無双ゲーの無双される側に転生したので、ネームド達を避けつつ生きていき…たかったなぁ?   作:ムクロウ

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メンタルがゴリゴリ削れるんじゃ〜

アンケート協力お願いします!


イレギュラーを重ねたら原作にもいないボスが出てきたんだが?

 

この世界の強化魔法は主に二つに分類される。

一つ目は身体強化や魔力循環などの

肉体そのものを強化する魔法。

二つ目は、風魔法や土魔法などの

外部から行動を補助する魔法だ。

 

肉体そのものを強化する魔法は

筋力、動体視力、反応速度など、

様々なものを向上させるが肉体強度、

つまりは防御力は生身のままという弱点がある。

 

そもそもこの世界において防御力自体を

向上する魔法は土魔法の装甲(アーマー)しかなく、

それ以外は防御する壁を展開するか、

相殺して撃ち落とす。軌道を変えて逸らすなど

そもそも当たらないのが基本となっている。

 

端的に言えば、いくつかの例外を除けば

どんな強者でも頭を撃ち抜かれれば死ぬのだ。

 

ちなみにシオンは例外中の例外で、

常に身に纏っている膨大な魔力の影響で

銃弾すら寄せ付けない鉄壁だ。

 

…俺はこの魔力をすぐ側で浴び続けた影響で、

色々と変化が起きていることは置いておこう。

 

俺の欲しい雷魔法による身体強化は、

この内の前者、肉体そのものを強化する。

もっと詳しく言うと、肉体に雷を付与(エンチャント)

全ての動作を雷速とする魔法だ。

 

氷魔法で雷は再現できても、

付与(エンチャント)出来なきゃ意味がない。

 

試みによる副産物は出来たが、

これは全くの別物だ。

 

そんな状態のまま、帝都に来たのだが…

 

 

………………

 

 

「え〜っとだな…

 とりあえず俺達の目的を擦り合わせようか」

 

「「「はい」」」

 

…素直だなおい。特にウィルカ。

お前敬語とか絶対ダメじゃなかったのか。

 

「そっちの目的は俺の発見とその保護…

 で良かったか?」

 

「そうです!」

 

「できることなら

 こちらに協力して欲しいのですが…」

 

「…どう?」

 

「うーん…」

 

俺が戦争に参加するとなると

間違いなくシオンが出てくるんだよな。

それはなぁ…

パワーバランス的にマズイよな。

アイツらが動きかねないし。

 

「…悪いが、事情があってな。

 俺個人だけなら参加してもいいんだが、

 今一緒に住んでるやつが参加は洒落にならん」

 

「そう…ですか…」

 

「残念です…」

 

よし、この件は片付い…

 

「…一緒に住んでる人って、女の人?」

 

…ウィルカの発言で空気が凍りつく。

やべぇ、失言だったか?

 

「ヒリュウさんってクローン兵ですよね…?」

 

サーシャが伺うように聞いてくる。

 

「それがどうしt」

 

「帝国に逆らってから一緒に住める人なんて

 そんな多くないですよね?」

 

…おっとぉ?

 

「もしかして一緒に住んでるのって…」

 

レギンの問いかけに俺は天を仰ぐ

 

「…シオンだよ」

 

「どうしてそんなことに!?」

 

「殺されかけたんですよね!?」

 

「…危険」

 

当然の反応すぎるな。

 

「いやぁ…それがなぁ…」

 

…俺に惚れてるらしいなんて戯言、

流石に言うのは憚られるんだよなぁ…

 

「色々あって認められたというか…

 見初められたというか…」

 

「…まさか惚れられたの?」

 

「「…えっ?」」

 

怖い怖い怖いなんでハイライト消えるの!

無表情やめて!

俺何も悪くない!

 

「…まぁ、はい」

 

「どこまでしたんですか?」

 

…もしや恋人だと勘違いしてらっしゃる?

 

「いや、俺とシオンは恋人じゃねぇぞ?」

 

「そうなんですか?」

 

「…本当に?」

 

「嘘じゃないんですよね?」

 

何をそんなに疑ってるんだ…

 

「俺にその気がないからな。

 俺にとってアイツは…」

 

…なんだ?俺はアイツをどう思ってるんだ?

