無双ゲーの無双される側に転生したので、ネームド達を避けつつ生きていき…たかったなぁ?   作:ムクロウ

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まずは謝罪をさせてください。
3ヶ月以上投稿が遅れてしまったこと、
並びにこのような形の投稿となってしまったこと
誠に申し訳ありません。

この投稿がこのような形になってしまったのは
あの物語の流れで
これ以上続けるのは難しいと考えたからです。

元々の計画からズレたまでは良かったのですが、
あまりにも前のめりに進めすぎた結果、
これ以上物語を進められない
行き止まりに突き当たってしまいました。

最初はこのまま失踪することや、
所謂「俺達の戦いはこれからだ!」ENDも考えました。

ですが、やはり私はこの物語が好きなのです。
なので書き直す形になったとしても
どうしても続けたいという我儘と
読者の皆さんへの迷惑の板挟みの考えとなり、
ここまで時間が掛かってしまいました。
重ね重ね謝罪致します。

ですがこれを友人に相談したところ、
「結局はお前の物語なんだから、
 お前の好きにするのが1番」と言われ、
それに背を押される形で投稿する決断を下しました。

身勝手ではありますが六話以降の話は没案、
つまりは無かったことにして、
新しく物語を綴っていきます。

設定は流用することはありますが、
完全一致というわけではありません。

ご迷惑をお掛けしますが、
それでも読もうと思われる方がいれば
どうかこれからもよろしくお願いします。

没案をどうするかは考え途中ですが、
その辺りは今後決定次第報告いたします。

改めまして、この度のこと、誠に申し訳ございません。


目覚めた場所は裏ダンジョンの一軒家でした

 

魔物

 

そもそもコイツらが何かと言えば、

この世界における癌細胞のようなものだ。

 

魔力という前世には存在しないものにも、

勿論法則が存在する。

 

現実のエネルギーと同じで、

魔力の変換効率を0にすることは極めて難しい。

なら変換しきれなかった魔力はどうなる?

その正解こそ魔物の存在だ。

 

魔法など、魔力を使用するたび

変換出来なかった余剰分が澱みとなり、

大気中に拡散する事となる。

これが一定量集まる事で魔物は生まれる。

謂わば魔物は人類の負の遺産なのだ。

 

故にこの世界では魔物が住む魔域、

人間の住む整域と場所が分けられている。

ついでに言えば戦場は乱域と呼ばれ、

整域の住人は魔域や乱域に来る事はまず無い。

 

そしてこの魔物こそ実は『リベプリ』において

最も重要な要素と言っても過言ではない。

なんならラスボスも魔物である。

 

国家間の戦争に何故魔物が関わるのかは、

まぁ追々語るしよう。

 

 

………………

 

 

息を潜める

 

俺が隠れている茂みの側を、巨大な魔物が通る。

 

「shrrrrrrr…」

 

大きな毛玉のような見た目の魔物

だがよく見れば毛の一本一本全てが

小さな蛇だと分かるだろう。

蛇と蛇の隙間から溢れ出す溶解液

そして正面にはいかにもな単眼の目玉

 

「…」

 

ソイツがゆっくりとこちらに近づく

 

残り5m

 

4m

 

3m

 

今!

 

抜刀

 

「shi⁉︎ 」

 

遅い

 

「FshAAAA!」

 

一閃

 

「ふぅ…」

 

刀を納刀しつつ魔物を見れば、

目玉ごと綺麗に上下に分かれている。

 

「蛇毛の一体一体が

 別の魔物じゃなくて良かった」

 

おそらく"雷雲"で対処は出来るが、

騒音で他の魔物が集まってきたらお終いだ。

 

「うげぇ…ひでぇ匂いだ…」

 

溶解液をぶち撒けながら死んでるから

腐ったような酸っぱい匂いが漂ってくる。

 

氷結(フリーズ)

 

死体を凍らせて処理する。

 

「魔物が寄ってくる前に移動しよ…」

 

さて、何故俺がこんなことをしているかというと

それは俺がシオンを落ち着かせて、

混浴や添い寝を回避した後の次の日まで遡る

 

 

………………

 

 

俺が目を覚ますと、

シオンは台所で料理をしていた。

 

「あら、起きたの?

