無双ゲーの無双される側に転生したので、ネームド達を避けつつ生きていき…たかったなぁ?   作:ムクロウ

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久しぶり!
低気圧とかで体調崩したりしてたよ!
Aルートもちゃんと書くという意志を示すために
こちらを先に書いた!


ヤバい女に囲まれてることに今更気づいたけど、入れる保険はありますか?

 

俺にとって転生とは

あくまでもどこかの誰かの魂の継承、

もしそうなったらの世界の俺の記憶だ。

 

その意志は残るし、魂は同じだろうが、

ぶっちゃけ今の俺自身とは別人だと思っている。

 

ようは他人事なのだ。

感覚としては映画を見た時とそう変わらない

…とまでは言わないが、

例え転生の記憶が全て戻ったところで

大して俺は変わらないんじゃないかと思う。

 

…と、ここまで考えてふと思う。

じゃあ、俺が転生した『ID-MH4771(コイツ)』の

意識は、魂は、一体どこに行ったのだろう?

 

記憶はそのままある。

ちょっとボヤけてはいるが、

確かに今世を生きた記憶はあるのだ。

 

比べて前世は割と曖昧だ。

印象的だった出来事くらいしか思い出せない。

 

なんとも不完全な状態だ。

確か空亡の記憶をざっと見た限り

他の転生では前世はもっとハッキリとしていた。

 

今回の俺はどんな形で転生したのだろう?

 

元々俺の魂で生まれてきて、

何らかの衝撃で前世の記憶が戻っただけ?

それとも…

 

 

………………

 

 

…とりあえずお昼時になり

割と皆んな冷静になってきたので、

反省会モドキをすることにした。

 

「…まぁ我々は関係を持ってしまったわけだが、

 とりあえず聞きたいことがある」

 

「「「「「?」」」」」

 

「お前らこれ最初から計画してたよな?」

 

明らかに連携を取っていたし、

突発的にしては流れがスムーズ過ぎる。

なんだよ媚薬酒って、頭おかしいんじゃねぇの?

 

「えぇ、もちろん」

 

シオンがドヤ顔をする。

 

「…で、なんでこんなことを?」

 

「実はさ。コイツらにも話したんだよ」

 

「何を…」

 

ってまさか

 

「アタシ達鬼やお前みたいな鬼人の食人衝動は

 性欲を発散…具体的には

 性行為をすることで代用出来るってことをな」

 

…そう、俺達の衝動は代用可能だ。

とは言え鬼と鬼人は別物、

ツバキの欲求と違って俺のは強制だ。

発散しなきゃ暴走する危険物。

だからと言ってこれを知れば、

間違いなくコイツらは自分を使えと言う。

俺としてはそういうのは

ちゃんと大事にして欲しかったし、

俺程度の為に捧げてほしくも無かった。

シオンは…すること自体はまぁいいとしても、

この事を話せば危険性があると思い、

本能解放は使用禁止を命じられるだろう。

それらの理由から言ってなかったのだが…

 

「テメェ!俺がわざと言ってないの

 分かってて言ったろ!」

 

「いや仕方ないだろ。

 あの流れでアタシに喋るなって方が無茶な話だ」

 

「チィッ!」

 

最悪だ!

レギン達はウィルカはともかく残り2人は

そう簡単に体を許す性格をしてない。

だが命の恩人があんな状態になるとしたら?

喜んでするだろうさ!

何しろそれぐらいしか

自分達に出来ることが無いからな!

クソッタレ!

 

「その…嫌、でしたか?」

 

レギンが不安そうに聞いてくる。

 

「…」

 

嫌じゃねぇけどさぁ!?

言う訳にもいかねぇじゃん!?

どないせいちゅうねん!

 

「やっぱり私達なんかの相手は嫌でしたよね…」

 

サーシャが泣きそうな顔でそう言って…

あぁもう!

