無双ゲーの無双される側に転生したので、ネームド達を避けつつ生きていき…たかったなぁ? 作:ムクロウ
それはそうと本編どうぞ
夜霜丸
今のところ俺の中で理解不能度No.1の妖刀
ゲーム内に登場しないどころか、
俺のオリジナル魔法の残骸を
世界最強の魔法で復元した
控えめに言って頭のおかしい一振りだ。
能力が俺の魔法とも
シオンの魔法とも違う点もおかしい。
どう足掻いてもイレギュラーな存在
さらに言えばコイツは妖刀、意思がある。
そのベースはなんだ?
つまりこの刀は魂を持っていることになる。
いくらシオンでも魂までは創れない。
一体お前はどこから来た?
いや、或いは初めから居たのか…?
だが、とりあえず言えることが一つある。
何があったとしても、コイツは俺を裏切らない。
それだけは絶対だと、俺の魂が言っている。
頼りにしてるぜ、相棒
あっこらお前俺のたくあんを食うな!
…………………
「ふぅ〜…流石に死ぬかと思ったぜ」
『
出血しまくってる体を自己再生で治癒する。
周囲一帯は灰が舞い、
まるで雪のように地面を覆っている。
「これにて鷹狩り完了…成果は四つかぁ」
目の前でソレを拾い上げる
低確率でこのアイテムを落とす。
「
数少ない蘇生アイテムは
欲を言えばもう少し欲しいが…ん?」
ふと別方向で人為的な魔力の動きを感知する。
空間の揺らぎ、転移の兆候だ。
「
いや、それにしては魔力の反応が弱い。
…まさか転移事故か!?」
ヤバいな、人間だった場合
この魔力の弱さだと魔物の餌だ!
原作キャラだった場合洒落にならん!
「
体から朱色の魔炎を吹き出しながら山を駆け降る
木偶龍の気配で大半の魔物は逃げるが、
どうやら転移してきた人間は怪我人らしい。
血の匂いに惹かれてソイツの周りの魔物だけは
逃げようとしない。
炸裂弾では人間ごと巻き込む為、
今回龍撲による狙撃は不可能だ。
なら手段は一つだ!
「さっさと解体してやるよ!」
刀を抜刀しつつ、茂みを抜けると
「っ…!居た!」
かなりの魔物が群がってるせいで
人物の判別はキツイ!
気配の感覚からしてまだ深傷は負ってないな!
目に魔力を集中し、魂視を発動させる。
一つだけ明らかに違う魂がある。
魔物だけ切り刻んでさっさと助ける!
「どけ」
踏み込み、加速
すれ違いざまに人以外の全てを切り刻み、納刀
「「GyuaaAAA…!?」」
「鈍間な愚図どもが」
さて、どんな奴がここに…
「だ、誰ぇ!?」
…あ〜、こりゃ
「その角ぉ…まさか鬼ぃ!?
助かったと思ったら結局魔物ぉ!?」
クソ面倒な事になりそうだ
………………
「ハァ…!ハァ…!」
走る 走る 走る
「ここぉ…ハァ…どこぉ…!?」
転移魔法の実験をしていたはずなのにぃ!
「「Gyaaa!!」」
「ヒッ…!」
後ろから大量の魔物が押し寄せてくる
見た事もない強大な魔物達が
至る所から湧き出ていた
「こ、こんな場所知らないぃ…!」
こんな危険地帯あり得ていい訳ないぃ!
そもそもここは私が居た世界なのぉ?
まさか異世界にでも飛ばされたんじゃぁ…
「キャッ!?」
木の根に足を取られて転んでしまう。
「痛っ…!?」
すぐに立ち上がろうとするが、
足を挫いてしまい立ち上がれない。
さらには太ももを切ってしまい、足を血が伝う。
「「GuGyuaaa!!」」
「ッ!」
大量の魔物がこちらを喰らおうと
土砂降りのギロチンとなって降り注ぐ。
なるべく痛みなく殺してくれるといいなぁと
そう思った瞬間
「どけ」
雷光が迸った
迫っていた殺意の刃は
その全てが粉微塵に切り刻まれ、
血飛沫すらも形を残さない。
「鈍間な愚図どもが」
背後から声と共に、チンッという音がした。
私は慌てて振り返る。
「だ、誰ぇ!?」
始めに目に入った色は白
肩周りで切り揃えられた髪
次は黒
螺旋型の溝がある一本角
最後は黄金
瞳孔が縦に裂けた人外の瞳
「その角ぉ…まさか鬼ぃ!?