 

「…まぁとにかく恋愛感情はない。

 俺がアイツの家に居候させて貰ってるだけだ」

 

「…どう思う?」

 

「…本当だとは思う」

 

「…油断はできないけど」

 

酷ぇ言われようだなぁ…

 

「んで俺の目的は…」

 

突如、広場の方で大きな爆発が起こる。

 

「…アレをどうにかしに来た」

 

「何!?爆発!?」

 

「あっちは…大広場!」

 

2人が慌てる中、

ウィルカだけはこちらをジッと見ている。

 

「…どうする?」

 

「もちろん行く。アレが今回のお目当てだ」

 

「…手伝う」

 

「ダメだ」

 

「…なんで」

 

不満そうなウィルカの頭を撫でる。

俺の身長は鬼化の影響で186cm、

172cmのウィルカより大きい。

 

「お前らじゃまだ俺について来れない」

 

そう、コイツらのレベルは大体42くらい。

鬼眼で魂の強さを見れば分かる。

二週間でよく頑張った方だが、

蓬莱山でレベリングしていた俺との差は

以前よりさらに開いている。

 

そんな俺でも今回の案件は普通に死ぬ可能性大だ。

流石に連れて行けない。

 

「じゃあな。また会う機会があれば会おうぜ」

 

そう言いつつ、魔力循環を発動。

笠を被り直しつつ広場の方向へ跳ぶ。

 

「っ…!」

 

レギンが声を掛けようとして、

踏み止まったように黙る。

 

そう、それでいい。

お前らは早く離脱しておけ。

 

「アレは俺の獲物だ」

 

 

………………

 

 

「ギャァァ!?」

 

「助け…ァアア!?」

 

俺が到着した時には、

広場の人々は生きたまま溶かされていた。

 

血と臓物、骨が混じったような液体が

広場の白い石畳を汚していく。 

 

「ハハハハハハッ!」

 

地獄のような風景に、不快な笑い声が木霊する。

 

「…ゴミが」

 

吐き捨てつつ、それを見る。

 

見た目は黒紫色のヘドロだ。

ときおり泡立ち、魔物を形作っては崩れる。

最たる特徴は、

その中心部に人が生えてることくらいだ。

 

さて…

 

「なんだあれ」

 

おかしい。

ここで出てくるのは魔力を吸収する

『グラトニー・ジェル』だったはず。

なんだあのSAN値削れそうな見た目は。

もっとスライムしてただろ。

 

「おい」

 

「ん?なんだ、まだ生き残りがいたのか」

 

こちらを向いた人型は、

そのまま肉体を触手としてこちらに伸ばす。

 

「キメェ!」

 

即座に夜霜丸を抜き、

冷気を纏った斬撃を叩き込む。

夜霜丸はその成り立ちから

常に強力な冷気を帯びており、

所有者たる俺とシオン以外が触れると

凄まじい勢いで凍りつくのだ。

切り飛ばした触手は瞬く間に凍って砕け散る。

 

鬼眼に映るコイツの魂は、

穢らわしいなんてもんじゃない醜悪さだ。

 

こんなやつ相手に余興を楽しむほど、

俺は酔狂じゃない。

 

「ふむ、面白い。そこらの雑兵とは違うと見える」

 

「その雑兵が警備していたのは、

 テメェの所属してる国の真っ只中だけどな!」

 

周囲の残骸には兵士も含まれている。

コイツの元は『グラトニー・ジェル』だろう。

なら地下の研究所の産物のはずだ。

 

伸ばしてくる触手の群れを

斬り飛ばしながら皮肉をほざく。

 

「『グラトニー・ジェル』はどうした?

 どうせ人道に反したことしたんだろうが」

 

クッソ、血の匂いが鼻に付く。

()()()()からやめて欲しいんだがねぇ?

