これまでもそうでしたが、ここから今までより独自解釈、独自設定が強くなるので、苦手な方はご注意ください。
それでも大丈夫という方は、引き続き楽しんでいただけると幸いです。
「うん、これで良し」
先生は先程までシッテムの箱に挿しこんでいたUSBメモリを手に取ると、それをゲーム開発部の彼女達へと手渡していました。
「ありがとう先生!」
「わざわざありがとうございます」
「あ、後はヴェリタスの人達に見てもらうだけだよね...?」
彼女達は先生へお礼をした後、それから元気よく部屋を出ていかれました。
先生はそんな彼女達を見送り安堵した様子で小さく息をつくと、椅子へと座って流れる様に書類を読み始めます。
『提案、先程まで遠出していたばかりで休まず作業をするのは効率も悪いかと思われます、少し休んでからの方がいいかと』
「あー...ちょっとだけ残ってた分があったから...ほら、もう少しで終わりそうだし」
そう言って先生は数枚の書類を手に取り私へ画面越しに見せてきます。
『そのくらいでしたら私が確認しておきます、また明日も色々動くのでしたら少しでも体調を整えておく方が賢明です』
「うーん、でも...」
『.....先生、以前先生はもっと私を頼ると確かに言っていました。それは嘘だったのですか?』
私がじっとりとした視線を向けると、しまったと言わんばかりの表情を浮かべた先生は降参するかの様に両手をあげました。
「ご、ごめんアロナ....それじゃあお願いしてもいいかな?」
『了承、お任せください』
そこまで言ってようやく椅子から離れた先生でしたが、何かを思い出したかの様にこちらに振り返ると、今度は私にある事を尋ねてきました。
「そういえば、廃墟でデータを移した時アロナは大丈夫だった?あの時は急いでたから任せちゃったけど....」
『....はい、何も問題ありませんでした。私はスーパーアロナですから』
それから休憩を終えた先生と追加で送られてきた仕事を途中まで終わらせ迎えた夜中、私は静かに目を瞑り寝息を立てている先生を見つめながらひっそりと内部データを整理していました。
『....ファイル〈Key〉.....』
先生と彼女達が求めていたデータ....その中に紛れ込んでいた謎のファイル。
『...ここまで入り組んだセキュリティは初めてです』
通常では解読不能のコード、いくつも張り巡らされたロック、全てが謎に包まれているこの〈Key〉ファイル....その中には一体何が隠されているのか。
その異様な構造がどうしても気になった私は、昼間にデータを移した際に先生には黙ってこのファイルだけは手元に残していました。
『.....』
私はデータの中身に触れようとゆっくりと手を伸ばしていきます。
『っ!これは....』
ですがそのデータの一部を覗こうとした瞬間、私はすぐさま防衛プログラムを起動しました。
急いでファイル全体にロックをかけていく最中、そのデータの奥深くに隠された...いえ、そこに”居た″人物と目が合い....
〈........〉