助かったと思ったら結局魔物ぉ!?」
鬼
魔物の中でも最悪クラスの化け物
異常な戦闘能力と高い知性
村を作り繁栄するという特性があり、
その性格は非常に攻撃的かつ野生的
弱肉強食を体現した考え方だ
1番マズイのはその悪食さで、
生物であればその全てが捕食対象となり
空腹であれば同族以外は
生きたままでも喰らう残虐さも併せ持つ。
まさに生物が出会いたくない存在である
(わ、私の人生結局ここまでぇ…?)
絶望して鬼を見るが、
鬼の目に敵意は見えない。
それどころか呆れたような雰囲気を感じる。
それに加えて腰には真っ白な刀
鬼は金棒等のの怪力を活かせる武器を好む。
それらとは違い技量が大きく関わってくる刀は
あまり鬼が好んで使うものではないはずだ。
さらに服も適当なボロ布ではなく
上等な仕立ての着物姿
明らかに通常の鬼とは違う。
(一体ぃ、何者ぉ…?)
「…とりあえず落ち着いたか?
だったら移動したい。
こんなところでジッとしていると
また魔物が寄ってくるぞ」
「ッ!?」
そうだ!早く移動しないと!
「痛ッ!」
立ち上がろうとして、
足を怪我していたことを思い出す。
「ん?怪我してんのか。
俺は回復系の魔法は使えねぇし…」
「えっとぉ…
助けてくれてありがとうございますぅ?」
「どういたしまして。
それよりお前ポーションは作れるか?」
「えぇ、作れるけどぉ…」
この人本当に鬼ぃ?
めちゃくちゃ理性的なんだけどぉ…?
「この山に生えてる草花は全部最上位素材だ。
簡易の設備でも普通のポーションより
回復力が上のポーションが作れるだろ」
彼が懐巾着から木の球を取り出し、
それを一瞬で調合道具へ変化させる。
「えぇ?今ぁ…」
魔力を使って無かったようなぁ?
「んじゃ材料を取りに行くぞ」
「キャッ!?」
そう言って私を持ち上げ、肩に担ぐ鬼。
「後、俺は鬼じゃねぇ」
「じゃ、じゃあその角はぁ?
鬼にしかそんな角は生えませんよぉ?」
「そりゃな。俺鬼人だし」
「は、半人半魔ぁ!?
じ、人類の敵ぃ、最大の禁忌ぃ!?」
か
「…何考えてるかは何となく分かるが、
させねぇよ?しようとしたら殺す」
「し、しませんよぉ!…多分」
「ハァ…」
その人は大きくため息を吐いた後、
森の奥へと進んでいく。
それにしてもぉ、この人は何者なんだろぉ?
こんなにも近いのに一切魔力を感じませぇん。
凄まじい魔力隠蔽能力ですぅ。
特殊部隊の精鋭中の精鋭でもない限りぃ
ここまでのステルス能力は身に付かないはずぅ…
「…面倒くせぇ」
それにこの人の顔ぉ、どこかで見覚えがぁ…?
………………
クソ面倒な事になった。
何でよりにもよってコイツなんだよ。
俺の肩でブツブツと何かを呟く厄介者を見る。
紫に緑が混じったネオンカラーのボサボサ長髪
萌え袖白衣にダボっとした黒シャツ
眼鏡のレンズ越しに見える瞳は水色のタレ目
「何でこんな事にぃ…?
でも結果的に幸運だったかもぉ。
半人半魔なんてこれから先会えないだろうしぃ
観察できるだけでも知見が得られるぅ…!
問題は私の動体視力が良くないことだけどぉ
それでも日常動作くらいならぁ…
いや、いっそ寝てる間に触診を…」
「えいっ」
「ふみゅっ!?」
不穏な事を言い始めたので、
腹の肉を摘んで黙らせる。
「ひ、酷いですぅ!