 

「ふむ?何故それを貴様が知っている?」

 

「答える義理はねぇ、な!」

 

会話をしつつ、氷柱(アイスピアス)を撃つ。

下位の魔法なら無詠唱で使えるようにはなった。

 

「まぁいい、答えてやろう」

 

氷柱(アイスピアス)が触れたそばから消える。

 

チッ、やっぱ吸収されたな。

てことは『グラトニー・ジェル』はビンゴ。

後は他に何が混ざったかだ。

 

「本来なら『グラトニー・ジェル』は

 制御が困難であり、培養槽から出せなかった。

 だがとある実験体が逃げ出した影響で

 暴走してね。私諸共取り込まれてしまったのさ」

 

「それは変異した理由になってねぇだろ!」

 

建物を吹き飛ばす勢いで蹴り、

高速で人型に迫り

 

抜刀

 

「"鳴神"」

 

一閃

 

「…チッ」

 

全てを切り裂く一閃は、

放つ前に変形された為不発に終わる。

 

これが俺がまだまだな理由だ。

"鳴神"は強力だが、今の俺では必ず溜めがいる。

ある程度の実力があれば避けるなど容易い為、

実戦で使うには力不足だ。

 

「なんだ、今のは。

 とても人が使っていい力ではないぞ」

 

「人辞めてるやつが言ってもなぁ!」

 

再び伸ばされた触手達を切り裂く。

段々と切りづらくなって来た。

適応能力もあるとかやってられませんわ。

 

つーかこちとらレベル110相当だぞ?

なんで対処が追いつかないんだよ。

 

「まぁいい。何故変異したかだったな」

 

「そうだな!」

 

アイツの肉体が侵食する範囲が徐々に広がる。

足場が心許ない為、"雷雲"は使えない。

 

「確かにあのまま飲まれていたら、

 『グラトニー・ジェル』に吸収されただろう」

 

原作がそうだったからな。

地上で起きた主人公と帝国軍の戦闘で、

暴走した『グラトニー・ジェル』が出てくるのが

本来起こるべきシナリオだ。

 

「だが私達はあるものを開発していた」

 

「"落ちた椿の花の色"…

 めんどくせぇことしやがって!」

 

鬼の本能を解放し、

体から魔炎を吹き出しながら疾走する。

 

『グラトニー・ジェル』であれば、

超再生も魔力吸収も核への"鳴神"で即解決だった。

だがコイツは侵食能力持ちな上、

核があるのかも分からん。

おまけに人間が主となってるせいで知能がある。

 

そのせいで切り札が軒並み使えやしない。

これだからチート前提の無双ゲーは!

 

「その名も魔力洗脳制御装置。

 とあるクローンが制御を脱却した為に、

 急遽開発されたものだ」

 

って俺のせいかよ!

ここに来てその代償を被ることになるとはな!

 

刀を振るって地面をくり抜き、

鬼の怪力による豪速球で投げ飛ばす。

 

それは人型を吹き飛ばしたが、

すぐに再生する。

 

「それが逃げ出した実験体の影響で起動し、

 『グラトニー・ジェル』の意識に

 私の脳情報をインプットし、

 その後私自らの手で様々な改造を施したのが

 この姿。『アマルガム・ジェル』だ」

 

「丁寧に教えてくれてありがとうな!死ね!」

 

刀を全力で振るう。

 

「ぬぉっ!?」

 

広場全体を斬撃が駆け巡り、大穴となる。

 

とりあえず場所を移す!

考えるのはその後だ!

 

そうして俺と『アマルガム・ジェル』は

地下にある研究所へと落ちて行った。

 

 

………………

 

 

「…随分と野蛮な移動の仕方だな」

 

「鬼畜生に何を言っても無駄だぜ?」

 

地下の研究所は酷い有様だ。

実験器具らしきものが転がり、

培養槽は皆割れ、中身はとうにいない。

 

俺の笠も落ちてくる時にどこかへ飛んで行った。

割とお気に入りだったんだがな…

 

「まぁいい。さっさと貴様を殺して、

 研究成果を試しに行くとしよう」

 

「言ってろゴミが」

 

瞬間、大量に放たれた触手を

一つ残らず斬り落とす。

 

俺がコイツを地下に叩き落とした理由は

侵食をリセットする為だ。

あそこまで広がってから戦ったから

足の踏み場も無かっただけで、

最初期の段階ならそこまで侵食も早くない。

 

今の俺なら、

この触手程度なら"雷雲"を使わなくても斬れる。

問題は再生と侵食だ。

力任せに特攻しても、

あいつ相手に致命傷は負わせられない。

 

「つくづく不可思議な剣だ。

 魔力を吸収する私の体を凍てつかせるなど」

 

「そりゃどうも!」

 

そう会話している間にも、

相手はどんどん斬りづらく、凍りづらくなる。

 

「だが!魔剣士に私を倒す術はない!