 もうすぐ出来るから座って?」

 

「…あいよ」

 

新妻気取りかコイツ?と思ったが

口に出すとまた面倒そうなので言わない。

 

座りつつ、シオンを観察する。

 

…黙ってりゃマジでただの美人だな。

しかも絶世とかいうレベルじゃねぇし。

こんな状況じゃなきゃ喜べるんだがなぁ

 

「なんでこうなったのやら」

 

「…?何か言った?」

 

「いんにゃ、ただの独り言だ」

 

地獄耳かな?

 

「〜♪」

 

シオンが浮遊させた包丁を操り具材を斬る。

 

…本人が地獄そのものだったな

 

さて、色々あるが考えるべきはそこじゃない。

重要なのはこれからどうするか、だ

 

…ん?

 

…ありゃ?

 

…そういえば俺

 

「…生きる目的無いな?」

 

元々転生した直後に死神がコンニチワしたから

生き残ることに全力を注ぎ過ぎて

他の目的が何もありゃしない。

 

「出来たわよ…考え事?」

 

「んぁ?まぁ、ちょっとな」

 

なんかもうコイツの相手は慣れてきたな。

確かに強さはとんでもないが、

それを向けられなきゃ同じ人間な訳だし。

…いや、()()()()純粋な人間じゃねぇけど

 

そんな事を考えつつ、朝食を食べる。

この世界で白米、味噌汁、キュウリの浅漬け、

焼き鮭を食えるとは思わなんだ。

 

「箸の使い方は分かる?」

 

…そういやこの世界じゃ少数派か、箸。

怪しまれるか?…飯が先でいいや。

 

「使えるよ。いただきます」

 

そう言って食べ始める。

 

「美味ぇ…」

 

幸せである。生きてて良かった。

やはり和食こそ正義だ。

 

「ふふっ…♪」

 

それを嬉しそうに眺めるシオン。

 

「お前は食べないのか?」

 

「えぇ、私朝は食べないの」

 

それなのに俺の分は用意するのか…

あれ?コイツもしかしていい奴?

 

「でも良かった。

 私誰かにご飯を振る舞うの初めてだから、

 美味しいと言ってくれるか心配だったの」

 

頬を赤らめつつ語るシオン

どうしよう

めちゃくちゃ健気に尽くしてくれてる。

普通に可愛いぞコイツ

おかしいなぁ?

コイツ初対面でチーム全滅させて

俺の命を数秒単位で危険に晒した

とんでもないやつの筈なんだが…

 

「誰かに美味しいって言われるのが、

 こんなに嬉しいなんてね…」

 

…あぁ、一個思いついた。

()()()()()()()()()()()()()()()()

寂しいくせに孤高を気取ってるコイツに

お前なんざ大したことねぇって突きつけよう。

うん、そうしよう。

そうすりゃ俺は唯一対等な人間じゃなくなるし

シオンも絶対強者なんかじゃなくなる。

それならシオンも他の奴と交流するだろう。

となれば俺も解放される。名案だな!

 

「…ご馳走様、

 わざわざ作ってくれてありがとな」

 

食器を片付けながら礼を言う。

…これだけで嬉しそうにするなよ。

どんだけ人と交流してないんだコイツ。

 

飯を食い終わった後、

シオンに頼んで裏庭を使わせて貰う。

 

「広っ…」

 

サッカーコート3個分くらいの広さがある。

何に使うんだよ…

 

それはそれとして、

俺自身の要素が色々新しくなったことだし

実施訓練と行こう。

ゲーマーの性か、少しワクワクする。

 

刀に手を掛け、抜刀する。

(あおぐろ)い刀身が暗く光る。

 