 

「…嫌だったら例え酔ってても抱かねぇよ。

 そこまで節操無しじゃねぇ」

 

「「!」」

 

…なんで嬉しそうにするかなぁ。

呆れつつ、気になった事を聞く。

 

「レギン、サーシャ」

 

「はい?」

 

「何でしょう?」

 

「お前らさぁ…

 こんなやつと寝て後悔してないか?」

 

自分を指差しながら言う。

 

「別に俺がダメなやつとまでは言わないが、

 まだ会ってそう経ってない俺と

 そういうことまでするか?普通。

 もちろん恩返しってのもあるだろうか、

 だとしてもやり過ぎだろ」

 

「ねぇ、何故私達には聞かないのかしら?」

 

「お前らは理由がはっきりしてるじゃん。

 シオンは言わずもがなだし、

 ツバキはそもそも鬼の貞操観念なんざ

 紙よりペラペラだし、

 ウィルカはそういう価値観の部族で

 産まれたからだし」

 

…なんでこんなのばっかり

俺に集まってるんだろう?

 

「んで?その辺正直どうなのさ」

 

2人は顔を見合わせる。

 

「…じゃあ私から」

 

最初はレギンらしい。

 

「その…あんまり明るい話じゃないんだけど…」

 

ほん?

 

「実は私、ずっと信頼出来る人が欲しくて…」

 

それは原作でも言ってたな。

 

朱炎魔(スカーレット)なんて呼ばれて、

 普段は怖がったり妬んだりしてる癖に

 戦場でだけ頼りにしてる、とか

 お前だけが頼りだ、なんて

 都合のいいこと言われて。

 身勝手な期待とそれに対する不信感に

 押し潰されてしまいそうで…」

 

…実際放置しておくと潰れちまうんだよな。

この主人公。

 

作中屈指のトラウマシーンとして

『みんなからのエール』というものがある。

これは敵と戦闘中に自軍の兵士が

応援のエールを送るという本来熱い展開なのだが、

その敵というのが洗脳された仲間であり、

自軍の兵士達の顔触れはストーリー内で

こちらに罵声を浴びせた事のある者ばかり。

それで主人公が発狂しかけるという

胸くそ過ぎるシーンだ。

この時誰かとの好感度が一定以上じゃないと

そのまま精神崩壊してバッドエンドである。

 

「ずっと、ずっと、

 ぎゅって抱きしめて欲しかったんです。

 もう大丈夫って、守ってあげるって、

 安心させて欲しかったんです」

 

…気持ちは理解できる。

5番目の『私』の記憶が微かに浮かぶ。

 

『いたい さむい さびしい

 ひとりは つらいよ…』

 

…頭を振って感傷を振り払う。

今はレギンとの会話優先だ。それは後でいい。

 

「…だから、ヒリュウさんが抱きしめてくれた時、

 涙が出るほど嬉しかったんです」

 

…酔ってる俺〜?

 

「キスされた時、

 体全部をヒリュウさんに預けてしまって

 あぁ、私今。

 この人の物になっちゃったって思って♡」

 

……酔ってる俺〜??

 

「愛されてる時もずっと手を離さないで

 口も何もかも貴方でいっぱいにされて♡」

 

……………(頭を抱える)

 

「もう私、貴方しか考えられないんです♡

 貴方がいない世界なんて考えたくもない♡

 私の全部は貴方の物になっちゃったんです♡

 そもそも今私が生きてるのだって

 貴方が救ってくれたからですし、

 こうなることは運命だったんですよ♡」

 

…やってくれたな酔ってる俺ェ!?

レギンがメンヘラなの知ってるだろうが!

何さらに深いところまで堕としてんだよ!?

 

「…♡」

 

見ろコレを!

ハイライト無い目でハート浮かべてんだよ!

完全にヤバイんだよ!

朝の媚薬抜け切ってない俺ですら

抱いたのはシオンとツバキだけで

他メンバーには前戯くらいしかしてねぇんだぞ!?

もう重い想いは充分ってか!?やかましいわ!

 

「…分かった。

 まぁレギンがそう望むならそれでいい。

 俺も抱いた以上責任は取るし」

 

もう潔く諦めよう。酒飲んだ俺が全部悪い。

…いや飲ませされたからやっぱ違う気もする。

というわけで飲ませた人に話を聞こう。

 

「サーシャ、お前は?」

 

「えっとぉ…」

 

モジモジとしながらサーシャは答える。

 

「私はやっぱり、

 恩返しってつもりでお相手したんです」

 

だよなぁ…

てことはやっぱ後悔してるよなぁ…

どう責任取ろう…

 

「でも…」

 

おん?

