられるが、残念ながらリン達からも何も聞かされていない。

それに私も何故彼女が元々ここに眠っていたのかについてはわからないというのが正直な所だ。

私は首を横に振る事でその意思を彼女に伝える。

 

「そっかー、でも凄いよね。ここまで私達に似たロボット、ミレニアムでも見た事ないもん」

 

「この子に聞けばこの場所の事もわかるかな?...でもその前にこのままじゃ可哀想だし、起こす前に服を着せてあげないと....お姉ちゃん、予備の服って持ってる?」

 

「ううん、まさかこんな子がいるなんて思わなかったからゲーム機しか持って来てないよ」

 

「逆に何でそれは持ってるの...ユズちゃんは?」

 

「ご、ごめん、私も持ってない....」

 

どうやら全員持ち合わせが無いようだ。

 

「なら私のでよければ着せてあげて」

 

「いいの?ありがとう先生」

 

私は羽織っていたコートを脱ぐと、それを受け取った彼女達は寝ている少女に服を着せていく。

 

「よし、これで...」

 

ピピッ、ピピピッ

 

ミドリが彼女に上着を着せ終わった瞬間、謎の電子音が何処からか聞こえてきた。

 

「ひっ!な、何?」

 

「わからない....けど、この子から聞こえてるような...」

 

『状態の変化、及び接触許可対象を感知。休眠状態を解除します』

 

「わっ!お、起きた!?」

 

「.......」

 

先程まで椅子の上で動かなかった少女は、傍に立っていた3人と少し遠くから彼女達を見守っていた私を順に見つめゆっくりと口を開いた。

 

「...状況把握、難航。対象への会話を試みます、説明をお願いします」

 

「せ、説明って言われても私達も何が何だかわからないんだけど...」

 

「あ、貴方は誰?ここは一体何の為の場所なの?」

 

「....解答困難。本機に組み込まれた自我、記憶、目的は全て消失状態にある事を確認」

 

「消失状態ってつまり記憶が無いって事だよね...?」

 

「肯定」

 

彼女は表情を変える事なく聞かれた事に淡々と答え続ける。

その後もいくつか質問が続くが、どれも不明瞭な解答が返ってくるばかりで状況は一向に変わらなかった。

 

「うーん、どうすればいいんだろう。私達だけじゃどうにも出来そうに無いし、一回ミレニアムに戻る?」

 

「で、でもこの子をこのままここに置いていくのは...か、可哀想かも」

 

「.....工場の地下、ほぼ全裸の女の子、おまけに記憶喪失....ふふっ、いいこと思いついちゃった!」

 

「お姉ちゃんがまた変な事思いついてる....」

 

「大丈夫!ミドリもユズもきっと大賛成するって!とりあえずこの子を...」

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

「え、こ、今度は何事!?」

 

そう言ってモモイが少女に向き直ろうとした時だった、周囲からけたたましい程のサイレン音が鳴り始める。

 

「よくわからないけど何か不味そうな予感...」

 

「ど、どどどうしよう!?」

 

「....警告、本機の意識レベルの低下を確認」

 

「え、ちょ、大丈夫!?」

 

いきなりのサイレンに慌てふためいていた彼女達。

更にそのタイミングで椅子から降りたアリスが突如として力無く倒れそうになり、ギリギリの所でモモイが彼女を受け止める。

 

「一体どうしちゃったの!?」

 

「わからない....けど今はここから抜け出さないと。先生!この子の事お願い!」

 

私も思いがけない事態に少々混乱していたが、兎にも角にも今はこの施設から出る事が優先だ。

もし戦闘が起これば情けない限りだが彼女達3人に任せるしかない、私はモモイの代わりにアリスを運ぶ為彼女に触れ.....

 

 

 

 

 

いつの間にか、白装束を見に纏い仮面で顔を隠した集団が私を取り囲んでいた。

 

『——、———』

 

『———、———』

 

彼らは私を囲みながら何かを話し合っている様だが、彼らの声を聞くことは出来ずその意味まではわからない。

 

まるで時間が止まってしまったかの様にこの場にいる私の身体は動かなかった。

 

目を見開き、呼吸をするのも忘れ、ただひたすらに彼らの声のない言葉に耳を傾け続ける。

 

そうして私の意識は...

 

 

 

 

「...い、先生!」

 

「っ!?」

 

「先生!早くしないと!」

 

『先生、どうかされましたか?彼女達の言う通り急いだ方がいいかと』

 

耳元からはアロナの少し心配そうな声が聞こえてくる。

少し視線を下げれば先程同様目を閉じたままのアリスが私の腕の中に抱えられていた。

 

どうやらアリスを抱えてから私は少しの間ぼうっとしていたらしい。

 

(さっきのは....)

 

私を囲んでいたあの見覚えのある集団、あれは私の幻覚だったのだろうか。

 

...いや、余計な事を考えるのはよそう。

今は急いでアリスを連れ彼女達の元へと向かうのが最優先だ。

 

私は浮かんでくる疑問を振り払い、モモイ達のいる通路へと足を進めた。

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