偽りの道をもう一度   作:Mrふんどし

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遅くなりましたが新年明けましておめでとうございます。
今年もゆっくりとですが投稿していくので、よろしくお願いします。


審査 ユウカside

「まさかあの子達の部活に新しい子が来るなんて...」

 

ミレニアムタワー内にあるセミナーの部室、ユウカは椅子に座り一人そう呟いていた。

彼女はコーヒーの入っているマグカップを口につけながら手元にある一枚の書類を再度見つめる。

 

「天童アリス....一年生...ゲーム開発部所属...」

 

そこにはいまユウカの頭をある意味悩ませている一人の生徒情報が載っていた。

 

アリスという少女が入部しているゲーム開発部...これまで部活の規定を満たしていなかった事もあり、改善が見られない場合は廃部にするという旨を彼女達に伝えたのだ。

 

それがつい先日の事....正直な所、成果は抜きにしても彼女達の怠慢さや交友関係から規定人数の条件を満たす事は出来ないと思っていた。

 

勿論最近は彼女達がやる気を出して色々と頑張っているのは知っていたが、まさかこうも早く条件の一つをクリアするとは想定していなかった。

 

(ただ...本当にこの子がちゃんとゲーム開発部に入ったのかは怪しいのよね)

 

言っては悪いがモモイ達はこれまで何度か迷惑行為を繰り返しており、頭ごなしに彼女達の言動を信用しろと言われても正直難しい。

 

とうとう廃部の危機に陥りなりふり構っていられなくなった彼女達が、この子を無理矢理引き込んだ可能性もゼロとは言えないのだ。

 

(それに、見覚えがないのも気になるのよね)

 

ミレニアムの予算を預かる身として学園に通う生徒の顔は把握していたつもりだったのだが、アリスという生徒は今までに見覚えが無かった。

 

まあ人の記憶というのは時々当てにならないものではある為、今それを気にしても仕方ないのだが....

 

「まあ、何にせよ直接問いただせばいいだけよね」

 

丁度これから新入部員の審査という事で彼女達の部室へ訪ねる予定なのだ、怪しい点があればその時に指摘すればいい。

 

ユウカはそう思いマグカップを机に置くと、椅子から立ち上がり廊下の方へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

それから暫くした後、結論から言って今日行った審査は彼女から見て合格だった。

 

まあ入室早々にモモイが自身の事を妖怪と言ったのが聞こえたり、その場に同席していた先生があれだけ強く注意したのにも関わらずまた領収書の管理を怠っていた事を知ったりと予想外の出来事は多々あったが....それでも廊下を歩くユウカの顔にはどこか安堵の表情が浮かんでいた。

 

帰る間際に尋ねた”ゲームは好きか”という質問...我ながらそんな曖昧な質問を投げかけるとは思ってもみなかったが

 

『はいっ、とっても大好きです!』

 

あの時見た笑顔、あれは彼女が心からそう思っているからこそ出たものだろう。

であれば、これ以上彼女達に疑いの目を向ける意味はない....そう結論付けたユウカは部室を後にした。

 

「...本当に良い結果を残すのかも知れないわね」

 

あの時モモイが言った言葉は、私にただ言い返す為だけの啖呵だと思っていた部分もあったが、もしかすると本当にやり遂げる未来もあり得るのかもしれない。

 

「ただいま、ノア」

 

「お帰りなさいユウカちゃん、今朝話していた審査の方は....ふふ、その様子だと大丈夫みたいですね♪」

 

「まあね」

 

そんな事を考えながらセミナーの部室へと戻ると、先程は用事で部屋を出ていたノアがこちらを見てニコニコと笑顔を浮かべていた。

 

相変わらず洞察力の鋭い彼女に驚く事なくユウカは席に戻るが、ふと自分達以外の空いている席が目に入る。

 

「...そういえばノア、会長から何か連絡は?」

 

「事務的な連絡は届きますが、それ以外には特に何も....一応私からも何をしているのか聞いてみたんですが、心配する必要は無いと返されるだけで...」

 

このセミナーの会長である調月リオ。

彼女は以前からあまり顔を出さなくなり、最近では忙しくしているのかこちらへの連絡回数も減ってきている。

 

コユキは基本反省部屋で、リオ会長がいない今セミナーの一人当たりの業務量が増えてきているのもあり早く彼女に戻ってきて欲しいというのがユウカの本音だった。

 

「はぁ....一体何処で何をしているのかしら」

 

ユウカは溜息をつきながら、丁度出来上がったコーヒーを二人分のマグカップに淹れてノアの元へと歩いていった。

 

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