 

「ヒリュウさんに耳元で囁かれた時、

 お腹の下あたりが熱くなって…」

 

雲行きが怪しくなってきたなぁ?

 

「耳をいじめられてたら、

 どんどん理性が溶けていって…」

 

…なんかもう何言われるか分かった気がする。

 

「キスで口を塞がれた時、

 そのまま軽く達しちゃったんです…♡」

 

そういやサーシャって

 

「イジワルされてるはずなのに、

 段々気持ち良くなってる自分に気づいたら、

 もう忌避感なんてなくなっちゃって…♡」

 

ドMだったなぁ…

 

「ヒリュウさんの意地悪で、

 私の心はもうグズグズにされちゃったんです♡

 元々初恋だったのに、こんなことされたら

 もう他の人なんて考えられません♡」

 

そっかぁ…(諦め)

 

「もっと貴方に虐めて欲しいです♡

 何も考えられないくらい

 グチャグチャに愛して欲しいです♡

 そして…」

 

…(無言で空を見上げつつ聞く)

 

「た、たまにでいいので、

 で、デートとかしてくれると嬉しいです///」

 

急に乙女になるやん…

お前の羞恥心のツボが分かんないよ…俺…

 

「私達、後悔なんて全くありません」

 

「私達も貴方の側に、自分の意思で居たいんです」

 

片やハイライトなしのハート目

片や荒い息を吐くハート目

 

「…まぁうん。

 もうなんか色々手遅れなのは分かったよ」

 

なんでこうなるん?

シオンの時も思ったけどみんな男の趣味悪くね?

なんでこんな刀振り回してるだけの

暴君みたいなやつを好きになるんだよ…

ちょっと我儘突き通してるだけなのに

周りに人が増えていくよぉ…

 

ーー自業自得というか、因果応報だろ。

 

やかましいぞ空亡ぃ!

他人事だと思って好き勝手言いやがって!

 

ーー結構な数の転生先でそうなってるからな。

  もう慣れっこだ。

 

なんかヤダそれ!

逃れられない因果みたいで凄いヤダ!

 

ーー諦めろ。

  お前はそういう星の元に生まれてるんだ。

 

認めねぇ!ぜってぇ認めねぇ!

見てやがれよ!"鳴神"完成の暁には

まずその因果から細切れにしてやる!

 

ーー無理だと思うがなぁ…

 

うるせぇ!人の夢は終わらないんだよ!

 

ーーまぁ精々頑張れ!

 

ウガァァァァァァァァァッ!!(ブチギレ)

 

 

………………

 

 

あれからまぁ、色々あって夜になった。

…本当に、色々あった。(疲労困憊)

 

今俺は、屋敷の屋根で月を見ている。

今宵は満月。桜が月によく映える。

 

他のメンバーは寝室で恋バナ中だ。

小っ恥ずかしいので逃げてきた。

 

「…はぁ」

 

ーーなぁ、分かってると思うが

 

「あぁ、俺が弱くなった話だろ?」

 

ーー正確には強くなってるんだぜ?ただ…

 

「アレは俺の力じゃねぇ」

 

ーーってなるから結果的に弱くなってるだけだ。

 

…今の俺は、本能解放が使えない。

もっと具体的に言うなら

空亡が明確化してしまった影響で、

本能解放は別物に変貌してしまった。

 

そして俺はそれを使いたくない。

アレは俺が自分で得た力じゃないからだ。

 

今の俺に残されているのは、

過剰燃焼(オーバースロットル)と不完全な氷雷(カザハナノイカヅチ)天牢雪獄(テンロウセツゴク)だ。

 

その上後者はまともに使えやしない。

そもそも精神世界だから

まだギリギリ身体強化として動作していたが、

氷雷(カザハナノイカヅチ)の制御は段違いの難易度だ。

 

そもそも氷雷なんていう新概念を

世界に出力する為の魔法だ。

制御難度頭おかしいレベルになるのは

当然と言えば当然だ。

 

今のまま身体強化として使おうものなら、

ただ体を内部から凍らせるだけの

自爆魔法が誕生するだろう。

 