 時間が経てば経つほど不利になるのは貴様だ!

 それとも"鳴神"とやらを

 私に届くまで極めてみるか?

 その間に私は帝都の民を喰らって

 力を付けるとしよう!」

 

…なーんか勘違いされてる気がする。

俺は剣を納め、背を向ける。

 

「なんだ?諦めたのか?

 …ククッ、ハハハハハッ!

 あそこまで啖呵を切っておいてなんと無様な」

 

俺達と一緒に落ちてきた兵士の死体達から

装備を拾っていく。

拾い終わったので、再び敵を見据える。

 

「?貴様何を」

 

抜刀

 

「"鳴神"」

 

一閃

 

当然のように変形して避けられる。

 

「不意打ちだろうと

 貴様の技は発生が遅いのだよ」

 

蔑む目をして体を戻す『アマルガム・ジェル』。

それに…

 

「ほい」

 

大量のフラググレネードを投げる。

 

「は?」

 

爆破

 

「ゴブェッ!?」

 

再生途中の体内から発生した

魔法に頼らない物理的な範囲攻撃により、

体の大部分が吹き飛ぶ。

 

「あのなぁ、俺は魔剣士じゃねぇ。

 別に剣が全てなわけじゃねぇし、

 魔法に拘ってるわけじゃねぇ」

 

必死に体を再生しながらこっちを睨むバカに

講舌を垂れる。

 

「俺にとって楽しいことに

 命を賭けることは当たり前だ。

 だがそれは何かを犠牲にしてでもなんて

 崇高な覚悟があるわけじゃない」

 

「何をi」

 

やかましい口を切り飛ばしつつ、

話を続ける。

 

「確かに俺は"鳴神"を極めたくはあるが、

 今はその時間じゃない。

 お前を斬れないのは

 ここまでの間に"鳴神"を

 仕上げて来なかった俺が悪い。

 なのに他人に迷惑かけてまで

 完成させようとするほど俺は狂ってない」

 

「貴様あのトチ狂った技を振るっているのに

 自分が正常だと思っているのか…?」

 

何か理解し難いものを見る目で見られているが

知ったことじゃない。

 

「鍛錬中なら腕が捥げようが腹が裂けようが

 足が千切れようが左目が蒸発しようが

 右半身が崩れようが脳が溶けようが

 俺が楽しいことを優先するが、

 他人と関わる時間に持ち込む考えじゃない」

 

「…いや、普通はそもそも部位欠損して

 平然としていられるほど異常じゃなi」

 

うるさいのを再び斬る。

再生能力持ちは巻藁代わりとして使うなら

案外悪くないかもしれない。

うるさいのも斬れば黙るし。

 

「まぁ何が言いたいかというと、

 今俺は剣を極めるよりも何よりもさぁ…」

 

そこで再生した人型の顔をぶち抜きながら

 

「テメェをぶっ殺すのが第一ってことだ」

 

「いい加減に…」

 

おっとここまでか

 

「しろと言っている!」

 

「よっと」

 

全力で退避するのと同時に

スライム状の肉体が膨張し、

こちらを取り込もうと触手を伸ばす。

 

それを切り刻みながら、

アパートくらいの大きさになった

『アマルガム・ジェル』を眺める。

 

「好き勝手しおって…この狂人がぁ!」

 

「失礼なやつだなぁ…まぁ、死ねや」

 

さて、どうやって殺すかな。




・ヒリュウの鳴神の原理
一閃が当たった対象に"斬った"という事実を浸透させることで相手の硬度、大きさ、状態を無視して斬り伏せる。本来は感電するように"斬った"という事実を浸透させて全体を細切れにも出来るのだが、ヒリュウは未だ未熟であり、直線的にしか浸透させれず、浸透させる難易度が硬度や強さで変わってしまう。
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