正面に構える。

まずは夜霜丸の振り心地を確かめる。

 

「スゥ…フゥ…」

 

縦振り、横振り、袈裟懸け、突き

しっかりと振り抜くようにして刃を振るう。

 

…うん、良い刀だ。

元々使っていたtvpe-2より重いが、

寧ろその方が扱い易くて助かる。

一撃の重さが違うしな。

 

「ふぅ…」

 

そろそろ、技を試しそうか。

 

右手の刀を水平に構え、左手を前に出す。

 

「"雷雲"」

 

切る ()る 斬る

 

まるで球状の結界のように、

隙間なく斬撃で全身を覆う。

 

やはり振り易い。

元々刀を使う流派だからな。

型としてやっと正しい形という訳だ。

動きを止め、次の技へ移る。

 

氷柱(ピック)

 

自分に向けて低速で氷柱を放つ。

 

脱力した体を傾ける。

地面に倒れ、氷柱が突き刺さるその瞬間

 

「"雷切"」

 

一刀

 

体を加速し、氷柱を両断する。

 

うん、破魔の力も問題無く発揮出来てる。

魔法で作られた刀の筈だが…

まぁバグかなんかだ。気にしないでおこう。

 

さて、最後の技に移る前に

新しい肉体の力も試しておこう。

 

魔力を意識する。

全身を流れるそれを、一気に加速する。

 

「ッ!」

 

体中の細胞が活性化する。

これが魔力循環

魔物特有の身体強化

やはりこれの利点は、

他の身体強化魔法と併用可能という点だろう。

二重強化の恐ろしさは、

知能が高い魔物との戦いでよく知っている。

…いや氷魔法の身体強化は産廃だけど

 

うーん、次は…

 

「よっ!」

 

空中へ跳び上がる。

体を反転させて空へ足を向け

 

「せぁっ!」

 

空間を蹴り飛ばして加速する。

神通力

空を駆ける…というより、

形の無いものに触れる能力だ。

液体や気体、空間に対して直接作用出来る。

機動力が上がったのは良いことだ。

 

地面に片手をついて

そのままバク転して着地する。

うん、鬼の怪力もちゃんと備わってるな。

 

他にも再生力が向上してたり、

魂の直視や角による魔力吸収力の向上、

さらに奥の手もあるが、それは今は置いておこう。

 

「さぁ、最後だ」

 

刀を鞘に納め、片足を引く。

 

「スゥ…」

 

目を瞑り、意識を集中させる。

空間の認識さえ曖昧になっていく。

分かるのは、握っている刀の感覚だけ。

どこまで潜り、研ぎ澄ませ…

 

「…"鳴神"」

 

抜刀

 

一閃

 

目を開ければ、目の前の空間がズレている。

すぐに元に戻るものの、

確かに俺は空間を切断した。

 

「…うん、出来る」

 

あの日あの瞬間、俺は"鳴神"を放った。

それは死に際の底力だったかもしれない。

だが、確かに今俺の力になってくれている。

 

「そういや、アレは出来るのか?」

 

刀を納刀し、手を上に向ける。

 

死に際に俺が成したことは二つだ。

一つ目は"鳴神"、そして二つ目は…

 

氷刀(エッジ・オブ・クレバス)

 

手元に魔力が収束し、

一本の氷の刀を編み上げる。

 

「…出来た」

 

嘘だろ?出来ちゃうのかよ。

オリジナル魔法 氷刀(エッジ・オブ・クレバス)

ぶっちゃけ魔法スキルのレベル錯誤が過ぎる。

スキルツリーの過積載(オーバー)具合が酷い。

 

「連発はできないな…」

 

魔力消費がクソ重い。

最大でも3回が限界

他の戦闘考えると2回が現実的ってとこだ。

 

「まぁ刀を創る機会があるかと言われると…」

 

高威力遠距離攻撃したい時くらいか?

氷魔法は氷柱(ピック)以外射程が短いからな。

…ぶっちゃけコスト的に銃撃った方がいいが

 

「…そういえばシオン」

 

「何?」

 

呼んだら隣にいるのやめて?

