ケイローンの弓矢   作:聖闘士

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 初めまして。タグ増えるかも。よろしくお願いします。


第1射

 

「「ハッピーバースデー、ぼーくらー!」」

 

「おめでとうサリー!」

 

「ハリーもおめでとう!僕、誰かと誕生日を過ごすなんて初めてだよ!」

 

「僕もちゃんと祝ってもらったの初めてだ!最高の誕生日だよ!」

 

「ハハハ!僕ら同じ誕生日(・・・・・)でよかったね!おかげで1年に1回、最高の日を過ごせる」

 

「ホントだね。プレゼントも用意出来たら文句なしだったけど」

 

「確かにね。まぁ、パートタイムができるようになるまで待つしかないね」

 

「だね。まぁ何より!」

 

「「おめでとう!僕の親友!」」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「サジタリウス・ブラック!今の今までどこに行っていたのです!!」

 

「…ごめんなさい。でも僕はちゃんと今日出かけるとお伝えしたはずです」

 

「えぇ、そうでしょうね!許可を出すより前に出て行ったことを抜きにすればね!」

 

「…ごめんなさい。もうしません」

 

「そういうのは何度目でしょうね!今日は晩御飯抜きです!反省なさい!」

 

 

 はぁ…。この施設の人は、誰も僕の誕生日なんて祝ってくれないし、覚えてもないんだ。今日くらい、僕の誕生日くらい、友達と過ごしたって良さそうなもんだよ。あーあ。魔法でも使えたらなぁ(・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

「本日はお時間を頂きありがとうございます。ミネルバ・マクゴナガルと申します」

 

「とんでもない!この子の引き取りをご検討いただけるということで…。サジタリウス!あなたもご挨拶なさい!」

 

「…サジタリウス・ブラックです。よろしくお願いします」

 

「もうちょっと愛想よくできないのかしら!不愛想な子でごめんなさい、マクゴナガルさん」

 

 …悪かったな、不愛想で。この施設は大嫌いだけど、八リーと離れるのは嫌だ。マクゴナガルさんには申し訳ないが、精一杯嫌われてやろう。そうすれば僕を引き取りたいなんて思わない筈だ。

 

「いえいえ。それよりミス・ストーンズ、少し彼と2人でお話しさせてもらってもよろしいでしょうか?」

 

「ええ、もちろん構いません。終わりましたらお声がけください」

 

 なんだ?今の僕は自分でもわかるくらい不愛想な顔をしてるはずだ…。マズい。このままだと…

 

「さて、ミスター・ブラック。私は今日、あなたにホグワーツ魔法学校への入学案内をしに来ました。私はホグワーツの副校長をしております。あなたには由緒正しき魔法使いの血が流れており、貴方自身もまた、魔法使いの才を持っています。よければこのまま魔法界へ向かいますが、どうなさいますか?」

 

 ……え?

 

「え?僕がなんだって?」

 

「魔法使いですよ、ミスター・ブラック。そういわれても信じられないでしょうから、証拠を見せましょう。【ウィンガーディアム・レヴィオーサ】」

 

 そういうと目の前の老女は、テーブルを浮かせた。知るものが聞けば、何を当然なことで騒いでいるのかと呆れるだろう。が、この少年は知らぬもの。目の前で起こる科学では説明できない現象に、少年の意識は奪われている。

 

「そんな、じゃあ、僕は本当に…本当に、魔法使いなの?」

 

「その通りです。ミスター・ブラック。そのことを踏まえてお聞きしますが、入学しますか?」

 

「…マクゴナガルさん。そこに友達は、つれていけないでしょうか」

 

「…残念ですが、魔法使いでない者は、入学を許可できません。しかし、会えなくなるわけではありません。休暇に会いに行くことも叶うでしょう」

 

 …僕はどうしたらいいんだろう。親友を、ハリーと離れたくない。でも、魔法に心惹かれているのも確かだ…

気づいた頃から居場所がなかった僕に初めてできた親友、ハリー。…やめだ。彼を置いていくなんて、そんなの違う。

 

「マクゴナガルさん。お話、本当にありがとうございました。でも僕は親友を、ハリー・ポッターを置いていくなんてできない。ホグワーツには、いきません」

 

「まぁ…!ミスター・ブラック。あなたの友情を尊ぶ精神に心からの敬意を表します。そんなあなたに良いニュースです。あなたの親友、ハリー・ポッターも魔法使いです。明日にでも彼に説明しに私の同僚が説明しにいくでしょう。そこでこんなのはどうでしょう?親友と一緒に魔法を学ぶというのは」

 

 あぁ…あぁ…!もしこれが夢でないなら冷めないでくれ!ハリーと一緒に魔法を学べるなんて…!

 

「フフ、夢じゃありませんよ。代わりに、魔法ではありますが。改めて答えを聞きましょう。ホグワーツで、魔法を学びませんか?」

 

「ハリーと一緒なら、喜んでいきます!あぁ、誕生日プレゼントは初めてだけど、これ以上に最高なプレゼントない!」

 

「ミスター・ブラック。貴方のお返事、確と聞きました。本当は今日魔法界に案内する予定でしたが、また後日にしましょう。もちろん、あなたの親友と共に、です」

 

「ありがとうございます!その日を楽しみにしてます。…本当に、ありがとうございます…!」

 

「フフフ、私はお礼を言われるようなことはしていませんよ。私はミス・ストーンズとお話しなければありませんので、彼女を呼んでいただけますか?」

 

 

 その日の夜、1人の少年は世界で1番の幸せ者として眠りについた。まだ見ぬ世界に、己の未来に、親友と過ごすであろう幸せな日々を思い描いて眠る。そんな少年の名は、サジタリウス・レギュラス・ブラック。彼を中心に、歴史は本来の流れとかけ離れてゆく。試練に抗い、困難を跳ね除け、彼は幸せの日々を掴むためのチャンスを逃さない。さながらケイローンの弓矢のように。

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