乙女への扱いが無神経過ぎませんかぁ!?」
「乙女が解剖のことでトリップしてたまるか」
油断も隙もねぇ
コイツの名はプロファナ・ヴィディオス
二つ名は『
ドジで生活力皆無なお姉さんキャラ…
…の皮を被ったとんでもねぇサイコパス
帝国所属の稀代のマッドサイエンティストだ。
コイツの救えねぇ所は多々あるが、
1番は禁忌とされる事柄への異常な興味だ。
『リベプリ』では好感度を上げることで
その人物の思い入れのある場所が
アンロックされる仕組みがあった。
プロファナの思い入れのある場所は研究所だ。
そこにはキメラの入った培養液に
魔法と生物の融合実験のレポート。
さらには時空関係の装置が設置されており
改めてヤベェ奴なのが再認識することとなった。
「確かに私は乙女とは言えませんけどぉ…」
「黙ってろ全身凶器」
「あの強さの魔物達を瞬殺する人に
凶器なんて言われたくありませぇん」
コイツは自分の体すら改造している。
体中の骨や筋肉はそのまま武器の形へと
変化することが可能な正に全身凶器
俺が助けた時も右腕は大鋏に、左腕は大鎌に、
胴体の大部分は巨大な口になっていた。
コイツがほとんど怪我をしていないのも
魔物達がそのあまりの異質さに
捕食することを躊躇ったからである。
気持ちは分かる。俺も一瞬斬るか迷った。
「にしたって何でこんなとこに?
ここは人間が居ていい場所じゃないぞ」
「空間魔法の実験が失敗しちゃってぇ…
気付いたらここに居たんですぅ…」
やっぱ転移事故か。
というか確か本編でプロファナは
何か魔物にトラウマがあるようだったな。
つまりこれは元々のシナリオ…うん?
あっ、また俺原作破壊してる!?
「ウゴゴゴゴゴ…」
思わず頭を抱える。
「ど、どうしましたぁ?」
おっと今はそれどころじゃない。
反省会は後回しにしておこう。
「なぁ、帰る手段とかあるのか?」
原作でもこのイベントは起きていた。
つまりコイツは生きて帰る手段があるのだ。
多分本来の流れとしては
魔物達が襲いかかるものの
プロファナの人外魔改造変形にビビって後退
それに気づいたプロファナがその隙に転移して帰還
…という感じだろう。
「あっ…こんなものがありますぅ…」
そう言って俺に三つの金属板を見せる。
転移板
発動に少し時間がかかるが、
指定した場所に転移することができるアイテム
「んじゃなんで使わない?
さっさと帰って治療すればいいだろ?」
「いやぁ…そのぉ…
ここの植生とか知りたいなぁ…って思ってぇ…」
「…降ろすか」
「まっ、待ってくださいぃ!
お礼はちゃんとしますからぁ!」
降ろそうとするとジタバタ暴れ、
体を変形させてまでしがみついてくる。
「ウゼェ…」
「あぁっ!今ウザいって言いましたぁ!
私だって傷つきますよぉ!?」
「知らん。つーか変形すりゃ自分で動けるだろ」
「各部位で変形できる形の種類は
あらかじめ決まってるんですよぉ…
今回怪我した右足は移動形の軸部分で
変形しようとすると激痛でキャンセルされて
変形出来ないんですぅ…」
「肝心な時に役に立たないポンコツ…」
「言い方が酷すぎますぅ!」
確かゲームではそんな仕様じゃなかったし
多分この一件から改良したんだろうな。
「おっ、これだこれ」
「これはぁ…花ぁ?」
俺の目の前には白い花が咲いている。
「
「どんな特性がぁ?」
「摂取することで全状態異常の解除効果と
身体欠損までの傷の修復効果がある。
ただし生で食べると
肉体が弾け飛ぶ羽目になるがな」
「ほぇ…」
最上位素材は効果が高過ぎて
逆に扱いづらいものが多い。
何故なら使用者がその場所と同レベル帯なことが
前提条件として存在しているからだ。
「この通り素材は沢山ある。
さっさと治療して元いた場所に帰れ」
「そのぉ…お礼は何をすればぁ…?」
そういやなんか言ってたな。真面目な話だったのか
「んじゃ転移板を一つくれ。
行き先はどこでもいいから」
「そ、それくらいなら全然いいですけどぉ…
流石に命の恩人にするお礼としては
足りませんよぉ?」
転移板を受け取る。
行き先は…帝国の郊外付近か
中々いい場所の奴を選んでくれたな
「いや…別に他に欲しいものないし」
強いて言えば強さだが、
それを他人に欲しがるのはド三流だしな。
「じゃ、じゃあ私の体とかぁ…どうですかぁ?
私ぃ…貴方にならぁ…いいですよぉ…?」
わざとらしく体を擦り付けてくるプロファナ
「…お前、あわよくば遺伝子を採取出来れば
とか思ってるな?」
「お、思っていません…よぉ?」
「露骨だなぁオイ」
好意向けてきてる美女二人がどっちもヤベェ奴なの
どうにかなんねぇかな?