普通に怖い

 

「ここに銃火器の類はあるか?

 出来ればライフル系統が良いんだが…」

 

単発式で長め、軽いライフルが欲しい。

 

「ん〜…参考になりそうなものある?」

 

「俺の部隊が持ってたマークスマンライフル」

 

そういや俺の銃どうなったんだろ。

シオンに吹き飛ばされた時には

もう無くなってたし、

今でもあの場所に転がってるかもな。

というか参考…?

 

「なるほどね。

 ちょっと待っていてくれる?」

 

そう言ってシオンは魔力を集中させ…

おいおいおい待て待て待て

 

「おいちょっと待っ」

 

創製(クリエイト)

 

…わぁ立派なライフルだぁ(白目)

 

シオンの手の中には

マークスマンライフルが握られている。

形はまんま俺の持っていたものと同じ、

所謂モシンナガンと同型だ。

艶消しのされた真っ黒な銃身。

うん、完璧なんだが…完璧なんだがぁ!

 

「はい、これでどうかしら」

 

そう言って俺にそれを手渡すシオン。

 

「あ、あぁ、完璧だ。ありがとう」

 

顔が引き攣るのは許して欲しい。

連続でとんでも武器を渡されると

脳がイカれそうになる。

というかこれで俺の武装全部真っ黒だ。

髪が黒いままだったら

無駄にしぶといし渾名はゴキブリ野郎だな。

 

「…」

 

氷刀(エッジ・オブ・クレバス)を消して、銃を構える。

銃弾は既に装填済みだ。

的はそれなりの魔法で作った氷の塊。

 

「…!」

 

トリガー

火薬が弾け、銃弾が吐き出される。

そして…

 

着弾

 

「…ハハッ」

 

乾いた笑いが漏れる。

弾丸は氷を貫通し、どこかへ飛んでいった。

まだ魔法による強化すらしてないんだが?

どうして俺の(Lv.95)魔法を貫くんだよただの弾丸が

 

「満足頂けて?」

 

「あぁ、満足感で溺れそうだよ」

 

今回創ってもらった銃は長くは持たない。

あくまで仮の物だが、充分過ぎる性能だ。

 

銃を背中に背負い、刀を腰に挿す。

うーんこれこれ、安心感が違ぇや。

ちなみに俺の格好は紺色の甚平である。

どうせこれもとんでも素材性だ。

 

「そういやこの家って住所どこ?」

 

「蓬莱山の中腹辺りね」

 

へぇ蓬莱山

…蓬莱山!?!?

最後のエンドコンテンツこと蓬莱山!?

廃人しかいない我らが故郷蓬莱山なのここ!?

 

「…どうかしたの?

 …あぁ、蓬莱山っていうのは

 この世界で最も魔物が発生しやすい場所よ。

 多分私以外はこんな所に住んでないわ。

 その辺は安心して」

 

安心する要素が何もありゃしないな。

エンドコンテンツ 蓬莱山

見た目としては原生林に包まれた広大な山

その特徴を簡単に言えば、

無限出現&超高レベル&突然変異の魔物の軍勢だ。

それを切り抜けて頂上まで登る事で

初めて裏ボス…つまりシオンに挑めるのだ。

まさか同じ場所に家もあるとは…

 

「…いや、好都合か?」

 

レベル上げをするには最適の環境だ。

正面からは流石に厳しいが、俺には"鳴神"がある。

特殊部隊としての隠密を合わせれば

奇襲からの一撃必殺でどうにか…なるか?

