透き通る世界で私は今日も刀を振るう   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ハーメルンとんでもないことになってましたね……それはともかく、お気に入り100件突破& UA7000越えありがとうございます。こんな速いのはエヴリンレムナンツ以来かも?励みにさせていただきます。

今回は新キャラ登場。楽しんでいただけたら幸いです。


彼女もまた刀を振るうらしい

「うわあ……本当に一人で突っ込んじゃったんだけど。いいのあれ?」

 

「証拠がないから探るって意味では……いいんでしょうか?」

 

「“セツナが囮になってくれてるおかげで作戦を考える時間を稼げると思おう”」

 

「で、でもセツナさん一人だけじゃ危なくありませんか!?」

 

「大丈夫だよ。セツナちゃん、最強だから。私たちは私たちにできることをしよっか~」

 

「ん。ならあれしかない」

 

「あれですね~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 群がるマーケットガードの放つ弾丸を跳躍して回避、銀行員を盾にして時折銃撃を止めさせながら、銀行員を蹴り飛ばして牽制しつつ踏み込んでマーケットガードの装甲の動力部を破壊していく。しかし数だけは多いな。この数がブラックマーケットでも上位と呼ばれてる所以か?

 

 

「撃て!撃て!敵はチンピラ一人だ!」

 

「服の偽装が上手く行ってる、な!」

 

 

 弾幕を姿勢を低くして掻い潜り、足払いを叩き込んで転倒させながら立ち上がった時だった。様子を見守っていた客の中から、誰かが飛び出してきて私に弾丸を叩き込んできたのだ。咄嗟に刃を振るい、弾き飛ばす。

 

 

「ゲヘナ風紀委員として、見逃せないわ」

 

「おお、ゲヘナでも最強と謳われる風紀委員か!」

 

「これなら!」

 

 

 そこには、ゲヘナの風紀委員の服を着た生徒がいた。山羊の様な角が生えていて、裏面が緑色の長めの黒髪で赤いツリ目、その体躯はハスミほどはある。左手にはグロックか。見覚えがあるようなないような。そしてその右腰に視線を向けて、あるものに気付く。なんか、黒と緑にカラーリングされた機械染みた鞘に納められた、トリガーの様なものが持ち手についた刀が下げられていた。

 

 

「刀…だと?」

 

「ああ、これ?これは私が特注したミレニアムのエンジニア部謹製「第百十壱式荷電粒子ソード」よ」

 

 

 瞬間、グロックをしまい鞘に右手を、無機質な刀の柄に左手をかけると、右手で鞘についたボルトアクションライフルの様なレバーをスライド。右手の指で鞘上部のでっぱり…スイッチを押したかと思えば、次の瞬間、鞘から解放され振り抜かれた刀が、文字通り鞘から射出された。

 

 

「ッはや…!?」

 

 

 度肝を抜かれる。その刀に掴まって高速移動してきたゲヘナ風紀委員の斬撃が、咄嗟に背を逸らして頭部を後ろに下げることで、ギリギリ首の皮一枚で回避。私を飛び越えて、着地したかと思えばそのまま回転斬り。咄嗟に抜刀して受け止め、弾き飛ばされる。重い…!だが、筋力のそれじゃないな。

 

 

「機械仕掛けの刀…!なるほどミレニアム…!」

 

「私の名前は威刀居(いとい)アイナ。貴女……顔を隠している様だけど、分かるわ。御剣セツナね?ここで会ったが何とやら……この間のリベンジ、させて貰うわよ」

 

 

 再び納刀、元の位置に戻っていたレバーを入れ、また構えるアイナ。そしてスイッチを入れて解き放ち、高速抜刀が襲い掛かるが、さっきのでタイミングを読んで合わせることで、受け止め鍔迫り合うことに成功する。私の名前を知っている…?だが、こんな刀使い知らないぞ?そもそも私以外にいるわけが…!

 

 

「くっ……」

 

「この前は手も足も出なかったけど、貴方に勝つために闇銀行で金を工面してまで手に入れたこの第百十壱式荷電粒子ソード…!いかがかしら?」

 

「この前…?ああ、お前!ゲヘナの風紀委員会に喧嘩を売った時の!」

 

「思い出してくれたようね?嬉しいわ…!」

 

 

 力任せに斬り弾きながら思い出す。あれは二月ぐらい前だったか。キヴォトスでも最強と称される戦力の一つ、ゲヘナの風紀委員会に喧嘩を売り、蹴散らした。銀鏡イオリに火宮チナツまで蹴散らしたところで、ゲヘナどころかキヴォトス最強とまで称される風紀委員長、空崎ヒナに叩きのめされたことがあった。そのときに、いた。目の前で次々と仲間が倒れていく中で、気丈に立ち続け、根性を見せてたでかいのが。それがこいつか。

 

 

「機械仕掛けの刀なんて持ってどうした?風紀委員会が闇金に手を出すとは、いいご身分だな!」

 

「貴女に負けたのが悔しかった……!銃も使わない人間に、負けたのがね。だけど私は弱いから、この方法しかなかったのよ!」

 

 

 バンバンバン!ジャキン!ジャキンジャキン!