身体能力の強化手段が消え、

新しい強化方法は使用困難。

もちろん魔法を完成させれば話は別だが、

それはそれとして今弱体化してるのは確かだ。

 

ーー嫌なのは分かるが、

  今だけは不味くなったら使えよ。

 

「…チッ。わぁってるよ」

 

弱くなってしまった俺では、

これから戦えるかどうかは割とギリギリだ。

普通に死にかける可能性が高い。

その時は流石に使わざるを得なくなるだろう。

…もう簡単には死ねない体になっちまったし

 

「さて、鍛練しなきゃな」

 

屋根から飛び降り、刀を手に取る。

 

1日でも早く実力を伸ばすには、

やはり鍛錬あるのみである。

場合によっては、山に再び潜るつもりだ。

 

「どちらにせよ。まずは魔法だ」

 

刀を鞘に納め、居合の構えを取る。

それと同時に氷雷の魔法を構築する。

 

「…っ」

 

頭痛がする。

脳がキャパオーバーだと悲鳴を上げる。

ただでさえ今振おうとしているのは"鳴神"だ。

理に反した剣技と共に

全く新しい概念を具現化しようとしている。

当然脳への負担がとんでもなく、

鼻から血が垂れ、視界が歪んでいく。

 

「…ッ!」

 

それらを歯を食いしばって堪え、

鯉口を切りながら魔法を発動する。

 

「"鳴神"

 氷雷(カザハナノイカヅチ)

 

…結果は不発。

目の前の空間はズレているが、氷雷は発現せず。

 

「ゴフッ…!?」

 

思わず血反吐を吐く。

やはりまだ同時発動は出来ない。

だがこれが出来なければ

身体強化など夢のまた夢である。

 

食人衝動が解消された為、

瀕死状態から脱却したと思ったらこれだ。

世界は相当俺のことが嫌いらしい。

 

ーー世界というか運命というか…

 

「どちらにせよ理不尽だぜ…」

 

血を凍らせつつボヤく。

 

ーーアレも一応使っとけ、試運転だ。

 

「えぇ〜…」

 

ーーいざって時に使えないじゃ困るだろうが

 

「はいはい…」

 

ーーナンバーは…2832だ。

 

「了解」

 

角に触れる。

実は本能解放が消えた影響で、

少しだけ身体能力と魔力吸収能力が上がっている。

…まぁ本能解放と比べりゃ誤差だが。

 

「…使いたくねぇ〜」

 

ーー我儘言うな!

 

「ちぇっ…」

 

往生際悪く愚痴るも、怒られたので仕方なく使う。

 

「…顕現(ゲネシス)・No.2832『薔薇の戦姫』」

 

姿が変わる。

髪は真紅に染まり、腰まで伸びる。

右目も真紅で、瞳の中には薔薇の模様。

 

「…やっぱ慣れねぇなこれ」

 

ーー我慢しろ。いざとなれば使うんだから

 

「ヤダァ‥」

 

心底嫌だ。

何故こんなものを使わなければならないのか。

 

ーーそれよりもだ。能力も確かめておけ。

 

「ここで使うのはマズイだろ」

 

ーー青の方だけでいい。

  赤は使うと洒落にならん。

 

「へいへい…聖呪(セイント)青薔薇(ホープドリーム)

 

足元から光を帯びた茨が無数に生え、

それらから青薔薇が咲いていく。

 

「…コレ全部呪いだろ?

 やっぱとんでもねぇ技だな」

 

ーー赤よりはマシだが、

  聖なる呪いは浄化できないからな。

  解けない呪いは流石にふざけてる。

 

「それな。技名との差が酷ぇ」

 

話しつつ青薔薇を引っ込め、顕現(ゲネシス)も解除する。

 

「気分悪りぃ…」

 

ーーまぁ今日は休め

 

「はぁ…」

 

コレからの日々はさらに面倒そうだ。

ため息を吐き、寝ようとしたのだが…

 

「明日は私と実戦訓練ね?」

 

「は?」

 

シオンの突然の発言に、

眠気なんざ吹き飛ぶのだった。




今回出たNo.2832はちょっと重要です。
『赤』の力も覚えてる人は分かるんじゃねぇかなと思います。
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