 

「やってみるか」

 

頂点を目指す以上普通の方法じゃあ辿り着けない。

多少の無茶は許容しなきゃダメだろうな。

それに俺も『リべプリ』をやり込んだ

所謂廃人の一人である。

全魔物の行動パターンくらい把握済みだ。

無論現実になったことによる差異はあるだろうが、

有利な事には変わりない。

 

凍球(シェルター)

 

防御魔法を試す。

氷の半球を作り出し、全方位を守る。

 

「シャッ!」

 

それに対して斬撃を浴びせる。

刃は半ばまで半球を切断し、停止する。

 

「まぁ無いよりはマシか」

 

ある程度は軽減してくれる。

 

氷盾(シールド)

 

自分の周囲に3枚ほどの氷の盾を出す。

 

「フッ!」

 

刀を振るうも、少し傷つけるだけに留まる。

使うならこっちだな。

 

他には…相手が居なきゃあんま意味ねぇな。

 

「シオン、この家の出口に案内してくれ」

 

「良いけれど…どうするの?」

 

「ちょっと自分磨きをしたい気分なんでな」

 

 

………………

 

 

ということがあり現在サバイバル中だ。

シオンの家は円状の結界で囲まれていて、

外からは見えなくなっている上、

魔物などの外敵は消し飛ばす物騒な代物だった。

位置としては中腹と言っていた通りなら

間違いなく入り口は遥か遠い場所の為、

蓬莱山の奥深くに俺はいることになる。

そんな場所の魔物と戦って無事で済むわけがない。

 

いかにバレない状態で2m("鳴神"の射程内)に行くか

これが今の俺が考えなければならないことだ。

意識外から一撃で両断して仕留める。

これが出来なきゃ命懸けの死闘をする羽目になる。

 

俺の元々のレベルは鬼補正無しで60。

そして現在のレベルは補正無しで72、

補正有りなら124だ。

割とまぁ高いが、1000と比べるとなぁ…

無論装備込みならもっと高いだろうが、

いかんせん詳細な情報が分からんからな。

色々機能あるけどどれぐらい通用するか…

 

「っと来たな」

 

今俺は木の上で通り過ぎる魔物を

待ち伏せしている。

かなり背が高い木の為、発見のリスクは低め。

ただこれにも運が関わる。

何しろ大量の種類の魔物がいる。

当たりなら即死させられるが、

大ハズレなら間違いなく死闘は避けられない。

 

「おっ、当たりか」

 

今回来たのは亜人系の魔物。

確か真紅狼人(クリムゾンウェアウルフ)だっけ?

真っ赤な体毛を持つ人型の狼だ。

この距離ならギリギリ匂いを感知されないし、

囮用に魔物の血を固めた塊をいくつか置いてある。

 

「grrrrr…」

 

狼人が俺の真下に来た瞬間、

刀に手を掛け、枝を蹴り飛ばし加速する。

 

「grr…Ga⁉︎」

 

気づいたらしいが既に射程圏内だ。

 

抜刀

 

「Gyaa!?」

 

一閃

 

狼人が縦に真っ二つに割れる。

 

「今回は楽だったな」

 

さっき狩った単眼呪蛇群(フロキュロスメドゥーサ)はヤバかった。

アイツは熱感知と匂いで判断するから、

自分の体温を氷魔法で冷やして誤魔化して

どうにか射程までおびき寄せられたが、

そうじゃなきゃ石化の魔眼と溶解液、

毒の蛇の大群と戦う羽目になるところだった。

 

氷結(フリーズ)

 

狼人の死体を凍らせてから砕いて処理し、

木の上へ戻っ…

 

「っぶね!?!?」

 

跳んだ瞬間に体を回転させ、

高速で迫る攻撃をどうにか避ける。

 

攻撃は背後の木の幹に着弾し、

真っ青な炎に木全体が包まれる。

 

「青い炎…!?マジかお前かよ…!?」

 

振動と共に目の前の()()が持ち上がる。

見えるのは数十本の巨大な大樹…いや、()

 

「「「GyuRuooooooOOO!!!」」」

 

巨首樹海蒼龍(アズラリィギガルヒュドラ)…!