 

 

 距離をとればグロックを連射し、その防御に回れば、高速移動してきたアイナの斬撃が襲い掛かる。完全に防戦一方だ。しかも最悪なことに閉所空間だからか、外れた弾丸も跳弾して私に当たってくる。急所に当たらなければ大したことないが、当たった瞬間が隙になってしまい、強烈な一撃が私の手から刀を弾き飛ばす。しまっ……いやだが、こんなときのために「ガラクタ」があるんだ!

 

 

「もらっ……!?」

 

「ペロロ様!お願いします!」

 

 

 刀が振り上げられ、とどめを刺されんとするが、飛んできたペロロ様の人形が顔に直撃。アイラは視界が塞がれたところにアサルトライフルを受けて吹き飛ばされた。今のは…!?

 

 

「全員大人しくして。武器を捨てて、その場に伏せて」

 

「そのヘルメット剣士ちゃんは囮!私たちが、本隊だぁ~!」

 

 

 同時に、照明が落ちたかと思えば、珍妙な覆面で顔を隠した対策委員会のアヤネを除く四人、と何故か目の穴を開けて5と描かれた紙袋を逆さに被ったヒフミが現れる。シロコが天井に威嚇射撃してマーケットガードを威嚇した。もしかして、シロコが提案してたとかいう強盗用の覆面か?ヒフミのは間に合わせにしても他にあっただろう。

 

 

「言うことを聞かないと、痛い目に遭いますよ~!」

 

「武器は捨ててって、聞こえなかった?」

 

「え、えっと……皆さん、大人しく伏せておいてくださいね~!無事ですか、セツ…ヘルメット剣士さん!」

 

「ああ、ナイスタイミングだった……」

 

「ほい、刀。激戦だったねえ。さあリーダーのファウストさん!命令を~!」

 

「はう…って、ファウストって私の事ですか!?リーダー!?」

 

 

 ホシノが刀を拾ってくれて差し出してきたのを受け取る。見れば、顔に張り付いてしぼんだペロロ様を外そうともがいているところで。納刀し、前傾姿勢をとり、傍らでショットガンをぶっ放すホシノを見る。

 

 

「…目的のものがあるなら任せた。私は決着をつける」

 

「任せといてぇ。思う存分やっちゃえ!」

 

「くっ……小癪な真似をするじゃない…!」

 

 

 ペロロ様を投げ捨て、私を睨みつけて刀に左手をかけるアイナ。そして、スイッチが入れられた瞬間、私はその場で抜刀した後に突撃していた。スイッチを入れて約0.7秒後に、こちらに到達するのは覚えた…!

 

 

「なっ…!?」

 

「その衝撃を利用する…!」

 

 

 下面に挿し込まれた鞘と、振り抜かれていた刀の柄巻で上下から刀身を挟み込み、黒と緑で彩られた刃を受け止める。相手の運動エネルギーごと己が刀に乗せて吸収し力に換えることでアイナの手から刀を弾き飛ばし天高く打ち上げる。そして、そのまま運動エネルギーを乗せた全身全霊の唐竹割が、咄嗟にグロックを左手で構えたアイナの左肩に叩き込まれた。以前ホシノに叩き込もうとして阻まれた一撃だ。

 

 

「ぐうっ…!?」

 

 

 そのまま床に叩きつけられたアイナは崩れ落ち、私は納刀した刃を再び抜刀して後ろから襲いかかろうとしていたマーケットガードを斬り伏せる。油断も隙も無いな。……なんか端っこにいた便利屋の面々が様子を窺っているが、手を出してこないならどうでもいいか。アルはどうした、そんな目を輝かせて。

 

 

「ん。目的のものは手に入れた」

 

「よーし、それじゃあ逃げるよ。みんな、撤収~」

 

「アディオース!」

 

「マーケットガードとそこのゲヘナの人以外に怪我人はいないようですし……ペロロ様は回収しましたし、さよなら~!」

 

「や、奴らを捕らえろ……ってマーケットガードが全滅だと!?外に待機している連中に連絡だー!!」

 

 

 銀行員が喚いているのを横目に、私たちはその場から撤退するのだった。思わぬ強敵だったな。




由来不明の刀を持つトリニティVSミレニアム製ハイテク刀を持つゲヘナ、ファイッ!

威刀居(いとい)アイナ
本編前に風紀委員会とセツナが対決した際に負け、差を埋めるべくミレニアムや闇銀行を頼ってまで「第百十壱式荷電粒子ソード」を手に入れたゲヘナの風紀委員会所属の二年生。名前の由来は居合。その名の通り高速で繰り出す居合抜刀を行う。愛用の銃はグロック。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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