「でもやっぱり何かお礼はさせて貰わないとぉ、
私としても困るんですよぉ」
「んなこと言われてもなぁ…」
これ以上関わると
原作への影響がさらに大きくなりそうだし…
頭を掻きつつ考えて、ふと角に手が当たる。
「…半人半魔を人間にする薬って作れるか?」
「はいぃ?」
「いや、不可逆だとむしろ困るから
任意で魔物の因子を
抑え込める薬が欲しいんだが」
そう言いつつ調合道具とプロファナを降ろし、
「なるほどぉ…面白い発想ですねぇ…」
プロファナの瞳に怪しい光が灯る
「出来るか?」
「貴方の細胞のサンプルがあれば
2日以内には作り出せると思いますぅ。
ですが完成させたとしてぇ、
どうやって受け渡しをすればぁ?」
確かに設備が無きゃ研究は出来ない以上、
まずは帰還する必要があるしな。
「俺の魔法で作った氷を渡しておく、
それを触媒に薬を空間魔法で送ってくれ」
「こ、この魔法は一体ぃ…!?」
刀を持ってプルプルと震えるプロファナ。
そりゃビビるよな。
当てはまらないバグ魔法だし。
「気にすんな。俺自身よく分かってない」
「それって放っておいたらダメなんじゃぁ…」
プロファナがドン引きしてるがまぁほっとく
「ほれ、さっさとポーション作れ」
「は、はいぃ!」
高速で調合が進んでいく。
流石は帝国技術部の実質No.2
技術力だけならNo.1より上なだけある。
「で、出来ましたぁ!」
木製試験管の中でポーションが揺れる。
きっちり最高品質の最上位ポーションだ。
「報告はいいから、はよ使え」
足にポーションを振り掛けると、
瞬く間に怪我が治り、それどころか肌が艶めく。
「肉体の最適化による美容効果まであったのか。
流石は最上位ポーション」
さて、そろそろお別れだ
「じゃ、帰りの転移を始めとけ。
その間は俺が警護しておいてやるから」
「あの、サンプルを…」
おっと忘れてた。
夜霜丸を抜く
「っ…!」
顔を青くしながら夜霜丸を見るプロファナ
「よっ」
手首を掻っ切り、血が吹き出す。
「ななな何をしてらっしゃるんですかぁ!?」
プロファナが叫ぶのを無視して傷を治しつつ、
血を氷結させてキューブ状に纏める。
「ほい、言っとくが悪用したら殺しにいくからな
後俺のことを他言しても殺す」
「は、はいぃ…」
なんか狂人を見る目で見られてる気がする
おかしい、サンプルは多い方がいいだろ?
なら動脈捌くのが1番早いだろうに
「今度こそ転移しろ。魔物が集まってくるぞ」
「ヒッ! て、転移ぃ!」
転移板が起動され、魔法陣が現れる。
「あのぉ!最後に名前をぉ!」
あん?教えて無かったか
「ヒリュウだ。あぁそれともう一つ…」
コイツ帝国側だし口止めはしたから、
ついでにこの体の知名度を測るとしよう
姿勢を正し、敬礼をする
「帝国軍特務実働部隊scavenger所属
クローンID-4771
コードネーム『Henker』であります!
…なんてな」
「は?」
プロファナの目が見開かれる。
ありゃ?もしや俺結構有名人?
「グリムぅ!?貴方生きt」
転移が発動し、プロファナの姿が消える。
…というかグリムって、誰?
ヒリュウの能力まとめ
タケミカヅチ流剣術
・雷雲
・雷切
・鳴神
擬似剣術
・オロチ流
・ラインハルト流
帝国式体術
・墜天
氷魔法
・冷気《チル》
・冷気纏い《チラー》
・氷刀《エッジ・オブ・クレバス》
・氷鏡《ミラー》
・氷柱《ピック》
・氷球《シェルター》
・氷盾《シールド》
人体改造
・自己再生
→過剰燃焼《オーバースロットル》
(代償・カロリー)
魔物能力
・魔力循環(魔力消費無し)
鬼の権能
・鬼角解放《魔を喰らえ》(制限時間有り)
・神通力
・魂視
龍の権能
・樹鱗操作(代償・水分)
・蒼炎《ナパーム》(代償・骨)
夜霜丸の権能
・『夜闇は優しく私を殺す』
《ナイトメア・マーキネス》
(治癒無効・半径15m)
[検閲済み]
「これ以上の覗きは許さねぇよ」