 大ハズレ中の大ハズレだクソが!」

 

見上げるは生きる樹海

視界全てを埋め尽くす荘厳な巨樹群

巨大な根が集合して胴体を形成し、

一つの幹と複数本の本枝が首として鎮座する。

先端は龍の顎であり、

牙の隙間から真っ青な炎…蒼焔(ナパーム)が漏れる。

 

「正真正銘この山の生態系最上位!

 クソッタレの龍種(トカゲ)の木偶の坊が!

 俺が木こりならテメェは焼却一択だ!」

 

「「「Gaa!!!」」」

 

罵声への返答は強烈な蒼炎(ナパーム)息吹(ブレス)

何十の首全てが蒼い火球を放つ。

 

「チィッ!?」

 

それに対して氷魔法を付与(エンチャント)した銃を構え

 

「撃ち落としてやるよ…!」

 

トリガー

 

火球全てに凍てつく弾丸を撃ち込んで相殺する。

 

「ハッ!その程度の火力で焼けると思ったか?

 キャンプファイヤーなら他所でやr」

 

「「「GyuoooOOO!!!」」」

 

「ウッソだろお前ぇ!?」

 

ナパームを打ち消した瞬間

いくつもの顎が俺を喰らおうと突っ込んでくる。

 

「このっ…シャァッ!!」

 

それらに刀を叩き込み、

その勢いを利用し

風に流される枯葉の如く躱し続ける。

 

「ハァ…!ハァ…!クソが!」

 

シオンのお遊びと違って

本気で殺そうとしてやがる!

ちったぁ手加減しろやこの木偶龍が!

お前と俺のレベル差を考えて…ん?

 

「いや、同じくらいじゃね?」

 

(ヒリュウ) 推定Lv.124

巨首樹海蒼龍(アズラリィギガルヒュドラ) 推定Lv.150

 

そんな変わらねぇ!

レベル差は50が絶望ラインだ!

逆に言えばそれ以下は下剋上の可能性がある!

なんなら装備込みならマジで対等だわ!

そりゃ殺しに来るわ!ごめんな木偶龍!

 

「「「Gyururu…」」」

 

様子を伺う木偶龍に向かって構える。

右手の刀は相手へ向け、左手の銃は肩に担ぐ。

 

「上等だ木偶龍。

 この世界初めての対等な殺し合い。

 テメェと踊ってやろうじゃねぇか!」

 

「「「GyaRuaaaaaAAA!!!」」」

 

巨首樹海蒼龍(アズラリィギガルヒュドラ)が咆哮すると同時に、

俺も魔力を高速で循環させる。

無論、このままでは身体能力では勝てない。

というわけで、鬼の能力の一つをお見せしよう。

 

魔を喰らえ(鬼角解放)!」

 

額の角が黒く輝く。

空気が震え、高速で周囲の魔力を吸収する。

 

鬼の能力が一つ、角による魔力の高速吸収

この能力の真価は、

魔力循環の使用中発動することで、

俺自身の容量を超えた魔力を体内で回し、

人間を超えた怪力を得ることが出来る。

 

限界を超えた循環出力の余波で

漏れ出した魔力が朱色の炎となり、

蒼炎(ナパーム)と共に龍と人を彩る。

 

「さぁ!踊ろうぜバレリーナ!

 血飛沫飛び散るダンスショーの開演だ!」





武器解説


・夜霜丸
魔法で出来た物品は
長持ちしないという常識を無視したバグ

元から規格外のシオンの魔法と
死に際のヒリュウの執念が合わさった結果
とんでもない妖刀となっている

シオン曰く実質ヒリュウとの子供らしいが
ヒリュウ自身は認知していない


・黒銃(仮)
シオンがヒリュウの為に作ったライフル

形はモシンナガンに近い

こちらは魔法の性質に違わずいずれ消える
それをシオンのバカ魔力でゴリ押しし
長持ちさせているだけの代物

素の火力がレベル100の魔法攻撃レベルであり
魔力の付与でさらに火力は跳ね上がる

ヒリュウの今回の鍛錬には
本命の銃の素材を集める目的もある。
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